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王都編
決断・宇陀与力
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『決断』
決めた、正々堂々やってやる。
彩に恥じない生き方をしないと!
「奉行所の者ども! 我は王国士族、大和尊である。国王陛下暗殺犯の捜索中である。浅花寺勝倉院の坊主どもは、香具師と共謀し国王陛下暗殺を企てた! 今尋問いたしておるゆえ、その方どもは、そこに控えて居れ!!」
さて、これで奉行所の立ち位置がはっきりする。
国王陛下暗殺未遂事件に関わり合いの有る者がいれば、こじつけてでも攻め込んで来る。
闇奴隷売買に関わり合いの有る者がおれば、主犯達に報告に走るだろう。
清廉潔白なら、王城に注進に走るだろう。
「貴殿は大和様と申されるが、その証は有るのか? 我らも役儀柄、鵜呑みにして見逃すわけには参らん、証を立てていただけねば、包囲を解くわけにはいかん!」
よし、乗ってきた。
「包囲はこのまましておれ、その方どもが、先ず為すべきことはなんじゃ? 奉行所と王城に、大和尊が国王陛下暗殺犯を捕えたと報告することであろう! なにより、国王陛下暗殺未遂犯の黒幕が口封じに現れるかわからん! その方どもも、周囲を警戒せねば奇襲を受けるぞ! いや、その方どもの中に、国王陛下暗殺犯の共犯がいるのではないか? 誰がこの浅花寺勝倉院の異変を奉行所に知らせに行った? 知らせに行った者と懇意にしておる、いや、賄賂を受け取っている者は誰じゃ! その者が、国王陛下暗殺未遂犯の共犯者じゃ!」
「ば、ば、ば、馬鹿なことを申すな! 儂は、陛下の暗殺など知らん!!」
『ザワザワザワザワ。』
「おいおい、まさか宇陀様が・・・・・」
「でも、宇陀様は妙に羽振りが好かったよな?」
「確かに、奉行所の給料だけで、あの生活は無理だよな!」
「黙れ黙れ、だまれ~~~! 謂れ無き疑いをかけるなど、士族様でも許されませんぞ! 我が名誉にかけても、黙ってはおれません!」
馬鹿が、挑発にかかりやがった。
これで1人、奉行所内の共犯者が判った。
「ならば、決闘いたそう、身の潔白を証明いたしたいなら、武士らしく決闘で決めようではないか。係わりの無い者は、2回り遠巻きにいたせ、我が魔法のとばっちりを受けるぞ。」
「おいおいおい、どうするんだ?」
「おりゃ、国御陛下暗殺未遂犯の共犯疑いなんて受けたかねえよ。」
「だがよ、宇陀様に睨まれちゃ、後々やりにくいぜ。」
「大丈夫だよ、ここは坊主と香具師が仕切って好き勝手してた。」
「それが、赤子の手を捻る様に制圧されてるんだ。」
「噂通りの魔法使い様なら、宇陀様なんて一捻りだろう。」
「ザワザワザワザワ。」
結局、宇陀以外は、皆遠巻きに移動した。
『宇陀与力』
さて、出ていくか。
「秀子、後を頼む」
「は、お任せください。」
「浅花寺勝倉院の防御に創りだした魔法壁は、土御門筆頭魔導師様でも破れん、安心しておれ。」
「は! 殿様も御油断無きよう。」
心配してくれているな。
他の者どもの、信頼と心配の渦巻く心持のようだ。
当然だな、ついさっき陪臣士族に仕官できたと思ったら、この騒ぎだ。
まさか、国王陛下暗殺未遂犯の逮捕劇に巻き込まれるなど、想像もしなかったよな。
安心させてやらなきゃいかんな。
何といっても、俺はこの者どもの主君なんだよな。
「任せておれ! あの青瓢箪が、魔竜より強いはずもあるまい。」
「確かにそうでございますな!」
よし、皆に笑顔が浮かんだな、俺は重厚な圧縮強化岩で出来た表戸を開けて表に出た。
「さて、我が大和尊である! その方の名はなんという?」
「私は、王都南奉行所定町与力、宇陀佳介でござる、町民が浅花寺勝倉院で騒乱有りと報告が有ったので役儀により参った、決して御貴殿御が言うような、疚(やま)しい理由ではござらん。」
「それはおかしい、寺社は宗門奉行の支配下ではないか、それを王都南奉行所の者が出張るなど、特別な理由があろう!」
「いや待たれよ! 我ら王都奉行所の者は王都の民の安寧を守る者、民より不審の報告が有れば何処でも参る。」
「民とは誰を指しているのだ? そこに隠れている香具師のことか? 寺社領内で王国で禁止されている売春宿を営む者が民か? 恐れ多くも国王陛下から城下の治安を委託されておる奉行者役人が! 違法な売春宿の一味の報告を鵜呑みにしたのか? 日頃より賄賂を貰い、目溢(めこぼ)ししていたのではないのか? 答えよ!」
「黙れ、黙れ、黙れ、だまれ~~~! この偽物が! 士族様を騙る盗賊め! 成敗してくれる!」
宇陀とか言う与力は、刀を抜いて切りかかってきた。
俺を殺して、事件をうやむやにする心算のようだが・・・・・
愚かなことだ、ここまで騒ぎが広まっては隠蔽のしようもないのに。
さて、どうする?
一撃で倒せる無様な腕前だが。
俺は長巻を魔法袋から素早く取り出した。
峰を返して、殺さず打撲で留める様に配慮した。
長巻を下から素早く跳ね上げ、宇陀の左前腕を打ち据える。
ぐぼき!
宇陀の左前腕骨、橈骨尺骨ともに粉砕骨折する音が聞こえる。
宇陀の刀が宙を舞う。
何が起こったか判らぬように、宇陀は茫然自失の表情を浮かべる。
数秒して宇陀の顔が苦悶に歪む。
「うぎゃ~~~~。」
決めた、正々堂々やってやる。
彩に恥じない生き方をしないと!
「奉行所の者ども! 我は王国士族、大和尊である。国王陛下暗殺犯の捜索中である。浅花寺勝倉院の坊主どもは、香具師と共謀し国王陛下暗殺を企てた! 今尋問いたしておるゆえ、その方どもは、そこに控えて居れ!!」
さて、これで奉行所の立ち位置がはっきりする。
国王陛下暗殺未遂事件に関わり合いの有る者がいれば、こじつけてでも攻め込んで来る。
闇奴隷売買に関わり合いの有る者がおれば、主犯達に報告に走るだろう。
清廉潔白なら、王城に注進に走るだろう。
「貴殿は大和様と申されるが、その証は有るのか? 我らも役儀柄、鵜呑みにして見逃すわけには参らん、証を立てていただけねば、包囲を解くわけにはいかん!」
よし、乗ってきた。
「包囲はこのまましておれ、その方どもが、先ず為すべきことはなんじゃ? 奉行所と王城に、大和尊が国王陛下暗殺犯を捕えたと報告することであろう! なにより、国王陛下暗殺未遂犯の黒幕が口封じに現れるかわからん! その方どもも、周囲を警戒せねば奇襲を受けるぞ! いや、その方どもの中に、国王陛下暗殺犯の共犯がいるのではないか? 誰がこの浅花寺勝倉院の異変を奉行所に知らせに行った? 知らせに行った者と懇意にしておる、いや、賄賂を受け取っている者は誰じゃ! その者が、国王陛下暗殺未遂犯の共犯者じゃ!」
「ば、ば、ば、馬鹿なことを申すな! 儂は、陛下の暗殺など知らん!!」
『ザワザワザワザワ。』
「おいおい、まさか宇陀様が・・・・・」
「でも、宇陀様は妙に羽振りが好かったよな?」
「確かに、奉行所の給料だけで、あの生活は無理だよな!」
「黙れ黙れ、だまれ~~~! 謂れ無き疑いをかけるなど、士族様でも許されませんぞ! 我が名誉にかけても、黙ってはおれません!」
馬鹿が、挑発にかかりやがった。
これで1人、奉行所内の共犯者が判った。
「ならば、決闘いたそう、身の潔白を証明いたしたいなら、武士らしく決闘で決めようではないか。係わりの無い者は、2回り遠巻きにいたせ、我が魔法のとばっちりを受けるぞ。」
「おいおいおい、どうするんだ?」
「おりゃ、国御陛下暗殺未遂犯の共犯疑いなんて受けたかねえよ。」
「だがよ、宇陀様に睨まれちゃ、後々やりにくいぜ。」
「大丈夫だよ、ここは坊主と香具師が仕切って好き勝手してた。」
「それが、赤子の手を捻る様に制圧されてるんだ。」
「噂通りの魔法使い様なら、宇陀様なんて一捻りだろう。」
「ザワザワザワザワ。」
結局、宇陀以外は、皆遠巻きに移動した。
『宇陀与力』
さて、出ていくか。
「秀子、後を頼む」
「は、お任せください。」
「浅花寺勝倉院の防御に創りだした魔法壁は、土御門筆頭魔導師様でも破れん、安心しておれ。」
「は! 殿様も御油断無きよう。」
心配してくれているな。
他の者どもの、信頼と心配の渦巻く心持のようだ。
当然だな、ついさっき陪臣士族に仕官できたと思ったら、この騒ぎだ。
まさか、国王陛下暗殺未遂犯の逮捕劇に巻き込まれるなど、想像もしなかったよな。
安心させてやらなきゃいかんな。
何といっても、俺はこの者どもの主君なんだよな。
「任せておれ! あの青瓢箪が、魔竜より強いはずもあるまい。」
「確かにそうでございますな!」
よし、皆に笑顔が浮かんだな、俺は重厚な圧縮強化岩で出来た表戸を開けて表に出た。
「さて、我が大和尊である! その方の名はなんという?」
「私は、王都南奉行所定町与力、宇陀佳介でござる、町民が浅花寺勝倉院で騒乱有りと報告が有ったので役儀により参った、決して御貴殿御が言うような、疚(やま)しい理由ではござらん。」
「それはおかしい、寺社は宗門奉行の支配下ではないか、それを王都南奉行所の者が出張るなど、特別な理由があろう!」
「いや待たれよ! 我ら王都奉行所の者は王都の民の安寧を守る者、民より不審の報告が有れば何処でも参る。」
「民とは誰を指しているのだ? そこに隠れている香具師のことか? 寺社領内で王国で禁止されている売春宿を営む者が民か? 恐れ多くも国王陛下から城下の治安を委託されておる奉行者役人が! 違法な売春宿の一味の報告を鵜呑みにしたのか? 日頃より賄賂を貰い、目溢(めこぼ)ししていたのではないのか? 答えよ!」
「黙れ、黙れ、黙れ、だまれ~~~! この偽物が! 士族様を騙る盗賊め! 成敗してくれる!」
宇陀とか言う与力は、刀を抜いて切りかかってきた。
俺を殺して、事件をうやむやにする心算のようだが・・・・・
愚かなことだ、ここまで騒ぎが広まっては隠蔽のしようもないのに。
さて、どうする?
一撃で倒せる無様な腕前だが。
俺は長巻を魔法袋から素早く取り出した。
峰を返して、殺さず打撲で留める様に配慮した。
長巻を下から素早く跳ね上げ、宇陀の左前腕を打ち据える。
ぐぼき!
宇陀の左前腕骨、橈骨尺骨ともに粉砕骨折する音が聞こえる。
宇陀の刀が宙を舞う。
何が起こったか判らぬように、宇陀は茫然自失の表情を浮かべる。
数秒して宇陀の顔が苦悶に歪む。
「うぎゃ~~~~。」
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