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第一章
第2話メンチを切る
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私は止めようと集まって来た近衛騎士に、メンチを切って動けなくしました。
前世で私が生まれ育った場所で使われている、睨みつける事です。
いえ、単に睨みつけるだけでなく、喧嘩を売るという意味もありました。
ですが、この世界に来てからは、能力と言うかスキルと言うか、特別な力が付与され、相手を金縛りにすることができるようになりました。
まあ、ここまでスキルを強化するために、何度もメンチを切る練習をしていたので、貴族の間で私は眼つきが悪いと評判でしたが、気にもなりませんでした。
こんな腐った国は、最初から出ていくつもりでしたから、性根の腐った貴族連中に何を言われても気になりませんでした。
大切なのは、家を出て、いえ、この国を出てから生きていく手段を身に付けておくことで、その為に全身全霊をかけて勉強と鍛錬をしてきたのです。
王宮を出て、王城内にいるすべての近衛騎士、近衛徒士を金縛りにして、楽々と王城から出ていくことができました。
そのまま転生先のオブライエン公爵家の王都屋敷に向かい、何日も前から、いえ、転生してからずっと準備してきた馬車置き場にいきました。
前世ではそれほど賢かったわけではないので、知識を使ってこの世界の生活環境をよくする事はできなかったけれど、この世界で手に入れられるものは確保してきた。
前世では全く縁のなかった乗馬も、馬車を御す技術も、一つ一つ確実に身に付けて、今日に備えてきたのです。
この馬車一つとってもそうです、この時のために特別に作らせた馬車です。
別に彫り物や装飾に贅を凝らしたわけではなく、防御力と輸送力を重視して、天井にも人が乗れ荷物が置けて、大型の輓馬六頭が牽く四輪の、コーチとコネストーガを半ばにしたような馬車です。
馬車を牽いてくれる六頭の輓馬たちとも信頼関係が築けるように、ずっとお世話してきました。
輓馬だけではなく、非常用の軍馬四頭も連れて行きます。
私と一緒に敵と戦う気構えを持った、特別な訓練をした軍馬です。
十頭もの馬と心を通わせるためには、生半可な御世話と訓練では不可能です。
そのため、貴族としての付き合いは全くしませんでした。
まあ、転生者の所為か、生まれて直ぐに聖女認定されていたので、私が何をしても誰も止めようとはしませんでしたから、そこまでやれたのだと思います。
普通の貴族令嬢だったら、厳しく躾けられるか、領地に幽閉されていたでしょう。
私としたら、領地で伸びやかに暮らせるのなら、その方がよかったのですが、聖女という肩書がそうはさせてくれませんでした。
ですが、これでやっと、自分らしく生きていけます。
まあ、私付きの侍女たちは、姫様は今までも十分好き勝手やっていた、というかもしれませんが、前世で庶民として自由に生きてきた私には、とても満足できる自由ではなかったのです。
「さあ、行くわよ、みんな」
前世で私が生まれ育った場所で使われている、睨みつける事です。
いえ、単に睨みつけるだけでなく、喧嘩を売るという意味もありました。
ですが、この世界に来てからは、能力と言うかスキルと言うか、特別な力が付与され、相手を金縛りにすることができるようになりました。
まあ、ここまでスキルを強化するために、何度もメンチを切る練習をしていたので、貴族の間で私は眼つきが悪いと評判でしたが、気にもなりませんでした。
こんな腐った国は、最初から出ていくつもりでしたから、性根の腐った貴族連中に何を言われても気になりませんでした。
大切なのは、家を出て、いえ、この国を出てから生きていく手段を身に付けておくことで、その為に全身全霊をかけて勉強と鍛錬をしてきたのです。
王宮を出て、王城内にいるすべての近衛騎士、近衛徒士を金縛りにして、楽々と王城から出ていくことができました。
そのまま転生先のオブライエン公爵家の王都屋敷に向かい、何日も前から、いえ、転生してからずっと準備してきた馬車置き場にいきました。
前世ではそれほど賢かったわけではないので、知識を使ってこの世界の生活環境をよくする事はできなかったけれど、この世界で手に入れられるものは確保してきた。
前世では全く縁のなかった乗馬も、馬車を御す技術も、一つ一つ確実に身に付けて、今日に備えてきたのです。
この馬車一つとってもそうです、この時のために特別に作らせた馬車です。
別に彫り物や装飾に贅を凝らしたわけではなく、防御力と輸送力を重視して、天井にも人が乗れ荷物が置けて、大型の輓馬六頭が牽く四輪の、コーチとコネストーガを半ばにしたような馬車です。
馬車を牽いてくれる六頭の輓馬たちとも信頼関係が築けるように、ずっとお世話してきました。
輓馬だけではなく、非常用の軍馬四頭も連れて行きます。
私と一緒に敵と戦う気構えを持った、特別な訓練をした軍馬です。
十頭もの馬と心を通わせるためには、生半可な御世話と訓練では不可能です。
そのため、貴族としての付き合いは全くしませんでした。
まあ、転生者の所為か、生まれて直ぐに聖女認定されていたので、私が何をしても誰も止めようとはしませんでしたから、そこまでやれたのだと思います。
普通の貴族令嬢だったら、厳しく躾けられるか、領地に幽閉されていたでしょう。
私としたら、領地で伸びやかに暮らせるのなら、その方がよかったのですが、聖女という肩書がそうはさせてくれませんでした。
ですが、これでやっと、自分らしく生きていけます。
まあ、私付きの侍女たちは、姫様は今までも十分好き勝手やっていた、というかもしれませんが、前世で庶民として自由に生きてきた私には、とても満足できる自由ではなかったのです。
「さあ、行くわよ、みんな」
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