自称聖女の従妹に陥れられ婚約破棄追放されましたが、私が真の聖女だったようです。

克全

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第一章

人体発火

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 思う所は色々とありますが、その全てを飲み込んで任せる事にしました。
 突然現れて守護神を自称するモノなど全く信用できません。
 ですが、信用はできなくても利用できるモノは利用するのが私です。
 愛する人間は大切にしますが、利を得ようと近づいてくるモノに容赦はしません。
 私を利用しようとしているが分かったら、全力で戦うのみです。

(全く信用してもらえないなんて、哀し過ぎるよ)

 詐欺師や悪党かもしれないモノの言葉に耳を貸す必要などありません。
 自分でやれる事、やろうとしている事を、急に現れて代わりにやると言うのです。
 後で恩着せがましく対価を要求してきても無視するだけです。
 それに、少々気になる事もあります。

 自称守護神が口にしている事が本当ならば、大きな問題があります。
 彼は他の神の縄張りに手を出すのです。
 神が神にケンカを吹っかけているのですから、神同士のケンカになります。
 下手をすれば所属する陣営同士の戦争になるかもしれません。
 神々の戦争が始まってしまうのです。
 楽しみなような怖いような、何とも言えない気持ちです。
 
 まあ、それは多分私がやっても同じ事なのでしょう。
 自称守護神の聖女が他の神の縄張りに殴り込む。
 神同士のケンカか戦争の原因になる可能性があります。
 でも、まあ、これが反社会勢力の話なら、下っ端の私を殺して手打ちですね。

★★★★★★

「大変でございます、ルイーセお嬢様。
 教会の神殿長が次々と焼死しているそうでございます」

 家臣が教会の異常を教えに来てくれます。
 アストリッドと手を組んで悪事を重ね不当な利を得ていた教会幹部が、次々と謎の焼死を遂げているというのです。
 いえ、それもただの焼死であありません。
 何も原因がないのに人体が発火しての焼死なのです。
 私には理由が分かっていましたが、知らないふりをして聞くしかありません。
 
「教皇が不正を認めて引退すると宣言されたそうです」

「偽聖女のアストリッドはどうなるのですか」

「教皇が偽物を認めて引退を宣言しましたので、聖女を詐称した罪により火炙りの刑ときまりました」

 これは仕方のない事ですね。
 やった事の責任は自分で取らなければいけません。
 本当は自分の手で復讐したかったですが、自分の行動がきっかけになって、神々の戦争を引き起こすのは嫌ですからね。
 ですが本当に大丈夫なのですか、そこの自称守護神。
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