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第一章
第35話:失言
バロン型の使い魔は完璧に仕事をしてくれている。
イニス王国の王都には、麦一粒も運び入れることが不可能になっている。
これで王都の食糧が高騰し、いずれは飢餓地獄に陥る事だろう。
また逆に、瓶一つ分の糞尿も運び出せない状態になっている。
それほど時間を待つことなく、王都内に疫病が流行する事だろう。
最後には人肉を喰らい合うような生き地獄の陥る事だろう。
最初は自分の実力も理解できない馬鹿が、バロンに戦いを挑んできたが、一瞬で肉片となり、勇猛で知られた数人が同様に死んだ後には、誰も戦いを挑まなくなった。
数日後、イニス王国にもある程度は状況が読める者がいたのだろう。
王や将軍に命令されて、千人規模の軍がバロンに挑んできたが、皆殺しにした。
俺が遠隔から命令して、遺体は王都内に放り込んでやった。
王都の民はもちろん、王侯貴族も恐怖しただろう。
遺体の処理を誤まれば、直ぐにでも疫病が発生する。
「ゴードン侯爵閣下、マナーズ王国の大使殿が面会を求めておられます」
ゴードン侯爵家の家老になってもらったブノワが声をかけてきた。
ラゼル公爵家の王都家老だったクレマンの長男で跡継ぎだ。
老練なクレマンにはリアナの家老を務めてもらっている。
「俺の記憶違いでなければ、マナーズ王家とイニス王家は親戚だったな」
「はい、その通りでございます、ゴードン侯爵閣下。
マナーズ王国のヘンリエッタ王妃殿下は、先代のイニス国王陛下の娘です。
マナーズ王家とイニス王家はかなり近い関係と言えます。
両国の国王は義兄弟と言えますし、王子王女は従兄弟になります」
「これは面白くなりそうだ、謁見の間に案内してくれ」
国を治めるのは面倒だし、責任も生じてしまうから、マナーズ王国もイニス王国も滅ぼそうとも占領しようとも思ってはいない。
だが、もう二度とリアナに無礼を働くものが出ないように、徹底的な罰を与えなければいけないとは思っている。
その為の開戦理由を手に入れておくことは大切だ。
たとえそれが難癖であろうと構わない。
いや、むしろ難癖であればあるほど、王侯貴族はリアナに手出しする事を躊躇う。
「ゴードン侯爵殿、早速面会を許可してくれて感謝する。
少々非礼とは思ったが、私も本国から命令された仕方ないのだよ」
面白い、随分と偉そうな態度を取ってくれる。
俺の記憶違いでなければ、こいつはマナーズ王国の公爵家の三男だったはずだ。
本国と公爵家の威光を笠に、今までは好き勝手に振舞ってきたようだ。
こいつの身分は公爵ではなく、公爵家の一族に過ぎない。
俺が単なる侯爵なら一国が大使など送ってこない。
俺がいずれ大公を名乗って独立すると思ったからこそ大使を送ってきているのだ。
それなのにマナーズ王国は、この程度の人間を大使として送り込んで来るとは、国内派閥の力関係からだろうが、俺も舐められたものだ。
だが今はこの無能な大使の愚かな言動は好都合だ。
イニス王国の王都には、麦一粒も運び入れることが不可能になっている。
これで王都の食糧が高騰し、いずれは飢餓地獄に陥る事だろう。
また逆に、瓶一つ分の糞尿も運び出せない状態になっている。
それほど時間を待つことなく、王都内に疫病が流行する事だろう。
最後には人肉を喰らい合うような生き地獄の陥る事だろう。
最初は自分の実力も理解できない馬鹿が、バロンに戦いを挑んできたが、一瞬で肉片となり、勇猛で知られた数人が同様に死んだ後には、誰も戦いを挑まなくなった。
数日後、イニス王国にもある程度は状況が読める者がいたのだろう。
王や将軍に命令されて、千人規模の軍がバロンに挑んできたが、皆殺しにした。
俺が遠隔から命令して、遺体は王都内に放り込んでやった。
王都の民はもちろん、王侯貴族も恐怖しただろう。
遺体の処理を誤まれば、直ぐにでも疫病が発生する。
「ゴードン侯爵閣下、マナーズ王国の大使殿が面会を求めておられます」
ゴードン侯爵家の家老になってもらったブノワが声をかけてきた。
ラゼル公爵家の王都家老だったクレマンの長男で跡継ぎだ。
老練なクレマンにはリアナの家老を務めてもらっている。
「俺の記憶違いでなければ、マナーズ王家とイニス王家は親戚だったな」
「はい、その通りでございます、ゴードン侯爵閣下。
マナーズ王国のヘンリエッタ王妃殿下は、先代のイニス国王陛下の娘です。
マナーズ王家とイニス王家はかなり近い関係と言えます。
両国の国王は義兄弟と言えますし、王子王女は従兄弟になります」
「これは面白くなりそうだ、謁見の間に案内してくれ」
国を治めるのは面倒だし、責任も生じてしまうから、マナーズ王国もイニス王国も滅ぼそうとも占領しようとも思ってはいない。
だが、もう二度とリアナに無礼を働くものが出ないように、徹底的な罰を与えなければいけないとは思っている。
その為の開戦理由を手に入れておくことは大切だ。
たとえそれが難癖であろうと構わない。
いや、むしろ難癖であればあるほど、王侯貴族はリアナに手出しする事を躊躇う。
「ゴードン侯爵殿、早速面会を許可してくれて感謝する。
少々非礼とは思ったが、私も本国から命令された仕方ないのだよ」
面白い、随分と偉そうな態度を取ってくれる。
俺の記憶違いでなければ、こいつはマナーズ王国の公爵家の三男だったはずだ。
本国と公爵家の威光を笠に、今までは好き勝手に振舞ってきたようだ。
こいつの身分は公爵ではなく、公爵家の一族に過ぎない。
俺が単なる侯爵なら一国が大使など送ってこない。
俺がいずれ大公を名乗って独立すると思ったからこそ大使を送ってきているのだ。
それなのにマナーズ王国は、この程度の人間を大使として送り込んで来るとは、国内派閥の力関係からだろうが、俺も舐められたものだ。
だが今はこの無能な大使の愚かな言動は好都合だ。
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