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第二章
湖の赤い花束
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マーガレット達はギルバートに教えて貰った湖の辺りに来ていた。
(綺麗な湖ね。心が洗われる様だわ)
「お茶を頂いて少し休みましょう」
マーガレット達がそんな話をしていた時、小さな男の子が現れた。
「見つけたぞ、怪人二十面相!ここで会ったが百年目、今日こそお前を捕まえてやる!」
そう言って男の子はマーガレットの手を掴んだ。
(あらまぁ、演劇が始まってしまったわ。私は怪人二十面相なのね。なんだか面白そうね!)
「よく分かりましたわね。そうなのです、私が怪人二十面相ですわ」
マーガレットはいつか読んだ小説を思い出し、少年の演技に乗っかったのだった。
「俺にはおみとーしだ!行くぞ!」
男の子はマーガレットを引っ張って、何処かに行こうとした。
「あら、どこへ行くのかしら…?私はここに居ないといけないのよ」
男の子は少し考えて言った。
「え~と…あ、あっちの方に牢屋にあるから連れて行くんだ!あの道は少し暗いから付いて行ってあげるんだ!」
(まぁ、きっと怖くて一人で行かれないのね。一緒に行ってあげましょう)
「騎士様、どうか私を牢屋まで連れて行ってくださいな」
マーガレットのノリノリの演技に、セバスは気付かれないようにそっとため息を吐いた。そしてハリーに視線を向け、ハリーはマーガレット達の後をついて歩いたのだった。
湖の側にある小路に入ると、男の子はマーガレットに言った。
「お前は今日から俺の子分だ!親分の俺に付いて来い!」
(あら、今度は違う設定なのね。面白い子ね。それにしても素敵な小路だわ。日差しは入らないけれど充分明るいのに、小さな子には暗く感じてしまうのね…)
「わかりましたわ、小さな親分さん」
マーガレットは笑って男の子に付いて行った。
「君、口の聞き方に気を付けなさい。歳上に向かってお前と呼んではいけないよ。それに、このお方は…」
ハリーは男の子を注意しようとしたのだが、男の子の次の言葉に固まってしまった。
「弟子は師匠の言う事に従わなくちゃいけないんだぞ!」
「で、弟子…?」
「ハリー、良いじゃない。付き合ってあげましょう?とても面白いもの」
「マーガレット様が宜しいのでしたら…」
そう言ってハリーは渋々と引き下がった。
「し、師匠、我々はどこに向かっているんだい?」
ハリーが男の子に質問したその時、茂みがカサッと音を立てた。
「っ!隊長に任せておけ!俺が守るからな!」
男の子はそう言いながらも、マーガレットの後ろに隠れた。
(次は勇ましい隊長さんなのね)
マーガレット達が茂みを見つめていると、ピョンと小さな野うさぎが出てきただけだった。
「あ、危ない所だった…よし、隊長に付いて来い!」
男の子はマーガレットの手を引きながら歩いていった。
少し歩いて行くと、綺麗な野原に出た。赤い花や青い花、黄色い花が咲き乱れていた。
(なんて素敵な光景かしら。この子はこの場所に来たかったのね)
「あ、あった!母ちゃんの好きな赤い花だ!」
男の子は赤い花を選んで摘んでいった。
「よし、野郎ども、お宝は手に入ったぞ!ずらかるぞ!」
両手いっぱいの赤い花を抱えて、男の子はもと来た道に戻って行った。
(今度は盗賊なのかしら?色々な設定を思いつくのね)
「わかりましたわ、お頭さん」
帰り道では、探検家に戻ったり、ハリーと師弟になったりと、男の子は只管喋り続けていた。マーガレットは楽しそうに付き合っていたのだった。
湖の辺りに辿り着いて、男の子はマーガレットに抱えた花を突き出した。
「おねーちゃん、この中から一つ花を取って」
マーガレットは花束の中から一輪抜き取った。
「それあげる!今日はありがと!」
そう言って男の子は走って帰って行った。
(最後は王子様だったのかしら?お母様の為に摘んだのでしょうに、綺麗なお花を貰ってしまったわ)
マーガレットは宿に戻ってから、赤い一輪の花を栞にしたのだった。
(あら?演劇に夢中になってしまって、あの子のお名前を聞くのを忘れていたわ…また一緒に演劇をしたいものね)
男の子は自分の遊びに付き合ってくれる大人は両親以外には初めてで、とても嬉しかった。
「大人になっても子供を楽しませたい」
そう言って様々な話を考えて、子供と一緒になって遊べるように練習をした。
後に、シルベスタ帝国の巷を賑わせる演劇作家兼舞台俳優になっていくのだった。
彼の一作目の演劇は、少女と少年が幻の花を見つける旅の話だったという。
いつかきっと、マーガレットが彼の演劇を見る日は来るだろう…
(綺麗な湖ね。心が洗われる様だわ)
「お茶を頂いて少し休みましょう」
マーガレット達がそんな話をしていた時、小さな男の子が現れた。
「見つけたぞ、怪人二十面相!ここで会ったが百年目、今日こそお前を捕まえてやる!」
そう言って男の子はマーガレットの手を掴んだ。
(あらまぁ、演劇が始まってしまったわ。私は怪人二十面相なのね。なんだか面白そうね!)
「よく分かりましたわね。そうなのです、私が怪人二十面相ですわ」
マーガレットはいつか読んだ小説を思い出し、少年の演技に乗っかったのだった。
「俺にはおみとーしだ!行くぞ!」
男の子はマーガレットを引っ張って、何処かに行こうとした。
「あら、どこへ行くのかしら…?私はここに居ないといけないのよ」
男の子は少し考えて言った。
「え~と…あ、あっちの方に牢屋にあるから連れて行くんだ!あの道は少し暗いから付いて行ってあげるんだ!」
(まぁ、きっと怖くて一人で行かれないのね。一緒に行ってあげましょう)
「騎士様、どうか私を牢屋まで連れて行ってくださいな」
マーガレットのノリノリの演技に、セバスは気付かれないようにそっとため息を吐いた。そしてハリーに視線を向け、ハリーはマーガレット達の後をついて歩いたのだった。
湖の側にある小路に入ると、男の子はマーガレットに言った。
「お前は今日から俺の子分だ!親分の俺に付いて来い!」
(あら、今度は違う設定なのね。面白い子ね。それにしても素敵な小路だわ。日差しは入らないけれど充分明るいのに、小さな子には暗く感じてしまうのね…)
「わかりましたわ、小さな親分さん」
マーガレットは笑って男の子に付いて行った。
「君、口の聞き方に気を付けなさい。歳上に向かってお前と呼んではいけないよ。それに、このお方は…」
ハリーは男の子を注意しようとしたのだが、男の子の次の言葉に固まってしまった。
「弟子は師匠の言う事に従わなくちゃいけないんだぞ!」
「で、弟子…?」
「ハリー、良いじゃない。付き合ってあげましょう?とても面白いもの」
「マーガレット様が宜しいのでしたら…」
そう言ってハリーは渋々と引き下がった。
「し、師匠、我々はどこに向かっているんだい?」
ハリーが男の子に質問したその時、茂みがカサッと音を立てた。
「っ!隊長に任せておけ!俺が守るからな!」
男の子はそう言いながらも、マーガレットの後ろに隠れた。
(次は勇ましい隊長さんなのね)
マーガレット達が茂みを見つめていると、ピョンと小さな野うさぎが出てきただけだった。
「あ、危ない所だった…よし、隊長に付いて来い!」
男の子はマーガレットの手を引きながら歩いていった。
少し歩いて行くと、綺麗な野原に出た。赤い花や青い花、黄色い花が咲き乱れていた。
(なんて素敵な光景かしら。この子はこの場所に来たかったのね)
「あ、あった!母ちゃんの好きな赤い花だ!」
男の子は赤い花を選んで摘んでいった。
「よし、野郎ども、お宝は手に入ったぞ!ずらかるぞ!」
両手いっぱいの赤い花を抱えて、男の子はもと来た道に戻って行った。
(今度は盗賊なのかしら?色々な設定を思いつくのね)
「わかりましたわ、お頭さん」
帰り道では、探検家に戻ったり、ハリーと師弟になったりと、男の子は只管喋り続けていた。マーガレットは楽しそうに付き合っていたのだった。
湖の辺りに辿り着いて、男の子はマーガレットに抱えた花を突き出した。
「おねーちゃん、この中から一つ花を取って」
マーガレットは花束の中から一輪抜き取った。
「それあげる!今日はありがと!」
そう言って男の子は走って帰って行った。
(最後は王子様だったのかしら?お母様の為に摘んだのでしょうに、綺麗なお花を貰ってしまったわ)
マーガレットは宿に戻ってから、赤い一輪の花を栞にしたのだった。
(あら?演劇に夢中になってしまって、あの子のお名前を聞くのを忘れていたわ…また一緒に演劇をしたいものね)
男の子は自分の遊びに付き合ってくれる大人は両親以外には初めてで、とても嬉しかった。
「大人になっても子供を楽しませたい」
そう言って様々な話を考えて、子供と一緒になって遊べるように練習をした。
後に、シルベスタ帝国の巷を賑わせる演劇作家兼舞台俳優になっていくのだった。
彼の一作目の演劇は、少女と少年が幻の花を見つける旅の話だったという。
いつかきっと、マーガレットが彼の演劇を見る日は来るだろう…
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