39 / 69
2章
38話
しおりを挟む
「イルマンド殿下。
メイソン殿の事、どう思われましたか?」
「そうですね。
なかなかの人物だと思いましたね。
彼が王太子であったら、ベイリー王家もこのような事にはなっていなかったでしょうね。
メイソン殿が王太子で、アルフィン殿下が王太子妃、更にゲシベルト陛下が大将軍として兵権を持つ。
我が国としては最悪の想定ですね。
ゲラン王国とズダレフ王国の同盟にベイリー王国が加わり、ベイリー王国が我が国に兵を進めていたかもしれません」
イルマンド公爵もなかなか賢明な方のようです。
今まではトビアスに任せていたので、深い話をしていませんでしたので、公爵の本質を知る機会はありませんでした。
ですがミルドレッド王国が全権大使を任せたのです。
王弟という血縁だけで選ばれたはずがありません。
まあ、大使が御飾りの馬鹿で、副大使が本当の大使と言う場合もありますが。
「まぁ、恐ろしい事を申されるのですね。
そのような事は絶対にありえなかったと断言致しますわ。
父王陛下も私も、心から平和を愛しておりますの。
戦争を起こして民を傷つけて勝利を得るよりも、戦争を抑止して民と一緒に平和を享受したいと、心から思っているのですのよ」
「アルフィン摂政殿下の民を想う御心は存じ上げておりますが、何事も相手がある事でございますから、思いのままにならない事もございます」
「そうですわね。
想いのままに振舞える庶民が羨ましくなる事もございます。
イルマンド殿下が庶民のように想いのままに振舞えるのなら、どの国から妻を迎えたいと思っておられますか?
それとも、どこかの国に婿入りされたかったでっすか?」
もう時間がありませんから、率直に本音を話してください。
できる事なら、本国とイルマンド殿の意見の相違まで教えてください。
貴男なら、ミルドレッド王国にとっても今が勝負時だと分かっているでしょう?
「そうですね。
私が想いのままに振舞える庶民であったなら、東の国の美女の家に婿入りしたかったですね。
そして東の国の賢者を、我が一族の婿に迎えたかったですね。
ですが実際には、そのように振る舞えないでしょうね」
「実際にはどのようになってしまうのでしょうか?
私とても興味がありますわ」
「さて、それはなかなか口にするのは難しい事ですね。
相手があっての事ですから、不愉快にさせるような事を口にはできません」
そういう事ですか。
人質が欲しいという事ですね。
こうなると、私が一人っ子というのが絶望的ですね。
父王陛下に側室を迎えるにしても、私が婿を迎えるにしても、どちらも人質を送ってもらうだけで、こちらから一人の人質も送れないのですよね。
さて、どうしたものでしょうか?
メイソン殿の事、どう思われましたか?」
「そうですね。
なかなかの人物だと思いましたね。
彼が王太子であったら、ベイリー王家もこのような事にはなっていなかったでしょうね。
メイソン殿が王太子で、アルフィン殿下が王太子妃、更にゲシベルト陛下が大将軍として兵権を持つ。
我が国としては最悪の想定ですね。
ゲラン王国とズダレフ王国の同盟にベイリー王国が加わり、ベイリー王国が我が国に兵を進めていたかもしれません」
イルマンド公爵もなかなか賢明な方のようです。
今まではトビアスに任せていたので、深い話をしていませんでしたので、公爵の本質を知る機会はありませんでした。
ですがミルドレッド王国が全権大使を任せたのです。
王弟という血縁だけで選ばれたはずがありません。
まあ、大使が御飾りの馬鹿で、副大使が本当の大使と言う場合もありますが。
「まぁ、恐ろしい事を申されるのですね。
そのような事は絶対にありえなかったと断言致しますわ。
父王陛下も私も、心から平和を愛しておりますの。
戦争を起こして民を傷つけて勝利を得るよりも、戦争を抑止して民と一緒に平和を享受したいと、心から思っているのですのよ」
「アルフィン摂政殿下の民を想う御心は存じ上げておりますが、何事も相手がある事でございますから、思いのままにならない事もございます」
「そうですわね。
想いのままに振舞える庶民が羨ましくなる事もございます。
イルマンド殿下が庶民のように想いのままに振舞えるのなら、どの国から妻を迎えたいと思っておられますか?
それとも、どこかの国に婿入りされたかったでっすか?」
もう時間がありませんから、率直に本音を話してください。
できる事なら、本国とイルマンド殿の意見の相違まで教えてください。
貴男なら、ミルドレッド王国にとっても今が勝負時だと分かっているでしょう?
「そうですね。
私が想いのままに振舞える庶民であったなら、東の国の美女の家に婿入りしたかったですね。
そして東の国の賢者を、我が一族の婿に迎えたかったですね。
ですが実際には、そのように振る舞えないでしょうね」
「実際にはどのようになってしまうのでしょうか?
私とても興味がありますわ」
「さて、それはなかなか口にするのは難しい事ですね。
相手があっての事ですから、不愉快にさせるような事を口にはできません」
そういう事ですか。
人質が欲しいという事ですね。
こうなると、私が一人っ子というのが絶望的ですね。
父王陛下に側室を迎えるにしても、私が婿を迎えるにしても、どちらも人質を送ってもらうだけで、こちらから一人の人質も送れないのですよね。
さて、どうしたものでしょうか?
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
公爵家の家政を10年回した私が出ていったら、3ヶ月で領地が破綻しました
歩人
ファンタジー
エレナは公爵家に嫁いで10年、夫は愛人に入れ込み、義母には「家政婦代わり」と
罵られた。だが領地の財務も、商会との交渉も、使用人の管理も、全部エレナが
やっていた。ある日、義母から「あなたの代わりなんていくらでもいる」と言われ、
エレナは静かに離縁届を出した。「では、代わりの方にお任せください」
辺境の町で小さな商会を開いたエレナ。10年間の実務経験は伊達ではなかった。
商会はたちまち繁盛する。一方、エレナがいなくなった公爵家は3ヶ月で経営破綻。
元夫が「戻ってこい」と泣きつくが——
「お断りです。あと、10年分の未払い給金を請求いたしますね」
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」
歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。
「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは
泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析
能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り
続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。
婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる