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第三章
88話
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「リリアン、あの子たちを助けるわよ」
「承りました。
ドリス、話は任せました。
御嬢様の意向を伝えてきなさい」
私達は王都への街道を進みましたが、特に急ぐことをせず、タマやムク達の食糧を狩りながら、旅を楽しむようにしました。
楽しむというのは語弊がありますね。
私は色々と吹っ切れたのか、今までのように王太子殿下のことを想ったり、父上や母上のことを心配して、焦燥感に駆られるようなことはありません。
だから、私だけは、今までと全く違った気持ちで風景を楽しめたのです。
ですが私を護る責任のあるリリアン達は、旅を楽しむことなどできないでしょう。
私自身は馬車から出ることはできませんが、魔犬達が探索警備のために周囲を駆けてくれていますから、彼らと心を通わせれば、自由に走り回る爽快な気持ちを堪能できたのです。
それに風精霊と心を通わせれば、自由に空を翔けられるのです!
空高くを激しく移動することも、草原を優しく穏やかに移動し、草花をゆらせて楽しむこともできます。
前方警戒を兼ねた先触れの戦闘侍女班に同行する魔犬達を先行させて、通過する村や宿泊する小都市を散策探索することもできるようになりました。
四精霊に同調すれば、土・風・火・水としてどこでも入り込むことができます。
特に土と風に入りこめない場所は滅多にありません。
そしてある村で、大人達に殴られ蹴られる子供達を眼にしたのです。
意識せずに助けてしまいました。
私が到着するまで、もう誰にも暴力をふるわせないように、風精霊の力と土精霊の力を合わせて、土埃を舞い上げ暴力をふるう大人達に目潰しをしたのです。
まあこの程度では、精霊の力を合わせると表現するような技ではありませんが、無意識に複合精霊術を使えるように、練習しているのです。
「しかし、騎士様。
こいつらは村の奴隷でして」
「黙りなさい!
いくら奴隷でも、いえ、奴隷だからこそ、ちゃんと食事をさせなさい!
王国法で、奴隷を持つ者は奴隷に食事を与える義務があります。
それに違反するというのは王家王国に対する叛意があるということです。
この村が叛意を持っているのか、それとも領主であるグラフトン男爵が叛意を持っているのか、王太子殿下の婚約者候補であるシーモア公爵家令嬢グレイス様には、調べる責任と義務があります!」
「どうか、どうか、どうかお待ちください。
けっして、決して、叛意など持っておりません。
どうか、どうか、どうかお目こぼし願います!」
「無礼者!
賂を渡すとは!
グレイス様を愚弄するにもほどがある!
この場で叩き斬ってくれる。
そこに直れ!」
「承りました。
ドリス、話は任せました。
御嬢様の意向を伝えてきなさい」
私達は王都への街道を進みましたが、特に急ぐことをせず、タマやムク達の食糧を狩りながら、旅を楽しむようにしました。
楽しむというのは語弊がありますね。
私は色々と吹っ切れたのか、今までのように王太子殿下のことを想ったり、父上や母上のことを心配して、焦燥感に駆られるようなことはありません。
だから、私だけは、今までと全く違った気持ちで風景を楽しめたのです。
ですが私を護る責任のあるリリアン達は、旅を楽しむことなどできないでしょう。
私自身は馬車から出ることはできませんが、魔犬達が探索警備のために周囲を駆けてくれていますから、彼らと心を通わせれば、自由に走り回る爽快な気持ちを堪能できたのです。
それに風精霊と心を通わせれば、自由に空を翔けられるのです!
空高くを激しく移動することも、草原を優しく穏やかに移動し、草花をゆらせて楽しむこともできます。
前方警戒を兼ねた先触れの戦闘侍女班に同行する魔犬達を先行させて、通過する村や宿泊する小都市を散策探索することもできるようになりました。
四精霊に同調すれば、土・風・火・水としてどこでも入り込むことができます。
特に土と風に入りこめない場所は滅多にありません。
そしてある村で、大人達に殴られ蹴られる子供達を眼にしたのです。
意識せずに助けてしまいました。
私が到着するまで、もう誰にも暴力をふるわせないように、風精霊の力と土精霊の力を合わせて、土埃を舞い上げ暴力をふるう大人達に目潰しをしたのです。
まあこの程度では、精霊の力を合わせると表現するような技ではありませんが、無意識に複合精霊術を使えるように、練習しているのです。
「しかし、騎士様。
こいつらは村の奴隷でして」
「黙りなさい!
いくら奴隷でも、いえ、奴隷だからこそ、ちゃんと食事をさせなさい!
王国法で、奴隷を持つ者は奴隷に食事を与える義務があります。
それに違反するというのは王家王国に対する叛意があるということです。
この村が叛意を持っているのか、それとも領主であるグラフトン男爵が叛意を持っているのか、王太子殿下の婚約者候補であるシーモア公爵家令嬢グレイス様には、調べる責任と義務があります!」
「どうか、どうか、どうかお待ちください。
けっして、決して、叛意など持っておりません。
どうか、どうか、どうかお目こぼし願います!」
「無礼者!
賂を渡すとは!
グレイス様を愚弄するにもほどがある!
この場で叩き斬ってくれる。
そこに直れ!」
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