25 / 69
2章
24話
しおりを挟む
各国の対応は予想以上でした。
どの国にも表に出せない弱みがあるのかもしれません。
普通に考えれば、基盤の弱い我が国を併呑しようとするのが普通です。
もしくは、ホワイト王家と血の絆を結び、隣国に攻め込む野望を抱くかです。
どの国がどんな野望を抱いているにしても、併呑されるのだけは阻止しなければなりません。
「姫様。
ゲラン王国のライアン第三王子殿下とセオドア王弟殿下が参られました」
レイスリー宮中伯が話しかけてきます。
私が式部大臣に抜擢したので、王宮内で行われる儀式を執り行ってくれています。
今回はゲラン王国が派遣してきた大使との謁見です。
ライアン殿下が全権大使で、セオドア殿下が後見人で副全権大使です。
しかしそれは建前で、私との御見合いに来たのです。
とは言っても、担当貴族が内々で伝えてきたその話も本気ではないでしょう。
本音はホワイト王国とマイヤー王国の同盟阻止でしょう。
「麗しき御尊顔を拝し奉り、恐悦至極に存じ奉り候う」
仰々しい挨拶です。
真心が籠っているように見えますが、恐らく違うでしょう。
私が疑心暗鬼になっているのかもしれませんが、探るような目付きに見えます。
今頃随行員が情報収集に走り回っているのでしょう。
私も密偵を送りこんでいますが、鳥肌が立ってしまいそうなくらい嫌な感じです。
「遠路遥々御越しくださり、ありがとうございます」
私も丁寧に返事します。
堅苦しいのは苦手なのですが、今回は初対面ですから仕方ありません。
それに、ゲラン王国の人間に気を許す心算は有りません。
両人とも一八〇センチを超える長身で、なかなかの美男子ではあります。
髪と瞳が黒く、魅惑的でもあります。
ですが国を危険に晒すような恋をする気はありません。
「交易を認めていただいたお礼として、父から進物を預かって来ております。
どうぞお納めください」
「ありがとうごいます」
さすがに軍馬の名産地です。
今回の大使館設立土産に金銀財宝と三百頭の名馬を贈ってくれました。
ですが締める所は締めています。
三百頭全てが雄の騙馬で、種馬として使う事ができません。
自国の有利な部分は決して譲る気はないのです。
ですがこれで全てが知れました。
ゲラン王国は我が国と永続的な友好関係を求めていません。
一時足止めできれば十分と考えているようです。
これで私の基本方針が定まりました。
危険は避けねばなりません。
ゲラン王国がマイヤー王国を併呑するような事になったら、その後は我が国を狙う事でしょう。
そんな事にならないように、マイヤー王国と同盟しなければなりません。
他の隣接国が攻め込んでこないように、友好関係を結ばなければなりません。
少なくとも敵対しないようにしなければいけません。
そしてゲラン王国の国力を削ります。
どの国にも表に出せない弱みがあるのかもしれません。
普通に考えれば、基盤の弱い我が国を併呑しようとするのが普通です。
もしくは、ホワイト王家と血の絆を結び、隣国に攻め込む野望を抱くかです。
どの国がどんな野望を抱いているにしても、併呑されるのだけは阻止しなければなりません。
「姫様。
ゲラン王国のライアン第三王子殿下とセオドア王弟殿下が参られました」
レイスリー宮中伯が話しかけてきます。
私が式部大臣に抜擢したので、王宮内で行われる儀式を執り行ってくれています。
今回はゲラン王国が派遣してきた大使との謁見です。
ライアン殿下が全権大使で、セオドア殿下が後見人で副全権大使です。
しかしそれは建前で、私との御見合いに来たのです。
とは言っても、担当貴族が内々で伝えてきたその話も本気ではないでしょう。
本音はホワイト王国とマイヤー王国の同盟阻止でしょう。
「麗しき御尊顔を拝し奉り、恐悦至極に存じ奉り候う」
仰々しい挨拶です。
真心が籠っているように見えますが、恐らく違うでしょう。
私が疑心暗鬼になっているのかもしれませんが、探るような目付きに見えます。
今頃随行員が情報収集に走り回っているのでしょう。
私も密偵を送りこんでいますが、鳥肌が立ってしまいそうなくらい嫌な感じです。
「遠路遥々御越しくださり、ありがとうございます」
私も丁寧に返事します。
堅苦しいのは苦手なのですが、今回は初対面ですから仕方ありません。
それに、ゲラン王国の人間に気を許す心算は有りません。
両人とも一八〇センチを超える長身で、なかなかの美男子ではあります。
髪と瞳が黒く、魅惑的でもあります。
ですが国を危険に晒すような恋をする気はありません。
「交易を認めていただいたお礼として、父から進物を預かって来ております。
どうぞお納めください」
「ありがとうごいます」
さすがに軍馬の名産地です。
今回の大使館設立土産に金銀財宝と三百頭の名馬を贈ってくれました。
ですが締める所は締めています。
三百頭全てが雄の騙馬で、種馬として使う事ができません。
自国の有利な部分は決して譲る気はないのです。
ですがこれで全てが知れました。
ゲラン王国は我が国と永続的な友好関係を求めていません。
一時足止めできれば十分と考えているようです。
これで私の基本方針が定まりました。
危険は避けねばなりません。
ゲラン王国がマイヤー王国を併呑するような事になったら、その後は我が国を狙う事でしょう。
そんな事にならないように、マイヤー王国と同盟しなければなりません。
他の隣接国が攻め込んでこないように、友好関係を結ばなければなりません。
少なくとも敵対しないようにしなければいけません。
そしてゲラン王国の国力を削ります。
1
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
物置部屋に追いやられた伯爵令嬢ですが、公爵様に見初められて人生逆転しました〜妹の引き立て役だったのに、今では社交界の花と呼ばれています〜
丸顔ちゃん。
恋愛
伯爵家の令嬢セレナは、実母の死後、継母と義妹に虐げられて育った。
与えられた部屋は使用人以下の物置、食事は残飯、服はボロ。
専属侍女も与えられず、家の運営や帳簿管理まで押し付けられ、
失敗すれば鞭打ち――それが彼女の日常だった。
そんなある日、世間体のためだけに同行させられた夜会で、
セレナは公爵家の跡取りレオンと出会う。
「あなたの瞳は、こんな場所に閉じ込めていいものではない」
彼はセレナの知性と静かな強さに一瞬で心を奪われ、
彼女の境遇を知ると激怒し、家族の前で堂々と求婚する。
嫁ぎ先の公爵家で、セレナは初めて“人として扱われ”、
広い部屋、美味しい食事、優しい侍女たちに囲まれ、
独学で身につけた知識を活かして家の運営でも大活躍。
栄養と愛情を取り戻したセレナは、
誰もが振り返るほどの美しさを開花させ、
社交界で注目される存在となる。
一方、セレナを失った伯爵家は、
彼女の能力なしでは立ち行かず、
ゆっくりと没落していくのだった――。
虐げられた令嬢が、公爵の愛と自分の才能で幸せを掴む逆転物語。
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」
歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。
「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは
泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析
能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り
続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。
婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」
公爵家の家政を10年回した私が出ていったら、3ヶ月で領地が破綻しました
歩人
ファンタジー
エレナは公爵家に嫁いで10年、夫は愛人に入れ込み、義母には「家政婦代わり」と
罵られた。だが領地の財務も、商会との交渉も、使用人の管理も、全部エレナが
やっていた。ある日、義母から「あなたの代わりなんていくらでもいる」と言われ、
エレナは静かに離縁届を出した。「では、代わりの方にお任せください」
辺境の町で小さな商会を開いたエレナ。10年間の実務経験は伊達ではなかった。
商会はたちまち繁盛する。一方、エレナがいなくなった公爵家は3ヶ月で経営破綻。
元夫が「戻ってこい」と泣きつくが——
「お断りです。あと、10年分の未払い給金を請求いたしますね」
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる