18 / 91
第一章
第18話:突入
しおりを挟む
フィアル公爵邸に駆けつけたグレアムは躊躇する事無く門を突破した。
最初は忍び込む予定だったが、そんな状況ではなかった。
フィアル公爵邸からとても人の声とは思えない雄叫びが聞こえている。
雄叫びだけでなく悲鳴も聞こえてくる。
尋常でない事が起きているのが明らかだったのだ。
素性を隠すためにフルフェイスの兜をかぶっている。
兜の下には覆面もしている。
最悪の場合は顔を自ら潰して正体を隠す覚悟もできていた。
だからこそ馬上のままでフィアル公爵邸に入れたのだ。
普通なら馬上のまま公爵邸に入ることなどできない。
普通なら公爵邸は厳重に護られている。
敷地内に入る門は閉められ複数の門番が護っている。
入り込もうとすれば即座に戦闘になる。
それが一人の門番もいない。
城門にも匹敵する厳重な門が開け放たれている。
その状態で雄叫びと悲鳴が聞こえてくるのだ。
グレアムは騎乗したまま公爵邸のエントランスまで行き、馬上から玄関扉を蹴破ったのだが、目に入ってきた光景は地獄絵図だった。
そこには誰一人人間は残っていなかった。
視界に入るのはモンスターばかりだった。
そのモンスターが互いを喰らい合い犯し合っていた。
決死の覚悟を決めていたグレアムですら一瞬固まったしまった。
それほど予想外の衝撃的な光景だった。
だがグレアムは直ぐに自分を取り戻した。
エントランスから玄関ホールに馬上のまま進んだ。
公爵家ともなれば多くの貴族を招いてパーティーを開く事も多い。
当然玄関ホールは数百人が集まれる広さになっている。
だからこそ騎乗したまま乗り込めたのだ。
だからこそモンスター達の地獄絵図が繰り広げられているのだ。
グレアムは馬上から槍を振るってモンスター達を突き殺した。
モンスター達がグレアムに意識を向ける前に六体を刺し殺した。
「庭で待っていろ」
グレアムは愛馬に命じると馬上から飛び降りた。
槍で六体目のモンスター刺殺したのを最後に、騎乗を諦めた。
これ以上騎乗したままで戦えば愛馬が殺されてしまうと判断したのだ。
広いとはいえ閉鎖された公爵邸内部では馬の機動力を生かせない。
四方八方から襲われては防ぎきれないと判断したのだ。
グレアムは槍をモンスターの身体に刺し貫いたまま、双剣を抜いた。
周囲をモンスターに囲まれた状態では、強力でも取り回しの難しい武器は不利。
それよりは早く振り回せる双剣を両手に持って縦横無尽に振り回すべき。
そう判断しての武器の変更だった。
素早く鋭く双剣を振り回して小刻みにモンスターを斬った。
一撃必殺ではなく、モンスターを傷つけ弱らせ盾にする計算で戦った。
最初は忍び込む予定だったが、そんな状況ではなかった。
フィアル公爵邸からとても人の声とは思えない雄叫びが聞こえている。
雄叫びだけでなく悲鳴も聞こえてくる。
尋常でない事が起きているのが明らかだったのだ。
素性を隠すためにフルフェイスの兜をかぶっている。
兜の下には覆面もしている。
最悪の場合は顔を自ら潰して正体を隠す覚悟もできていた。
だからこそ馬上のままでフィアル公爵邸に入れたのだ。
普通なら馬上のまま公爵邸に入ることなどできない。
普通なら公爵邸は厳重に護られている。
敷地内に入る門は閉められ複数の門番が護っている。
入り込もうとすれば即座に戦闘になる。
それが一人の門番もいない。
城門にも匹敵する厳重な門が開け放たれている。
その状態で雄叫びと悲鳴が聞こえてくるのだ。
グレアムは騎乗したまま公爵邸のエントランスまで行き、馬上から玄関扉を蹴破ったのだが、目に入ってきた光景は地獄絵図だった。
そこには誰一人人間は残っていなかった。
視界に入るのはモンスターばかりだった。
そのモンスターが互いを喰らい合い犯し合っていた。
決死の覚悟を決めていたグレアムですら一瞬固まったしまった。
それほど予想外の衝撃的な光景だった。
だがグレアムは直ぐに自分を取り戻した。
エントランスから玄関ホールに馬上のまま進んだ。
公爵家ともなれば多くの貴族を招いてパーティーを開く事も多い。
当然玄関ホールは数百人が集まれる広さになっている。
だからこそ騎乗したまま乗り込めたのだ。
だからこそモンスター達の地獄絵図が繰り広げられているのだ。
グレアムは馬上から槍を振るってモンスター達を突き殺した。
モンスター達がグレアムに意識を向ける前に六体を刺し殺した。
「庭で待っていろ」
グレアムは愛馬に命じると馬上から飛び降りた。
槍で六体目のモンスター刺殺したのを最後に、騎乗を諦めた。
これ以上騎乗したままで戦えば愛馬が殺されてしまうと判断したのだ。
広いとはいえ閉鎖された公爵邸内部では馬の機動力を生かせない。
四方八方から襲われては防ぎきれないと判断したのだ。
グレアムは槍をモンスターの身体に刺し貫いたまま、双剣を抜いた。
周囲をモンスターに囲まれた状態では、強力でも取り回しの難しい武器は不利。
それよりは早く振り回せる双剣を両手に持って縦横無尽に振り回すべき。
そう判断しての武器の変更だった。
素早く鋭く双剣を振り回して小刻みにモンスターを斬った。
一撃必殺ではなく、モンスターを傷つけ弱らせ盾にする計算で戦った。
560
あなたにおすすめの小説
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめる事にしました 〜once again〜
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
【アゼリア亡き後、残された人々のその後の物語】
白血病で僅か20歳でこの世を去った前作のヒロイン、アゼリア。彼女を大切に思っていた人々のその後の物語
※他サイトでも投稿中
お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】
私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。
その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。
ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない
自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。
そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが――
※ 他サイトでも投稿中
途中まで鬱展開続きます(注意)
【完結】『妹の結婚の邪魔になる』と家族に殺されかけた妖精の愛し子の令嬢は、森の奥で引きこもり魔術師と出会いました。
夏芽みかん
恋愛
メリルはアジュール王国侯爵家の長女。幼いころから妖精の声が聞こえるということで、家族から気味悪がられ、屋敷から出ずにひっそりと暮らしていた。しかし、花の妖精の異名を持つ美しい妹アネッサが王太子と婚約したことで、両親はメリルを一族の恥と思い、人知れず殺そうとした。
妖精たちの助けで屋敷を出たメリルは、時間の止まったような不思議な森の奥の一軒家で暮らす魔術師のアルヴィンと出会い、一緒に暮らすことになった。
許婚と親友は両片思いだったので2人の仲を取り持つことにしました
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
<2人の仲を応援するので、どうか私を嫌わないでください>
私には子供のころから決められた許嫁がいた。ある日、久しぶりに再会した親友を紹介した私は次第に2人がお互いを好きになっていく様子に気が付いた。どちらも私にとっては大切な存在。2人から邪魔者と思われ、嫌われたくはないので、私は全力で許嫁と親友の仲を取り持つ事を心に決めた。すると彼の評判が悪くなっていき、それまで冷たかった彼の態度が軟化してきて話は意外な展開に・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
罠にはめられた公爵令嬢~今度は私が報復する番です
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
ファンタジー
【私と私の家族の命を奪ったのは一体誰?】
私には婚約中の王子がいた。
ある夜のこと、内密で王子から城に呼び出されると、彼は見知らぬ女性と共に私を待ち受けていた。
そして突然告げられた一方的な婚約破棄。しかし二人の婚約は政略的なものであり、とてもでは無いが受け入れられるものではなかった。そこで婚約破棄の件は持ち帰らせてもらうことにしたその帰り道。突然馬車が襲われ、逃げる途中で私は滝に落下してしまう。
次に目覚めた場所は粗末な小屋の中で、私を助けたという青年が側にいた。そして彼の話で私は驚愕の事実を知ることになる。
目覚めた世界は10年後であり、家族は反逆罪で全員処刑されていた。更に驚くべきことに蘇った身体は全く別人の女性であった。
名前も素性も分からないこの身体で、自分と家族の命を奪った相手に必ず報復することに私は決めた――。
※他サイトでも投稿中
好きでした、婚約破棄を受け入れます
たぬきち25番
恋愛
シャルロッテ子爵令嬢には、幼い頃から愛し合っている婚約者がいた。優しくて自分を大切にしてくれる婚約者のハンス。彼と結婚できる幸せな未来を、心待ちにして努力していた。ところがそんな未来に暗雲が立ち込める。永遠の愛を信じて、傷つき、涙するシャルロッテの運命はいかに……?
※十章を改稿しました。エンディングが変わりました。
「お幸せに」と微笑んだ悪役令嬢は、二度と戻らなかった。
パリパリかぷちーの
恋愛
王太子から婚約破棄を告げられたその日、
クラリーチェ=ヴァレンティナは微笑んでこう言った。
「どうか、お幸せに」──そして姿を消した。
完璧すぎる令嬢。誰にも本心を明かさなかった彼女が、
“何も持たずに”去ったその先にあったものとは。
これは誰かのために生きることをやめ、
「私自身の幸せ」を選びなおした、
ひとりの元・悪役令嬢の再生と静かな愛の物語。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる