203 / 230
ローファン王国・ビラン街
杞憂
しおりを挟む
「あの、ミノル様が人間ではなくても、全然問題はないんですが? と言うか、ミノル様が普通の人間だなんて、最初から思っていませんでした」
「へぇ? なんで?」
「普通の人間が、単独でジャイアント・レッドベアーを狩れるはずがあません。冒険者や冒険者ギルドの職員で、ミノル様を純粋な人間だと思っている者は、1人もいないはずです」
「え~と、だったらオードリーは俺を何だと思っていたの?」
「そうですね、私は見たことも聞いた事もありませんが。ハイエルフがいるように、人間種にもハイヒューマンがいて、ミノル様はハイヒューマンみたいな方だと思っていました」
「それでも俺の子供を産んでくれる気だったんだ?」
「愛することに人種は関係ありませんよ、ミノル様。私はミノル様を愛したのであって、種族などは関係ありません」
「そうか、ありがとう」
「それで、ミノル様が人間でないことの、問題とは何なんですか?」
「え~とね、俺が人間じゃないから、オードリーに宿った子供が、オードリーから魔力や体力を奪うんじゃないかと心配になったんだよ」
「まぁ! それは大変です! 私ではミノル様の子供を産むことができないのでしょうか!」
「いや、その、まだそれがはっきりしないんだ。オードリーに宿った子供が、オードリーから魔力を必要にするのか、それともハーフエルフやハーフデビルのように、特に母親から魔力を必要としないのか、妊娠してみないと分からないんだよ」
「失礼な事を聞くようですが、ミノル様の父上様や母上様に、お聞きする事はできないのでしょうか?」
「残念だけど、もう同族とは連絡できないんだ」
「そうなんですか、それは残念です。もし死ぬことになっても、ミノル様の子を産む決意に変わりはないですが、無事に産むことができるかどうかが気掛かりです」
(ミノルは息をするように嘘をつくな)
(全部セイの所為だろうが!)
(すまんすまん、まあオードリー不安がらせる事はないのではないか? 早く何かあった時のために、従魔と交代で、つきっきりで見守ると言ってやれ)
(そんな事は言われなくても分かっているよ)
(そう言う割には、言いよどんでいたようだが?)
(うるさい!)
「ミノル様、どうかなされたのですか?」
「いや、ちょっと考え事をしていてね」
「他にも心配事がおありなのでしょうか?」
「ないないない、オードリーと俺の間にできる子供以上の、心配事などないさ」
「まあ、そう言って頂けたら嬉しいです」
「それでなんだが、俺にはモンスターの従魔がいるんだけど、俺とそいつでオードリーと子供を見守ろうと思うんだ」
「ミノル様が従魔と一緒に、私と子供を見守って下さるんですか?!」
「ああ、そうしたいんだが、従魔と一緒に暮らすのは嫌かな?」
「そんなことはありません! ミノル様に従魔がいた事に驚いただけでございます。ですがもう落ち着きました、どうか私にミノル様の従魔を紹介して下さい」
「へぇ? なんで?」
「普通の人間が、単独でジャイアント・レッドベアーを狩れるはずがあません。冒険者や冒険者ギルドの職員で、ミノル様を純粋な人間だと思っている者は、1人もいないはずです」
「え~と、だったらオードリーは俺を何だと思っていたの?」
「そうですね、私は見たことも聞いた事もありませんが。ハイエルフがいるように、人間種にもハイヒューマンがいて、ミノル様はハイヒューマンみたいな方だと思っていました」
「それでも俺の子供を産んでくれる気だったんだ?」
「愛することに人種は関係ありませんよ、ミノル様。私はミノル様を愛したのであって、種族などは関係ありません」
「そうか、ありがとう」
「それで、ミノル様が人間でないことの、問題とは何なんですか?」
「え~とね、俺が人間じゃないから、オードリーに宿った子供が、オードリーから魔力や体力を奪うんじゃないかと心配になったんだよ」
「まぁ! それは大変です! 私ではミノル様の子供を産むことができないのでしょうか!」
「いや、その、まだそれがはっきりしないんだ。オードリーに宿った子供が、オードリーから魔力を必要にするのか、それともハーフエルフやハーフデビルのように、特に母親から魔力を必要としないのか、妊娠してみないと分からないんだよ」
「失礼な事を聞くようですが、ミノル様の父上様や母上様に、お聞きする事はできないのでしょうか?」
「残念だけど、もう同族とは連絡できないんだ」
「そうなんですか、それは残念です。もし死ぬことになっても、ミノル様の子を産む決意に変わりはないですが、無事に産むことができるかどうかが気掛かりです」
(ミノルは息をするように嘘をつくな)
(全部セイの所為だろうが!)
(すまんすまん、まあオードリー不安がらせる事はないのではないか? 早く何かあった時のために、従魔と交代で、つきっきりで見守ると言ってやれ)
(そんな事は言われなくても分かっているよ)
(そう言う割には、言いよどんでいたようだが?)
(うるさい!)
「ミノル様、どうかなされたのですか?」
「いや、ちょっと考え事をしていてね」
「他にも心配事がおありなのでしょうか?」
「ないないない、オードリーと俺の間にできる子供以上の、心配事などないさ」
「まあ、そう言って頂けたら嬉しいです」
「それでなんだが、俺にはモンスターの従魔がいるんだけど、俺とそいつでオードリーと子供を見守ろうと思うんだ」
「ミノル様が従魔と一緒に、私と子供を見守って下さるんですか?!」
「ああ、そうしたいんだが、従魔と一緒に暮らすのは嫌かな?」
「そんなことはありません! ミノル様に従魔がいた事に驚いただけでございます。ですがもう落ち着きました、どうか私にミノル様の従魔を紹介して下さい」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
476
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる