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第二章
第88話:苦肉の策
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前世の知識と記憶を思い出したリカルド王太子には、どうしても馴染めない今生の食習慣があった。
長年に渡って魔王軍と戦い続けてきた大陸の人族は、人型魔族を食べるのだ。
特に常に最前線となって魔王軍と戦い続けてきたフィフス王国は、食糧不足に陥る事も度々あったので、人型魔族を平気で食べる者が多い。
だが今のリカルド王太子には耐えられない事だった。
前世の知識と記憶があるからこそ、人間に人肉嗜食、カニバリズムの歴史があった事も知っている。
日本でも飢饉の時に人肉を食べていた事、戦国時代の豊臣秀吉が鳥取城を飢え殺しにした時に、城内で人肉を食べていた事も知っている。
中国人が絶対に食べないのは親だけなのも知っている。
中国では料理人の易牙という男が、主人である斉国の桓公へ自分の子供を蒸し焼きにして献上し、桓公はその忠誠を褒め称えて子供の蒸し焼きを食べた事例もあった。
人型魔族を食べるのと、人間の子供を食べるのでは全然違う事だ。
本来比べるような事ではないのだが、リカルド王太子にとっては、人型魔族を食べるという事は、同じ人間を食べることに近いのだ。
だが、食糧不足の占領地では飢餓状態の民が数多くいる。
どうしても食糧を配らなければいけない状態だった。
リカルド王太子の派遣した輸送隊が、人間の残っている都市に食糧を運び込み、駐屯隊が管理配給しているので、半年程度は食糧に困る事はない。
だが荒廃した農地の収穫で、一年間食べられるだけの食糧を収穫できるか分からないし、何よりまた魔王軍が侵攻穴を開通させないとは言い切れない。
早急に非常時には籠城できるだけの食糧を確保する必要がある。
それに、できる事ならリカルド王太子に対する絶対の信頼と忠誠を植え付けたい。
まずは苦肉の策として、四つ足の魔獣と魔蟲を占領地の民に配給した。
貧しい民には、魔獣肉や蟲は大御馳走なのだ。
しかも籠城状態で餓死寸前の者が多かった。
だが肉や蟲は日持ちがしないので、籠城用の備蓄食糧には不向きだった。
結局人型魔族の死体を魔術で肥料にして、穀物も魔術で促成栽培した。
人型魔族を食料にしないための苦肉の策だった。
備蓄食糧には、数年は保存が可能な穀物が一番適している。
その事は民もよく知っていたし、先に四つ足魔獣と蟲を配給してもらっていたので、籠城から解放された民も人型魔族を肥料にする事に文句はなかった。
それよりはたった一日でたわわに実る米や麦や蕎麦に歓声を上げていた。
リカルド王太子は皇国との国境付近から徐々に本国に向かった。
だから促成栽培の噂は皇国にも直ぐに広まった。
いや、皇国を牽制するためにレイドーン皇帝を招待して見せつけていた。
人が生き残っていた都市では、住民三年分を食糧を備蓄する事をめどに、リカルド王太子が農地に穀物を促成栽培し、民が収穫する形が取られた。
長年に渡って魔王軍と戦い続けてきた大陸の人族は、人型魔族を食べるのだ。
特に常に最前線となって魔王軍と戦い続けてきたフィフス王国は、食糧不足に陥る事も度々あったので、人型魔族を平気で食べる者が多い。
だが今のリカルド王太子には耐えられない事だった。
前世の知識と記憶があるからこそ、人間に人肉嗜食、カニバリズムの歴史があった事も知っている。
日本でも飢饉の時に人肉を食べていた事、戦国時代の豊臣秀吉が鳥取城を飢え殺しにした時に、城内で人肉を食べていた事も知っている。
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人型魔族を食べるのと、人間の子供を食べるのでは全然違う事だ。
本来比べるような事ではないのだが、リカルド王太子にとっては、人型魔族を食べるという事は、同じ人間を食べることに近いのだ。
だが、食糧不足の占領地では飢餓状態の民が数多くいる。
どうしても食糧を配らなければいけない状態だった。
リカルド王太子の派遣した輸送隊が、人間の残っている都市に食糧を運び込み、駐屯隊が管理配給しているので、半年程度は食糧に困る事はない。
だが荒廃した農地の収穫で、一年間食べられるだけの食糧を収穫できるか分からないし、何よりまた魔王軍が侵攻穴を開通させないとは言い切れない。
早急に非常時には籠城できるだけの食糧を確保する必要がある。
それに、できる事ならリカルド王太子に対する絶対の信頼と忠誠を植え付けたい。
まずは苦肉の策として、四つ足の魔獣と魔蟲を占領地の民に配給した。
貧しい民には、魔獣肉や蟲は大御馳走なのだ。
しかも籠城状態で餓死寸前の者が多かった。
だが肉や蟲は日持ちがしないので、籠城用の備蓄食糧には不向きだった。
結局人型魔族の死体を魔術で肥料にして、穀物も魔術で促成栽培した。
人型魔族を食料にしないための苦肉の策だった。
備蓄食糧には、数年は保存が可能な穀物が一番適している。
その事は民もよく知っていたし、先に四つ足魔獣と蟲を配給してもらっていたので、籠城から解放された民も人型魔族を肥料にする事に文句はなかった。
それよりはたった一日でたわわに実る米や麦や蕎麦に歓声を上げていた。
リカルド王太子は皇国との国境付近から徐々に本国に向かった。
だから促成栽培の噂は皇国にも直ぐに広まった。
いや、皇国を牽制するためにレイドーン皇帝を招待して見せつけていた。
人が生き残っていた都市では、住民三年分を食糧を備蓄する事をめどに、リカルド王太子が農地に穀物を促成栽培し、民が収穫する形が取られた。
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