転生 徳川慶勝 日露開戦 日米開戦

克全

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征夷副大将軍

第115話一八三三年、大麻

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 過去の日本では、麻は本当に身近な存在だった。
 麻の繊維は、しめ縄の材料だったし、お払い用に使われてもいた。
 実際俺が転生した江戸時代では、神社でお札やお守りと一緒に授与されている。
 日本で栽培されてきた大麻は陶酔成分であるTHCの含有量が少なく、日本には大麻を吸引する文化はなかったとされているが、嘘だと思う。
 俺の知る範囲では、徳島県大麻比古神社には「木こりの一服」「護摩焚き」といった、老婆が麻の葉で一服するレリーフが存在している。
 江戸時代の麻刈りの絵には、麻農家が麻をタバコのように一服する風景が描かれていて、吸引を思わせる絵が数多く存在している。
 だから吸引の習慣があったと考えるのが普通だろう。

「乾燥大麻と大麻樹脂をアメリカに持ち込んで売る、その準備を進めてくれ」

 俺の決断を聞いて、軍師役の家臣達の表情が変わる。
 俺自身が彼らに繰り返しアヘンと大麻の弊害を教え聞かせてきたのだ。
 家臣は絶対に使用しない事、使用している家臣を見たら隔離して中毒から抜け出させる事。
 場合によっては厳罰に処して一罰百戒を行えとまで言っていた。
 その俺が、敵性国とはいえ人間相手に大麻樹脂を売るというのだから、信じられないのだろうが、俺だってこの決断をするのには悩んださ。

「殿、今しばらく待たれてはいかがでしょうか。
 軍資金は豊富にあります、そのような悪質な手段は、清国がイギリス相手に戦争を始めてからでいいのではありませんか」

 確かに軍師方の言う事も分かる、その事は俺も考えた。
 だが、白人相手にそこまで遠慮する必要などないと思ったのだ。
 イギリス東インド会社は、一七九七年から清国にアヘンを売り込んでいる。
 清国の北京政府が阿片貿易を禁止しているにもかかわらず、イギリス東インド会社は地方の中国人アヘン商人を走狗としてアヘンを売っているのだ。
 一八二三年以降は、インド綿花よりもアヘンが中国向け輸出の最大の商品となっている現状があるのだ。

「悪質な商品を密輸しているような白人に、遠慮する必要は全くない。
 目には目を歯には歯をだ、同じ方法でやり返すだけだ、断じて行え」

「「「「「はっ」」」」」

 軍師方は俺の決定を受け入れてくれたようだ。
 問題は家臣が大麻に走ってしまう事だが、売り先を限定すればいい。
 シベリア方面で敵対している相手、特にコサックなんかは、将来味方になる可能性があるので、大麻を流通させるべきではない。
 アメリカはイギリス系の国だし、白人のアメリカ大陸侵略を許す気はない。

 ネイティブアメリカンの国家を樹立させる予定で、彼らが大麻中毒になっては困るから、彼らに大麻が流れないように細心の注意を払う必要はある。
 白人の売り先も、イギリスを支配しているアングロ・サクソンはプロテスタントが多いから、アイルランド系やカトリックには売らないように厳しく指導する。
 アングロ・サクソン以外の白人やカトリック系の白人を売人にしてもいいな。
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