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第一章
第47話:グレアムとルーパス4
「申し訳ありません、ルーパス様。
国王達の下劣非道な行いの所為で、オードリー様はとても辛い思いをされました。
その影響か眠りから目覚められません。
だからと言ってイルフランド王家にだけ責任があるわけではありません。
見過ごしてきた我ら貴族も同罪でございます。
この命でオードリー様のお気持ちが晴れ目覚められるのでしたら、何時でもオードリー様にこの命を捧げさせていただきます」
ルーパスは切々と決意を語るグレアムを持て余していた。
諸々の理由で殺さないと決めた以上、生贄になどできない。
かといって一緒に行動するのも何か腹立たしい。
本当はオードリーだけを連れて転移を重ね、オードリーを苦しめた連中や見て見ぬふりをしていた連中を皆殺しにしたい。
単に殺すだけでなく大魔王に渡して生贄に使いたかった。
「ふむ、ではこのままこの辺りで野営しているがいい。
所用をすましたら直ぐに戻ってくる。
いいな、何があってもオードリーを護るのだぞ」
言わなくてもいい言葉だった。
ゆとりの出たルーパスは周りの状態を魔術で探知していた。
守護石が利用しようとしたのであろうモンスター、魔族魔獣魔蟲がいる。
進化した守護石は何か考えがあってグレアムとモンスターを利用している。
斃れている混血魔族と同じ反応の集団がかなり遠くにある。
守護石が必要と考えたらグレアムと混血達を戦わせ、戦わせる必要がないと考えたらモンスターに混血を滅ぼさせるだろう。
「お任せくださいルーパス様。
命に代えてもオードリー様を御守りさせていただきます。
幸いに快適な馬車が手に入りました。
食糧も森の獣を狩れば手に入ります、ご安心ください」
ルーパスは色々と考えてオードリーをグレアムに任せる事にした。
内心とてもとても複雑だったが、考えれば考えるほど預ける以外に道がなかった。
これからルーパスはオードリーを苦しめた連中に復讐をする。
眠っているとはいえそんな姿をオードリーに見せる訳にはいかない。
百歩譲って純粋にオードリーの復讐ならまだ言い訳することができる。
だが今は大魔王と取引して、オードリーを苦しめた連中や見殺しにした連中を生贄に差し出すことになっている。
そんな姿をオードリーに見られたくないのは親として当然だろう。
だからルーパスは苦渋の決断をしてオードリーをグレアムに託したのだ。
いや、口ではグレアム任せると言ってはいるが、内心は軍馬達に頼んでいた。
いや、心話では「グレアムは頼りないからお前達に頼む」と軍馬達に伝えていた。
「分かった、では頼んだぞ」
「お待ちください、どうか私も家臣に、いえ、使用人にしてください」
国王達の下劣非道な行いの所為で、オードリー様はとても辛い思いをされました。
その影響か眠りから目覚められません。
だからと言ってイルフランド王家にだけ責任があるわけではありません。
見過ごしてきた我ら貴族も同罪でございます。
この命でオードリー様のお気持ちが晴れ目覚められるのでしたら、何時でもオードリー様にこの命を捧げさせていただきます」
ルーパスは切々と決意を語るグレアムを持て余していた。
諸々の理由で殺さないと決めた以上、生贄になどできない。
かといって一緒に行動するのも何か腹立たしい。
本当はオードリーだけを連れて転移を重ね、オードリーを苦しめた連中や見て見ぬふりをしていた連中を皆殺しにしたい。
単に殺すだけでなく大魔王に渡して生贄に使いたかった。
「ふむ、ではこのままこの辺りで野営しているがいい。
所用をすましたら直ぐに戻ってくる。
いいな、何があってもオードリーを護るのだぞ」
言わなくてもいい言葉だった。
ゆとりの出たルーパスは周りの状態を魔術で探知していた。
守護石が利用しようとしたのであろうモンスター、魔族魔獣魔蟲がいる。
進化した守護石は何か考えがあってグレアムとモンスターを利用している。
斃れている混血魔族と同じ反応の集団がかなり遠くにある。
守護石が必要と考えたらグレアムと混血達を戦わせ、戦わせる必要がないと考えたらモンスターに混血を滅ぼさせるだろう。
「お任せくださいルーパス様。
命に代えてもオードリー様を御守りさせていただきます。
幸いに快適な馬車が手に入りました。
食糧も森の獣を狩れば手に入ります、ご安心ください」
ルーパスは色々と考えてオードリーをグレアムに任せる事にした。
内心とてもとても複雑だったが、考えれば考えるほど預ける以外に道がなかった。
これからルーパスはオードリーを苦しめた連中に復讐をする。
眠っているとはいえそんな姿をオードリーに見せる訳にはいかない。
百歩譲って純粋にオードリーの復讐ならまだ言い訳することができる。
だが今は大魔王と取引して、オードリーを苦しめた連中や見殺しにした連中を生贄に差し出すことになっている。
そんな姿をオードリーに見られたくないのは親として当然だろう。
だからルーパスは苦渋の決断をしてオードリーをグレアムに託したのだ。
いや、口ではグレアム任せると言ってはいるが、内心は軍馬達に頼んでいた。
いや、心話では「グレアムは頼りないからお前達に頼む」と軍馬達に伝えていた。
「分かった、では頼んだぞ」
「お待ちください、どうか私も家臣に、いえ、使用人にしてください」
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