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第三章
第104話:帝国
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リカルド王太子は特に何もしなかった。
内政的にはとても忙しく働いていたが、外交的には何もしなかった。
だが大陸各国は蜂の巣をつついたような状況になっていた。
皇国では新たなレイラ王太子妃の側近選びに困っていた。
次に下劣な人間を送れば、今度こそレイラ王太子妃は殺され、皇国はリカルド王太子に攻め込まれる。
一番混乱したのは南部同盟参加国だった。
このままでは何時リカルド王太子が攻め込んで来るか分からない。
どの国も戦々恐々としていたが、積極的に動ける国はなかった。
周囲の国がどう動くが恐る恐るうかがっていた。
そんな中で最初に動いたのは中部山岳部の中立国だった。
南部同盟があえて加盟を勧めなかった山岳の貧しい小国。
攻めるのは難しいが味方につけても利の少ない国。
むしろ中立でいてくれれば、リカルド王太子が攻め込むのを躊躇う国。
大陸中部のシアビン山脈にはそんな山岳小国が幾つかあった。
そんな国がリカルド王太子に全権大使を送り臣従を誓ったのだ。
「リカルド王太子殿下、どうか大陸の民のために皇帝の位に就かれてください。
我が国はリカルド王太子殿下を皇帝に推戴させていただきます」
そんな中にベーナル王家があり、ベーナル王家はよく考えていた。
フィフス王国が王家のままでは、臣従したらよくて大公、最悪の場合は爵位や領地を奪われてしまう。
だが誰よりも早くリカルド王太子を皇帝に推戴すれば、その功が賞されて領地も王位も奪われないですむ。
「いや、いや、私は人族のために戦ってきただけだ。
皇位や帝位を僭称しようなどとは一度も考えた事はない。
だからもうこの話は二度としないでくれ」
リカルド王太子はベーナル王家の全権特使にそう言った。
だがリカルド王太子の側近達はこの好機を見逃さなかった。
急いで側近達の間で話を纏め、リカルド王太子に皇位に着くように説得した。
「殿下、多くの民や臣下の願いを無碍にするのは上に立つ者の行いではありません。
上に立つ者が己一人の清廉潔白を求めてしまったら、多くの者が戦乱と貧困の中で死んでいくことになりかねません。
ここは清濁併せもつ気持ちで皇位に就かれてください」
「それはできない、そんな事をすれば民心が離れてしまう。
今まで私がやって来たことが己一人の私利私欲によるものだと思われてしまう。
絶対に皇位や帝位には就かない。
もう二度とこの話をするな」
「いえ、そうは参りません。
殿下がどう思っておられても、臣下や民が殿下の皇位帝位を望んでおります。
信じられないと申されるのなら、臣下や民が本当はどう思っているか確かめてみましょう」
内政的にはとても忙しく働いていたが、外交的には何もしなかった。
だが大陸各国は蜂の巣をつついたような状況になっていた。
皇国では新たなレイラ王太子妃の側近選びに困っていた。
次に下劣な人間を送れば、今度こそレイラ王太子妃は殺され、皇国はリカルド王太子に攻め込まれる。
一番混乱したのは南部同盟参加国だった。
このままでは何時リカルド王太子が攻め込んで来るか分からない。
どの国も戦々恐々としていたが、積極的に動ける国はなかった。
周囲の国がどう動くが恐る恐るうかがっていた。
そんな中で最初に動いたのは中部山岳部の中立国だった。
南部同盟があえて加盟を勧めなかった山岳の貧しい小国。
攻めるのは難しいが味方につけても利の少ない国。
むしろ中立でいてくれれば、リカルド王太子が攻め込むのを躊躇う国。
大陸中部のシアビン山脈にはそんな山岳小国が幾つかあった。
そんな国がリカルド王太子に全権大使を送り臣従を誓ったのだ。
「リカルド王太子殿下、どうか大陸の民のために皇帝の位に就かれてください。
我が国はリカルド王太子殿下を皇帝に推戴させていただきます」
そんな中にベーナル王家があり、ベーナル王家はよく考えていた。
フィフス王国が王家のままでは、臣従したらよくて大公、最悪の場合は爵位や領地を奪われてしまう。
だが誰よりも早くリカルド王太子を皇帝に推戴すれば、その功が賞されて領地も王位も奪われないですむ。
「いや、いや、私は人族のために戦ってきただけだ。
皇位や帝位を僭称しようなどとは一度も考えた事はない。
だからもうこの話は二度としないでくれ」
リカルド王太子はベーナル王家の全権特使にそう言った。
だがリカルド王太子の側近達はこの好機を見逃さなかった。
急いで側近達の間で話を纏め、リカルド王太子に皇位に着くように説得した。
「殿下、多くの民や臣下の願いを無碍にするのは上に立つ者の行いではありません。
上に立つ者が己一人の清廉潔白を求めてしまったら、多くの者が戦乱と貧困の中で死んでいくことになりかねません。
ここは清濁併せもつ気持ちで皇位に就かれてください」
「それはできない、そんな事をすれば民心が離れてしまう。
今まで私がやって来たことが己一人の私利私欲によるものだと思われてしまう。
絶対に皇位や帝位には就かない。
もう二度とこの話をするな」
「いえ、そうは参りません。
殿下がどう思っておられても、臣下や民が殿下の皇位帝位を望んでおります。
信じられないと申されるのなら、臣下や民が本当はどう思っているか確かめてみましょう」
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