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アムラ王国・見習村

ノーラ

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「お久し振りです、ミノル様」

「ああ、久し振りだね」

 最初は生意気だったノーラだが、ラーラがしつけけ直してくれたんだろう、礼儀正しくなっている。

「イルオンから聞いた話では、私たちに話があると言う事なんですが、どんな話なんでしょうか」

「違う街での長期間の依頼なんだが、受ける気はあるかい?」

「ミノル様の依頼なら、狩りや討伐と言う事はないでしょうかね。ここと同じで、新人の教育でしょうか?」

「さすがだね、何もかもお見通しだね」

「からかわないでください、ですが新人教育なら、私たちを他所の街に派遣するより、新人をここに連れてきた方が効率的ではないでしょうか?」

「確かに効率から言えばそうなんだけど、あまり効率的過ぎると、勘違いする馬鹿がいると学んだからね」

「そうですね、ここでレベルが上がると、勘違いしてしまいますね」

「親を亡くして孤児として生きてきた子供や、奴隷として売られていた子供たちなんだ。戦闘や狩りに関しては、まったく経験のないずぶの素人だけど、その分1から教えることができる」

「子供は何人くらいいるんですか?」

「3百人だったかな?」

(訓練させる予定の子供は462人だよ、雑用係の大人の元奴隷は3271人だ)

(ありがとう、セイ)

「思いだした、大人の元奴隷が3271人で、子供の元奴隷が462人だ。ノーラたちに教えてもらいたいのは、子供たちだけだ」

「ミノル様、私たちだけで462人もの子供を教えるのは無理だと思います」

「いや、ここのようにマンツーマンで丁寧ていねいに教えて欲しい訳ではないんだ。素振りや体力向上の基礎訓練、魔法の基礎になる学問などを、組み分けして集団で教えてくれればいいんだ」

「それでは時間がかかり過ぎると思いますが、それでいいと言う事ですね?」

「ああ、時間を掛けて心も体も鍛えたいんだ。それに基礎きそを学べたら、安心して預けられる、頼りになるベテラン冒険者はいるんだ」

「テトラ冒険者ギルドとは違うと言う事ですか?」

「まあ俺をしたってと言うか、俺が売る酒にれて、以前所属していたギルドを抜けてくれた者たちだからね。目先の利益や加虐心かぎゃくしんを満たすために、俺が助けた子供たちをいじめたりはしないからね」

「ミノル様が売られているお酒ですか?」

「ああ、ドワーフ族が夢中になってね、狩りに行くのを止めるくらい美味おいしいそうだよ」

「そうだよって、ミノル様は美味しいと思われないんですか?」

「俺は下戸げこだからね、酒を美味しいと思った事は1度もないんだよ。だけど酒好きのドワーフ族が夢中になるくらいだから、きっと美味しいんだろうよ」

「そうですか、その酒は私たちももらえるんですか?」

「子供たちを教えてもらう分、依頼料を払うから、それで買ってくれればいいよ」

「普通に売っているんですか?」

「今度の村は、御神木はないけれど、ここと同じで俺が立ち上げた村だから、色々珍しい物を普通に売っているよ」

「そうですか、パーティーメンバーと相談させてもらっていいですか?」

「ああいいよ」
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