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第一章「裏切られたガンプ」
第七話:勇者パーティーを眠らせる。
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若き日の魔法剣士ガンプは、魔術師ギルドに通い詰めてマッド爺さんに古文書を読み解いてもらって、自分なりに補助魔法を研究し続けて疑問がわいた。
それは、補助魔法を使う誰もが一度は突き当たる問題かもしれない。
なぜ一定以上のレベルの強者や、上位魔族には眠りや混乱の状況異常魔法などが通用しないのか。
そいつらにこそ、効いて欲しいのに……。
ほとんどの人は、強い相手には通用しないんだと諦めてしまう。
ちょっと研究する人間はそれなりに調べてみるが、強烈な魔法抵抗力があるなんて仮説で満足してしまう。
しかし、ガンプには身近に勇者パーティーという実験体が存在した。
少しずつ研究していった結果、強者のみに存在する闘気というガードが存在するから効かないということがわかった。
闘気があるから、一定レベル以上の強者に炎や冷気などの通常魔法と同じく状況異常魔法は通じない。
そう聞いて、ちょっとおかしいと思わなかっただろうか。
例えば上位魔族が、全回復魔法を使うのを見たことがないだろうか?
魔族や人族の強者が闘気によってあらゆる魔法を弾くのであれば、なぜ回復魔法が効くのだろう。
そこにこそ、ヒントがあった。
状況異常魔法を回復魔法を組み合わせて闘気のガードをごまかすことができれば、通常は状況異常魔法が通用しない相手にもかけることができる。
「実地で試すのは、初めてだけどな……」
王都の最高級のホテル。
最上階のロイヤルスイートルームで、三人は一緒にベッドで眠っている。
別々に部屋を取っても良いのに、一緒に寝るのは仲がいいのか。
いや、こんな安心できる状況ですら周りを警戒して寝るのが習慣化している。
レベルマックスの冒険者を甘く見てはいけない。
魔道具で完全に気配を消していても、聖女プリシラはガンプの視線を感じたほどなのだ。
ドクンドクンと、やけに自分の心臓の音が大きく聞こえる。
鼓動を抑えろ……俺は幽霊だ。
そろり、そろりと三人の呼吸にあわせて空気の流れに合わせてゆっくりと近づいていく。
魔法の届く距離に来た。
「頼む、効いてくれ……癒やしのごとき最高の眠りを」
眠りがより安らかになった。
かかった!
「……ふう」
ようやく思い出したように息を吐いて、爆発しそうな心臓の鼓動を押さえる。
ここで油断してはいけない、魔法の重ねがけを何度もやっておく。
「こいつらは化け物だから、クスリが効くかどうかはわからんけどな」
液状化した睡眠薬を、聖女プリシラ、女騎士ヴァルキリア、女勇者セイラの順番に口に含ませる。
ごくんと喉を鳴らして飲むのを見る瞬間、ガンプは勝利を確信した。
これで、この瞬間勇者パーティーの三人は、ガンプだけの眠り人形になったのだ。
「ほら、ヌギヌギしような」
「んん……」
脱がそうとしたら、プリシラが身じろぎしたのでドキッとする。
「なんだ、寝てるのかよ。焦らせやがって……」
風呂上がりで……これはネグリジェというのかな。
薄着だから脱がすのは楽だった。
プリシラを先に脱がしたのだが、なんとなく一人だけ裸なのが締まりが悪いので、ヴァルキリアも、セイラも脱がしてやった。
あれほどうるさかった三人が、ガンプの前で静かに裸で寝ている。
「おいセイラ、さんざんバカにしてくれたが、今なら俺はいつでもお前を殺せるんだぞ」
ガンプは今、三人の生殺与奪の権利を握っているのだ。
そう思うと、まるで神になったような気持ちになった。
調子に乗ったガンプは、セイラのぷにぷにの頬をぺちぺちと叩くと、「……うるさい」と、手を叩かれた。
「ヒィ!」
こいつ、まじで寝てるのかとドキドキする。
万が一寝た振りだったら、次の瞬間ガンプは殺されてるかもしれない。
確かめるために、セイラの瞼を指で開いてみると、瞳孔がぐるんと上に完全に上がっている。
めちゃくちゃ白目だ。さすがに、ここまで演技でできないだろう。
「ちゃんと寝てるよな……あんまりビビらせるなよセイラ」
俺はビビリなんだからな!
ガンプはドキドキしながら、他のやつも寝てるかどうか確かめるか。
「ほれ、ヴァルキリア! バーカ、バーカ」
口の中に指を突っ込んで横に思いっきり引っ張ってニッとさせる。
「こいつ歯並びいいな」
あんだけボコスカ突撃してるのに、歯が一本も欠けてないとか丈夫すぎるだろ。
「あ、そうだ……」
どうせだったらと思って、魔導球を浮かせてこいつらの間抜けな姿を撮っておくことにする。
まあこれは、さすがに表には出せないから自分用だな。
この数年間の長い冒険の日々。
これまで三人を育ててきたのはガンプなのだ。
これくらいの役得があっても構わんだろ。
これは復讐なんだし、何をやったって良いのだ!
「クククッ……それじゃ、復讐を開始しますか」
あ、でもその前にプリシラの巨大なおっぱいだけ揉んでおくか……。
それは、補助魔法を使う誰もが一度は突き当たる問題かもしれない。
なぜ一定以上のレベルの強者や、上位魔族には眠りや混乱の状況異常魔法などが通用しないのか。
そいつらにこそ、効いて欲しいのに……。
ほとんどの人は、強い相手には通用しないんだと諦めてしまう。
ちょっと研究する人間はそれなりに調べてみるが、強烈な魔法抵抗力があるなんて仮説で満足してしまう。
しかし、ガンプには身近に勇者パーティーという実験体が存在した。
少しずつ研究していった結果、強者のみに存在する闘気というガードが存在するから効かないということがわかった。
闘気があるから、一定レベル以上の強者に炎や冷気などの通常魔法と同じく状況異常魔法は通じない。
そう聞いて、ちょっとおかしいと思わなかっただろうか。
例えば上位魔族が、全回復魔法を使うのを見たことがないだろうか?
魔族や人族の強者が闘気によってあらゆる魔法を弾くのであれば、なぜ回復魔法が効くのだろう。
そこにこそ、ヒントがあった。
状況異常魔法を回復魔法を組み合わせて闘気のガードをごまかすことができれば、通常は状況異常魔法が通用しない相手にもかけることができる。
「実地で試すのは、初めてだけどな……」
王都の最高級のホテル。
最上階のロイヤルスイートルームで、三人は一緒にベッドで眠っている。
別々に部屋を取っても良いのに、一緒に寝るのは仲がいいのか。
いや、こんな安心できる状況ですら周りを警戒して寝るのが習慣化している。
レベルマックスの冒険者を甘く見てはいけない。
魔道具で完全に気配を消していても、聖女プリシラはガンプの視線を感じたほどなのだ。
ドクンドクンと、やけに自分の心臓の音が大きく聞こえる。
鼓動を抑えろ……俺は幽霊だ。
そろり、そろりと三人の呼吸にあわせて空気の流れに合わせてゆっくりと近づいていく。
魔法の届く距離に来た。
「頼む、効いてくれ……癒やしのごとき最高の眠りを」
眠りがより安らかになった。
かかった!
「……ふう」
ようやく思い出したように息を吐いて、爆発しそうな心臓の鼓動を押さえる。
ここで油断してはいけない、魔法の重ねがけを何度もやっておく。
「こいつらは化け物だから、クスリが効くかどうかはわからんけどな」
液状化した睡眠薬を、聖女プリシラ、女騎士ヴァルキリア、女勇者セイラの順番に口に含ませる。
ごくんと喉を鳴らして飲むのを見る瞬間、ガンプは勝利を確信した。
これで、この瞬間勇者パーティーの三人は、ガンプだけの眠り人形になったのだ。
「ほら、ヌギヌギしような」
「んん……」
脱がそうとしたら、プリシラが身じろぎしたのでドキッとする。
「なんだ、寝てるのかよ。焦らせやがって……」
風呂上がりで……これはネグリジェというのかな。
薄着だから脱がすのは楽だった。
プリシラを先に脱がしたのだが、なんとなく一人だけ裸なのが締まりが悪いので、ヴァルキリアも、セイラも脱がしてやった。
あれほどうるさかった三人が、ガンプの前で静かに裸で寝ている。
「おいセイラ、さんざんバカにしてくれたが、今なら俺はいつでもお前を殺せるんだぞ」
ガンプは今、三人の生殺与奪の権利を握っているのだ。
そう思うと、まるで神になったような気持ちになった。
調子に乗ったガンプは、セイラのぷにぷにの頬をぺちぺちと叩くと、「……うるさい」と、手を叩かれた。
「ヒィ!」
こいつ、まじで寝てるのかとドキドキする。
万が一寝た振りだったら、次の瞬間ガンプは殺されてるかもしれない。
確かめるために、セイラの瞼を指で開いてみると、瞳孔がぐるんと上に完全に上がっている。
めちゃくちゃ白目だ。さすがに、ここまで演技でできないだろう。
「ちゃんと寝てるよな……あんまりビビらせるなよセイラ」
俺はビビリなんだからな!
ガンプはドキドキしながら、他のやつも寝てるかどうか確かめるか。
「ほれ、ヴァルキリア! バーカ、バーカ」
口の中に指を突っ込んで横に思いっきり引っ張ってニッとさせる。
「こいつ歯並びいいな」
あんだけボコスカ突撃してるのに、歯が一本も欠けてないとか丈夫すぎるだろ。
「あ、そうだ……」
どうせだったらと思って、魔導球を浮かせてこいつらの間抜けな姿を撮っておくことにする。
まあこれは、さすがに表には出せないから自分用だな。
この数年間の長い冒険の日々。
これまで三人を育ててきたのはガンプなのだ。
これくらいの役得があっても構わんだろ。
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