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第一章
第7話:絶望・元フィエン公爵視点
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私は、子育てに失敗してしまった、無能な領主だ。
あれほど愚かに育ってしまったのは、全て私の責任だ。
民を想い、次期国王としての名声も私欲も捨て、滅私奉公の精神で国と民に尽くされる王太子殿下の間近にいながら、自分の名声と金と地位と女を貪欲に求める、ただの戦馬鹿に心惹かれ、貞操を失うなんて、愚かにもほどがある。
せめて、せめて、もう少し前に全てを話してくれていたら、リカルド王太子殿下ならば、民のために涙を呑んで許してくださっただろう。
陛下や家臣達を説得するために、フィエン公爵家の取り潰しと一族の国外追放だけで許してくださったはずだ。
だが、国内外の王侯貴族の前で、あれほどの恥を殿下にかかせてしまったら、もう殿下が領民だけは助けたいと言われても、陛下や家臣達が絶対に許さない。
「フィエン公爵閣下、恐れながら申し上げます」
一縷の望みを託して各国に送った使者がまた戻って来たか。
だが、顔を見れば聞かなくても返事は分かるが、聞かねばなるまい。
一族席で傲岸不遜な顔つきで偉そうに家臣を見下している似非勇者と、尻軽で頭の悪い娘に、自分達のしでかした事を、繰り返し思い知らすためにも。
「もう私を公爵と呼ぶのは止めろと何度も言っているだろう。
フィフス王国から奪爵され、国内外の王侯貴族からも絶縁状が届いておる。
誰も認めない爵位を名乗っても惨めなだけだ、何度言えばわかる」
家臣達が悔しそうに顔を歪めているが、どうしようもない事だ。
中には似非勇者を睨みつける胆力のある者もいるが、ほとんどの者は理不尽に殴られるのを恐れて目を合わせない、情けない事よ。
リカルド王太子殿下の家臣達なら、殺されても断固としてひかないだろうに。
「は、申し訳ありません、ヘリドス様。
その、セント・ジオン皇国からの返事でございますが……」
よほど言い難い返事を、いや、罵りを浴びせられたのだろう。
だが聞かなければなるまい、いや、皆に今の我らが国内外でどう思われているのか、繰り返し聞かせなばなるまい。
「言い難いのは分かっておる、だが正直に言うのだ、分かったな」
「はい、まず皇帝陛下どころか、皇族方にも重臣方にも謁見を許されず、皇都警備隊の平民担当の士族に、罪人一族として扱われました」
「「「「「くうううう」」」」」
家臣達が絶望の呻き声をあげているが、私もそこまでとは思っていなかった。
皇族には会ってもらえないだろうが、重臣方の誰かには会っていただけると思っていたが、それが、皇都警備隊の総隊長どころか、犯罪者担当士族とは……
「そこで、王家と貴族の盟約を破る、それも信義も情もない魔獣以下の行いで破る者に支援する、それは皇国が魔獣以下だと認めることになる。
そのような恥知らずな行いは断じて行わないし認めない。
今後フィエン一族の家臣領民が皇国領に入る事は認めん。
入ればその場で魔獣魔人同様、裁判なしに斬り殺す
これはフィエン一族を支援する者も同様で、フィエン一族に味方する者は、人類の敵として軍を差し向けると、申し渡されました!」
あれほど愚かに育ってしまったのは、全て私の責任だ。
民を想い、次期国王としての名声も私欲も捨て、滅私奉公の精神で国と民に尽くされる王太子殿下の間近にいながら、自分の名声と金と地位と女を貪欲に求める、ただの戦馬鹿に心惹かれ、貞操を失うなんて、愚かにもほどがある。
せめて、せめて、もう少し前に全てを話してくれていたら、リカルド王太子殿下ならば、民のために涙を呑んで許してくださっただろう。
陛下や家臣達を説得するために、フィエン公爵家の取り潰しと一族の国外追放だけで許してくださったはずだ。
だが、国内外の王侯貴族の前で、あれほどの恥を殿下にかかせてしまったら、もう殿下が領民だけは助けたいと言われても、陛下や家臣達が絶対に許さない。
「フィエン公爵閣下、恐れながら申し上げます」
一縷の望みを託して各国に送った使者がまた戻って来たか。
だが、顔を見れば聞かなくても返事は分かるが、聞かねばなるまい。
一族席で傲岸不遜な顔つきで偉そうに家臣を見下している似非勇者と、尻軽で頭の悪い娘に、自分達のしでかした事を、繰り返し思い知らすためにも。
「もう私を公爵と呼ぶのは止めろと何度も言っているだろう。
フィフス王国から奪爵され、国内外の王侯貴族からも絶縁状が届いておる。
誰も認めない爵位を名乗っても惨めなだけだ、何度言えばわかる」
家臣達が悔しそうに顔を歪めているが、どうしようもない事だ。
中には似非勇者を睨みつける胆力のある者もいるが、ほとんどの者は理不尽に殴られるのを恐れて目を合わせない、情けない事よ。
リカルド王太子殿下の家臣達なら、殺されても断固としてひかないだろうに。
「は、申し訳ありません、ヘリドス様。
その、セント・ジオン皇国からの返事でございますが……」
よほど言い難い返事を、いや、罵りを浴びせられたのだろう。
だが聞かなければなるまい、いや、皆に今の我らが国内外でどう思われているのか、繰り返し聞かせなばなるまい。
「言い難いのは分かっておる、だが正直に言うのだ、分かったな」
「はい、まず皇帝陛下どころか、皇族方にも重臣方にも謁見を許されず、皇都警備隊の平民担当の士族に、罪人一族として扱われました」
「「「「「くうううう」」」」」
家臣達が絶望の呻き声をあげているが、私もそこまでとは思っていなかった。
皇族には会ってもらえないだろうが、重臣方の誰かには会っていただけると思っていたが、それが、皇都警備隊の総隊長どころか、犯罪者担当士族とは……
「そこで、王家と貴族の盟約を破る、それも信義も情もない魔獣以下の行いで破る者に支援する、それは皇国が魔獣以下だと認めることになる。
そのような恥知らずな行いは断じて行わないし認めない。
今後フィエン一族の家臣領民が皇国領に入る事は認めん。
入ればその場で魔獣魔人同様、裁判なしに斬り殺す
これはフィエン一族を支援する者も同様で、フィエン一族に味方する者は、人類の敵として軍を差し向けると、申し渡されました!」
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