奴隷魔法使い

克全

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多摩編

新兵器ダイヤモンド剣

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 「アヤ、昨日説明した戦法を使うよ。確認の為、念話で言ってみて」

(うん、蛇竜の鱗を武器にする。重力、加速、風魔法を複合で使って、鱗を高速回転させる。ブーメランや十字手裏剣の様に使って、魔獣や魔竜の喉を掻き切る)

(うん、それでいいよ。冒険者達にばれないように、僕が霧を発生させる。二人で一つの鱗ブーメランを使って狩ってみて、魔力の消費量を試す)

 お~、最高じゃん!

 サクサク喉を掻き切ってるよ!

 言葉は悪いけど、魔物の草刈り場だわ

「アヤ、魔獣の血液だけは、凝固しないように魔法袋に入れるよ」

「は~い。でも霧は便利だね。闘争心の激しい魔獣や魔竜は、他の魔獣の断末魔を聞いただけじゃ逃げないんだね」

「うん、俺もビックリした。逃げるのは魔猿くらいだ。しかし、これじゃ下手に魔界に入ったら、魔力切れで喰われるまで出てこれないかもしれない。アヤ気を付けてくれよ!」

「うん。心配してくれるんだね! 嬉しい!」

「当然だよ! 命がけでアヤを組んだんだから。話は変わるよ。冒険者に運んでもらう分も入れて、限界は五万産前二百キログラムだから、魔獣は血抜きしたら彼らに回して。きりと殿、みつお殿、今日は大量です! 運搬の準備をお願いします」

「野郎ども聞いたか! 警戒班以外は担い棒に獲物を固定しろ。傷つけるんじゃね~ぞ! 普段狩ってる獣の十倍の値打ちもんだ!」

『冒険者村買取所』

「小人目付様、買取お願いいたします」

「よし、出せ」

「お? また魔法袋の容量が増えてるな? それとも汎用魔法袋か?」

「はい。昨日、一昨日と汎用魔法袋を試作してみました」

「はあ~、才能差を感じるよ。毎日汎用魔法袋を創り出せるのなら、それだけで大富豪に成れるな」

「はい、ありがとうございます。これで微力の魔力持ちの奴隷たちを、十分な給料で雇ってあげられます」

「うん? 雇う?」

「はい。微力の魔力持ちの奴隷たち王国からレンタルして、充魔力屋で働いてもらい、早く安全に自力で平民に成る道を作ってやれます」

「う~ん、その理想はいいが、それには魔法袋を必要とする、腕利きの冒険者が大勢必要だろ?」

「はい、今迄ならそうでした。でもこれからは、珍品貴重品の輸出入を行えるようになります」

「お! そうか。お前が狩った魔竜なんかは、魔法袋使っても莫大な利益出るな!」

「目付様、計算できました」

「よし、行こうか。」

「地竜三千キログラム級四頭、二千キログラム級十二頭、千キログラム級十五頭、翼竜百キログラム級三十六頭、三十キログラム級三十六頭です。合計五万五千六百八十キログラムですが、いつも通り魔晶石と翼竜の骨は除外、翼竜の革は鞣し賃を頂いて加工でよろしいですか?」

「それでお願いします」

「では、合計五千五百六十八万銅貨です」

「タケル、アヤ、大金貨五枚、小金貨五枚・大銀貨六枚・小銀貨八枚だ、確認したら捺印しろ」

「はい、ありがとうございました」

「小人目付様、ありがとうございます」

「皆さん、組合で日当払います」

『奴隷冒険者砦個室』

「アヤ。今日の戦法だと、魔力消費が凄く少なくて済む」

「うん、これなら余裕だね」

「ああ、でもこの戦法は、敵に真似られると厄介だ」

「あ! そうだね、普通の魔法壁だと厳しのかな?」

「ああ、魔力消費が激しくて、同レベルだと護る方が先に魔力切れになる。ま、こちらも鱗で対抗攻撃するから、結局互角になるけどね。防衛策は、蛇竜鱗を魔法壁に重ねて籠れば大丈夫かな。これ、鱗半分渡しておくから」

「はい、ありがとう」

「ただ、蛇竜の鱗より硬いと聞く、純血種竜の鱗で攻撃されるケースも想定して、これからの防御策を考えよう」

「うん、私も考えてみる」

「じゃ、次は新しい武器製作をしよう」

「はい」

「魔力が乏しかったり、接近戦になった時、少しでも有利に戦えるように、属性武器を創る。一つ目は木属性の剣で、木材を魔力で圧縮強化する。大きめの圧縮強化木材製の鍔をつける。この鍔の刀身側に木気増強魔法陣を刻み込み、魔法陣には魔晶石を埋め込み、使い手が魔力切れを起こした時の予備とする。鍔の柄側にも魔法陣を刻み、魔晶石を埋め込む。刀身にも木気増強魔法陣を刻み、一番小さな魔晶石を埋め込む。これで完成、真似して作ってみて」

「ふえ~ん、難しい。でも頑張る!」

「うん、上出来だよ。次に進もう」

「二つ目の剣も基本は同じだけど、剣先と刀先だけはもっと強化する。見ていて、木を超高圧と超高熱で加工して、ダイヤモンドと言う物を創る。出来た! これをさっき作った圧縮強化木気剣に埋め込む。真似して。今はダイヤを作る練習に専念して! 木気剣の量産は俺がするから」

 う~ん。

 ダイヤは木気とばかり思っていたけど、完成したダイヤモンドには土気と火気の気配もあるな?

 製作過程の所為かな?

 でも、これは想定外の僥倖だ!

 ダイヤ一つで三つの属性に対応した攻撃と防御が可能になる。




「小人目付様、買取お願いいたします」

「よし、出せ」

(タケル、組合長が内密で話があるそうだ。向こうにいる)

 朝野小人目付様が小声で話しかけてきた。

 俺はアヤに小声で話す。

(アヤ、行こう)

「タケル殿、王都の冒険者組合経由の噂ですが」

「はい?」

「王都では、タケル殿とアヤ殿の処分を巡って、色々と紛糾しているそうです」

「処分ですか?」

「はい。宮廷魔導師団の下働きにして、上級魔術を学ばそうとする派と、伊豆三宅大島奴隷千人砦で魔竜と戦わそうとする派。更には内密に殺そうとする派まで有るそうです」

「どの派が強いのですか」

「今のところ魔竜と戦わそうとする派が強いようですが、伊豆三宅大島砦は異常に死亡率が高いのです。頭が奴隷を使い潰して利益を上げているとの噂です」

「安全策をとる方がいいと?」

「はい。今なら黒磯奴隷頭に有利な証言をする事を条件にすれば、黒磯奴隷頭も即日で平民願いを受け付けるでしょう」

「アヤ、予定は狂うけどそれでいいか」

「うん。私もそれがいいと思う」

「黒磯奴隷頭への根回しは、既に私がしてあります」

「ありがとうございます」
「ありがとうございます」

 俺とアヤは組合長にお礼を言う。

「計算できました」

 冒険者組合の買取計算役が俺を呼んでいる。

「行ってきます」

「はい。では私は、この足で黒磯奴隷頭に会ってきます。御頭と一緒に部屋でお待ちしております」

「よろしくお願いいたします」

 組合長は先に解体場を出ていった。

「買取長、お待たせいたしました」

 俺とアヤは、改めて獲物の計算をしてくれている買取長に声をかけた。

「いえいえ。地竜種は、三千キログラム級二頭、二千キログラム級十頭、千キログラム級十三頭、五百キログラム級二十頭です。翼竜種は、百キログラム級六十頭です。いつも通りの条件で、五万四千二百二十キログラムで五千四百二十二万銅貨です」

「二人とも払うぞ。大金貨五枚、小金貨四枚、大銀貨二枚、小銀貨二枚だ。確認したか、じゃ、捺印しろ」

「小人目付殿、昨日言われていた平民願い出させていただきます」

「を! そうか、よかったな! 直ぐ御頭様のところに行こう。横井殿、アヤが平民願い出すそうです。手続き宜しく」

「承った。アヤこちらで手続きだ」

「はい!」

「タケル、解放料は五十万銅貨だ」

 俺は小人目付殿に五十万銅貨分の金貨を支払った。

「うむ、確かに。これが受け取り証と奴隷解放証明書だ。御頭の承認印を貰いに行こう」

「横井殿、宜しいか?」

「うむ、参ろう」

『奴隷千人頭部屋』

「御頭、入って宜しいですか?」

「うむ、入れ。」

「御頭、ここにいるタケルとアヤが奴隷解放願いを出し、解放料を払いました」

「後は俺一人でやる。朝野と横井は買取所に戻」

「「は!」」

「タケル、アヤ、組合長から聞いたが、評定所での証言で、俺は襲撃に無関係と言ってくれるのだな?」

「「はい、誓って!」」

「では捺印しよう」

「今から二人は平民だ。たける、あや、組合長。後の冒険者手続きは宜しく」

「は! 受け賜りました。たける殿、あや殿、組合に行きましょう」

「「御頭様、ありがとうございます」」

「うむ、頼み置くぞ」

「たける殿、あや殿。これで御二人とも平民冒険者です」

「「ありがとうございます」」

「この後はどうされます?」

「一番丈夫で安全な宿を確保したいのですが」

「では、今日は私の家に来てください。明日以降は一番の宿を長期予約しておきます」

「お願いいたします」

「では、今から一緒に行きましょうか?」

「いえ、これから御代官様に開拓願を出そうと思います」

「早速ですか?」

「はい。少しでも早く士族見習いに成っておくのが安全だと思いますので」

「左様ですな。では後で来られてください」

「「はい、失礼します」」

『代官所』

「門番様、開拓願を出しに来ました、御代官様に御取次願います」

「! タケルか? いや、たけると呼ぶべきかな?」

 「は! 平民に成りました。これを確認願います」

「うむ、確かに。開拓願が受理されれば、だける殿は士族見習い様か・・・・・・」

「今はまだ、平民でございます」

「! うむ、ついて参れ」

「御代官様、たけるが開拓願を提出に参ったそうです」

「そうか。三人で話すから戻ってよいぞ」

「は、失礼いたします」

「たける、あや、上がれ」

「は? しかし我らは平民でございますが?」

「私のところでの受理は確定だ。士族見習いを庭先で対応するの無礼だからな。あやも貴殿の正室だから、士族見習い扱いすべきであろう。上がってくれ」

 代官様の御言葉に甘えて、あやと二人で部屋に上がらせていただいた。

「それで、開拓地の広さはどうする?」

「当初は三千石で提出しますが、資金的には十万石まで可能です」

「分かった。その通りに申請しよう。で、肝心の姓名はどうする?」

「姓は大和、名は尊で、アヤの名は彩でお願いします」

「うむ、これで良いか?」

 御代官様が書いて下さった申請書を確認するか?

「はい、結構でございます」

「では、署名するように」

「これは、明日王都に提出する。二人とも開拓費を貯めておくのが大切ぞ」

「は! ありがとうございます」

「御代官様、御陰様で生き抜くことが出来ました。」

「礼はいらぬよ。では、今日はここまでとしよう」

「「はい! ありがとうございました」」

『冒険者組合長 自宅』

「組合長、お世話になります」

「申請がお済に成られたということは、士族見習い様ですか?」

「王都からの許可が出るまでは、平民扱いでお願いいたします」

「そう言われるのなら、ざっくばらんにさせていただきましょう」

 組合長は2階の客室に案内してくれた。

「部屋はこちらをお使いください。」

「「ありがとうございます」」

「あや、今日は組合長の家だから、魔法袋の製作と魔術訓練だけにしよう」

「はい、大きさは?」

「僕は九千キログラム級、あやは三千キログラム級で」

「はい」

「じゃ、食事に行かせてもらおうか」
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