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第四部 異世界建築士と幸せの鐘塔
第422話:君の未来に責任を(2/2)
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「お、ムラタさん。三人目の奥さんって、そのおちびちゃんかい? アンタも好きだねえ」
すでに、現場の大工の、誰も彼もが知っていた。
ああ、筒抜けだったよ!
一人筒抜けなら、もうみんな知ってるってことだ!
マレットさん自身は何もしゃべらなかったが、塀の向こうにいた若い大工がリアルタイムで実況し、結果、現場の全員の知るところになったらしい。
現場の連中みんなに冷やかされ、リノは終始満面の笑顔で、そして俺は針の筵だった。だって、リトリィもマイセルも、現場で作業を手伝ってるんだぞ?
「お嬢ちゃんも大変じゃなあ、新婚早々に」
「いえ、ムラタさんは優しい方なので!」
「オレが同じことしたら、オレ、ヨメに殺されちまうぜ!」
「これでもマレットの娘ですよ? 魅力的な旦那様をもてた証みたいなものですから!」
さすがにマレットさんの娘だけあって、大工仲間に顔が広い。その分飛び火も多いわけで、もう本当に申し訳ない思いだった。いちいち笑顔で受け答えするのがまた、さらに申し訳なさに拍車をかける。
しかし、だからといってリトリィたちのフォローに回れるわけでもない。チビ三人のフォローには、俺が回るしかないのだから。
「はい」「ありがとうございます」以外の私語を厳禁――これはしっかりと守っているのだが、それは対人スキルが低すぎるからだ。特にニュー。
大工仕事に楽しみを見出しつつあるヒッグス、俺のそばで妙に張り切っているリノと違って、ニューはどうも不安定なのだ。ヒッグスが時折気にかけてやっているようだが、きょろきょろと不安げにあちこちを見回してはこそこそ何かやっている。
それが何か分かったのは、昼の休憩の時だった。
「……お前ら?」
「お、おっさん!? こ、こっち見んじゃ――!」
「ご、ごめんおっさん! ニューのこと、おれがきつく言っとくから! ホントにきつく言っとくから!」
……実は、ヒッグスがニューの口をふさいで俺になにか必死で訴えているのを見て、一体何があったのか、把握していたわけではなかった。
「……ヒッグス。ごまかすのは、お前らのためにならん。俺は自分の過ちを認め、正直に認めて謝れる奴の心は信じるし、人の命を脅かすようなやらかし以外は赦すつもりだ。だが、ごまかす奴は許さん。言っておくが、俺の目をごまかせていると思うなよ? ちゃんと自分で説明してみせろ」
「お、おっさん……待ってくれよ、ニューは……」
ヒッグスが小声で訴えるが、俺はそれをあえて遮った。
「ヒッグス。俺が知らないとでも思ったか? その上でお前に選択肢を与えている。それを理解してなおごまかそうという気なら、ヒッグスとニューとリノ、三人とも同罪と見なして罰する。なんなら、お前たちから手を引く。お互い、信用のない関係を続けることはできないからな」
リノの顔色が変わった。リトリィには絶対に通じないだろうが、ハッタリも時には武器になる。
ヒッグスはリノの顔色を見て、それからニューを見た。
「……おい、ニュー。出せよ」
「お、おれは……しらねえ!」
「知らねえじゃねえよ! これ以上おっさんを怒らせんなって!」
「だからおれは……し、しらねえって!」
しらを切るニューにヒッグスがつかみかかろうとするのを、俺は制してからニューの顔を覗き込んだ。ヒッグスが態度で示してくれたおかげで、とりあえずニューが何かをやらかしたのは分かった。自信を持って、怖い顔をつくってみせる。
「ニュー。俺は過ちを認め、ちゃんと素直に謝れる子なら、俺は赦すと言ったぞ? それでもなお、あえてごまかし続けるつもりか?」
「ひっ――!?」
ニューが後ずさる。すかさずつかまえるヒッグス。俺の腕をつかみ、謝らせるからゆるしてやってよ、と訴えるリノ。
「ニューには、ちゃんと正しい道に誘ってくれる仲間がいて、よかったな? さあ、どうする?」
俺は片膝をついて、ニューの視線の高さに目を合わせた。
体をそらすニューだが、しばらくして観念したようだった。
「……ご、ごめん、なさい……」
ふてくされるでもなく、開き直るでもなく、ぽろぽろと涙をこぼし始めたニューは、懐から、二つの財布を取り出した。
いろいろ悩んだが、俺はその財布を、ニューが拾って、そしてどうしたらいいか分からず、持ったままにしてしまった、ということにして、財布を落とした人はいないかを呼びかけ、名乗り出た二人に、本人から返させた。
「すまねえなあ、嬢ちゃん。なんだ、ムラタのダンナに叱られでもしたのか? なあに、嬢ちゃんが拾ってくれなきゃ、オレはカミさんにぶん殴られるところだったぜ。なんせカミさんがオレの誕生日に縫ってくれた財布だからよ。ありがとよ!」
ニューは、自分が返すなんてことになったら自分がスッたということがバレないかと、ひどく恐れていた。
けれどぶるぶる震え、ぽろぽろ泣きながら返す様子に、二人の大工は、俺が何やら叱ったと思い込んだらしい。むしろ優しい言葉をかけて、気にするなと言ってくれた。
「……お、おれ、……あの二人の財布、スッたんだぜ? フツー、それくらい分かるだろ? なのに、なんであのふたりは怒らないんだ……?」
何事もなかったはずなのにひどくうろたえているニューに、俺は努めて優しく微笑んでみせた。
「親もないのに、一生懸命、にこにこしながら働く昨日、今日の姿から、信じてくれたんじゃないのか?」
「で、でも、おれ……あのひとたちから……!」
「気になるなら、今日の午後も笑顔で頑張ってみせればいいだけの話だ。なに、この時点で問題にされないんだから大丈夫。恩を返すつもりで、特にあの二人についてお手伝いをするといい」
その日の作業が終わり、俺は例の大工二人に頭を下げに行った。
そして、驚いた。二人とも、財布を返される時点ですでにスられていたことに気づいていたが、あえてそ知らぬふりをしてくれていたということだった。
「あ? いいって、気にすんな。オレも、今振り返ってみりゃなかなかガラの悪いクソガキだったからな。だからアンタがあのガキどもを何とかしようってしてるの見てたら、ほっとけねえんだよ」
「裏街ってのはどうしてもできちまうもんだ。ワシも長いこと生きてきたが、どんな街にもあった。じゃから、あんたの行いは自己満足でしかない。だが、それでも目に付いた孤児を引き取ってなんとかしようとするなんぞ、わしには到底できんかったことだ。それをやろうというのだから頭が下がる。大変だろうが、気張りなされ」
俺が二人に改めて頭を下げていると、マレットさんがやってきた。
「ムラタさんよ。あんたは本当に何でもかんでもしょい込む人だな。もっと気を楽にすりゃあいいのによ」
まあ、俺の日和見な生き方と、いい人だと見られたいっていう願望が、こんな形になってしまっているんだろうけどな。はは、と笑ってごまかす。
「……なんででしょうね、俺にも分かりません」
「もうすこし、いい人ぶらずにいるだけでいいと思うぜ?」
「……は、ははは」
当然のように見抜かれていた。
「まあ、ウチの娘もそういうところが気に入ったのかもしれねえから、これ以上は言わねえが……ただ、裏街のガキを一人前に育てる志ってのも結構だが、もう半年だぞ? さっさと孫を仕込んでくれ」
がっはっはと背中をバシバシと叩かれる。
「このままじゃ、ウチの嫁二人が、仕込みの手伝いに行きかねんぞ?」
「それはシャレになりませんねえ」
俺が背中の痛みに顔をしかめながら苦笑いしてみせると、マレットさんは急に大真面目な顔になった。
「おい、まさか冗談だと思ってるのか? 本気だからな? ベッドの横で姑二人に子作り指南なんぞされながらヤりたくはねえだろ?」
「……それ、冗談ですよね……?」
「なんだ、知らなかったのか? 姑の子作り指南からは逃げられねえ。子作りは義務だ、それが果たせんのならな」
思わず先の二人の大工の方を見てしまったが、二人とも腕を組んだまま、ごく当たり前のような顔でうなずいていた。
……行為を部屋の外から聞き耳を立てられるのはしょうがないとして、マイセルの母親二人に監視されながら子作りなんてできるかっ! 今後からは本気でタイミングを計って子作りしないとまずい!
……ええと、たしか三十日サイクルで月経が来るなら、排卵日は……ええと、月経開始から二週間くらいだったか!? 前の月経のはじまりはいつだった!? マイセルに聞かないと!!
「なあ、だんなさま! だんなさまは、家をつくるんだよね?」
「そうだな、それが本業だ」
帰り道、リノは街並みを眺めながら、俺の前を飛び跳ねるように歩いていた。
「マイセル姉ちゃんも、家をつくるんだよね?」
問われてマイセルも微笑んでみせる。
「リノちゃんも作りたくなった?」
「うん! ボクもつくってみたい! 兄ちゃんもだろ? ニューは?」
急に話を振られてヒッグスは戸惑ったようだが、しかし力強くうなずいた。しかしニューだけは、やや暗い表情だった。
「……おれは、いいよ……」
「なんで? 昼過ぎだってがんばってただろ? だんなさまだってニューのこと、ほめてたじゃないか」
「……だ、だって……。おれ、やっちゃったから……」
「だいじょうぶだって! だんなさま、とってもやさしいから! 昼のときだって、怒ってなかっただろ?」
落ち込むニューに、リノがにこにこと返す。
「大丈夫だって! ボクなんてだんなさまの顔を蹴っ飛ばしたのに、だんなさま、怒るどころかご飯くれて、働く場所くれて、ボクをお嫁さんにする約束までしてくれたんだぞ! だんなさまはボクらに未来をくれたんだ! ニューだってちゃんと謝ったんだし、大丈夫!」
リノの言う通りだ。頷いてみせると、リノはニューの手を取った。
「ボク、だんなさまからいっぱい勉強する! いっぱい、いっぱい勉強して、だんなさまと同じ建築士ってやつに、ボクはなる! だからニューも、一緒にがんばろ!」
すでに、現場の大工の、誰も彼もが知っていた。
ああ、筒抜けだったよ!
一人筒抜けなら、もうみんな知ってるってことだ!
マレットさん自身は何もしゃべらなかったが、塀の向こうにいた若い大工がリアルタイムで実況し、結果、現場の全員の知るところになったらしい。
現場の連中みんなに冷やかされ、リノは終始満面の笑顔で、そして俺は針の筵だった。だって、リトリィもマイセルも、現場で作業を手伝ってるんだぞ?
「お嬢ちゃんも大変じゃなあ、新婚早々に」
「いえ、ムラタさんは優しい方なので!」
「オレが同じことしたら、オレ、ヨメに殺されちまうぜ!」
「これでもマレットの娘ですよ? 魅力的な旦那様をもてた証みたいなものですから!」
さすがにマレットさんの娘だけあって、大工仲間に顔が広い。その分飛び火も多いわけで、もう本当に申し訳ない思いだった。いちいち笑顔で受け答えするのがまた、さらに申し訳なさに拍車をかける。
しかし、だからといってリトリィたちのフォローに回れるわけでもない。チビ三人のフォローには、俺が回るしかないのだから。
「はい」「ありがとうございます」以外の私語を厳禁――これはしっかりと守っているのだが、それは対人スキルが低すぎるからだ。特にニュー。
大工仕事に楽しみを見出しつつあるヒッグス、俺のそばで妙に張り切っているリノと違って、ニューはどうも不安定なのだ。ヒッグスが時折気にかけてやっているようだが、きょろきょろと不安げにあちこちを見回してはこそこそ何かやっている。
それが何か分かったのは、昼の休憩の時だった。
「……お前ら?」
「お、おっさん!? こ、こっち見んじゃ――!」
「ご、ごめんおっさん! ニューのこと、おれがきつく言っとくから! ホントにきつく言っとくから!」
……実は、ヒッグスがニューの口をふさいで俺になにか必死で訴えているのを見て、一体何があったのか、把握していたわけではなかった。
「……ヒッグス。ごまかすのは、お前らのためにならん。俺は自分の過ちを認め、正直に認めて謝れる奴の心は信じるし、人の命を脅かすようなやらかし以外は赦すつもりだ。だが、ごまかす奴は許さん。言っておくが、俺の目をごまかせていると思うなよ? ちゃんと自分で説明してみせろ」
「お、おっさん……待ってくれよ、ニューは……」
ヒッグスが小声で訴えるが、俺はそれをあえて遮った。
「ヒッグス。俺が知らないとでも思ったか? その上でお前に選択肢を与えている。それを理解してなおごまかそうという気なら、ヒッグスとニューとリノ、三人とも同罪と見なして罰する。なんなら、お前たちから手を引く。お互い、信用のない関係を続けることはできないからな」
リノの顔色が変わった。リトリィには絶対に通じないだろうが、ハッタリも時には武器になる。
ヒッグスはリノの顔色を見て、それからニューを見た。
「……おい、ニュー。出せよ」
「お、おれは……しらねえ!」
「知らねえじゃねえよ! これ以上おっさんを怒らせんなって!」
「だからおれは……し、しらねえって!」
しらを切るニューにヒッグスがつかみかかろうとするのを、俺は制してからニューの顔を覗き込んだ。ヒッグスが態度で示してくれたおかげで、とりあえずニューが何かをやらかしたのは分かった。自信を持って、怖い顔をつくってみせる。
「ニュー。俺は過ちを認め、ちゃんと素直に謝れる子なら、俺は赦すと言ったぞ? それでもなお、あえてごまかし続けるつもりか?」
「ひっ――!?」
ニューが後ずさる。すかさずつかまえるヒッグス。俺の腕をつかみ、謝らせるからゆるしてやってよ、と訴えるリノ。
「ニューには、ちゃんと正しい道に誘ってくれる仲間がいて、よかったな? さあ、どうする?」
俺は片膝をついて、ニューの視線の高さに目を合わせた。
体をそらすニューだが、しばらくして観念したようだった。
「……ご、ごめん、なさい……」
ふてくされるでもなく、開き直るでもなく、ぽろぽろと涙をこぼし始めたニューは、懐から、二つの財布を取り出した。
いろいろ悩んだが、俺はその財布を、ニューが拾って、そしてどうしたらいいか分からず、持ったままにしてしまった、ということにして、財布を落とした人はいないかを呼びかけ、名乗り出た二人に、本人から返させた。
「すまねえなあ、嬢ちゃん。なんだ、ムラタのダンナに叱られでもしたのか? なあに、嬢ちゃんが拾ってくれなきゃ、オレはカミさんにぶん殴られるところだったぜ。なんせカミさんがオレの誕生日に縫ってくれた財布だからよ。ありがとよ!」
ニューは、自分が返すなんてことになったら自分がスッたということがバレないかと、ひどく恐れていた。
けれどぶるぶる震え、ぽろぽろ泣きながら返す様子に、二人の大工は、俺が何やら叱ったと思い込んだらしい。むしろ優しい言葉をかけて、気にするなと言ってくれた。
「……お、おれ、……あの二人の財布、スッたんだぜ? フツー、それくらい分かるだろ? なのに、なんであのふたりは怒らないんだ……?」
何事もなかったはずなのにひどくうろたえているニューに、俺は努めて優しく微笑んでみせた。
「親もないのに、一生懸命、にこにこしながら働く昨日、今日の姿から、信じてくれたんじゃないのか?」
「で、でも、おれ……あのひとたちから……!」
「気になるなら、今日の午後も笑顔で頑張ってみせればいいだけの話だ。なに、この時点で問題にされないんだから大丈夫。恩を返すつもりで、特にあの二人についてお手伝いをするといい」
その日の作業が終わり、俺は例の大工二人に頭を下げに行った。
そして、驚いた。二人とも、財布を返される時点ですでにスられていたことに気づいていたが、あえてそ知らぬふりをしてくれていたということだった。
「あ? いいって、気にすんな。オレも、今振り返ってみりゃなかなかガラの悪いクソガキだったからな。だからアンタがあのガキどもを何とかしようってしてるの見てたら、ほっとけねえんだよ」
「裏街ってのはどうしてもできちまうもんだ。ワシも長いこと生きてきたが、どんな街にもあった。じゃから、あんたの行いは自己満足でしかない。だが、それでも目に付いた孤児を引き取ってなんとかしようとするなんぞ、わしには到底できんかったことだ。それをやろうというのだから頭が下がる。大変だろうが、気張りなされ」
俺が二人に改めて頭を下げていると、マレットさんがやってきた。
「ムラタさんよ。あんたは本当に何でもかんでもしょい込む人だな。もっと気を楽にすりゃあいいのによ」
まあ、俺の日和見な生き方と、いい人だと見られたいっていう願望が、こんな形になってしまっているんだろうけどな。はは、と笑ってごまかす。
「……なんででしょうね、俺にも分かりません」
「もうすこし、いい人ぶらずにいるだけでいいと思うぜ?」
「……は、ははは」
当然のように見抜かれていた。
「まあ、ウチの娘もそういうところが気に入ったのかもしれねえから、これ以上は言わねえが……ただ、裏街のガキを一人前に育てる志ってのも結構だが、もう半年だぞ? さっさと孫を仕込んでくれ」
がっはっはと背中をバシバシと叩かれる。
「このままじゃ、ウチの嫁二人が、仕込みの手伝いに行きかねんぞ?」
「それはシャレになりませんねえ」
俺が背中の痛みに顔をしかめながら苦笑いしてみせると、マレットさんは急に大真面目な顔になった。
「おい、まさか冗談だと思ってるのか? 本気だからな? ベッドの横で姑二人に子作り指南なんぞされながらヤりたくはねえだろ?」
「……それ、冗談ですよね……?」
「なんだ、知らなかったのか? 姑の子作り指南からは逃げられねえ。子作りは義務だ、それが果たせんのならな」
思わず先の二人の大工の方を見てしまったが、二人とも腕を組んだまま、ごく当たり前のような顔でうなずいていた。
……行為を部屋の外から聞き耳を立てられるのはしょうがないとして、マイセルの母親二人に監視されながら子作りなんてできるかっ! 今後からは本気でタイミングを計って子作りしないとまずい!
……ええと、たしか三十日サイクルで月経が来るなら、排卵日は……ええと、月経開始から二週間くらいだったか!? 前の月経のはじまりはいつだった!? マイセルに聞かないと!!
「なあ、だんなさま! だんなさまは、家をつくるんだよね?」
「そうだな、それが本業だ」
帰り道、リノは街並みを眺めながら、俺の前を飛び跳ねるように歩いていた。
「マイセル姉ちゃんも、家をつくるんだよね?」
問われてマイセルも微笑んでみせる。
「リノちゃんも作りたくなった?」
「うん! ボクもつくってみたい! 兄ちゃんもだろ? ニューは?」
急に話を振られてヒッグスは戸惑ったようだが、しかし力強くうなずいた。しかしニューだけは、やや暗い表情だった。
「……おれは、いいよ……」
「なんで? 昼過ぎだってがんばってただろ? だんなさまだってニューのこと、ほめてたじゃないか」
「……だ、だって……。おれ、やっちゃったから……」
「だいじょうぶだって! だんなさま、とってもやさしいから! 昼のときだって、怒ってなかっただろ?」
落ち込むニューに、リノがにこにこと返す。
「大丈夫だって! ボクなんてだんなさまの顔を蹴っ飛ばしたのに、だんなさま、怒るどころかご飯くれて、働く場所くれて、ボクをお嫁さんにする約束までしてくれたんだぞ! だんなさまはボクらに未来をくれたんだ! ニューだってちゃんと謝ったんだし、大丈夫!」
リノの言う通りだ。頷いてみせると、リノはニューの手を取った。
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