奴隷魔法使い

克全

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王都編

乱戦

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 『密輸船 船上』

 「近禎殿、いったいどうしたのだ? 伝令から聞いただけでは納得できん。」

 「乗邑殿、もっともな話だ、実はな、新井の馬鹿が香具師のくまぞう親分に刺客を手配したようだ。」

 「それがばれたのか? しかし何故だ? 新井と刺客はあの場で死んでいる、くまぞうが自分から話すはずもない。」

 「余も詳しくはわからんのだが・・・・・くまぞうと坊主どもは、門前町で売春宿をやっていたろ。」

 「ああ、それは余も知っておる、そちらから足がついたのか? だが寺は近禎殿の支配下であろう?」

 「それが余にもわからんのだ、町奉行所の役人にも賄賂を贈っていると聞いていたのだが・・・」

 「お~~~~い、岩村乗紀様じゃ~~~、乗船の準備をいたせ。」

 「乗紀殿が着かれたようだな、乗邑殿。」

 「乗紀殿、よくぞ参られた。」

 「伝令を聞いて直ぐに駆け付けた、乗邑殿も御久しい、こんな時でなければよかったのだがな。」

 「確かにな、だがこれから海賊として手を携えてやっていかねばな。」

 「海賊? ただ逃げるのではなく、海賊になる心算か?」

 「おお~~~~~~いい、大給乗真様と奥方様じゃ~~~~~」

 「なに? 乗真殿は・・・・・奥方を伴っただと・・・・・どうする近禎殿?」

 唐津乗邑と府内近禎の隙をついて、岩村乗紀と田巻は脇差を抜いて突き殺そうとした。
 しかし、常に警戒をしていた魔法使いの谷口は、咄嗟に風魔法で田巻を切り裂いた。
 主君である唐津乗邑を護ることを優先したのだ。
 その結果、府内近禎は腹に深々と刃を受けることになった。

 「うぎゃ~~~~~~」

 「皆殺しじゃ~~~~」
 「者どもかかれ~~~~」
 「国王陛下暗殺未遂一味を皆殺しにいたせ~~~~」

 岩村乗紀は、全ての罪を3家に押し付け切り抜けようとしたのだ。
 香具師と坊主は暗殺する心算だった。
 だが、谷口の風魔法が岩村乗紀の体を吹き飛ばした。
 初級中の谷口では、人を即死させるほどの風魔法は使えなかった。
 魔法を圧縮するアイデアは、大和尊とその弟子しか知らない。


 『大給家 小舟団』

 「村上、まだ大船に乗れんのか、余は疲れたぞ。」

 「村上、私(わたくし)も疲れました。」

 「殿様、奥方様、逃げましょう」

 「なぜ逃げねばならんのじゃ?」

 「船の上で同士討ちが始まったようでございます、巻き込まれては、命が危ううございます、このまま、国元に向かいましょう。」

 「村上、この船では疲れる、屋敷に戻りたい。」

 「村上、私も屋敷に戻りたい。」

 『密輸船 上空』

 「その方ども、大人しく縛につけ! 大和尊 推参!」

 「大和彩 推参!」
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