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三人目-かぐや姫-
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わたしは黦色に侵食された。
噎せ返るような花の香りでハッとした。
どうやらわたしは庭園にいるようだった。
(…何時の間に、こんなところへ)
コツコツコツコツ
誰かがこっちへ来る。
耳馴染みのある、
美しい音色と共に現れたのは。
全身黒い服に身を包んだ、少女。
「今宵の花は、アナタ。」
「圧倒的な美貌ね」
少女はそう言って、無慈悲にもその黄色い花を剪定鋏で残酷に切り取ってゆく。
「黄色いバラの花言葉は"嫉妬"が代表的です。
黄色いバラに限らず、黄色い花には不吉な意味合いが多いので、プレゼントには不向きでしょうね」
いつものように淡々と、男は言った。
「どんな美しいものにも醜い一面がある。このバラの棘のように」
少女は感情の見えない表情で
「痛っ…」
と、小さく溢した。細くて白い指先には赤が滲んでいた。
男は言った。
「今宵の夢も違いましたか」
次ハ、貴殿ノ夢デオ会イシマショウ
噎せ返るような花の香りでハッとした。
どうやらわたしは庭園にいるようだった。
(…何時の間に、こんなところへ)
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誰かがこっちへ来る。
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「今宵の花は、アナタ。」
「圧倒的な美貌ね」
少女はそう言って、無慈悲にもその黄色い花を剪定鋏で残酷に切り取ってゆく。
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黄色いバラに限らず、黄色い花には不吉な意味合いが多いので、プレゼントには不向きでしょうね」
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「痛っ…」
と、小さく溢した。細くて白い指先には赤が滲んでいた。
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