54 / 116
第3章
第54話:恐妻家
しおりを挟む
移動中も狩りや採取を忘れているわけではない。
サクラの体内では、分裂したベビースライムやリトルスライムが食事を待っているから、害獣と考えられる獣や魔獣は問答無用で狩っている。
途中にある街や村が必要としている素材や回復薬、解毒薬は望まれれば売る。
回復薬や解毒薬を買う事のできないような貧民には、カチュア王太女殿下の下賜品として無料で与え、殿下の名声を高めた。
まあ、途中で狩りをしなくても、莫大な量の食糧をサクラの体内に備蓄している。
ダンジョンからも魔蝙蝠、魔鼠、魔飯綱、魔鼬、魔狸、ゴブリンを輸送役のロードスライムに大量に運ばせてきて、旅行中にサクラ達が飢えないようにしている。
そんな食糧を、カチュア王太女殿下や側近達の目に触れないようにしているから、それでなくても巨大なサクラの身体が、更に体積を増してしまっている。
「何を考えていらっしゃるのですか、リドワーン様。
私と一緒にいる時は私の事だけを考えてくださらないと嫌です」
「ああ、ごめんなさい、カチュア王太女殿下」
「嫌でございます、リドワーン様、カチュアと呼び捨てにしてください」
流石に呼び捨ては問題があるからできないが、親しい関係を見せる必要がある。
「そうだね、カチュア殿下、あまりかしこまってもいけないね。
今は伯爵の招きでプライベートな食事に呼ばれているのだし、王太女は省かせてもらいますが、殿下だけはつけさせてください。
不敬だと思う者がいたら、余計な諍いを生んでしまいます」
「もう、リドワーン様は真面目過ぎます、その代わり、あああんしてください」
カチュア王太女殿下はそんな事を言いながら、切り分けた肉を俺に食べさせようとするのだが、伯爵と伯爵夫人が唖然とした表情をしている。
こんな態度を見てしまったら、俺達が深い関係だと思い込むだろう。
俺はカチュア王太女殿下が後ろ指をさされないように、我慢に我慢を重ねているのに、殿下は何も考えておられない。
まあ、ティンド国王陛下が婚前旅行を勧めるくらいだから、気を使う必要など全くないのかもしれないが、臆病なくらい慎重な性格が邪魔をしてしまう。
「また他の事を考えていますねリドワーン様。
罰としてあああんしてください。
あああんして私の切った肉を食べてください、リドワーン様」
こんなラブラブの行動、自由恋愛が広まっている前世でもやった事がないぞ。
それを王太女と公爵が他の貴族の前でやるのか。
前代未聞の醜聞じゃないのか、本当に大丈夫か。
「リドワーン様、私が切った肉は食べられないと申されるのですか」
「いいえ、そんな事はありません、断じてありません。
喜んで食べさせていただきます、あああん」
俺が大きく口を開けると、途端にリドワーン王太女殿下の機嫌がよくなった。
満面の笑みを浮かべて俺の口に肉を入れて食べさせようとする。
伯爵と伯爵夫人は、この事を晩餐会や舞踏会で広めるのだろうな。
伝説のファイターキングゴブリンを捕獲したシャルマン公爵は、信じられないくらい恐妻家で、カチュア王太女殿下の尻に敷かれていると。
サクラの体内では、分裂したベビースライムやリトルスライムが食事を待っているから、害獣と考えられる獣や魔獣は問答無用で狩っている。
途中にある街や村が必要としている素材や回復薬、解毒薬は望まれれば売る。
回復薬や解毒薬を買う事のできないような貧民には、カチュア王太女殿下の下賜品として無料で与え、殿下の名声を高めた。
まあ、途中で狩りをしなくても、莫大な量の食糧をサクラの体内に備蓄している。
ダンジョンからも魔蝙蝠、魔鼠、魔飯綱、魔鼬、魔狸、ゴブリンを輸送役のロードスライムに大量に運ばせてきて、旅行中にサクラ達が飢えないようにしている。
そんな食糧を、カチュア王太女殿下や側近達の目に触れないようにしているから、それでなくても巨大なサクラの身体が、更に体積を増してしまっている。
「何を考えていらっしゃるのですか、リドワーン様。
私と一緒にいる時は私の事だけを考えてくださらないと嫌です」
「ああ、ごめんなさい、カチュア王太女殿下」
「嫌でございます、リドワーン様、カチュアと呼び捨てにしてください」
流石に呼び捨ては問題があるからできないが、親しい関係を見せる必要がある。
「そうだね、カチュア殿下、あまりかしこまってもいけないね。
今は伯爵の招きでプライベートな食事に呼ばれているのだし、王太女は省かせてもらいますが、殿下だけはつけさせてください。
不敬だと思う者がいたら、余計な諍いを生んでしまいます」
「もう、リドワーン様は真面目過ぎます、その代わり、あああんしてください」
カチュア王太女殿下はそんな事を言いながら、切り分けた肉を俺に食べさせようとするのだが、伯爵と伯爵夫人が唖然とした表情をしている。
こんな態度を見てしまったら、俺達が深い関係だと思い込むだろう。
俺はカチュア王太女殿下が後ろ指をさされないように、我慢に我慢を重ねているのに、殿下は何も考えておられない。
まあ、ティンド国王陛下が婚前旅行を勧めるくらいだから、気を使う必要など全くないのかもしれないが、臆病なくらい慎重な性格が邪魔をしてしまう。
「また他の事を考えていますねリドワーン様。
罰としてあああんしてください。
あああんして私の切った肉を食べてください、リドワーン様」
こんなラブラブの行動、自由恋愛が広まっている前世でもやった事がないぞ。
それを王太女と公爵が他の貴族の前でやるのか。
前代未聞の醜聞じゃないのか、本当に大丈夫か。
「リドワーン様、私が切った肉は食べられないと申されるのですか」
「いいえ、そんな事はありません、断じてありません。
喜んで食べさせていただきます、あああん」
俺が大きく口を開けると、途端にリドワーン王太女殿下の機嫌がよくなった。
満面の笑みを浮かべて俺の口に肉を入れて食べさせようとする。
伯爵と伯爵夫人は、この事を晩餐会や舞踏会で広めるのだろうな。
伝説のファイターキングゴブリンを捕獲したシャルマン公爵は、信じられないくらい恐妻家で、カチュア王太女殿下の尻に敷かれていると。
0
あなたにおすすめの小説
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい
ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆
気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。
チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。
第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~
第八章 クリフ一家と領地改革!?
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第十章 自分探しと家族サービス
大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。
死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。
命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。
自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
異世界転移から始まるハーレム生活〜チートスキルを貰った俺は、妹と共に無双する〜
昼寝部
ファンタジー
2XXX年、X月。
俺、水瀬アキトは戦争の絶えない地球で『戦場の悪魔』と呼ばれ、数多の戦で活躍していた。
そんな日々を過ごしていた俺は、ひょんなことから妹と一緒に異世界へ転移することになった。
その世界にはダンジョンが存在しており、ライトノベルなどで登場する世界観と類似していた。
俺たちはその世界で過ごすため女神様からチートスキルを貰い、冒険者となって異世界での生活を満喫することにした。
これは主人公の水瀬アキトと妹のカナデが異世界へ転移し、美少女たちに囲まれながら異世界で無双するお話し。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
異世界は流されるままに
椎井瑛弥
ファンタジー
貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。
日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。
しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。
これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる