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第3章
第64話:結婚式
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あまりの早く色々な事が決まってしまって、まだ何が何だか分からない。
普通は王太子や王太女の結婚式は何年もかけて準備されるモノだ。
先代のシャルマン公爵である父の主導で、カチュア王太女殿下と俺の結婚は成人後直ぐに挙式されるはずだった。
だが俺の天職がスライム従魔司であったことで、俺との婚約は一旦破棄された。
父はジャスワンの成人を待ってカチュア王太女殿下と結婚させようとした。
だから、こんな短期間に再び挙式の準備が整うとは思ってもいなかった。
父が水面下で準備していたのは、ジャスワンの成人後だから、半年以上先だ。
俺が生きていると分かって王都に戻ってからは五カ月に過ぎない。
だがあの時から結婚式の準備をしていたとは思えない。
王宮に勤める侍従や侍女が慌てていたのは一カ月前からだ。
だからこの一カ月で挙式の準備を整えたとしか思えない。
たった一カ月では、大陸のほとんどの王侯貴族の列席は望めない。
王太女と俺に結婚を大陸の王侯貴族に周知させたいスニルラ王家なら、時間をかけてでも列席者を増やしたいと思うのだが、そんなに俺が信用できないのだろうか。
国王陛下と王妃殿下が何を心配して焦っているかくらい、俺にも分かっている。
これだけ露骨に婚前交渉させようとしているのだから、嫌でも気がつく。
俺にはラノベやアニメの主人公のような鈍感力はない。
だが、まあ、国王陛下と王妃殿下の不安も理解できる。
王都に来て早々俺に愛人を勧める馬鹿が2人もいたのだ。
表には出していないが、どこに行っても色目を使ってくる女性がいる。
この世界では、王侯貴族が遊びで平民女性を抱くことはよくある。
大陸の国の中には、未だに初夜権を王侯貴族に認めている国さえある。
この国では表向き禁止されているが、力のある領主は無視しているときく……
そんな状況だから、貴族以外の女性は結婚式前に愛する人と結ばれることを望む。
そしてとても奔放で強かな女性が多い。
貴族の男を利用してのし上がろうとする女性も少なくない。
そんな女性から見れば、俺はとても優良な物件なのだろう。
爵位は貴族最高の公爵だし、最強のスライムを従魔にしている大金持ちだ。
上手く誑かせることができれば、栄耀栄華を極められるのだ。
「シャルマン公爵閣下、カチュア王太女殿下が閣下にお会いしたいと申されているのですが、宜しいでしょうか」
結婚式のために教会に来ているとはいえ、最近こんなに長く離れ離れになっていなかったからな、カチュア王太女殿下も不安なのだろう。
まあ、離れ離れとはいっても、無色透明になったサクラの身体が、カチュア王太女殿下と俺を覆ってくれているから、強襲も毒殺も心配しなくていい。
「分かった、直ぐに一緒に行こう」
普通は王太子や王太女の結婚式は何年もかけて準備されるモノだ。
先代のシャルマン公爵である父の主導で、カチュア王太女殿下と俺の結婚は成人後直ぐに挙式されるはずだった。
だが俺の天職がスライム従魔司であったことで、俺との婚約は一旦破棄された。
父はジャスワンの成人を待ってカチュア王太女殿下と結婚させようとした。
だから、こんな短期間に再び挙式の準備が整うとは思ってもいなかった。
父が水面下で準備していたのは、ジャスワンの成人後だから、半年以上先だ。
俺が生きていると分かって王都に戻ってからは五カ月に過ぎない。
だがあの時から結婚式の準備をしていたとは思えない。
王宮に勤める侍従や侍女が慌てていたのは一カ月前からだ。
だからこの一カ月で挙式の準備を整えたとしか思えない。
たった一カ月では、大陸のほとんどの王侯貴族の列席は望めない。
王太女と俺に結婚を大陸の王侯貴族に周知させたいスニルラ王家なら、時間をかけてでも列席者を増やしたいと思うのだが、そんなに俺が信用できないのだろうか。
国王陛下と王妃殿下が何を心配して焦っているかくらい、俺にも分かっている。
これだけ露骨に婚前交渉させようとしているのだから、嫌でも気がつく。
俺にはラノベやアニメの主人公のような鈍感力はない。
だが、まあ、国王陛下と王妃殿下の不安も理解できる。
王都に来て早々俺に愛人を勧める馬鹿が2人もいたのだ。
表には出していないが、どこに行っても色目を使ってくる女性がいる。
この世界では、王侯貴族が遊びで平民女性を抱くことはよくある。
大陸の国の中には、未だに初夜権を王侯貴族に認めている国さえある。
この国では表向き禁止されているが、力のある領主は無視しているときく……
そんな状況だから、貴族以外の女性は結婚式前に愛する人と結ばれることを望む。
そしてとても奔放で強かな女性が多い。
貴族の男を利用してのし上がろうとする女性も少なくない。
そんな女性から見れば、俺はとても優良な物件なのだろう。
爵位は貴族最高の公爵だし、最強のスライムを従魔にしている大金持ちだ。
上手く誑かせることができれば、栄耀栄華を極められるのだ。
「シャルマン公爵閣下、カチュア王太女殿下が閣下にお会いしたいと申されているのですが、宜しいでしょうか」
結婚式のために教会に来ているとはいえ、最近こんなに長く離れ離れになっていなかったからな、カチュア王太女殿下も不安なのだろう。
まあ、離れ離れとはいっても、無色透明になったサクラの身体が、カチュア王太女殿下と俺を覆ってくれているから、強襲も毒殺も心配しなくていい。
「分かった、直ぐに一緒に行こう」
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