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第一章「裏切られたガンプ」
第六話:ガンプ、風呂を覗く
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酒場のモニターでは、勇者パーティーの座談会が繰り広げられている。
「死んだ人間を悪くはいいたくないですが、ガンプのやつはほんとに卑怯な真似しかしない嫌なヤツでしたね」
悪く言ってるじゃないかと、酒を飲みながら見ているガンプは苛立つ。
今日は悪口の悪口をどれだけでも言って良いというので、女騎士ヴァルキリアはさんざん罵倒している。
エリザベート姫が主導しなくてもいいくらいだ。
酒場でそれを見ながら、やけ酒を煽っているガンプ。
「クソッ……今に見てろよヴァルキリア」
こんなの見なきゃいいんだが、今は復讐の炎を燃え立たせるのにちょうどいい。
死んだはずのガンプが生きていて、こうして復讐の刃を研いでいることを知れば、あいつらはどう思うだろう。
恐れるか、それとも怒って今度こそ確実に殺そうとするかな……。
酒場のモニターでは、今度はガンプのセクハラ行為が非難され始めた。
「水浴びや、トイレまで覗かれたことがあります」
聖女プリシラの言葉に、わざとらしく手で口をおさえるエリザベート姫。
「皆様は本当に大変でしたのね。わたくしも、肩を手でさすられた時はゾッとしましたけど……」
首筋を抑えて震えるように顔を青くするエリザベート姫。
演技だと信じたいところだが、本当の嫌悪が感じられて見ているガンプは辛い。
女騎士ヴァルキリアは激高して言う。
「高貴なる姫様にまで、そんな不埒な真似をするとは! あのブサイク中年は、まさに女の敵ですね!」
お前もなにか言えと視線で促されて、女勇者セイラは言う。
「師匠は、ほんとに男性としては最低の人でした。しかし、魔王との戦いですでに亡くなったわけですから、これ以上悪くいうのも……」
そろそろ終わりにしようと言っているのだが、女騎士ヴァルキリアはまだ言いたりない様子。
「あいつの戦い方が悪いから、魔王を倒すのにも時間がかかってしまった! 姫様が指揮なされたらすぐに魔王を討伐できましたけどね!」
それは、お追従がすぎる。
エリザベート姫は、国の防衛の要である近衛騎士団を使い潰してしまった。
そのことを姫自身がわかっているので、あまり褒められて嬉しいものではないのだ。
エリザベート姫はごまかすように言った。
「わたくしが入る以前に勇者パーティーを指揮していたガンプの卑怯なやり口は、褒められたものではなかったと思いますわ」
つまらないガンプの戦い方は、国民にも人気がなかった。
だから、みんなもっともだとうなずいている人が多い。
女騎士ヴァルキリアの追従は続く。
「それに比べて、姫様の勇猛果敢なる活躍! 正々堂々たる戦うぶりに私は胸が熱くなりました。『閃光のエリザ』の名にふさわしい働きでした!」
よくぞここまでおべんちゃらを言ったものだ。
エリザベートも気を良くして、ヴァルキリアと握手する。
「わたくしも、英雄たる皆様とともに戦えて光栄でした。どうか、国民の皆様も魔王を討伐した彼女たちの活躍を褒めてあげてください!」
改めて、エリザベート姫は一人ひとりと握手して、悪口の印象を残さず後味の良い感じで座談会は終わった。
もっとも、それを見ているガンプの気分の悪さと言ったらないが。
正直、セクハラの件については事実の部分もあるので、ガンプはあんまり文句も言えない。
だがしかし、禁欲してる戦いの中であんな美少女どもの柔肌がチラチラしてたら、そりゃ覗きたくもなるだろう。
男としては、同情の意見があって欲しいところである。
もしガンプが若いイケメンとは言わぬまでも、そこそこカッコいいおっさんだったらハーレム展開もあり得たのかもしれないと思うと口惜しい。
そして、戦法についてなら絶対俺の方が優れていたし、正しさを証明してやれたらとガンプはイライラする。
しかし、仮に出ていってガンプがそれを言っても、みんな国民は超絶美少女の姫が言うことを信じるのだろうな。
裏切った弟子いわく、ぶさいく中年のガンプの言う事など、誰も信じないだろう。
全ては容姿で決まるのか、ほんとに口惜しい話だ。
やはり、俺流の復讐をするしかないと、ガンプは喉を焼くような強い酒を飲みまくっている。
すると、周りから声が聞こえてきた。
「なあ、なんで今さら死んだガンプの話なんかずっとやってたんだ」
「さあ知らねえ。俺は、ガンプのやり方そんなに悪くなかったと思うけどな」
「えー、お前まじかよ。あんなまどろっこしいつまらねえやり方、勇者様たちもイライラしてたじゃないか」
「人間同士の戦いならルールや作法ってものもあろうがよ、魔物相手に卑怯もクソもねえだろ」
「そんなものかねえ」
そんな会話はたいして盛り上がらず、でも死んじまったものはしょうがないよなで終わっていた。
しかし、そばで静かに聞いていたガンプは、わかってくれる人もいたのかと目頭が熱くなった。
ガンプは涙が溢れる前に、酒代を置いて酒場を後にする。
自暴自棄になり、みんな死んでしまえと思っていたガンプだったが、そのすさんだ精神が少し回復した瞬間だった。
だからといって、復讐は止めないけどな。
※※※
勇者パーティーの三人は、王都でも最高ランクの宿屋に泊まっている。
しかも、国費で貸し切りにしているというサービスの良さだ。
客が入っていないホテルに侵入するなど、魔界から一人で逃げ帰れるガンプにとっては簡単だった。
そっと、三人が入っている大浴場を覗く。
「下着の一つでも盗んでやりたいところだがな」
油断しているところをあえて刺激する必要はない。
ガンプは、魔界を脱出する時に使った『隠身のアーティファクト』に加えて、『深幻の腕輪』、『幻惑の指輪』など気配消失系の魔道具を身に着けている。
古代魔法文明が残したこの系統の魔道具を集めるのは、ガンプの趣味のようなものだ。
勇者パーティーに魔道具に興味を持つ者がいなかったので、ガンプが独占できた。
綺麗な宝石のついたアーティファクトを、一度聖女プリシラに送ろうとしてドン引きされたりもしたのだが、まあそれは余談である。
ともかく、魔道具で気配を完全に消失その上で、透明化の呪文をかけている。
ここまでやっておけば、いくらレベルマックスの勇者パーティーとはいえ、よほど近づかない限りは風呂を覗いてもバレることはない。
そうなのだ。
ガンプが本気を出せば、風呂を覗くことなど簡単にできた。
これまでやらなかった理由は、そこまでガチでやるのはさすがに罪悪感があったのと、それでバレたら怖いという卑怯なガンプらしい心の弱さがあったから。
「お前らが、俺を鬼にさせたんだからな……」
三人の入浴姿を覗き見て、やはり目を引くのは聖女プリシラのデカパイだ。
「十六歳なのにデカすぎるだろ」
ちょっと信じられないくらいデカイ。
Hカップくらいあるんじゃないだろうか。
お風呂で見るともう肌がツヤツヤしてて、なんで若い女の柔肌はこんなに魅力的なのだろうかと思う。
乳輪までデカめなのは好みの分かれるところだろうが、ガンプは大好物だ。
ああ、ちらっとじゃなくてこんなにマジマジとプリシラのおっぱいが見られるなんて、ガンプは幸せな気分になる。
すると、聖女プリシラがブルッと身震いして言う。
思わずバレたのかと、ガンプはビクつく。
プリシラは、震えてぷるんぷるん揺れている巨乳を手で隠した。
「どうしたプリシラ」
女騎士ヴァルキリアが尋ねる。
こっちも、なかなか大きくて形の良いおっぱいだ。Dカップくらいかな。
ヴァルキリアは、鍛えているせいか腹筋が六つに割れてて凄すぎる。
そこも好みといったところか。
「なんだか……こんな事を言うと、変に思われるのかもしれませんけど」
「えー、なになに?」
「……ガンプに覗かれている気がします」
「そりゃ良いや、悪口言ったから死んだガンプが化けて出たかな」
「魔界で死んだのですから、冗談ではありませんよ」
ほんとにゴーストになって出ることもあるのだ。
もちろん、その程度の魔物に聖女であるプリシラがやられるはずもないが、魔除けの意味でその場に神に祈りを捧げるプリシラ。
素っ裸で祈りを捧げいてるのは、なんか滑稽だ。
ヴァルキリアもそう思ったのだろう。
「幽霊になってプリシラの裸を見られるんだから、ガンプも本望だろうな」
ガンプに負けず劣らず、いやらしい目つきで見てくるヴァルキリアからも身体を隠してプリシラは言う。
「ですから、冗談ではありません。浄化しておいたから大丈夫だと思いますけど」
二人してそんなことを言っているのを見て、女勇者セイラはつまらなそうに言う。
「幽霊になって出てくるとか、僕たちはよっぽど恨まれてるんだな」
恨まれてもしょうがないけどと、セイラはつぶやく。
こちらのほうは、まあ可哀想になるくらいのちっぱいである。
Aカップもないくらいなんじゃないかな。
まあ身体も小柄だし、似合っているとは言える。
もう少し背が成長すれば、おっぱいのほうも可能性はあるかもしれないが。
貧乳がいいかも、好みのわかれるところだ。
ヴァルキリアが楽しそうに言う。
「ガンプを殺した実行犯はセイラなんだから、セイラのところに化けて出て欲しいよな」
セイラが答えるより先に、プリシラが言う。
「ヴァルキリア……ガンプさんは、名誉の戦死をされたのですよ。誰が聞いているかわからないんだから、滅多なことを言うものではありません」
ある意味、プリシラが一番酷い言い方かもしれない。
この恨み覚えておくぞと、ガンプは肝に銘じる。
セイラは、ヴァルキリアを相手にせずにさっさと身体を洗うと湯船に浸かる。
「もう師匠のことはどうでもいいよ。それより、これから僕たちはしばらくパレードやらなんやらに駆り出されそうだから、今のうちにたっぷり骨休めしておいたほうがいい」
そう言うセイラに、ヴァルキリアはまだからんでくる。
「セイラは、いまだにガンプのことを師匠っていうんだな」
「あの人が僕たちに指導した事実は変わらないから」
「やけにかばうよな、もしかしてまだ尊敬してたりする」
「まさか、わかってて聞いてるでしょ。過去は変えられないというだけだよ」
「もちろん、ジョークだけどさ。あのおっさんは、尊敬の対象にはならんよなあ」
そもそも男性嫌いのけがあるヴァルキリアは、嫌いで当然なのだが。
弱くて卑怯な男であると思えばもっとだ。
セイラは、絞り出すような声で言う。
「僕は、師匠が嫌いだった……勇者になんてなりたくなかったのに、その生き方を僕に課したのはあの男だ」
それを聞いて、ガンプは驚く。
セイラはそんなことを考えていたのか。
ただの村娘だったセイラが勇者となったのは、神殿より下された天命によるもので、ガンプがそうしたわけではない。
どうせ勇者になるなら、生き残る術を教えてやろうとしていたのに。
「それが、逆恨みされる原因になるとはな……」
そうしてガンプとしては恩を与えたつもりが、仇を返されてしまった。
人の恨みなんて、そういうすれ違いで起きるものかもしれない。
しかし、言うに事欠いて勇者になりたくなかっただと……。
魔法使いとしても、剣士としても中途半端だったガンプが、どれほどその才能を羨んだと思っているんだ。
「だったら、国民に尊敬される勇者としてのお前を破壊し尽くしてやるよ」
いよいよ今夜、ガンプの復讐が始まる。
「死んだ人間を悪くはいいたくないですが、ガンプのやつはほんとに卑怯な真似しかしない嫌なヤツでしたね」
悪く言ってるじゃないかと、酒を飲みながら見ているガンプは苛立つ。
今日は悪口の悪口をどれだけでも言って良いというので、女騎士ヴァルキリアはさんざん罵倒している。
エリザベート姫が主導しなくてもいいくらいだ。
酒場でそれを見ながら、やけ酒を煽っているガンプ。
「クソッ……今に見てろよヴァルキリア」
こんなの見なきゃいいんだが、今は復讐の炎を燃え立たせるのにちょうどいい。
死んだはずのガンプが生きていて、こうして復讐の刃を研いでいることを知れば、あいつらはどう思うだろう。
恐れるか、それとも怒って今度こそ確実に殺そうとするかな……。
酒場のモニターでは、今度はガンプのセクハラ行為が非難され始めた。
「水浴びや、トイレまで覗かれたことがあります」
聖女プリシラの言葉に、わざとらしく手で口をおさえるエリザベート姫。
「皆様は本当に大変でしたのね。わたくしも、肩を手でさすられた時はゾッとしましたけど……」
首筋を抑えて震えるように顔を青くするエリザベート姫。
演技だと信じたいところだが、本当の嫌悪が感じられて見ているガンプは辛い。
女騎士ヴァルキリアは激高して言う。
「高貴なる姫様にまで、そんな不埒な真似をするとは! あのブサイク中年は、まさに女の敵ですね!」
お前もなにか言えと視線で促されて、女勇者セイラは言う。
「師匠は、ほんとに男性としては最低の人でした。しかし、魔王との戦いですでに亡くなったわけですから、これ以上悪くいうのも……」
そろそろ終わりにしようと言っているのだが、女騎士ヴァルキリアはまだ言いたりない様子。
「あいつの戦い方が悪いから、魔王を倒すのにも時間がかかってしまった! 姫様が指揮なされたらすぐに魔王を討伐できましたけどね!」
それは、お追従がすぎる。
エリザベート姫は、国の防衛の要である近衛騎士団を使い潰してしまった。
そのことを姫自身がわかっているので、あまり褒められて嬉しいものではないのだ。
エリザベート姫はごまかすように言った。
「わたくしが入る以前に勇者パーティーを指揮していたガンプの卑怯なやり口は、褒められたものではなかったと思いますわ」
つまらないガンプの戦い方は、国民にも人気がなかった。
だから、みんなもっともだとうなずいている人が多い。
女騎士ヴァルキリアの追従は続く。
「それに比べて、姫様の勇猛果敢なる活躍! 正々堂々たる戦うぶりに私は胸が熱くなりました。『閃光のエリザ』の名にふさわしい働きでした!」
よくぞここまでおべんちゃらを言ったものだ。
エリザベートも気を良くして、ヴァルキリアと握手する。
「わたくしも、英雄たる皆様とともに戦えて光栄でした。どうか、国民の皆様も魔王を討伐した彼女たちの活躍を褒めてあげてください!」
改めて、エリザベート姫は一人ひとりと握手して、悪口の印象を残さず後味の良い感じで座談会は終わった。
もっとも、それを見ているガンプの気分の悪さと言ったらないが。
正直、セクハラの件については事実の部分もあるので、ガンプはあんまり文句も言えない。
だがしかし、禁欲してる戦いの中であんな美少女どもの柔肌がチラチラしてたら、そりゃ覗きたくもなるだろう。
男としては、同情の意見があって欲しいところである。
もしガンプが若いイケメンとは言わぬまでも、そこそこカッコいいおっさんだったらハーレム展開もあり得たのかもしれないと思うと口惜しい。
そして、戦法についてなら絶対俺の方が優れていたし、正しさを証明してやれたらとガンプはイライラする。
しかし、仮に出ていってガンプがそれを言っても、みんな国民は超絶美少女の姫が言うことを信じるのだろうな。
裏切った弟子いわく、ぶさいく中年のガンプの言う事など、誰も信じないだろう。
全ては容姿で決まるのか、ほんとに口惜しい話だ。
やはり、俺流の復讐をするしかないと、ガンプは喉を焼くような強い酒を飲みまくっている。
すると、周りから声が聞こえてきた。
「なあ、なんで今さら死んだガンプの話なんかずっとやってたんだ」
「さあ知らねえ。俺は、ガンプのやり方そんなに悪くなかったと思うけどな」
「えー、お前まじかよ。あんなまどろっこしいつまらねえやり方、勇者様たちもイライラしてたじゃないか」
「人間同士の戦いならルールや作法ってものもあろうがよ、魔物相手に卑怯もクソもねえだろ」
「そんなものかねえ」
そんな会話はたいして盛り上がらず、でも死んじまったものはしょうがないよなで終わっていた。
しかし、そばで静かに聞いていたガンプは、わかってくれる人もいたのかと目頭が熱くなった。
ガンプは涙が溢れる前に、酒代を置いて酒場を後にする。
自暴自棄になり、みんな死んでしまえと思っていたガンプだったが、そのすさんだ精神が少し回復した瞬間だった。
だからといって、復讐は止めないけどな。
※※※
勇者パーティーの三人は、王都でも最高ランクの宿屋に泊まっている。
しかも、国費で貸し切りにしているというサービスの良さだ。
客が入っていないホテルに侵入するなど、魔界から一人で逃げ帰れるガンプにとっては簡単だった。
そっと、三人が入っている大浴場を覗く。
「下着の一つでも盗んでやりたいところだがな」
油断しているところをあえて刺激する必要はない。
ガンプは、魔界を脱出する時に使った『隠身のアーティファクト』に加えて、『深幻の腕輪』、『幻惑の指輪』など気配消失系の魔道具を身に着けている。
古代魔法文明が残したこの系統の魔道具を集めるのは、ガンプの趣味のようなものだ。
勇者パーティーに魔道具に興味を持つ者がいなかったので、ガンプが独占できた。
綺麗な宝石のついたアーティファクトを、一度聖女プリシラに送ろうとしてドン引きされたりもしたのだが、まあそれは余談である。
ともかく、魔道具で気配を完全に消失その上で、透明化の呪文をかけている。
ここまでやっておけば、いくらレベルマックスの勇者パーティーとはいえ、よほど近づかない限りは風呂を覗いてもバレることはない。
そうなのだ。
ガンプが本気を出せば、風呂を覗くことなど簡単にできた。
これまでやらなかった理由は、そこまでガチでやるのはさすがに罪悪感があったのと、それでバレたら怖いという卑怯なガンプらしい心の弱さがあったから。
「お前らが、俺を鬼にさせたんだからな……」
三人の入浴姿を覗き見て、やはり目を引くのは聖女プリシラのデカパイだ。
「十六歳なのにデカすぎるだろ」
ちょっと信じられないくらいデカイ。
Hカップくらいあるんじゃないだろうか。
お風呂で見るともう肌がツヤツヤしてて、なんで若い女の柔肌はこんなに魅力的なのだろうかと思う。
乳輪までデカめなのは好みの分かれるところだろうが、ガンプは大好物だ。
ああ、ちらっとじゃなくてこんなにマジマジとプリシラのおっぱいが見られるなんて、ガンプは幸せな気分になる。
すると、聖女プリシラがブルッと身震いして言う。
思わずバレたのかと、ガンプはビクつく。
プリシラは、震えてぷるんぷるん揺れている巨乳を手で隠した。
「どうしたプリシラ」
女騎士ヴァルキリアが尋ねる。
こっちも、なかなか大きくて形の良いおっぱいだ。Dカップくらいかな。
ヴァルキリアは、鍛えているせいか腹筋が六つに割れてて凄すぎる。
そこも好みといったところか。
「なんだか……こんな事を言うと、変に思われるのかもしれませんけど」
「えー、なになに?」
「……ガンプに覗かれている気がします」
「そりゃ良いや、悪口言ったから死んだガンプが化けて出たかな」
「魔界で死んだのですから、冗談ではありませんよ」
ほんとにゴーストになって出ることもあるのだ。
もちろん、その程度の魔物に聖女であるプリシラがやられるはずもないが、魔除けの意味でその場に神に祈りを捧げるプリシラ。
素っ裸で祈りを捧げいてるのは、なんか滑稽だ。
ヴァルキリアもそう思ったのだろう。
「幽霊になってプリシラの裸を見られるんだから、ガンプも本望だろうな」
ガンプに負けず劣らず、いやらしい目つきで見てくるヴァルキリアからも身体を隠してプリシラは言う。
「ですから、冗談ではありません。浄化しておいたから大丈夫だと思いますけど」
二人してそんなことを言っているのを見て、女勇者セイラはつまらなそうに言う。
「幽霊になって出てくるとか、僕たちはよっぽど恨まれてるんだな」
恨まれてもしょうがないけどと、セイラはつぶやく。
こちらのほうは、まあ可哀想になるくらいのちっぱいである。
Aカップもないくらいなんじゃないかな。
まあ身体も小柄だし、似合っているとは言える。
もう少し背が成長すれば、おっぱいのほうも可能性はあるかもしれないが。
貧乳がいいかも、好みのわかれるところだ。
ヴァルキリアが楽しそうに言う。
「ガンプを殺した実行犯はセイラなんだから、セイラのところに化けて出て欲しいよな」
セイラが答えるより先に、プリシラが言う。
「ヴァルキリア……ガンプさんは、名誉の戦死をされたのですよ。誰が聞いているかわからないんだから、滅多なことを言うものではありません」
ある意味、プリシラが一番酷い言い方かもしれない。
この恨み覚えておくぞと、ガンプは肝に銘じる。
セイラは、ヴァルキリアを相手にせずにさっさと身体を洗うと湯船に浸かる。
「もう師匠のことはどうでもいいよ。それより、これから僕たちはしばらくパレードやらなんやらに駆り出されそうだから、今のうちにたっぷり骨休めしておいたほうがいい」
そう言うセイラに、ヴァルキリアはまだからんでくる。
「セイラは、いまだにガンプのことを師匠っていうんだな」
「あの人が僕たちに指導した事実は変わらないから」
「やけにかばうよな、もしかしてまだ尊敬してたりする」
「まさか、わかってて聞いてるでしょ。過去は変えられないというだけだよ」
「もちろん、ジョークだけどさ。あのおっさんは、尊敬の対象にはならんよなあ」
そもそも男性嫌いのけがあるヴァルキリアは、嫌いで当然なのだが。
弱くて卑怯な男であると思えばもっとだ。
セイラは、絞り出すような声で言う。
「僕は、師匠が嫌いだった……勇者になんてなりたくなかったのに、その生き方を僕に課したのはあの男だ」
それを聞いて、ガンプは驚く。
セイラはそんなことを考えていたのか。
ただの村娘だったセイラが勇者となったのは、神殿より下された天命によるもので、ガンプがそうしたわけではない。
どうせ勇者になるなら、生き残る術を教えてやろうとしていたのに。
「それが、逆恨みされる原因になるとはな……」
そうしてガンプとしては恩を与えたつもりが、仇を返されてしまった。
人の恨みなんて、そういうすれ違いで起きるものかもしれない。
しかし、言うに事欠いて勇者になりたくなかっただと……。
魔法使いとしても、剣士としても中途半端だったガンプが、どれほどその才能を羨んだと思っているんだ。
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※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
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