冤罪で婚約破棄され八つ裂きを言い渡された伯爵令嬢はブチ切れる。

克全

文字の大きさ
3 / 22

2話

しおりを挟む
「他に余に盾突く者はいるか?!
 いるならさっさと出てこい!
 他の者は余に忠誠を示すのだな?」

 誰もでていかないのですね。
 王都に残った貴族士族は、臆病者と卑怯者ばかり。
 もう宮廷は王太子とダニエラの、いえ、コヴェントリー侯爵の好き勝手にやれてしまう、正義も倫理も常識もない悪逆非道の場になってしまったのですね。

「さて、どちらから殺してやろうか?
 元婚約者のヴァルナからか?
 それとも愚かにもヴァルナを庇ったアウロラからか?
 ダニエラは誰から殺して欲しい?」

「そうですわね。
 生意気にヴァルナを庇おうとしたアウロラから処罰するほうが、ヴァルナの苦しみが深くのなるのではありませんか?」

「そうか、そうだな。
 自分を庇ったアウロラが八つ裂きにされるところを見せつけられるほうが、ヴァルナには苦痛だろう。
 おい!
 アウロラから殺すんだ!」

 大声で叫んで止めたいけれど、そんなことをしたら王太子とダニエラを喜ばせてしまうだけで、何の役にも立たない。
 アウロラも必死で泣くのを我慢しています。
 誇り高いケッペル伯爵家の令嬢だけあります。

「ちょっと待ってくださいませ。
 これだけたくさんの方々が見物に集まってくださっているのです。
 ただ四肢を馬につないでで引き千切るだけでは、見物の者も面白くないでしょう。
 反逆を犯した大罪人ですから、屈辱を与えるほうがいいと思いますの。
 そうした方が見せしめになると思いますわ」

「屈辱?
 どうするというのだ?」

「裸にしますの。
 服を奪って、生まれたままの姿で馬に縛り、見物の者に秘所をさらけだして八つ裂きにすれば、とても屈辱を与えられると思いますの」

「フッハハハハハ!
 ハッハハハハハ!
 アッハッハハハハ!
 それはいい。
 それは面白い。
 いいことを思いついてくれた。
 おい!
 アウロラを裸にひんむけ!
 伯爵令嬢の秘所を、卑しい民にも見せてやれ!」

「イヤァァァァァァア!」

 アウロラの悲鳴で私の堪忍袋の緒が切れました。
 我慢に我慢を重ね、父上や母上に迷惑が掛からないように、舌鋒以外の抵抗をしなてきませんでした。
 でも、これほどの残虐非道を、私を庇ってくれたアウロラに与えるというのなら、我慢などできません。

 アウロラが私を庇ってくれた時点で、怒りが限界に近かったのは確かです。
 ダニエラが下劣で愚かなことを口にしなくても、私は怒りに我を忘れていたかもしれません。
 ですが、ダニエラの言葉が私をブチ切れさせたのは間違いのない事実です。

「今まで好き勝手やってくれたな、腐れ外道ども!
 もう許せねぇ。
 封印していた力を開放して、ブチ殺してやるから覚悟しな!」
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

処刑台の皇妃、回帰して復讐を誓う ~冷酷公爵と偽りの婚約者~ おまえたちは許さない!

秦江湖
ファンタジー
皇妃エリアーナは、夫である皇帝アランと、たった一人の親友イザベラの策略により、無実の罪で処刑される。 民衆に罵られ、アランの冷酷な目とイザベラの嘲笑を「始まりの景色」として目に焼き付けながら絶命した彼女は、しかし、処刑の記憶を持ったまま三年前の過去に回帰する。 「おまえたちは許さない」 二度目の人生。 エリアーナの目的はただ一つ、自分を陥れた二人への完璧な復讐。 彼女はまず、アラン(皇太子)からの婚約内示を拒絶。そして、アラン最大の政敵である「北の冷血公爵」ルシアン・ヴァレリウスに接触する。 1周目で得た「未来の知識」を対価に、エリアーナはルシアンに持ちかける。 「貴方様には帝国の覇権を。わたくしには復讐の舞台を。そのための『契約婚約』を――」 憎悪を糧に生きる皇妃と、氷の瞳を持つ公爵。 二人の偽りの婚約の行く末は……

だってお義姉様が

砂月ちゃん
恋愛
『だってお義姉様が…… 』『いつもお屋敷でお義姉様にいじめられているの!』と言って、高位貴族令息達に助けを求めて来た可憐な伯爵令嬢。 ところが正義感あふれる彼らが、その意地悪な義姉に会いに行ってみると…… 他サイトでも掲載中。

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

王国最強の天才魔導士は、追放された悪役令嬢の息子でした

由香
ファンタジー
追放された悪役令嬢が選んだのは復讐ではなく、母として息子を守ること。 無自覚天才に育った息子は、魔法を遊び感覚で扱い、王国を震撼させてしまう。 再び招かれたのは、かつて母を追放した国。 礼儀正しく圧倒する息子と、静かに完全勝利する母。 これは、親子が選ぶ“最も美しいざまぁ”。

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します

スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」 眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。 隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。 エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。 しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。 彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。 「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」 裏切りへのカウントダウンが今、始まる。 スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!

出来損ないの私がお姉様の婚約者だった王子の呪いを解いてみた結果→

AK
恋愛
「ねえミディア。王子様と結婚してみたくはないかしら?」 ある日、意地の悪い笑顔を浮かべながらお姉様は言った。 お姉様は地味な私と違って公爵家の優秀な長女として、次期国王の最有力候補であった第一王子様と婚約を結んでいた。 しかしその王子様はある日突然不治の病に倒れ、それ以降彼に触れた人は石化して死んでしまう呪いに身を侵されてしまう。 そんは王子様を押し付けるように婚約させられた私だけど、私は光の魔力を有して生まれた聖女だったので、彼のことを救うことができるかもしれないと思った。 お姉様は厄介者と化した王子を押し付けたいだけかもしれないけれど、残念ながらお姉様の思い通りの展開にはさせない。

婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています

由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、 悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。 王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。 だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、 冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。 再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。 広場で語られる真実。 そして、無自覚に人を惹きつけてしまう リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。 これは、 悪役令嬢として断罪された少女が、 「誰かの物語の脇役」ではなく、 自分自身の人生を取り戻す物語。 過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、 彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。

処理中です...