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第一章
第19話:当道座と瞽女座
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「畏れ多い、畏れ多い、畏れ多い……」
「うむむむむむ、これは……」
いつも通り、あいの巫女舞は妖怪変化が一緒に舞う。
眷属神や神使も我慢できずに一緒に舞う。
主神級は観賞して楽しんでいる。
だが1つ大きく違っている所がある。
それは、普段は御師宿の神楽舞台で舞っているのに、今回は神域内でも奥深くにある、外宮の神楽舞台で舞われているという事だった。
だから集まる神々の数が桁外れだった。
その場にいる人間が圧倒されるのもしかたのない事だった。
目の見えない盲人だからこそ、神々の気配をより強く感じられるのだ。
彼らは自分達がしでかした事に恐怖していた。
神の寵愛を受けていると評判の優子やあいに喧嘩を売って、伊勢山田では生きてはいけないと心底思い知らされていた。
優子やあいに魅かれている妖怪変化にとって、2人に意趣遺恨を持っている人間は敵でしかない。
人間を傷つける事は優子から厳しく止められているから、今この場で直接害を与えたりはしないが、殺気を放ち威嚇するくらいはする。
その殺気が心臓を止めかねないほど強い事は、敵意の強さの表れだったが、幸い見鬼の才能を持つ者がいなかったので、死者は出なかった。
死者は出なかったが、胸を搔きむしってしまうくらいの激痛は感じていた。
伊勢山田奉行の依田恒信はとばっちりを受けていた。
盲人達に放たれる妖怪変化の殺気の影響を強く受けてしまった。
だがそのお陰で、今までの考えを一変する事になった。
★★★★★★
「お奉行、いかがでした?」
「……神様はいる、間違いなく神様はおられる」
「……宗旨替えなされたのですか?」
「これまでが不明だったのだ。
私のこれまでの言動は、物を知らない子供の戯言だった」
「そこまでの奇跡に立ち会われたのですか?」
「目に見えなくても心と体が感じたのだ。
あれほどの神々しさを感じては、神様がおられないとは口が裂けても言えぬ」
「しかしながら、それをそのまま幕閣方々に報告するわけにはいきますまい」
「……盲人達がお伊勢様の威に打たれてひれ伏したと伝えよう。
それでこちらの想いを察してくださるだろう」
「それならばいいのですが……」
「心配するな。
意を察する事ができない方には、お伊勢様の神罰が下るであろう」
「お奉行?!」
「言い過ぎだと申すか?」
「いえ、私も色々と見聞きしておりますので、お奉行と想いは同じです。
ですが、お奉行がそこまで口にされるとは思ってもいませんでしたので」
「盲人達の醜態を見せつけられては、信じるしかあるまい。
いや、余も心の臓が痛くなり、その場で死ぬと本気で思ったわ」
「それほどでございますか?!」
「ああ、それほどだ。
それに、余の目の前で間違えようがない神託が下った」
「……巫女の言葉だけでは、嘘だと言われるかもしれません」
「あいは、いや、信託の巫女は何も言っていない。
そもそもあいは言葉を話せない」
「では、紙にでも書きましたか?
あいが優子から字を習っているという話しは聞いています」
「お前は、筆を持たず、宙に浮かした状態で字を書けるのか?」
「はっ?
何を申されているのですか?」
「確かに信託の巫女はお伊勢様の御意志を紙に残された。
だが筆をとって書かれたのではない。
筆を持たず、宙に浮かした状態で書かれたのだ。
あれは、お伊勢様が直接紙に書かれたに違いない」
伊勢山田奉行の依田恒信は間違っていた。
お伊勢様ほどの位の高い神が直接人間などと係わらない。
信託と言う事にして優子の考えを紙に書いたのは、筆の付喪神だ。
「お奉行だけがそれを見られたのですか?!」
「幕府の関係者は余だけだが、外宮の禰宜共と優子は見ている。
もっとも、禰宜共もあのような事が起こるとは毛ほども思っていなかったようだ。
驚きのあまり腰を抜かしておったわ!」
「……惜しい事でございます。
他にも高位の幕臣がいれば、幕閣の方々を説得するのが楽でしたのに」
「その心配は無用だ。
神託の巫女殿と優子から、事前に知らせて貰えれば、潔斎を行って同じ事ができるようにすると言ってもらった。
幕閣の方々が来られようと、巡検使が確かめに来ても大丈夫だ」
「そこまで言い切りましたか……」
「心配ならお前達も神託に同席するか?」
「宜しいのですか?」
「ああ、奉行所の総意として幕閣に上申するのなら、少なくとも与力の過半数は賛成しなければいけないだろうと、もう1度神託を行うと言われた」
依田恒信奉行は、徐々に立場を忘れてあいと優子に心酔している様子を表に出してしまい、与力を不安にさせていた。
「……そうですか、でしたら与力総出で確かめなければなりません」
「それと、職屋敷の検校にも出頭命令を出す。
全てはあ奴らの私利私欲から始まった事だ!
お伊勢様の権威を僅かでも損なうような事は絶対に許されん!」
与力はお奉行の言葉に大きな不安を感じていた。
京にある職屋敷に命令する権限など、伊勢山田奉行所にはない。
だからこそ、与力6人全員で確かめなければいけないと考えていた。
与力達は一刻も早くお奉行の言葉が本当か確かめたかった。
来るか来ないか分からない職屋敷の検校を待つ余裕などなかった。
お奉行がおかしなことを幕閣に送る前に、確かめないといけないと思っていた。
なんだかんだ言っても、依田奉行は与力同心から慕われていたのだ。
与力達は駄目元で職屋敷の検校を待つことなく神託を行って欲しいと要望した。
受けてもらえない場合は、お奉行に内緒で圧力をかける心算だった。
だが拍子抜けするくらい簡単に引き受けてもらえた。
だが、1つだけ条件があった。
それは、伊勢山田奉行所の支配域にいる、全ての座頭と瞽女を同席させるという条件だった。
「何故そのような条件を付けるのだ?
理由が分からなければ応じられない」
そういう筆頭与力に優子がこう答えた。
「難癖をつけてきた職屋敷に検校に思い知らせるためです。
検校がなんのかんの言って、お伊勢様に来なかった場合に、座頭と瞽女をお伊勢様の支配下に引き抜くためです。
お伊勢様の支配下に置くと言う事は、お奉行所の支配下に置く事になります。
難癖をつけてきた検校の鼻を明かせるのではありませんか?
上方筋が職屋敷、関東筋が惣禄屋敷に分かれているのですから、東照宮と同格のお伊勢様も独自に支配してもいいのではありませんか?」
優子にそう言われた与力達は迷った。
検校の鼻を明かしたい気持ちはあるが、よけいな仕事は増やしたくない。
自分だけでなく、子々孫々新しい役目にも責任を持たなければいけなくなる。
「細かい仕事は、お伊勢様の禰宜か非人頭にやってもらえばいいのです。
特に非人頭なら、これまでも勧進をやっております。
御師宿の興行は、この檜垣屋が責任を持って仕切らせていただきます。
お奉行所には一切迷惑を掛けません」
優子にそう言われて、与力達の考えは伊勢山田独自の盲人組織を作る方に大きく傾いたが、それでもまだ決断を出来ないでいた。
「ではこうしましょう。
全てをお伊勢様に委ねるのです。
お伊勢様にご神託を頂き、その通りにするのです。
丁度与力の旦那方に神託を披露するのです。
真剣に尋ねる事がなく、遊び半分やお伊勢様を疑うような神託をしてしまうと、それこそ一族一門の全てに神罰が下るかもしれません」
優子にそう言われてしまっては、もう後には引けなかった。
そして神託を見たいと言った事を与力全員が激しく後悔した。
与力達はずっと伊勢山田の治安を維持してきたのだ。
優子とあいにお伊勢様の寵愛がある事を知っている。
筆が宙に浮いて神託を下す事が信じられなかっただけで、神罰かそれに近い事がある事は十分理解していた。
「分かった、お伊勢様の神託が下るのなら、それに従おう」
筆頭与力の決断で事は決まった。
決断するしかなかったとはいえ、瞬時に決断は見事なものだった。
どれほど追い詰められても決断できない者が結構多いのに。
★★★★★★
「分かった、お伊勢様の御意志に従おう」
6人の与力は目の前で起こる奇跡に圧倒された。
お奉行の言っていた通り、誰も手を触れていない筆が宙に浮いて、すらすらと神託を下していくのだ。
そのような奇跡を目の前にして、お伊勢様の神託を疑えるはずもない。
本当は筆の付喪神が優子の言う通りに書いているだけだが、その事を見聞きできるのは同じ陰陽師の祖父だけだった。
強制的に現場に連れてこられた盲人達は、眼で見る事はできなくても、妖怪変化や眷属神の力を感じることはできる。
耳から入ってくる妖怪変化や眷属神の脅し文句が恐ろしい。
圧倒的な神気に圧倒され、脅迫の言葉に恐怖するしかない。
与力と盲人達に神託に逆らう気力など残っていない。
優子の計画した神託を受け入れるしかない。
優子の計画とは、非人の勧進と盲人の特権を一緒にするという物だった。
お伊勢様門前での勧進は、2人の非人頭、伊勢山田当道座、伊勢山田の瞽女座を束ねる檜垣屋が行う。
健常者の冠婚葬祭時に徴収される座頭への献金は、座頭だけでなく瞽女も他の不自由が有る者にも、身分や地位に関係なく公平に分配される。
普通なら大金を積まなければ教えてもらえない、当道座と瞽女座の秘術、鍼灸あんま指圧や歌舞音曲も、伊勢山田では無料で教えるようにした。
優子と伊勢山田奉行所、非人頭などといった各座の頭との間では話がついたが、問題は幕府がどういう決定を下すかだった。
「うむむむむむ、これは……」
いつも通り、あいの巫女舞は妖怪変化が一緒に舞う。
眷属神や神使も我慢できずに一緒に舞う。
主神級は観賞して楽しんでいる。
だが1つ大きく違っている所がある。
それは、普段は御師宿の神楽舞台で舞っているのに、今回は神域内でも奥深くにある、外宮の神楽舞台で舞われているという事だった。
だから集まる神々の数が桁外れだった。
その場にいる人間が圧倒されるのもしかたのない事だった。
目の見えない盲人だからこそ、神々の気配をより強く感じられるのだ。
彼らは自分達がしでかした事に恐怖していた。
神の寵愛を受けていると評判の優子やあいに喧嘩を売って、伊勢山田では生きてはいけないと心底思い知らされていた。
優子やあいに魅かれている妖怪変化にとって、2人に意趣遺恨を持っている人間は敵でしかない。
人間を傷つける事は優子から厳しく止められているから、今この場で直接害を与えたりはしないが、殺気を放ち威嚇するくらいはする。
その殺気が心臓を止めかねないほど強い事は、敵意の強さの表れだったが、幸い見鬼の才能を持つ者がいなかったので、死者は出なかった。
死者は出なかったが、胸を搔きむしってしまうくらいの激痛は感じていた。
伊勢山田奉行の依田恒信はとばっちりを受けていた。
盲人達に放たれる妖怪変化の殺気の影響を強く受けてしまった。
だがそのお陰で、今までの考えを一変する事になった。
★★★★★★
「お奉行、いかがでした?」
「……神様はいる、間違いなく神様はおられる」
「……宗旨替えなされたのですか?」
「これまでが不明だったのだ。
私のこれまでの言動は、物を知らない子供の戯言だった」
「そこまでの奇跡に立ち会われたのですか?」
「目に見えなくても心と体が感じたのだ。
あれほどの神々しさを感じては、神様がおられないとは口が裂けても言えぬ」
「しかしながら、それをそのまま幕閣方々に報告するわけにはいきますまい」
「……盲人達がお伊勢様の威に打たれてひれ伏したと伝えよう。
それでこちらの想いを察してくださるだろう」
「それならばいいのですが……」
「心配するな。
意を察する事ができない方には、お伊勢様の神罰が下るであろう」
「お奉行?!」
「言い過ぎだと申すか?」
「いえ、私も色々と見聞きしておりますので、お奉行と想いは同じです。
ですが、お奉行がそこまで口にされるとは思ってもいませんでしたので」
「盲人達の醜態を見せつけられては、信じるしかあるまい。
いや、余も心の臓が痛くなり、その場で死ぬと本気で思ったわ」
「それほどでございますか?!」
「ああ、それほどだ。
それに、余の目の前で間違えようがない神託が下った」
「……巫女の言葉だけでは、嘘だと言われるかもしれません」
「あいは、いや、信託の巫女は何も言っていない。
そもそもあいは言葉を話せない」
「では、紙にでも書きましたか?
あいが優子から字を習っているという話しは聞いています」
「お前は、筆を持たず、宙に浮かした状態で字を書けるのか?」
「はっ?
何を申されているのですか?」
「確かに信託の巫女はお伊勢様の御意志を紙に残された。
だが筆をとって書かれたのではない。
筆を持たず、宙に浮かした状態で書かれたのだ。
あれは、お伊勢様が直接紙に書かれたに違いない」
伊勢山田奉行の依田恒信は間違っていた。
お伊勢様ほどの位の高い神が直接人間などと係わらない。
信託と言う事にして優子の考えを紙に書いたのは、筆の付喪神だ。
「お奉行だけがそれを見られたのですか?!」
「幕府の関係者は余だけだが、外宮の禰宜共と優子は見ている。
もっとも、禰宜共もあのような事が起こるとは毛ほども思っていなかったようだ。
驚きのあまり腰を抜かしておったわ!」
「……惜しい事でございます。
他にも高位の幕臣がいれば、幕閣の方々を説得するのが楽でしたのに」
「その心配は無用だ。
神託の巫女殿と優子から、事前に知らせて貰えれば、潔斎を行って同じ事ができるようにすると言ってもらった。
幕閣の方々が来られようと、巡検使が確かめに来ても大丈夫だ」
「そこまで言い切りましたか……」
「心配ならお前達も神託に同席するか?」
「宜しいのですか?」
「ああ、奉行所の総意として幕閣に上申するのなら、少なくとも与力の過半数は賛成しなければいけないだろうと、もう1度神託を行うと言われた」
依田恒信奉行は、徐々に立場を忘れてあいと優子に心酔している様子を表に出してしまい、与力を不安にさせていた。
「……そうですか、でしたら与力総出で確かめなければなりません」
「それと、職屋敷の検校にも出頭命令を出す。
全てはあ奴らの私利私欲から始まった事だ!
お伊勢様の権威を僅かでも損なうような事は絶対に許されん!」
与力はお奉行の言葉に大きな不安を感じていた。
京にある職屋敷に命令する権限など、伊勢山田奉行所にはない。
だからこそ、与力6人全員で確かめなければいけないと考えていた。
与力達は一刻も早くお奉行の言葉が本当か確かめたかった。
来るか来ないか分からない職屋敷の検校を待つ余裕などなかった。
お奉行がおかしなことを幕閣に送る前に、確かめないといけないと思っていた。
なんだかんだ言っても、依田奉行は与力同心から慕われていたのだ。
与力達は駄目元で職屋敷の検校を待つことなく神託を行って欲しいと要望した。
受けてもらえない場合は、お奉行に内緒で圧力をかける心算だった。
だが拍子抜けするくらい簡単に引き受けてもらえた。
だが、1つだけ条件があった。
それは、伊勢山田奉行所の支配域にいる、全ての座頭と瞽女を同席させるという条件だった。
「何故そのような条件を付けるのだ?
理由が分からなければ応じられない」
そういう筆頭与力に優子がこう答えた。
「難癖をつけてきた職屋敷に検校に思い知らせるためです。
検校がなんのかんの言って、お伊勢様に来なかった場合に、座頭と瞽女をお伊勢様の支配下に引き抜くためです。
お伊勢様の支配下に置くと言う事は、お奉行所の支配下に置く事になります。
難癖をつけてきた検校の鼻を明かせるのではありませんか?
上方筋が職屋敷、関東筋が惣禄屋敷に分かれているのですから、東照宮と同格のお伊勢様も独自に支配してもいいのではありませんか?」
優子にそう言われた与力達は迷った。
検校の鼻を明かしたい気持ちはあるが、よけいな仕事は増やしたくない。
自分だけでなく、子々孫々新しい役目にも責任を持たなければいけなくなる。
「細かい仕事は、お伊勢様の禰宜か非人頭にやってもらえばいいのです。
特に非人頭なら、これまでも勧進をやっております。
御師宿の興行は、この檜垣屋が責任を持って仕切らせていただきます。
お奉行所には一切迷惑を掛けません」
優子にそう言われて、与力達の考えは伊勢山田独自の盲人組織を作る方に大きく傾いたが、それでもまだ決断を出来ないでいた。
「ではこうしましょう。
全てをお伊勢様に委ねるのです。
お伊勢様にご神託を頂き、その通りにするのです。
丁度与力の旦那方に神託を披露するのです。
真剣に尋ねる事がなく、遊び半分やお伊勢様を疑うような神託をしてしまうと、それこそ一族一門の全てに神罰が下るかもしれません」
優子にそう言われてしまっては、もう後には引けなかった。
そして神託を見たいと言った事を与力全員が激しく後悔した。
与力達はずっと伊勢山田の治安を維持してきたのだ。
優子とあいにお伊勢様の寵愛がある事を知っている。
筆が宙に浮いて神託を下す事が信じられなかっただけで、神罰かそれに近い事がある事は十分理解していた。
「分かった、お伊勢様の神託が下るのなら、それに従おう」
筆頭与力の決断で事は決まった。
決断するしかなかったとはいえ、瞬時に決断は見事なものだった。
どれほど追い詰められても決断できない者が結構多いのに。
★★★★★★
「分かった、お伊勢様の御意志に従おう」
6人の与力は目の前で起こる奇跡に圧倒された。
お奉行の言っていた通り、誰も手を触れていない筆が宙に浮いて、すらすらと神託を下していくのだ。
そのような奇跡を目の前にして、お伊勢様の神託を疑えるはずもない。
本当は筆の付喪神が優子の言う通りに書いているだけだが、その事を見聞きできるのは同じ陰陽師の祖父だけだった。
強制的に現場に連れてこられた盲人達は、眼で見る事はできなくても、妖怪変化や眷属神の力を感じることはできる。
耳から入ってくる妖怪変化や眷属神の脅し文句が恐ろしい。
圧倒的な神気に圧倒され、脅迫の言葉に恐怖するしかない。
与力と盲人達に神託に逆らう気力など残っていない。
優子の計画した神託を受け入れるしかない。
優子の計画とは、非人の勧進と盲人の特権を一緒にするという物だった。
お伊勢様門前での勧進は、2人の非人頭、伊勢山田当道座、伊勢山田の瞽女座を束ねる檜垣屋が行う。
健常者の冠婚葬祭時に徴収される座頭への献金は、座頭だけでなく瞽女も他の不自由が有る者にも、身分や地位に関係なく公平に分配される。
普通なら大金を積まなければ教えてもらえない、当道座と瞽女座の秘術、鍼灸あんま指圧や歌舞音曲も、伊勢山田では無料で教えるようにした。
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