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第3章
第53話:婚前旅行
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「リドワーン様、キングスライムの上はとても見晴らしがいいですわね」
俺とカチュア王太女殿下は王都からシャルマン公爵領へ旅をしている。
普通なら王家の特別馬車か、公爵家の馬車で移動するのだが、今回はキングスライムに騎乗しての移動だ。
ただ街道は使わず、森や荒地や河川を利用して移動している。
街道を使ってしまうと、5000トンの体重で街道を破壊してしまう。
街道を破壊しないように長く伸びる事も可能だが、それでは多くの人が街道を利用できなくなってしまうのだ。
王家の直轄領だけを通過するのなら、森や荒地や河川の障害物を全てサクラに食べてもらい、新たな街道を作ることも可能だ。
だが貴族領に勝手に道を作ることは許されない。
王家とシャルマン公爵家を敵に回したくない場合、それと新たな街道が領地に作られることで領地が繁栄すると考える貴族は認めるだろう。
だが大軍が通過できるような整備された広い道が作られることを、本能的に嫌う領主もいるのだ。
「ええ、どんな大木よりも高い位置からの景色は最高ですね。
サンドイッチと紅茶を持って来てもらいましょう。
ここから景色を眺めながら食べると最高に美味しいですよ」
許可を出してくれた貴族の領地と王家直轄領を通過するのだが、街道だけでなく農地も破壊するわけにもいかない。
サクラの身体を高く広く伸ばし、更に体重をかける場所に細心の注意を払って、事故のないように人家のある場所では軽騎兵を先触れとして送る。
事前に王家や領主から知らせは送っているが、野生のスライムの襲撃だと勘違いしないように、そびえ立って誰の目にも明らかに分かるようにする。
「まあ、それはとても素敵ですわね。
リドワーン様とこんなに近くに横に並んで食事ができるなんて、とても幸せです」
今回の婚前旅行は、ティンド国王陛下公認だから仲良くしても大丈夫だ。
むしろ王国中の人に仲のよさを見せつけなければいけない。
本来ならば各地の領都や宿場に泊まって親密さをアピールすべきところだ。
だがこれはカチュア王太女殿下に断られてしまった。
仲のよさをアピールしたいのは同じだが、快適な宿を失いたくないというのだ。
その気持ちは俺にもよく分かる。
サクラの体内ほど快適な宿はこの世界のどこを探してもないだろう。
サクラの体内は魔術の力で上下水道が完備されているのも同然だった。
王宮以外で水洗便所など望むだけ無駄だから、旅行中は嫌でも糞尿の臭いを嗅ぎながら用を足すことになるのだが、サクラの中にいればそんな思いをしなくてすむ。
ベッドやソファーも、俺の生きていた世界のウォーターベッドのように快適だ。
俺とカチュア王太女殿下だけでなく、側近達もサクラの中にいる。
彼らが望んでも簡単に火も水も使えるから、料理人は調理に専念できる。
蛇足かもしれないが、それが料理の美味しさに直結するのだ。
俺達が落とす金に期待している領民には悪いが、カチュア王太女殿下を無理矢理極端に設備の落ちる宿に泊まれとはいえなかった。
俺とカチュア王太女殿下は王都からシャルマン公爵領へ旅をしている。
普通なら王家の特別馬車か、公爵家の馬車で移動するのだが、今回はキングスライムに騎乗しての移動だ。
ただ街道は使わず、森や荒地や河川を利用して移動している。
街道を使ってしまうと、5000トンの体重で街道を破壊してしまう。
街道を破壊しないように長く伸びる事も可能だが、それでは多くの人が街道を利用できなくなってしまうのだ。
王家の直轄領だけを通過するのなら、森や荒地や河川の障害物を全てサクラに食べてもらい、新たな街道を作ることも可能だ。
だが貴族領に勝手に道を作ることは許されない。
王家とシャルマン公爵家を敵に回したくない場合、それと新たな街道が領地に作られることで領地が繁栄すると考える貴族は認めるだろう。
だが大軍が通過できるような整備された広い道が作られることを、本能的に嫌う領主もいるのだ。
「ええ、どんな大木よりも高い位置からの景色は最高ですね。
サンドイッチと紅茶を持って来てもらいましょう。
ここから景色を眺めながら食べると最高に美味しいですよ」
許可を出してくれた貴族の領地と王家直轄領を通過するのだが、街道だけでなく農地も破壊するわけにもいかない。
サクラの身体を高く広く伸ばし、更に体重をかける場所に細心の注意を払って、事故のないように人家のある場所では軽騎兵を先触れとして送る。
事前に王家や領主から知らせは送っているが、野生のスライムの襲撃だと勘違いしないように、そびえ立って誰の目にも明らかに分かるようにする。
「まあ、それはとても素敵ですわね。
リドワーン様とこんなに近くに横に並んで食事ができるなんて、とても幸せです」
今回の婚前旅行は、ティンド国王陛下公認だから仲良くしても大丈夫だ。
むしろ王国中の人に仲のよさを見せつけなければいけない。
本来ならば各地の領都や宿場に泊まって親密さをアピールすべきところだ。
だがこれはカチュア王太女殿下に断られてしまった。
仲のよさをアピールしたいのは同じだが、快適な宿を失いたくないというのだ。
その気持ちは俺にもよく分かる。
サクラの体内ほど快適な宿はこの世界のどこを探してもないだろう。
サクラの体内は魔術の力で上下水道が完備されているのも同然だった。
王宮以外で水洗便所など望むだけ無駄だから、旅行中は嫌でも糞尿の臭いを嗅ぎながら用を足すことになるのだが、サクラの中にいればそんな思いをしなくてすむ。
ベッドやソファーも、俺の生きていた世界のウォーターベッドのように快適だ。
俺とカチュア王太女殿下だけでなく、側近達もサクラの中にいる。
彼らが望んでも簡単に火も水も使えるから、料理人は調理に専念できる。
蛇足かもしれないが、それが料理の美味しさに直結するのだ。
俺達が落とす金に期待している領民には悪いが、カチュア王太女殿下を無理矢理極端に設備の落ちる宿に泊まれとはいえなかった。
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