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第一章
第50話:恐怖・レイラ第三皇女視点
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生れて初めて、民の目が怖いと思いました。
表向きは義勇兵で、フィフス王国軍の兵士です。
でも乳飲み子もいれば空になった荷車で運ばれる老人までいます。
彼らの私達に向ける視線には、明らかな恨みが籠っています。
リカルド王太子殿下の騎士や徒士はその事に気がついてもとがめません。
むしろ恨み辛みの視線を向けさせようとしているように感じます。
「何だその眼は、下郎の分際で皇国貴族にそのような視線を向けるとは無礼だぞ。
おい、こら、乞食徒士、さっさとその下郎を処分しないと、皇国と戦いになるぞ」
いけません、これは明らかな挑発です。
これに乗せられたら、それでなくても大陸内で低下している皇室の評判が、それこそ地に落ちてしまいます。
「それは、命を投げ出して魔族と戦おうとしている義勇兵と、魔族と戦い続けてきた我らを侮辱しているのでしょうな。
その侮辱に対して決闘を申し込ませていただきましょう、皇国の御貴族様」
ああ、もう手遅れです、これはリカルド王太子殿下の策謀なのでしょうか。
民を救うための軍を合法的に派遣できたら、愛する側室と子供のために皇国とは絶縁するつもりだったのでしょうか。
魔王軍の大陸侵攻を阻むために戦い続けてきた将兵を、支援物資を横領した恥知らずの貴族が馬鹿にする。
婚約を解消するには十分な理由になります。
「な、何を馬鹿な事を言っている、徒士ごときが貴族に決闘を申し込めると思っているのか、大馬鹿者が」
「おや、おや、おや、皇国の御貴族様はなにもご存じないようだ。
魔王軍に内通している者や、人族を裏切って後ろから襲いかかる人類の敵がいる最前線では、疑わしい者は身分に関係なく斬っていいのですよ。
貴男の家は、魔王軍との戦いで必要な物資を横領して、魔王軍に利するような行いをした人類の敵、疑わしい行いをした時には問答無用で斬れと言われております。
今もまた義勇兵を殺そうと策謀したのは明らか。
こちらは皇国の評判に配慮して決闘にして差し上げたのですが、どうやら皇室皇国自体が人類を裏切っているようですな」
「待ちなさい、皇室と皇国は人類を裏切ってはいません。
魔王軍に通謀しているのはその家の者達だけです。
皇国第三皇女のレイラ・セント・ジオンが許可します。
その家の者共を人類の敵として成敗しなさい」
私は名も知らぬ徒士の温情に縋る事にしました。
彼の言動は、明らかに皇室と皇国に対する逃げ道でした。
私がそれに気付かないような愚か者だったら、皇室と皇国は切り捨てられていましたが、何とか首の皮一枚残して踏みとどまることができました。
フィフス王国が本気で大陸制覇を始めたら、皇国などひとたまりもないでしょう。
名も知らぬ徒士一人で、皇国でも有数の兵力を持った伯爵軍が皆殺しです。
魔王軍と戦い続けてきたフィフス王国軍の強さに背筋が凍りました。
表向きは義勇兵で、フィフス王国軍の兵士です。
でも乳飲み子もいれば空になった荷車で運ばれる老人までいます。
彼らの私達に向ける視線には、明らかな恨みが籠っています。
リカルド王太子殿下の騎士や徒士はその事に気がついてもとがめません。
むしろ恨み辛みの視線を向けさせようとしているように感じます。
「何だその眼は、下郎の分際で皇国貴族にそのような視線を向けるとは無礼だぞ。
おい、こら、乞食徒士、さっさとその下郎を処分しないと、皇国と戦いになるぞ」
いけません、これは明らかな挑発です。
これに乗せられたら、それでなくても大陸内で低下している皇室の評判が、それこそ地に落ちてしまいます。
「それは、命を投げ出して魔族と戦おうとしている義勇兵と、魔族と戦い続けてきた我らを侮辱しているのでしょうな。
その侮辱に対して決闘を申し込ませていただきましょう、皇国の御貴族様」
ああ、もう手遅れです、これはリカルド王太子殿下の策謀なのでしょうか。
民を救うための軍を合法的に派遣できたら、愛する側室と子供のために皇国とは絶縁するつもりだったのでしょうか。
魔王軍の大陸侵攻を阻むために戦い続けてきた将兵を、支援物資を横領した恥知らずの貴族が馬鹿にする。
婚約を解消するには十分な理由になります。
「な、何を馬鹿な事を言っている、徒士ごときが貴族に決闘を申し込めると思っているのか、大馬鹿者が」
「おや、おや、おや、皇国の御貴族様はなにもご存じないようだ。
魔王軍に内通している者や、人族を裏切って後ろから襲いかかる人類の敵がいる最前線では、疑わしい者は身分に関係なく斬っていいのですよ。
貴男の家は、魔王軍との戦いで必要な物資を横領して、魔王軍に利するような行いをした人類の敵、疑わしい行いをした時には問答無用で斬れと言われております。
今もまた義勇兵を殺そうと策謀したのは明らか。
こちらは皇国の評判に配慮して決闘にして差し上げたのですが、どうやら皇室皇国自体が人類を裏切っているようですな」
「待ちなさい、皇室と皇国は人類を裏切ってはいません。
魔王軍に通謀しているのはその家の者達だけです。
皇国第三皇女のレイラ・セント・ジオンが許可します。
その家の者共を人類の敵として成敗しなさい」
私は名も知らぬ徒士の温情に縋る事にしました。
彼の言動は、明らかに皇室と皇国に対する逃げ道でした。
私がそれに気付かないような愚か者だったら、皇室と皇国は切り捨てられていましたが、何とか首の皮一枚残して踏みとどまることができました。
フィフス王国が本気で大陸制覇を始めたら、皇国などひとたまりもないでしょう。
名も知らぬ徒士一人で、皇国でも有数の兵力を持った伯爵軍が皆殺しです。
魔王軍と戦い続けてきたフィフス王国軍の強さに背筋が凍りました。
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