奴隷魔法使い

克全

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王都編

思案・注進・騒乱・拷問・自白

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 『思案』

 多くの坊主を拷問し尋問した。
 彼らの自白によれば、宗教省の寺奉行と組んでの悪行らしい。
 寺奉行が本当の黒幕の確証は無いが、接触している最上位は奉行らしい。
 実行犯は香具師の親分以下のならず者達。
 坊主達は安全な場所、寺を提供している。
 門前町は無許可の売春宿を香具師が仕切っている。
 布衣・素襖は宗教省の役人のようだ、どうする?

 「彩、ここで籠城するか?」

 「屋敷に移動する手は問題が有るのですか?」

 「手勢が少なすぎるし、この人数の被害者太刀を安全委移動させるのは無理だ。」

 「でもここは寺奉行、いえ、宗教省の支配圏では?」

 そうなのだ、ここは敵地なのだ、どこの手勢なら俺に助勢してくれる?

 『注進』

 「彩、国王陛下に事の顛末を御報告しよう。」

 「はい、ではこの者達と子供たちはどういたしましょう?」

 「俺と秀子達でここは死守する、彩1人で王宮に行ってくれ。」

 「殿様と別行動なのですか?」
 彩を片時も側から離さないと日頃言ってきたからな。

 「彩を片時も側から離したくはないが、非常事態だ、念話で繋がる様にしよう。」

 「判りました、心は常に一心同体です。」

 「ああ、俺の心が彩から離れることはない。」

 「では、直接王宮に参ります?」

 「いや、土御門筆頭魔導師殿に会って、報告してから一緒に行ってくれ。」

 「必要ですか?」

 「無理やりでも、土御門筆頭魔導師殿を巻き込んだ方が安全が増す。」

 「では、他にも巻き込むのですか?」

 「常陸大公も巻き込もう。」

 「どう言って巻き込むのが好いでしょう?」

 「闇奴隷売買の犯人を確保したので、陛下に取り次ぎをお願いしますと。」

 「引き受けていただけるでしょうか?」

 「家臣の悪行をによる汚名返上をお手伝いいたしますと言えばいい。」

 「判りました、では、行って参ります。」

 「完全武装は解かずに、戦の気持ちで行くんだよ。」

 「はい、では。」

 『騒乱』

  「殿様、香具師が騒いでおります。」

 彩が出かけて30分ほどで騒ぎが起きた。
 まあ当然だろう、親分たちとの連絡が途絶えたのだ、子分どもが騒ぐのは当然だ。

 「開けろ、開けやがれ! 糞坊主!」

 浅花寺勝倉院の周りのある、売春宿街を任されている兄貴分だろう。

 「腰抜けのサンピンが! 親分を出しやがれ!」

 どうやら、坊主と寺奉行が親分を拉致したと勘違いしているようだ。
 ここは上手く立ち回って証拠固めだな。
 俺は、浅花寺勝倉院の表戸を開けて兄貴分を1人引っ張り入れた。

 「我は寺奉行配下の大脇だ、貴様らの裏切りは露見した、白状いたせ。」

 「! 何のことだ!」
 おいおい真っ青だよ、本当に坊主や奉行に内緒で何かやってたな。

 『拷問』

  「正直に白状しろ!親分を拷問するぞ。」

 「うるせ~~、なにもしてね~よ。」

 仕方ない、拷問を続けるか。
 俺は無言で男の左拇趾に小柄を刺した。
 爪と肉の間に刺した。

 「うぎゃ~~痛て~~~」

 指先に小さな火急を作り、小柄を炙って男の左拇趾を火刑にした。

 「うううううううぎゃ~~~」

 俺は一旦小柄を火で炙るのを止め、尋問を繰り返した。

 「正直に言え、この拷問、お前は耐えれても親分は死ぬかもしれんぞ?」

 「うううううう。」

 「親分を苦しめるのは、お前も心苦しいだろう、親分の為にお前が話せ!」

 「なめるな! 親分が何も言うはずがね」

 俺はもう1本小柄を出して、男の右拇趾に突き刺す仕草をした。

 「止めよ、止めてくれ、喋る、喋るから。」

 『自白』

  「国王陛下襲撃は、新井火石に懇願されたからで、本意じゃないんだ。」

 「なんだと!」

 「え? 知らなかったのか? しまった!」

 俺は一気に小柄で右拇趾を差した。
 「うぎゃ~~」

 「襲撃犯はお前たちだったのか!」

 「頼まれたんだ、仕方なかったんだ、密貿易の証拠を押さえられて。」

 「密貿易までやってるのか!」

 「そうだ、そうだよ! 奴隷を売ってるんだよ!」

 「人身売買か!」

 「この国には、奴隷以外異国に売るほどの産物なんて無いんだよ。」

 「奴隷は王家だけが所有出来る、それを貴様らが売買するなど許しがたい!」

 「へん! 馬鹿言え、多くの貴族家も役人もやってら!」

 「なんだと!」

 「王さんの懐刀と言われた、新井火石も黙認してたんだ!」

 「本当か!」

 「ふん、でなきゃ俺達も大事な魔法使いの手駒を貸すもんか。」

 「奴隷売買、密貿易に係わってる貴族を言え。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・」

 「言わねば拷問を続けるぞ!」
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