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第一章
第20話:内政
まずは私事からお話する方がいいと思います。
新エンドラ公爵領には、私が直接赴く事はできません。
ですから、ルセド皇国から指示を出して内政改革をおこないました。
私の私領だった所で、私と共に農業改革に携わってくれた領民を取立てて、両親の領地だった所と、アーサー王太子領だった所を改革しました。
最初は全ての領民が私の事を信じてくれないでしょうから、五年十年かけた永い改革になると思います。
ですが、成功すれば、半分の労働力で収穫量を三倍にすることができます。
余裕ができた労働力は、未開地の開墾に投入する事も、領民の生活を豊かにする職人に育てる事も、豊かになった領地を狙う外敵に備える兵士にすることもできます。
今はルセド皇国軍、それもセラン皇太子殿下の息がかかった駐屯軍がいてくれますから、新エンドラ公爵領は優先的に護ってもらえるでしょう。
依怙贔屓ではありますが、人間とはそういうものです。
その間に、新エンドラ公爵領を護る領主軍を整えなければいけません。
しかも、私に忠誠を誓ってくれる者たちでです。
これは結構大変な事なので、正直言って頭が痛いです。
父祖代々の股肱の家臣がいないというのが、新興貴族の大変な所なのです。
「なに難しい顔をしているんだ、美しい顔が歪んでしまうよ」
セラン皇太子殿下が悩んでいる私の事をからかわれます。
少し離れて見ている侍女達が優しく微笑んでいます。
私は思わず苦笑してしまいましたが、殿下とのお茶の最中に思考の海に沈んでしまったようです。
ありがたい事に、これくらいの無礼は許されるくらい、気安い関係になれました。
そして互いに気兼ねなく冗談を言い合える、とても幸せです。
昔の私は、ここまで心を許せる人は、女友達にすらいませんでした。
「内政と家臣団の事を考えていたのです、正直頭が痛いです」
「何だそんな事かい、どの点に頭を悩ませているのか、想像はできるよ。
でもそれには、とても簡単な解決法があるじゃないか。
僕も協力するから、一年、いや、二年かな、遅くても三年後には解決するさ。
なあ、アナベル」
「殿下、ユリア太妃殿下が真っ赤になってしまわれておられますよ。
あまりからかわれては、お可哀想でございますよ」
殿下の言葉に真っ赤になってうつむいてしまった私に、アナベルが助け船をだしてくれたのです。
殿下は、床入りの事を言っておられるのです。
確かに私には股肱の家臣がいませんが、殿下には綺羅星の如く家臣がいます。
殿下と私の間に子供が生まれれば、その子に忠誠を誓う家臣は多いです。
皇国を継ぐのは正室の御子ですから、私の子供は新エンドラ公爵家を継ぐことになるので、その為の家臣団がつけられ、彼らを間接的に私が指揮できるのです。
新エンドラ公爵領には、私が直接赴く事はできません。
ですから、ルセド皇国から指示を出して内政改革をおこないました。
私の私領だった所で、私と共に農業改革に携わってくれた領民を取立てて、両親の領地だった所と、アーサー王太子領だった所を改革しました。
最初は全ての領民が私の事を信じてくれないでしょうから、五年十年かけた永い改革になると思います。
ですが、成功すれば、半分の労働力で収穫量を三倍にすることができます。
余裕ができた労働力は、未開地の開墾に投入する事も、領民の生活を豊かにする職人に育てる事も、豊かになった領地を狙う外敵に備える兵士にすることもできます。
今はルセド皇国軍、それもセラン皇太子殿下の息がかかった駐屯軍がいてくれますから、新エンドラ公爵領は優先的に護ってもらえるでしょう。
依怙贔屓ではありますが、人間とはそういうものです。
その間に、新エンドラ公爵領を護る領主軍を整えなければいけません。
しかも、私に忠誠を誓ってくれる者たちでです。
これは結構大変な事なので、正直言って頭が痛いです。
父祖代々の股肱の家臣がいないというのが、新興貴族の大変な所なのです。
「なに難しい顔をしているんだ、美しい顔が歪んでしまうよ」
セラン皇太子殿下が悩んでいる私の事をからかわれます。
少し離れて見ている侍女達が優しく微笑んでいます。
私は思わず苦笑してしまいましたが、殿下とのお茶の最中に思考の海に沈んでしまったようです。
ありがたい事に、これくらいの無礼は許されるくらい、気安い関係になれました。
そして互いに気兼ねなく冗談を言い合える、とても幸せです。
昔の私は、ここまで心を許せる人は、女友達にすらいませんでした。
「内政と家臣団の事を考えていたのです、正直頭が痛いです」
「何だそんな事かい、どの点に頭を悩ませているのか、想像はできるよ。
でもそれには、とても簡単な解決法があるじゃないか。
僕も協力するから、一年、いや、二年かな、遅くても三年後には解決するさ。
なあ、アナベル」
「殿下、ユリア太妃殿下が真っ赤になってしまわれておられますよ。
あまりからかわれては、お可哀想でございますよ」
殿下の言葉に真っ赤になってうつむいてしまった私に、アナベルが助け船をだしてくれたのです。
殿下は、床入りの事を言っておられるのです。
確かに私には股肱の家臣がいませんが、殿下には綺羅星の如く家臣がいます。
殿下と私の間に子供が生まれれば、その子に忠誠を誓う家臣は多いです。
皇国を継ぐのは正室の御子ですから、私の子供は新エンドラ公爵家を継ぐことになるので、その為の家臣団がつけられ、彼らを間接的に私が指揮できるのです。
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