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第12話追放41日目の出来事
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緑あふれる聖地には、鳥が愛の唄を囀り、美しい虫の音が響いていた。
それを聞くだけで心が癒され幸せを感じられる。
姿を見せる鳥の姿はとても美しい。
見ているだけで眼が癒される鮮やかな色が心にまで映える。
思わず口から唄がこぼれ出るくらい、安らかな気持ちになっていた。
全くの偶然だと思うのだが、アリスの唄に合わせて小鳥が美しく歌い始めた。
小鳥の合唱に勇気をもらって、アリスの歌声が少し大きくなる。
今度は別の場所から、違う小鳥が合唱を始めた。
それを聞いたアリスは更に勇気づけられ、少し自信を持って歌った。
今度は足元の虫の音が大きく美しくなった。
いつの間にか大合唱になっていた。
鳥も虫もアリスの歌声に合わせて、大きく美しく愛の歌を囀り奏でる。
アリスの歌声に、徐々に自信が感じられるようになった。
鳥と虫がアリスに自信を与えてくれた。
若さと健康に満ちた美声が、聖地の隅々にまで広がっていた。
「アリス、とても美しい歌声だったよ。
思わず聞き惚れてしまったよ」
唄が一息ついて、アリスが歌うのを止めようとした時に、テーベが声をかけた。
「まあ、テーベ様。
隠れて聞いておられたのですか?
恥ずかしいですわ!」
アリスは言葉通り恥ずかしくなって、真っ赤になってはいたが、怯えるようなところはなかった。
テーベはアリスの唄を隠れて聞いていた。
ずっと自信が持てず、歌うことのなかったアリスが、無意識に歌っていたのだ。
老化のために声がしわがれ、痰がきれず咳も止まらず、常に鼻水が口から喉に流れ、肺が痛む状態ではとても唄など歌えなかった。
身体が癒されたとはいっても、自信が回復したとはいえなかった。
そのアリスが嬉しそうに歌っているのだ。
姿を現してアリスが唄を止めてしまってはいけないと、ずっと隠れて聞いていた。
聞いているだけで幸せだった。
アリスの溢れるような笑顔と、喜びに満ちた歌声が、テーベに幸せにする。
アリスが自信を取り戻すまでは、隠れ聞きするしかなかった。
普通なら隠れ見や隠れ聞きは恥ずべき事なのだが、ここで声をかけたりしたら、二度とアリスが自ら進んで歌う事がないかもしれないと思ったのだ。
アリスが完全に自信を取り戻すまでは、黙って隠れているしかなかったのだ。
テーベが安心して声をかけられたのは、アリスが時も場所も忘れるくらい唄に熱中して、外から見ても自信が見て取れるようになってからだった。
「どうだろう、アリス。
一緒に歌わさせてくれないかな。
鳥や虫も喜んで一緒に歌っていたんだ。
僕も一緒に歌いたくなったんだ」
「正直恥ずかしいですが、こんなに軽やかに歌える時が来るなんて、思ってもいませんでしたから、テーベ様が望んでくださるのなら、一緒に歌わせていただきます」
アリスはテーベの前でも歌えるくらい自信を取り戻し歌う喜びにも目覚めていた。
それを聞くだけで心が癒され幸せを感じられる。
姿を見せる鳥の姿はとても美しい。
見ているだけで眼が癒される鮮やかな色が心にまで映える。
思わず口から唄がこぼれ出るくらい、安らかな気持ちになっていた。
全くの偶然だと思うのだが、アリスの唄に合わせて小鳥が美しく歌い始めた。
小鳥の合唱に勇気をもらって、アリスの歌声が少し大きくなる。
今度は別の場所から、違う小鳥が合唱を始めた。
それを聞いたアリスは更に勇気づけられ、少し自信を持って歌った。
今度は足元の虫の音が大きく美しくなった。
いつの間にか大合唱になっていた。
鳥も虫もアリスの歌声に合わせて、大きく美しく愛の歌を囀り奏でる。
アリスの歌声に、徐々に自信が感じられるようになった。
鳥と虫がアリスに自信を与えてくれた。
若さと健康に満ちた美声が、聖地の隅々にまで広がっていた。
「アリス、とても美しい歌声だったよ。
思わず聞き惚れてしまったよ」
唄が一息ついて、アリスが歌うのを止めようとした時に、テーベが声をかけた。
「まあ、テーベ様。
隠れて聞いておられたのですか?
恥ずかしいですわ!」
アリスは言葉通り恥ずかしくなって、真っ赤になってはいたが、怯えるようなところはなかった。
テーベはアリスの唄を隠れて聞いていた。
ずっと自信が持てず、歌うことのなかったアリスが、無意識に歌っていたのだ。
老化のために声がしわがれ、痰がきれず咳も止まらず、常に鼻水が口から喉に流れ、肺が痛む状態ではとても唄など歌えなかった。
身体が癒されたとはいっても、自信が回復したとはいえなかった。
そのアリスが嬉しそうに歌っているのだ。
姿を現してアリスが唄を止めてしまってはいけないと、ずっと隠れて聞いていた。
聞いているだけで幸せだった。
アリスの溢れるような笑顔と、喜びに満ちた歌声が、テーベに幸せにする。
アリスが自信を取り戻すまでは、隠れ聞きするしかなかった。
普通なら隠れ見や隠れ聞きは恥ずべき事なのだが、ここで声をかけたりしたら、二度とアリスが自ら進んで歌う事がないかもしれないと思ったのだ。
アリスが完全に自信を取り戻すまでは、黙って隠れているしかなかったのだ。
テーベが安心して声をかけられたのは、アリスが時も場所も忘れるくらい唄に熱中して、外から見ても自信が見て取れるようになってからだった。
「どうだろう、アリス。
一緒に歌わさせてくれないかな。
鳥や虫も喜んで一緒に歌っていたんだ。
僕も一緒に歌いたくなったんだ」
「正直恥ずかしいですが、こんなに軽やかに歌える時が来るなんて、思ってもいませんでしたから、テーベ様が望んでくださるのなら、一緒に歌わせていただきます」
アリスはテーベの前でも歌えるくらい自信を取り戻し歌う喜びにも目覚めていた。
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