19 / 20
アミの好みのタイプ
しおりを挟む
翌日、僕はアミへ手紙を書くためにペンを持った。「何を書こうかな…。まずは、昨日のお礼を…。そして、心配かけたことの謝罪を…」出だしの文は書き終えた。その後で悩んでしまった。前回と同じだ。
「悩んじゃうよな…、出来事いっぱいあるから…。何かアミちゃんが興味そそられることあるかな…」頭の中の記憶を掘り出していた。
掘り出している時に迷子になった時の自分の姿が頭の中に流れた。
「アミちゃんからしたらほんと子どもだよな…、俺。年の差ってのもあるから、年の離れた姉と弟みたいに見えたかもな…」自分でも何となくそう感じていた。
僕は姉の部屋がある方向を見ていた。
「姉か…。うちの姉ちゃんとはえらい違いだよな。優しくて気配りができて…。本当の弟みたいに可愛がってくれて…」そんなことを考えていると、何故か壁を隔てて何かを感じた。僕はすぐさま机に向かった。
「アミちゃん、どういう人がタイプなんだろう…。当分結婚する気ないとは言ってたけど、好みのタイプとかはあるだろうし…。俺も気になる女の子のこと話したし、聞きたいな…」
だが、書こうとした瞬間に何故か「なんか、俺と全く違うタイプの人が好みとか返ってきたらどうしよう…」という心配が募っていた。アミに好意を持っているわけではないのに。
「何を心配してんだ俺は…。ただどんな人がタイプなのか聞きたいだけじゃん…」そう言い聞かせていたがなかなか書けなかった。僕の心は複雑だったみたいだ。
1時間が経ち、僕は一度外へ出た。近くにある自動販売機でジュースを買い、部屋に戻った。椅子に座り、ペンを持った。そして、手紙の続きを書き始めた。
正午になり、手紙を書き終えた。今回は早く書き終えることができた。
「何て返ってくるかな…」期待と不安を胸に手紙をポストへ投函した。「ほんと、どんな人がタイプなんだろう…」無意識にそんなことを考えている自分がいた。「まあ、誰がタイプでも…。何考えてるんだ…」
翌日、僕は学校で気になる女の子と話していた。その子は同じクラスで仲の良い女の子の1人だ。名前は飯田真希《いいだまき》。ロングヘアーでちょっと活発な女の子。落ち着いた印象のアミとは正反対の女の子だ。
真希は僕へのボディタッチが多く、僕はその度にドキドキしていた。他の男子生徒とも話しているが、ボディタッチはしていない。僕に気を許しているからなのか、緊張して他の男子生徒にはできないのか。
放課後「浩二、一緒に帰らない?」真希が誘ってくれた。「いいよ!」僕は真希と一緒に帰った。僕達のことを知らない人からすれば付き合っている男女に見えるかもしれない。歩いている時にふと真希の顔を見ると何故か緊張しているように見えた。「どうしたんだろう…、まさか…、いや、そんなこと…」そんなことを考えているうちに僕も緊張していた。
歩いていると姉の姿が見えた。「姉ちゃんだ…。この状況見たら何て言うかな…。『彼女?』とか…」
僕は無意識に姉から隠れた。すると、真希が「どうしたの浩二。誰かいたの?」「いや、あの…」僕は姉の姿が見えなくなるまで物陰に隠れた。
姉の姿が見えなくなり、僕は物陰から出た。危なかった。なぜかドキドキしている自分がいた。
「もしかして、2人でいるところ誰かに見られたくなかったの?別に気にせず堂々としてればいいんじゃない?『友達同士だよ』って」そのとおりである。アミもお兄さんと一緒にいる時、堂々としていた。そして、その男性が誰なのか話してくれた。僕もそうすればよかったと後悔してしまった。
「ごめん。姉ちゃんがいて…。思わず隠れちゃった…」その言葉で真希は少し微笑んでいた。
僕達は十字路で別れ、自宅へ向かった。歩いていると左後ろから視線を感じた。振り向きたかったが、振り向かず帰り道を歩いた。
翌日以降も真希は普段通り僕に話し掛けてくれた。だが、何故か妙に意識している自分がいた。「俺、真希のこと好きなのかな…」
金曜日、アミから返事が返ってきた。手紙を受け取り、部屋で開けた。
「土曜日、ほんとに心配しちゃったよ。私を置いて何処か行っちゃうんだもん。大事な人が急にいなくなっちゃうみたいに…。なんて冗談はさておき、真希ちゃんっていうんだね、気になっている女の子。多分その子、浩二くんに好意持ってるよ。もしかしたら告白上手くいくかもよ。私の好きなタイプは一緒にいて落ち着く人かな。話さなくても沈黙が気にならない人というか。そういう感じの人。結婚を意識する時期になったらそういう人を探すかもね。まあ、だいぶ先の話だけど。なかなか会えないけどまた2人で食事とか行きたいね。姉と弟みたいに見えるから変に勘違いされないと思うよ。店長にも言われたの『ほんと、顔は似てないけど姉と弟だよな』って。予定が合えば誘いたいな。次はどこ行こうか?今度は私を置いて行かないでよ?それでは。 井川亜美子」
「俺とは正反対だよな…」
何故かそんなことを考え、勝手に凹んでいる自分がいた。何故なのかは僕にも分からなかった。
だが、「大事な人」と「私を置いて行かないでよ?」の文字で何故か照れてる自分がいた。
何故だろうか。
僕はいろんな意味で捉えていたのかもしれない。
「悩んじゃうよな…、出来事いっぱいあるから…。何かアミちゃんが興味そそられることあるかな…」頭の中の記憶を掘り出していた。
掘り出している時に迷子になった時の自分の姿が頭の中に流れた。
「アミちゃんからしたらほんと子どもだよな…、俺。年の差ってのもあるから、年の離れた姉と弟みたいに見えたかもな…」自分でも何となくそう感じていた。
僕は姉の部屋がある方向を見ていた。
「姉か…。うちの姉ちゃんとはえらい違いだよな。優しくて気配りができて…。本当の弟みたいに可愛がってくれて…」そんなことを考えていると、何故か壁を隔てて何かを感じた。僕はすぐさま机に向かった。
「アミちゃん、どういう人がタイプなんだろう…。当分結婚する気ないとは言ってたけど、好みのタイプとかはあるだろうし…。俺も気になる女の子のこと話したし、聞きたいな…」
だが、書こうとした瞬間に何故か「なんか、俺と全く違うタイプの人が好みとか返ってきたらどうしよう…」という心配が募っていた。アミに好意を持っているわけではないのに。
「何を心配してんだ俺は…。ただどんな人がタイプなのか聞きたいだけじゃん…」そう言い聞かせていたがなかなか書けなかった。僕の心は複雑だったみたいだ。
1時間が経ち、僕は一度外へ出た。近くにある自動販売機でジュースを買い、部屋に戻った。椅子に座り、ペンを持った。そして、手紙の続きを書き始めた。
正午になり、手紙を書き終えた。今回は早く書き終えることができた。
「何て返ってくるかな…」期待と不安を胸に手紙をポストへ投函した。「ほんと、どんな人がタイプなんだろう…」無意識にそんなことを考えている自分がいた。「まあ、誰がタイプでも…。何考えてるんだ…」
翌日、僕は学校で気になる女の子と話していた。その子は同じクラスで仲の良い女の子の1人だ。名前は飯田真希《いいだまき》。ロングヘアーでちょっと活発な女の子。落ち着いた印象のアミとは正反対の女の子だ。
真希は僕へのボディタッチが多く、僕はその度にドキドキしていた。他の男子生徒とも話しているが、ボディタッチはしていない。僕に気を許しているからなのか、緊張して他の男子生徒にはできないのか。
放課後「浩二、一緒に帰らない?」真希が誘ってくれた。「いいよ!」僕は真希と一緒に帰った。僕達のことを知らない人からすれば付き合っている男女に見えるかもしれない。歩いている時にふと真希の顔を見ると何故か緊張しているように見えた。「どうしたんだろう…、まさか…、いや、そんなこと…」そんなことを考えているうちに僕も緊張していた。
歩いていると姉の姿が見えた。「姉ちゃんだ…。この状況見たら何て言うかな…。『彼女?』とか…」
僕は無意識に姉から隠れた。すると、真希が「どうしたの浩二。誰かいたの?」「いや、あの…」僕は姉の姿が見えなくなるまで物陰に隠れた。
姉の姿が見えなくなり、僕は物陰から出た。危なかった。なぜかドキドキしている自分がいた。
「もしかして、2人でいるところ誰かに見られたくなかったの?別に気にせず堂々としてればいいんじゃない?『友達同士だよ』って」そのとおりである。アミもお兄さんと一緒にいる時、堂々としていた。そして、その男性が誰なのか話してくれた。僕もそうすればよかったと後悔してしまった。
「ごめん。姉ちゃんがいて…。思わず隠れちゃった…」その言葉で真希は少し微笑んでいた。
僕達は十字路で別れ、自宅へ向かった。歩いていると左後ろから視線を感じた。振り向きたかったが、振り向かず帰り道を歩いた。
翌日以降も真希は普段通り僕に話し掛けてくれた。だが、何故か妙に意識している自分がいた。「俺、真希のこと好きなのかな…」
金曜日、アミから返事が返ってきた。手紙を受け取り、部屋で開けた。
「土曜日、ほんとに心配しちゃったよ。私を置いて何処か行っちゃうんだもん。大事な人が急にいなくなっちゃうみたいに…。なんて冗談はさておき、真希ちゃんっていうんだね、気になっている女の子。多分その子、浩二くんに好意持ってるよ。もしかしたら告白上手くいくかもよ。私の好きなタイプは一緒にいて落ち着く人かな。話さなくても沈黙が気にならない人というか。そういう感じの人。結婚を意識する時期になったらそういう人を探すかもね。まあ、だいぶ先の話だけど。なかなか会えないけどまた2人で食事とか行きたいね。姉と弟みたいに見えるから変に勘違いされないと思うよ。店長にも言われたの『ほんと、顔は似てないけど姉と弟だよな』って。予定が合えば誘いたいな。次はどこ行こうか?今度は私を置いて行かないでよ?それでは。 井川亜美子」
「俺とは正反対だよな…」
何故かそんなことを考え、勝手に凹んでいる自分がいた。何故なのかは僕にも分からなかった。
だが、「大事な人」と「私を置いて行かないでよ?」の文字で何故か照れてる自分がいた。
何故だろうか。
僕はいろんな意味で捉えていたのかもしれない。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『 ゆりかご 』
設楽理沙
ライト文芸
- - - - - 非公開予定でしたがもうしばらく公開します。- - - -
◉2025.7.2~……本文を少し見直ししています。
" 揺り篭 " 不倫の後で 2016.02.26 連載開始
の加筆修正有版になります。
2022.7.30 再掲載
・・・・・・・・・・・
夫の不倫で、信頼もプライドも根こそぎ奪われてしまった・・
その後で私に残されたものは・・。
――――
「静かな夜のあとに」― 大人の再生を描く愛の物語
『静寂の夜を越えて、彼女はもう一度、愛を信じた――』
過去の痛み(不倫・別離)を“夜”として象徴し、
そのあとに芽吹く新しい愛を暗示。
[大人の再生と静かな愛]
“嵐のような過去を静かに受け入れて、その先にある光を見つめる”
読後に“しっとりとした再生”を感じていただければ――――。
――――
・・・・・・・・・・
芹 あさみ 36歳 専業主婦 娘: ゆみ 中学2年生 13才
芹 裕輔 39歳 会社経営 息子: 拓哉 小学2年生 8才
早乙女京平 28歳 会社員
(家庭の事情があり、ホストクラブでアルバイト)
浅野エリカ 35歳 看護師
浅野マイケル 40歳 会社員
❧イラストはAI生成画像自作
✿ 私は彼のことが好きなのに、彼は私なんかよりずっと若くてきれいでスタイルの良い女が好きらしい
設楽理沙
ライト文芸
累計ポイント110万ポイント超えました。皆さま、ありがとうございます。❀
結婚後、2か月足らずで夫の心変わりを知ることに。
結婚前から他の女性と付き合っていたんだって。
それならそうと、ちゃんと話してくれていれば、結婚なんて
しなかった。
呆れた私はすぐに家を出て自立の道を探すことにした。
それなのに、私と別れたくないなんて信じられない
世迷言を言ってくる夫。
だめだめ、信用できないからね~。
さようなら。
*******.✿..✿.*******
◇|日比野滉星《ひびのこうせい》32才 会社員
◇ 日比野ひまり 32才
◇ 石田唯 29才 滉星の同僚
◇新堂冬也 25才 ひまりの転職先の先輩(鉄道会社)
2025.4.11 完結 25649字
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる