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第三章「アイドルグループ アサガオ組ドッキリ企画 アイドルが下着泥棒に狙われたら?」
「アイドルが下着泥棒に狙われたら? 1」
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アイドルグループ、アサガオ組の更衣室。
「ぎゃぁああああ!」
ロッカーの中に入れてあった変えのパンツを取り出した御上エリカ(おかみ えりか)が大きな叫びを上げてひっくり返った。
そのまま、引きつけを起こして転げ回る勢いだった。
「なんだなんだ、エリカ。魚が死んだような声だして」
アイドルグループ アサガオ組のリーダーの赤島ナギサ(あかしま なぎさ)は相変わらず素っ頓狂なことを言っているが、今のエリカに突っ込んでいる余裕はなかった。
「魚が死ぬ声ってなんだよ! そ、そんなことより、あれ!」
おそるおそるエリカが指差す先には、ピンク色の可愛らしいパンティーがあった。
「なんだ、エリカのパンツじゃねえか」
「それ、汚え汁で汚されてんの!」
番組とか配信ではカワイコぶってるくせに、あいかわらず楽屋では酷え口調だなと思いながらナギサはエリカのパンツチェックする。
「あ、ああ……。ほんとだ、もしかして下着泥棒か」
「下着泥棒?」
「盗んでいったわけじゃないから、正確には下着泥棒じゃないけど。パンツを汚したんなら器物破損じゃなかったっけ。えっと、ほらエリカの下着でナニしたんだろうよこれ」
「ナニって、な、なに!?」
「おぼこみたいなことを言ってんなよ。ナニだよ、ナニ」
「そ、そんなのわかってるよ。もう私そのパンツ触れない。捨ててぇ」
そう言って、情けない声で泣きじゃくるエリカ。
「てめえのパンツくらい、自分で始末しろよ」
「だって、だって……」
エリカは、本気で怖かったのか生意気な口調も崩れて、ブルブルと震えている。
それを見て、ナギサはわざと怖い顔で言う。
「お前、そんなんだとザー汁恐怖症になるぞ」
「はぁ? こんなときに、何を冗談言ってるんだよナギサ……」
年長のナギサを、ジト目で睨みつけるエリカ。
「冗談じゃねえって。ほら、ザー汁に触れてみろよ」
そう言って、ナギサはピンク色のパンティーをエリカの顔に近づける。
「ぎゃぁああああ! やべろぉ!!」
「あははっ、なんだよその反応」
「笑うなぁ! きたねえだろ!」
「そうだな。笑い事じゃねえよエリカ。お前このままだと、一生処女だぞ」
「はぁ、なんでそうなるんだよ」
「だって、ザー汁が怖いんだろ。じゃあ、セックスできねえじゃねえか」
そう言われて、エリカはキョトンとした顔になる。
ザー汁という言葉は知らなかったが、おそらくパンツについてる汚い液体のことだと察して言う。
「セックスって……。それは、好きな人のなら違うよ。それは、違うから……」
「何が違うんだよ」
「だからぁ、それはパンツでシコシコすることしかできない変態の汚い汁で」
「同じ男のザー汁には変わりないじゃねえか。別に、こんなの汚くないよ」
そう言って、ナギサは手でパンツのクロッチにいっぱい付着しているザー汁をすくい取って見せる。
「うわぁ、よくそんな汚いのに触れられるなあ」
「別に汚くないって、ほら触ってごらん」
「ぜ、絶対無理!」
「やっぱり、ザー汁恐怖症になってるよ。ほら、私こんなのこうできるからね」
そう言って、ナギサは手ですくい取ったザー汁を舐めてみせた。
「ぎゃぁああああ! 食べたぁ!」
「いちいちうるさいな。ザー汁は、食べても大丈夫なんだよ。エッチなビデオとかで見たことあるだろ」
エッチな配信を得意としているくせに、意外とエリカはそんなビデオ見たことない。
いやいや、今はそれが問題じゃなくて。
ザー汁が食べられるかどうかでもなくてと、エリカは激昂する。
「それ、誰のものかもわからないザー汁だし! 汚いよ!」
「汚いもんじゃないんだって、そんなことを言ってるとほんとに男と付き合えなくなるぞ」
何度も真顔でそう言われて、エリカは少し不安になった様子で聞く。
「マジで?」
「マジだよ。大マジ。お前ヤバいよ。そんな調子だと、好きな男とも付き合えなくなるよ」
ナギサは真面目くさった顔で、そう頷く。
そう言われると、エリカは不安になる。
昭和99年の世界は、蔓延している性知識が極端に偏っているため、きちんと勉強していないとこんな嘘にも騙されてしまう恐れがあるのだ。
「でも、やっぱそれに触れるのは、無理だ……」
「あーやっぱり。その分だと、好きな男のザー汁でも無理になるよ」
「そんな事言われたって……おい、ナギサ! なんでいきなり脱いでるんだよ! おいぃ!」
もともと仕事終わりでくつろいでいるラフな格好だ。
さっさと脱げてしまう。
ナギサは、うっせやつだなと笑いながら、ザー汁で汚れたピンク色のパンティーをその場で穿いてみせた。
「おおぃ! 何を穿いてるんだよ! それ私のパンティーだけど!」
「洗濯してあるんだろ。別に汚くねえじゃん」
「ザー汁、知らない男のザー汁ついてるから! 妊娠しちゃうぞおめぇ!」
エリカがそう言うと、ナギサはバカにしたように鼻で笑った。
「するわけねえだろ。お前、本当に学校行ってるのかよ、ザー汁の精子は空気に触れるとすぐ死んじゃうんだよ」
「ま、マジでぇ?」
とっさにエリカは、いつも持ってるスマホでカチャカチャ調べだして、「ほんとだ……」とかつぶやいてから。
「スマホに知らねえ男のザー汁ついちまった」と、叫んで慌てふためいている。
「だから、男のザー汁なんて怖いもんじゃねえっての。その怖がり方は、もう恐怖症になってるよ。治療しないとマズいよ」
「マジでぇ?」
あまりのショックに、エリカはマジでぇしか言えない人形となっている。
「エリカ。お前ちょっと、このポラロイドカメラで私のこと撮れ」
言われるままにエリカは、ザー汁付きのエリカの桃色パンティーを穿いたナギサを撮影する。
さすがはアイドル、チェキの撮影などに使う一連の動作はもう流れ作業でできる。
すぐ出来上がった写真に、ナギサは『赤島ナギサのパンツでもシコれ、バーカ変態』と書いて、自分の紫色のセクシーランジェリーを写真とともに棚の上に置く。
「ナギサ、なにやってんの……」
「こうしとけば、またロッカーを荒らしてる変態がザー汁かけてくれるだろ。明日から、お前ザー汁に慣れる特訓な」
「マジでぇ?」
あまりに衝撃的なことがあって、更に驚かされたエリカは、しばらくマジでぇしか言えないマシーンと化していた。
「ぎゃぁああああ!」
ロッカーの中に入れてあった変えのパンツを取り出した御上エリカ(おかみ えりか)が大きな叫びを上げてひっくり返った。
そのまま、引きつけを起こして転げ回る勢いだった。
「なんだなんだ、エリカ。魚が死んだような声だして」
アイドルグループ アサガオ組のリーダーの赤島ナギサ(あかしま なぎさ)は相変わらず素っ頓狂なことを言っているが、今のエリカに突っ込んでいる余裕はなかった。
「魚が死ぬ声ってなんだよ! そ、そんなことより、あれ!」
おそるおそるエリカが指差す先には、ピンク色の可愛らしいパンティーがあった。
「なんだ、エリカのパンツじゃねえか」
「それ、汚え汁で汚されてんの!」
番組とか配信ではカワイコぶってるくせに、あいかわらず楽屋では酷え口調だなと思いながらナギサはエリカのパンツチェックする。
「あ、ああ……。ほんとだ、もしかして下着泥棒か」
「下着泥棒?」
「盗んでいったわけじゃないから、正確には下着泥棒じゃないけど。パンツを汚したんなら器物破損じゃなかったっけ。えっと、ほらエリカの下着でナニしたんだろうよこれ」
「ナニって、な、なに!?」
「おぼこみたいなことを言ってんなよ。ナニだよ、ナニ」
「そ、そんなのわかってるよ。もう私そのパンツ触れない。捨ててぇ」
そう言って、情けない声で泣きじゃくるエリカ。
「てめえのパンツくらい、自分で始末しろよ」
「だって、だって……」
エリカは、本気で怖かったのか生意気な口調も崩れて、ブルブルと震えている。
それを見て、ナギサはわざと怖い顔で言う。
「お前、そんなんだとザー汁恐怖症になるぞ」
「はぁ? こんなときに、何を冗談言ってるんだよナギサ……」
年長のナギサを、ジト目で睨みつけるエリカ。
「冗談じゃねえって。ほら、ザー汁に触れてみろよ」
そう言って、ナギサはピンク色のパンティーをエリカの顔に近づける。
「ぎゃぁああああ! やべろぉ!!」
「あははっ、なんだよその反応」
「笑うなぁ! きたねえだろ!」
「そうだな。笑い事じゃねえよエリカ。お前このままだと、一生処女だぞ」
「はぁ、なんでそうなるんだよ」
「だって、ザー汁が怖いんだろ。じゃあ、セックスできねえじゃねえか」
そう言われて、エリカはキョトンとした顔になる。
ザー汁という言葉は知らなかったが、おそらくパンツについてる汚い液体のことだと察して言う。
「セックスって……。それは、好きな人のなら違うよ。それは、違うから……」
「何が違うんだよ」
「だからぁ、それはパンツでシコシコすることしかできない変態の汚い汁で」
「同じ男のザー汁には変わりないじゃねえか。別に、こんなの汚くないよ」
そう言って、ナギサは手でパンツのクロッチにいっぱい付着しているザー汁をすくい取って見せる。
「うわぁ、よくそんな汚いのに触れられるなあ」
「別に汚くないって、ほら触ってごらん」
「ぜ、絶対無理!」
「やっぱり、ザー汁恐怖症になってるよ。ほら、私こんなのこうできるからね」
そう言って、ナギサは手ですくい取ったザー汁を舐めてみせた。
「ぎゃぁああああ! 食べたぁ!」
「いちいちうるさいな。ザー汁は、食べても大丈夫なんだよ。エッチなビデオとかで見たことあるだろ」
エッチな配信を得意としているくせに、意外とエリカはそんなビデオ見たことない。
いやいや、今はそれが問題じゃなくて。
ザー汁が食べられるかどうかでもなくてと、エリカは激昂する。
「それ、誰のものかもわからないザー汁だし! 汚いよ!」
「汚いもんじゃないんだって、そんなことを言ってるとほんとに男と付き合えなくなるぞ」
何度も真顔でそう言われて、エリカは少し不安になった様子で聞く。
「マジで?」
「マジだよ。大マジ。お前ヤバいよ。そんな調子だと、好きな男とも付き合えなくなるよ」
ナギサは真面目くさった顔で、そう頷く。
そう言われると、エリカは不安になる。
昭和99年の世界は、蔓延している性知識が極端に偏っているため、きちんと勉強していないとこんな嘘にも騙されてしまう恐れがあるのだ。
「でも、やっぱそれに触れるのは、無理だ……」
「あーやっぱり。その分だと、好きな男のザー汁でも無理になるよ」
「そんな事言われたって……おい、ナギサ! なんでいきなり脱いでるんだよ! おいぃ!」
もともと仕事終わりでくつろいでいるラフな格好だ。
さっさと脱げてしまう。
ナギサは、うっせやつだなと笑いながら、ザー汁で汚れたピンク色のパンティーをその場で穿いてみせた。
「おおぃ! 何を穿いてるんだよ! それ私のパンティーだけど!」
「洗濯してあるんだろ。別に汚くねえじゃん」
「ザー汁、知らない男のザー汁ついてるから! 妊娠しちゃうぞおめぇ!」
エリカがそう言うと、ナギサはバカにしたように鼻で笑った。
「するわけねえだろ。お前、本当に学校行ってるのかよ、ザー汁の精子は空気に触れるとすぐ死んじゃうんだよ」
「ま、マジでぇ?」
とっさにエリカは、いつも持ってるスマホでカチャカチャ調べだして、「ほんとだ……」とかつぶやいてから。
「スマホに知らねえ男のザー汁ついちまった」と、叫んで慌てふためいている。
「だから、男のザー汁なんて怖いもんじゃねえっての。その怖がり方は、もう恐怖症になってるよ。治療しないとマズいよ」
「マジでぇ?」
あまりのショックに、エリカはマジでぇしか言えない人形となっている。
「エリカ。お前ちょっと、このポラロイドカメラで私のこと撮れ」
言われるままにエリカは、ザー汁付きのエリカの桃色パンティーを穿いたナギサを撮影する。
さすがはアイドル、チェキの撮影などに使う一連の動作はもう流れ作業でできる。
すぐ出来上がった写真に、ナギサは『赤島ナギサのパンツでもシコれ、バーカ変態』と書いて、自分の紫色のセクシーランジェリーを写真とともに棚の上に置く。
「ナギサ、なにやってんの……」
「こうしとけば、またロッカーを荒らしてる変態がザー汁かけてくれるだろ。明日から、お前ザー汁に慣れる特訓な」
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