60 / 127
第二章
第60話:陰謀三・ローザ視点
しおりを挟む
今回の件は、私とライラの連名で国王陛下に訴状を送った。
国王陛下が止めようとしても、拷問を止める気はない。
万が一黒幕が国王陛下だったとしたら、どのような手段を使ってでも、私達が確保した貴族達を解放するか殺すかするだろう。
傭兵をしていたら、依頼主に裏切られる事などよくある事だ。
その時には、勝てるのなら報復に依頼主を殺して金銀財宝を奪う。
勝てないのならサッサと逃げ出すことが生き延びる秘訣だ。
「やあ、ローザ、ライラ、今回は負担をかけてしまったね。
後の事は何も心配いらないから、全て私に任せてくれればいいよ」
私達が王都に手紙を出す前、内容を吟味して書いている段階で、リカルド王太子殿下がウェルズリー城から帰還された。
レイラ皇女を歓待しているはずなのに、放り出してきたのだろう。
本来ならうれしい事なのだが、笑顔の下にある怒りの大きさに恐怖すら感じる。
何度も死線を掻い潜って来た私とライラが、その場に崩れ落ちそうになるほどの激烈な殺気に、コンラッドとバートランドが火のついたように泣き出してしまった。
「あ、ごめん、直ぐに出て行くから、訴状はそっちでも出しておいて。
俺からも出すけど、そういうモノは多ければ多いほどいいからね」
泣き出した子供達をあやす私とライラに申し訳なさそうに話しかけながら、リカルド王太子は慌てて部屋から出て行った。
自分でも殺気が抑えられていない事に気がついたのだろう。
私とライラはリカルド王太子が部屋から出て行ってようやく恐怖から解放された。
それは元女傭兵の近衛徒士や戦闘侍女も同じで、一斉に大きな息をついた。
可哀想なのは戦場経験のない普通の侍女達だった。
彼女達が失禁しているのは見て見ぬフリをしてあげよう。
流石に失神している子は介抱するしかないのだが、恥ずかしいだろうな。
それからのリカルド王太子の動きは目を見張るほど激しいモノだった。
直接拷問に加わるような事もなければ、拷問現場に行くこともない。
だが、父王や皇帝が黒幕にいるかもしれないのに、拷問を止めようとはしなかったし、何かあった場合の準備も怠りなかった。
毎日二つの魔境近くにある農地を巡回して、莫大な量の穀物を創り出された。
魔境の落葉や土を直ぐに運べるところでなければ、リカルド王太子の魔力をもってしても収穫直後に地力を回復できないので、他の農地では毎日穀物を収穫することができないからだ。
リカルド王太子は十分な兵糧を蓄えつつ、フィエン城、アクス城、アイル城、カウリー城、ダドリー城に駐屯する全騎士全徒士全義勇兵に侵攻準備を命じられた。
リカルド王太子は、黒幕が父王や皇帝でも容赦なく殺す覚悟なのだ。
その怒りの大きさに震えあがったのは私やライラだけではない。
この問題は、激しい拷問で腐れ貴族達が全てを話すまでに、大陸中に噂として知れ渡っていた。
貴族達が嘘偽りの告白をしないように、拷問は時間をかけて繰り返し徹底的に行われていたから、噂が広まるのに十分な時間がかかっていたのだ。
もしかしたら、今後同じ事が起こらないように、リカルド王太子がわざと時間をかけて噂を広めたのかもしれない
国王陛下が止めようとしても、拷問を止める気はない。
万が一黒幕が国王陛下だったとしたら、どのような手段を使ってでも、私達が確保した貴族達を解放するか殺すかするだろう。
傭兵をしていたら、依頼主に裏切られる事などよくある事だ。
その時には、勝てるのなら報復に依頼主を殺して金銀財宝を奪う。
勝てないのならサッサと逃げ出すことが生き延びる秘訣だ。
「やあ、ローザ、ライラ、今回は負担をかけてしまったね。
後の事は何も心配いらないから、全て私に任せてくれればいいよ」
私達が王都に手紙を出す前、内容を吟味して書いている段階で、リカルド王太子殿下がウェルズリー城から帰還された。
レイラ皇女を歓待しているはずなのに、放り出してきたのだろう。
本来ならうれしい事なのだが、笑顔の下にある怒りの大きさに恐怖すら感じる。
何度も死線を掻い潜って来た私とライラが、その場に崩れ落ちそうになるほどの激烈な殺気に、コンラッドとバートランドが火のついたように泣き出してしまった。
「あ、ごめん、直ぐに出て行くから、訴状はそっちでも出しておいて。
俺からも出すけど、そういうモノは多ければ多いほどいいからね」
泣き出した子供達をあやす私とライラに申し訳なさそうに話しかけながら、リカルド王太子は慌てて部屋から出て行った。
自分でも殺気が抑えられていない事に気がついたのだろう。
私とライラはリカルド王太子が部屋から出て行ってようやく恐怖から解放された。
それは元女傭兵の近衛徒士や戦闘侍女も同じで、一斉に大きな息をついた。
可哀想なのは戦場経験のない普通の侍女達だった。
彼女達が失禁しているのは見て見ぬフリをしてあげよう。
流石に失神している子は介抱するしかないのだが、恥ずかしいだろうな。
それからのリカルド王太子の動きは目を見張るほど激しいモノだった。
直接拷問に加わるような事もなければ、拷問現場に行くこともない。
だが、父王や皇帝が黒幕にいるかもしれないのに、拷問を止めようとはしなかったし、何かあった場合の準備も怠りなかった。
毎日二つの魔境近くにある農地を巡回して、莫大な量の穀物を創り出された。
魔境の落葉や土を直ぐに運べるところでなければ、リカルド王太子の魔力をもってしても収穫直後に地力を回復できないので、他の農地では毎日穀物を収穫することができないからだ。
リカルド王太子は十分な兵糧を蓄えつつ、フィエン城、アクス城、アイル城、カウリー城、ダドリー城に駐屯する全騎士全徒士全義勇兵に侵攻準備を命じられた。
リカルド王太子は、黒幕が父王や皇帝でも容赦なく殺す覚悟なのだ。
その怒りの大きさに震えあがったのは私やライラだけではない。
この問題は、激しい拷問で腐れ貴族達が全てを話すまでに、大陸中に噂として知れ渡っていた。
貴族達が嘘偽りの告白をしないように、拷問は時間をかけて繰り返し徹底的に行われていたから、噂が広まるのに十分な時間がかかっていたのだ。
もしかしたら、今後同じ事が起こらないように、リカルド王太子がわざと時間をかけて噂を広めたのかもしれない
1
あなたにおすすめの小説
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~
名無し
ファンタジー
突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。
自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。
もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。
だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。
グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。
人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
妹が聖女の再来と呼ばれているようです
田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。
「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」
どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。
それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。
戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。
更新は不定期です。
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
【完結】双子の伯爵令嬢とその許婚たちの物語
ひかり芽衣
恋愛
伯爵令嬢のリリカとキャサリンは二卵性双生児。生まれつき病弱でどんどん母似の美女へ成長するキャサリンを母は溺愛し、そんな母に父は何も言えない……。そんな家庭で育った父似のリリカは、とにかく自分に自信がない。幼い頃からの許婚である伯爵家長男ウィリアムが心の支えだ。しかしある日、ウィリアムに許婚の話をなかったことにして欲しいと言われ……
リリカとキャサリン、ウィリアム、キャサリンの許婚である公爵家次男のスターリン……彼らの物語を一緒に見守って下さると嬉しいです。
⭐︎2023.4.24完結⭐︎
※2024.2.8~追加・修正作業のため、2話以降を一旦非公開にしていました。
→2024.3.4再投稿。大幅に追加&修正をしたので、もしよければ読んでみて下さい(^^)
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる