84 / 127
第二章
第84話:地道・レイラ第三皇女
しおりを挟む
フィフス王家の家臣達に、形だけの人質婚約者と思われていても、婚約者であることに変わりありません。
リカルド王太子からは、情勢が変われば婚約を解消して自由にしてもいいと言われても、そんな気は全くありません。
愛されてはいなくても、リカルド王太子ほどの結婚相手は他にいません。
「配下を総動員してウェルズリー領の調査をしなさい。
リカルド王太子殿下は領地の細やかな調査をする余裕がないようです。
それを補うのが婚約者である私の役目です。
特に砂漠地域を調査して、灌漑計画を策定しなさい。
フランシス子爵には私から説明しておきます」
「「「「「は」」」」」
リカルド王太子は魔術で莫大な量の食糧を生産できるようです。
どれほど多くの難民を受け入れようと、リカルド王太子が無事である限りは飢えさせないですみます。
ですがそれはリカルド王太子一代の事です。
代替わりしても同じことが続けられるとは思えません。
そんな事はリカルド王太子も分かっておられるでしょう。
本来ならば難民を広く各地に住ませて、自給自足ができるようにすべきです。
ですが魔王軍から護るためには、狭い範囲に集めるしかありません。
しかしそれでは食糧の自給自足が不可能になります。
リカルド王太子に万が一の事があれば、フィフス王国は食糧難となります。
リカルド王太子に頼らずに自給自足ができる形で、できるだけ狭い範囲に難民を集めなければいけないのなら、ウェルズリー領に難民を受け入れることになります。
幸いと言うべきか、ウェルズリー領には広大な砂漠があります。
前王家では利用できなかった砂漠ですが、リカルド王太子なら灌漑できる可能性があります。
リカルド王太子ならその程度の事は理解されているでしょう。
時間と人手に余裕があるのなら、家臣を総動員して事前調査をしていたはずです。
ですが魔王軍との戦いでそんな余裕がないのでしょう。
だったらそれに備えるの正室になる私の役目です。
リカルド王太子が信用する将兵は最前線で戦っていますが、信用できない皇国軍将兵はウェルズリー城で暇を持て余しています。
最初は下劣な貴族の領軍将兵でしたが、当主以下の貴族一族や指揮官クラスが戦死した事で、私の私兵にされました。
今生き残っている将兵の中には、領主軍時代に悪事を働いた者もいるでしょう。
ですが今は、リカルド王太子やフィフス王国軍将兵を恐れて大人しいモノです。
皇国貴族すら恐れず、戦争犯罪者として断罪するフィフス王国軍の将兵です。
士族や平民で編制された元領主軍将兵など、罪を犯せばその場で処刑されます。
元領主軍将兵に逆らう気力も悪事を働く度胸もありません。
彼らを使って砂漠を測量しておけば、河から用水路を引くときに役に立ちます。
リカルド王太子の役に立つところを証明するのです。
座して待っていてはリカルド王太子の正室の座は手に入りません。
リカルド王太子からは、情勢が変われば婚約を解消して自由にしてもいいと言われても、そんな気は全くありません。
愛されてはいなくても、リカルド王太子ほどの結婚相手は他にいません。
「配下を総動員してウェルズリー領の調査をしなさい。
リカルド王太子殿下は領地の細やかな調査をする余裕がないようです。
それを補うのが婚約者である私の役目です。
特に砂漠地域を調査して、灌漑計画を策定しなさい。
フランシス子爵には私から説明しておきます」
「「「「「は」」」」」
リカルド王太子は魔術で莫大な量の食糧を生産できるようです。
どれほど多くの難民を受け入れようと、リカルド王太子が無事である限りは飢えさせないですみます。
ですがそれはリカルド王太子一代の事です。
代替わりしても同じことが続けられるとは思えません。
そんな事はリカルド王太子も分かっておられるでしょう。
本来ならば難民を広く各地に住ませて、自給自足ができるようにすべきです。
ですが魔王軍から護るためには、狭い範囲に集めるしかありません。
しかしそれでは食糧の自給自足が不可能になります。
リカルド王太子に万が一の事があれば、フィフス王国は食糧難となります。
リカルド王太子に頼らずに自給自足ができる形で、できるだけ狭い範囲に難民を集めなければいけないのなら、ウェルズリー領に難民を受け入れることになります。
幸いと言うべきか、ウェルズリー領には広大な砂漠があります。
前王家では利用できなかった砂漠ですが、リカルド王太子なら灌漑できる可能性があります。
リカルド王太子ならその程度の事は理解されているでしょう。
時間と人手に余裕があるのなら、家臣を総動員して事前調査をしていたはずです。
ですが魔王軍との戦いでそんな余裕がないのでしょう。
だったらそれに備えるの正室になる私の役目です。
リカルド王太子が信用する将兵は最前線で戦っていますが、信用できない皇国軍将兵はウェルズリー城で暇を持て余しています。
最初は下劣な貴族の領軍将兵でしたが、当主以下の貴族一族や指揮官クラスが戦死した事で、私の私兵にされました。
今生き残っている将兵の中には、領主軍時代に悪事を働いた者もいるでしょう。
ですが今は、リカルド王太子やフィフス王国軍将兵を恐れて大人しいモノです。
皇国貴族すら恐れず、戦争犯罪者として断罪するフィフス王国軍の将兵です。
士族や平民で編制された元領主軍将兵など、罪を犯せばその場で処刑されます。
元領主軍将兵に逆らう気力も悪事を働く度胸もありません。
彼らを使って砂漠を測量しておけば、河から用水路を引くときに役に立ちます。
リカルド王太子の役に立つところを証明するのです。
座して待っていてはリカルド王太子の正室の座は手に入りません。
1
あなたにおすすめの小説
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~
名無し
ファンタジー
突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。
自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。
もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。
だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。
グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。
人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
妹が聖女の再来と呼ばれているようです
田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。
「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」
どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。
それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。
戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。
更新は不定期です。
【完結】双子の伯爵令嬢とその許婚たちの物語
ひかり芽衣
恋愛
伯爵令嬢のリリカとキャサリンは二卵性双生児。生まれつき病弱でどんどん母似の美女へ成長するキャサリンを母は溺愛し、そんな母に父は何も言えない……。そんな家庭で育った父似のリリカは、とにかく自分に自信がない。幼い頃からの許婚である伯爵家長男ウィリアムが心の支えだ。しかしある日、ウィリアムに許婚の話をなかったことにして欲しいと言われ……
リリカとキャサリン、ウィリアム、キャサリンの許婚である公爵家次男のスターリン……彼らの物語を一緒に見守って下さると嬉しいです。
⭐︎2023.4.24完結⭐︎
※2024.2.8~追加・修正作業のため、2話以降を一旦非公開にしていました。
→2024.3.4再投稿。大幅に追加&修正をしたので、もしよければ読んでみて下さい(^^)
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜
福田 杜季
ファンタジー
侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。
彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。
だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。
「お義姉さま!」 . .
「姉などと呼ばないでください、メリルさん」
しかし、今はまだ辛抱のとき。
セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。
──これは、20年前の断罪劇の続き。
喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。
※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。
旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』
※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。
※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる