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王都編
決闘・暗殺
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一夜明けて、俺と彩は国王陛下からの上使を受けて王城に出仕した。土御門殿は俺だけでなく、彩まで公式呼び出しを受けたことの驚いていた。
驚いたことに、決闘場は西の丸に設えてあった。その上で300家の貴族家と上級士族家の当主又は名代が勢揃いしていた。
予想通りだったのは、新井火石の卑怯者は助太刀を用意していた。奴の言い分は、決闘を申し込まれた方が、条件を決めれると言う。そもそも、士族たる俺を侮辱したのが始まりなのだが。今まで火石を信頼していたはずの国王陛下も不愉快そうだ。間部筆頭大臣も苦虫を噛み潰したような表情だ。
「何人ですかな?」
「王家の始まりの忠臣四天王、四聖獣になぞらえ4人じゃ。」
「大和殿の為に命を懸ける臣が4人おられますかな?」
ウザイ!
「私は殿様の妻、死すも生きるも一緒でございます!」
「なんと! 助太刀は奥方1人ですか? なんとなんと女性御2人ですか?」
「我妻は、ともに属性龍と戦い、魔獣魔竜を狩る戦士でござる。」
「まさか、前言を翻し、奥方に魔法を使わせるのではあるまいな?」
脅えてるよ、卑怯者が!
助太刀の4人も嫌な目つきだな?
この目は彩を罠に嵌め、俺を殺そうとしていた奴らと同じ?
いや、人殺しの目だな!
火石め、密かに人を殺していたか?
それとも暗黒街の人殺しを雇ったか?
「そんなことはせんよ! 貴様らなど俺と彩2人の剣技で十分。」
「されば準備いたせ!」
間部筆頭大臣が声をかけた。
「殿さま、本当に魔法を使わなくていいのですか?」
「寄合席士族に確定してから殿様と言ってくれるんだね、ありがとう!」
「そんな、私は殿様の妻として恥ずかしくない行いをしたいだけです。」
「生きるも死ぬも一緒と言ってくれてありがとう、愛してるよ。」
「私もです、愛しています殿様。」
態と新井や諸侯に聞こえるように話してやる。
「大丈夫だよ、彩は実力披露の為1人殺してくれればいい。」
「はい殿様、でも私1人で全員倒せそうですが?」
「1人で好いよ、彩が戦士であることを証明できれば好い。」
「はい殿様、そうさせていただきます。」
「助太刀の4人は人殺しの目をしている、多摩魔境で闇討ちしてきた盗賊団と同じ目だな、彩よ。」
「な! 無礼な!!」
ザワザワザワザワザワザワ!!!!!!!!!
「無礼は貴様らだ! 度重なる国王陛下の名を汚す言動、成敗する!!」
「双方黙れ! もはや言葉は無用!! 用意いたせ!!!」
国王陛下の一喝で俺達は仕切りに入った。
なんか不安だ!
予知能力が有るわけじゃない。
助太刀4人の雰囲気が嫌なのだ!
ただ殺人鬼の気配だけじゃない、何かおかしい?
妙に位置を気にしている?
俺と彩との距離だけじゃない?
国王陛下の居られる座敷との距離を気にしているのか?
古典的な陛下を背にして構え、俺が刀を向けたら陛下に剣を向けたと言い掛かりをつけるのか?
だがみすみすそんな位置には移動させない速さが俺にはある!
う~~~ん、大丈夫か?
暗器か?
含み針は俺はともかく彩には危険か?
念話で話そう。
「彩、含み針などの暗器で攻撃する可能性もある、いざという時には防御魔法壁を使え!」
「殿様は大丈夫ですか!」
「大丈夫、暗器対策の体術も練習してあるから、それと俺と彩の着物裏地に強靭な魔竜の皮を重ね張りしてあるから、その心算で。」
「はい、でもお気をつけて」
「はじめ!」
間部筆頭大臣の合図で俺達は決闘を始めた。
2000人はいるであろう観戦の貴族士族は物音一つさせない。
太平の世になって長いとはいえ、流石に武門の仕来たりは心得ているのだろう。
俺は一気に助太刀を殺す心算で足に力を込めた。
だが布陣がおかしい?
新井火石の前左右に1人づつは好い。
だが最後の1人が火石の後ろがおかしい?
しかもその男は、前衛・左衛・右衛と火石の陰に隠れて俺だけじゃなく彩からも視線を外している?
は? なんだ?
陛下を背にするんじゃなく、相対したまま徐々に陛下の方に近づく?
まさか!?
陛下の暗殺?
陛下の暗殺など絶対許さん!
「彩! 陛下を御護りしろ!!」
俺は一気に間合いを詰め、早々に決着を付ける事にした。
新井を置き去りにして事態は一気に動いた!
俺の左側にいた助太刀がこちらに突っ込んできた。
他の3人は陛下に殺到した。
彩は陛下を御護りするため、加速の魔法を使って陛下との間に割って入った。
魔力!
風魔法が俺に迫る!!
迂闊!!!
魔法使いだったとは!
咄嗟に防御魔法壁を全身に展開すると同時に彩を確認する。
助太刀3人とも魔力を感じる!
彩の全身に防御魔法壁を展開!!
間に合ってくれ!!!
コンマ数秒の差が彩の命を奪う!!!!
俺の過信だ。
いや、慢心だ!
この国で並ぶ者無い魔法使いになったとの慢心が彩の命を奪う。
間に合ってくれ!
俺に斬りかかった魔法戦士の頚を長巻で刎ねた。
同時に彩の方を確認。
全身の血が凍る思いだ!
心臓に錐(きり)を刺されるような痛みが走る。
震えそうになる全身を叱咤して彩に防御魔法壁の重ね掛けを!
ピキーン
防御魔法壁が砕き破られる音が聞こえるようだ!
彩!!
あいつら無詠唱魔法を使うのか?!
いや、腹話術か?
糞!
迂闊・過信・慢心!!
真タケルよ、助けてくれ!!!
もう二度とこのような過ちはしない。
コンマ数秒に、一瞬にあらゆる気持ちが交差する。
「彩~!」
ピキーン・ピキーン
3つ、防御魔法壁が砕き破られる音が響いた!
3つだと?
彩も驚愕している?
驚いた。
陛下の座敷の前に砕かれた防御魔法壁の残滓が感じられる。
国王陛下の暗殺か!
しかし、陛下の前には防御魔法壁は展開してあったのか?
そうだよな、陛下を護るための術が展開されてるのは当然だよな。
本当に俺は馬鹿だ!!
だが陛下より彩の命だ!!!
しかし、彩は必死で陛下を護ろうとしている。
糞! 最初の一瞬の遅れが全てだ!!
後手後手に回る。
3人の魔法戦士は更に腹話魔術を詠唱しているようだ。
だが今度は俺の方が早い。
最初の彩への全身防御魔法壁は展開した!
2つ目の彩への全身防御魔法壁はこのまま完成させる。
長巻を捨てて。
圧縮強化岩製の棒手裏剣を3人に魔法戦士に投げる!
3人の魔法戦士は俺より先に棒手裏剣と火矢を投げつけた!
彩が自分で張った防御魔法壁で陛下を護る。
暗殺者が投げた火矢と手裏剣を魔法壁で防ぐ。
更に彩は長巻を構えて暗殺者に向かっていく。
俺の投げた手裏剣が暗殺者に突き刺さる。
駄目だ、奴ら決闘着の下に鉄板と鎖帷子を仕込んでいた。
だが、魔力で手裏剣を奴らの体に押し込んでやる!
ピキーン・ピキーン・ピキーン
糞・防御魔法壁が破られたか!
1つ目は彩の張ったもの。
2つ目も彩の張ったもの。
3つ目は陛下の前に有るもの。
土御門殿が新たに張ったか。
彩が暗殺者との間合いに入った!
よし!
彩に手柄を立てさせよう!
彩の全身に張った防御魔法壁2枚を強化!
殺さない程度に暗殺者に付き刺さった手裏剣の圧魔力を強化。
よし!
やつら手裏剣に対抗する為に防御魔法壁を強めた。
これで、他の魔法を使う余力はなくなる。
彩が長巻を突き出した。
やつら防御魔法壁に気を取られて彩に集中できてない。
彩が的確な三連突を繰りだした。
暗殺者3人は全く動けない。
彩の長巻が暗殺者の喉を切り裂いた。
うん、好い攻撃だ。
3人とも頚椎を切断されて皮だけで首がつながってる状態だ。
激しい魔法の応酬で周辺にも被害が及んでいた、俺・彩・陛下は防御魔法で跳ね飛んだ魔力を防ぐ事が出来た、だが新井火石はズタズタの肉片になりはてていた。
「天晴である! 咄嗟の状態で身命を賭して余を護ったこと、常の者に出来ることではない!!」
驚いたことに、決闘場は西の丸に設えてあった。その上で300家の貴族家と上級士族家の当主又は名代が勢揃いしていた。
予想通りだったのは、新井火石の卑怯者は助太刀を用意していた。奴の言い分は、決闘を申し込まれた方が、条件を決めれると言う。そもそも、士族たる俺を侮辱したのが始まりなのだが。今まで火石を信頼していたはずの国王陛下も不愉快そうだ。間部筆頭大臣も苦虫を噛み潰したような表情だ。
「何人ですかな?」
「王家の始まりの忠臣四天王、四聖獣になぞらえ4人じゃ。」
「大和殿の為に命を懸ける臣が4人おられますかな?」
ウザイ!
「私は殿様の妻、死すも生きるも一緒でございます!」
「なんと! 助太刀は奥方1人ですか? なんとなんと女性御2人ですか?」
「我妻は、ともに属性龍と戦い、魔獣魔竜を狩る戦士でござる。」
「まさか、前言を翻し、奥方に魔法を使わせるのではあるまいな?」
脅えてるよ、卑怯者が!
助太刀の4人も嫌な目つきだな?
この目は彩を罠に嵌め、俺を殺そうとしていた奴らと同じ?
いや、人殺しの目だな!
火石め、密かに人を殺していたか?
それとも暗黒街の人殺しを雇ったか?
「そんなことはせんよ! 貴様らなど俺と彩2人の剣技で十分。」
「されば準備いたせ!」
間部筆頭大臣が声をかけた。
「殿さま、本当に魔法を使わなくていいのですか?」
「寄合席士族に確定してから殿様と言ってくれるんだね、ありがとう!」
「そんな、私は殿様の妻として恥ずかしくない行いをしたいだけです。」
「生きるも死ぬも一緒と言ってくれてありがとう、愛してるよ。」
「私もです、愛しています殿様。」
態と新井や諸侯に聞こえるように話してやる。
「大丈夫だよ、彩は実力披露の為1人殺してくれればいい。」
「はい殿様、でも私1人で全員倒せそうですが?」
「1人で好いよ、彩が戦士であることを証明できれば好い。」
「はい殿様、そうさせていただきます。」
「助太刀の4人は人殺しの目をしている、多摩魔境で闇討ちしてきた盗賊団と同じ目だな、彩よ。」
「な! 無礼な!!」
ザワザワザワザワザワザワ!!!!!!!!!
「無礼は貴様らだ! 度重なる国王陛下の名を汚す言動、成敗する!!」
「双方黙れ! もはや言葉は無用!! 用意いたせ!!!」
国王陛下の一喝で俺達は仕切りに入った。
なんか不安だ!
予知能力が有るわけじゃない。
助太刀4人の雰囲気が嫌なのだ!
ただ殺人鬼の気配だけじゃない、何かおかしい?
妙に位置を気にしている?
俺と彩との距離だけじゃない?
国王陛下の居られる座敷との距離を気にしているのか?
古典的な陛下を背にして構え、俺が刀を向けたら陛下に剣を向けたと言い掛かりをつけるのか?
だがみすみすそんな位置には移動させない速さが俺にはある!
う~~~ん、大丈夫か?
暗器か?
含み針は俺はともかく彩には危険か?
念話で話そう。
「彩、含み針などの暗器で攻撃する可能性もある、いざという時には防御魔法壁を使え!」
「殿様は大丈夫ですか!」
「大丈夫、暗器対策の体術も練習してあるから、それと俺と彩の着物裏地に強靭な魔竜の皮を重ね張りしてあるから、その心算で。」
「はい、でもお気をつけて」
「はじめ!」
間部筆頭大臣の合図で俺達は決闘を始めた。
2000人はいるであろう観戦の貴族士族は物音一つさせない。
太平の世になって長いとはいえ、流石に武門の仕来たりは心得ているのだろう。
俺は一気に助太刀を殺す心算で足に力を込めた。
だが布陣がおかしい?
新井火石の前左右に1人づつは好い。
だが最後の1人が火石の後ろがおかしい?
しかもその男は、前衛・左衛・右衛と火石の陰に隠れて俺だけじゃなく彩からも視線を外している?
は? なんだ?
陛下を背にするんじゃなく、相対したまま徐々に陛下の方に近づく?
まさか!?
陛下の暗殺?
陛下の暗殺など絶対許さん!
「彩! 陛下を御護りしろ!!」
俺は一気に間合いを詰め、早々に決着を付ける事にした。
新井を置き去りにして事態は一気に動いた!
俺の左側にいた助太刀がこちらに突っ込んできた。
他の3人は陛下に殺到した。
彩は陛下を御護りするため、加速の魔法を使って陛下との間に割って入った。
魔力!
風魔法が俺に迫る!!
迂闊!!!
魔法使いだったとは!
咄嗟に防御魔法壁を全身に展開すると同時に彩を確認する。
助太刀3人とも魔力を感じる!
彩の全身に防御魔法壁を展開!!
間に合ってくれ!!!
コンマ数秒の差が彩の命を奪う!!!!
俺の過信だ。
いや、慢心だ!
この国で並ぶ者無い魔法使いになったとの慢心が彩の命を奪う。
間に合ってくれ!
俺に斬りかかった魔法戦士の頚を長巻で刎ねた。
同時に彩の方を確認。
全身の血が凍る思いだ!
心臓に錐(きり)を刺されるような痛みが走る。
震えそうになる全身を叱咤して彩に防御魔法壁の重ね掛けを!
ピキーン
防御魔法壁が砕き破られる音が聞こえるようだ!
彩!!
あいつら無詠唱魔法を使うのか?!
いや、腹話術か?
糞!
迂闊・過信・慢心!!
真タケルよ、助けてくれ!!!
もう二度とこのような過ちはしない。
コンマ数秒に、一瞬にあらゆる気持ちが交差する。
「彩~!」
ピキーン・ピキーン
3つ、防御魔法壁が砕き破られる音が響いた!
3つだと?
彩も驚愕している?
驚いた。
陛下の座敷の前に砕かれた防御魔法壁の残滓が感じられる。
国王陛下の暗殺か!
しかし、陛下の前には防御魔法壁は展開してあったのか?
そうだよな、陛下を護るための術が展開されてるのは当然だよな。
本当に俺は馬鹿だ!!
だが陛下より彩の命だ!!!
しかし、彩は必死で陛下を護ろうとしている。
糞! 最初の一瞬の遅れが全てだ!!
後手後手に回る。
3人の魔法戦士は更に腹話魔術を詠唱しているようだ。
だが今度は俺の方が早い。
最初の彩への全身防御魔法壁は展開した!
2つ目の彩への全身防御魔法壁はこのまま完成させる。
長巻を捨てて。
圧縮強化岩製の棒手裏剣を3人に魔法戦士に投げる!
3人の魔法戦士は俺より先に棒手裏剣と火矢を投げつけた!
彩が自分で張った防御魔法壁で陛下を護る。
暗殺者が投げた火矢と手裏剣を魔法壁で防ぐ。
更に彩は長巻を構えて暗殺者に向かっていく。
俺の投げた手裏剣が暗殺者に突き刺さる。
駄目だ、奴ら決闘着の下に鉄板と鎖帷子を仕込んでいた。
だが、魔力で手裏剣を奴らの体に押し込んでやる!
ピキーン・ピキーン・ピキーン
糞・防御魔法壁が破られたか!
1つ目は彩の張ったもの。
2つ目も彩の張ったもの。
3つ目は陛下の前に有るもの。
土御門殿が新たに張ったか。
彩が暗殺者との間合いに入った!
よし!
彩に手柄を立てさせよう!
彩の全身に張った防御魔法壁2枚を強化!
殺さない程度に暗殺者に付き刺さった手裏剣の圧魔力を強化。
よし!
やつら手裏剣に対抗する為に防御魔法壁を強めた。
これで、他の魔法を使う余力はなくなる。
彩が長巻を突き出した。
やつら防御魔法壁に気を取られて彩に集中できてない。
彩が的確な三連突を繰りだした。
暗殺者3人は全く動けない。
彩の長巻が暗殺者の喉を切り裂いた。
うん、好い攻撃だ。
3人とも頚椎を切断されて皮だけで首がつながってる状態だ。
激しい魔法の応酬で周辺にも被害が及んでいた、俺・彩・陛下は防御魔法で跳ね飛んだ魔力を防ぐ事が出来た、だが新井火石はズタズタの肉片になりはてていた。
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