真実の愛のお相手様と仲睦まじくお過ごしください

LIN

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第一章

お茶会の招待状

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夜会から数日が経ち、シルベスタ帝国の皇太子ギルバートから、マーガレットに宛てた王城での茶会の招待状が届いた。

「絶対に嫌だ!私は承諾しないよ!」

静かなケナード家の屋敷中に、ビクトールの声が響き渡っていた。


- 王都は遠いので行くことができない -

ビクトールは断ったのだが、

- ならば、私がそちらに伺おう -

と、ギルバートから返事が来てしまったのだ。


二択しかないのなら、離れた王都にマーガレットをやるよりも、ケナード家の屋敷で自分が見張っていれば良いと考えたビクトールは、本当は嫌だったが、ギルバートをケナード家に招待したのだった。


本来ならば帝国の皇太子にこの様な態度を取ることなど許されていない。その様な大それた事のできる者すらいないだろう。

だが、ビクトールはマーガレットが大切なのでそんな事を思いもしていなかったし、ケナード領の誰も気にしていない。クロードとセバスだけが、顔を青褪めさせていたのだった。


そんなこんなでやって来たギルバートとマーガレットのお茶会。

ちょこちょことビクトールの邪魔が入っていた。

「いやぁ、考え事をしながら歩いていたのですが…こんな所まで来てしまいましたよ…」

「ハーヴを追って来たのだが…メグ、ここに来たかい…?」

一、二時間のお茶会に、何度突撃したことだろう。

クロードが青い顔をしてギルバートに頭を下げ、ビクトールを連れて屋敷に戻るのだった。

(あらまぁ…今日のお父様はどこかおかしいわね。クロードにも迷惑を掛けてしまって…面白いお父様だわ)


何度も話を中断されてしまったお茶会だったが、マーガレットはギルバートとの会話を楽しんでいた。

ギルバートは、まるでマーガレットの好きな物を知っているかのように、マーガレットに話を投げかけるのだ。

(皇太子殿下はとても素晴らしいお方なのね。身分が遥かに下の私にも気を使ってくださるわ。それに、皇太子殿下とのお話はどこか懐かしさを感じるのよね…)

マーガレットは自分に合わせた話をするギルバートのことをそんな風に思っていたのだった。


そしてギルバートは、シルベスタ帝国の話をマーガレットによく聞かせた。

観光地に名産品、美味しい料理に綺麗なドレス。それを聞くマーガレットの目は、キラキラと輝いていた。

「シルベスタ帝国はとても良い国だよ。マーガレット嬢もいつか遊びに来ると良い」

「私はこのクラレンス王国から一度も出た事が無いのです。きっと楽しいのでしょうね」

その後も、ビクトールの邪魔が入ったのだが、二人は色んな話を続けていた。


お茶会が終わり、ケナード家が揃ってギルバートを見送った。

「皇太子殿下、此度は遠いケナード伯爵家までお越し頂き、お礼申し上げます。隣国の遠い土地ですので、二度とこの様な機会は無いとは思いますがね」

「あぁ、感謝するよ。マーガレット嬢、先程の件を是非とも考えて欲しい」

ビクトールの無礼な態度に怒ることもなく、ギルバートはそう言い残して、ケナード家を後にしたのだった。


「メグ、先程の件とは何の事だい?」

ビクトールは尋ねたが、マーガレットもよくわかっていなかった。

「私は何を考えたら良いのかしら…?」

二人で首を傾げて、屋敷に戻っていったのだった。
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