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二話
「お前さぁ、もっと要領よくやれないわけ?」
唸るようなあの人の声がふと頭に浮かび、私は目を閉じた。
思い出したくないことは、思い出さないように努めよう。
私には前世の記憶がある。
ローズリーヌ・クラベルとして中世の世に生まれる前、“髙田華子”という女性で、夫と幼稚園児の娘と三人で暮らしていた。夫は家にいるときはいつもイライラして、ムスッとした顔をしていた。
気を遣っていたが、潔癖で完璧主義な彼をたびたび怒らせてしまっていたのだ。
「おい、ここにゴミ落としたのは誰だ」
「ごめんね。今片付けるね」
「時間ならいっぱいあっただろ。暇してるくせにサボってんじゃねぇよ!」
夫との求める基準は高く、綺麗さの基準が私と異なることでよく叱責されていた。
「ママー! 水筒リュックの中でこぼれちゃった」
「あっ、ごめんね。パッキン忘れてたかも!」
「はぁ、ふざけんじゃねぇよ。そのくらいしっかりろよ。確かめる時間くらいあんだろ」
子どものすることにも同様で、食べこぼしやコップをひっくり返したりすれば顔を真っ赤にして怒鳴り散らした。
娘はその度に怯えた瞳で彼を見つめるのだ。
「……ママ、ごめんね」
「ううん、あなたのせいじゃないわ。ママが悪いの。ママがもっとしっかりしていれば」
「ママ、おばあちゃんと暮らそうよ。こわいよ。ママ、ころされちゃうかも」
「ふふ、大丈夫よ。ただ、ちょっとお仕事が大変なだけ。しばらくしたら優しいパパになるわ……」
私は自分自身に言い聞かせた。
娘の言う通りに実家に戻れればどんなに良かっただろう。私の両親は二人とも施設や病院に入っていて、もう頼ることはできなかった。
夫はことあるごとにストレスをぶつけてきた。
最初はこうじゃなかったのに、結婚生活が長くなるにつれて叱責されることが増えていった。
「疲れた……」
夫にも呆れていたが、娘に心配かけている自分も嫌だった。何度も離れようと思ったが、年の差婚で若いうちに結婚した私には職歴も資格もなく、逃げることすら躊躇した。貧しいシングルマザーの下で暮らすよりは、お金には困らない生活を送らせてやりたかったのだ。
重い病気にかかり、私の人生は早めに幕を閉じることになったのだが、遠くなる意識の中で幾度も来世のことを思い浮かべた。
(来世は結婚なんかしない)
(生まれ変わったら絶対男になる。生理痛も出産もこりごり)
(あ……でも、子どもは欲しいかもな……)
娘の笑顔が浮かんだ。
小さい手が、つないで欲しそうに差し出される愛しさを知っている。
勝手に他人の子どもに触れたり、匂いを嗅いだりしてはいけない時代だ。ならば誰かに産んでもらうしかない。
(来世は……生涯独身の社長になりたい……)
(お金たくさん稼いで、綺麗な女性に子ども産んでもらって、養育費たくさん払って育ててもらう……好きなときに会いに行って……授業参観とかも見て……)
(自分の人生なのに、我慢してばかり……)
(絶対男になる。絶対……)
◇◇◇
自我が芽生えた頃、そんな過去の記憶が蘇ってきたのだった。
「……え?」
小さな私は、思わず足元に目をやった。
見下ろせば、ふんわりとボリュームのあるワンピース。
つま先が丸くカーブしている子供用のパンプス。
お花の刺繍入りの靴下。
「……」
胸元には三つ編みに結わえられた細い髪の毛。
生まれ変わったのだと直感し、恐る恐る下腹部を触った。
ついてなかった。
奇しくもまた女の子に生まれてしまったのである。
「うわあああん!!」
「ローズ!? どうしたの!?」
「お腹痛いのか!?」
両親が心配そうに私の顔を覗き込んだ。青や緑の瞳がとても美しい。美形な両親なら、きっと顔も期待できるだろう。女の子には顔が大切だ。
だけど、そうじゃない。
私は股の辺りをバンバン叩いた。布オムツがモコモコする。
「どうした! おもらしか?」
「ん~、濡れてないわよ?」
もう二度と女の子になりたくなかった。
ややこしい人間関係もマウントの取り合いも、何より男性に見くびられる自分が嫌だった。
来世は死ぬまで独身を謳歌する。しっかり仕事して、趣味に好きなだけ時間やお金を割ける独身の男性になると決めていたのに。
「おぎゃああ!!」
「!」
近くで、自分ではない赤ちゃんの声がした。
「はいはい、ミルクの時間だったわね」
母が向かった先では、首の座っていない赤ん坊が大きな声で泣いていた。
哺乳瓶で粉ミルクを与える母親の背中からそっと様子を伺うと、自分より小さな存在が、一生懸命お口を動かしている。
「かわいい……」
「可愛いわね。あなたも弟も大好きよ」
ふっくらした柔らかな頬、まぁるくてキラキラした瞳。まだ地面を踏んだことのない、ツルツルした足。
私は、目が離せなくなった。
◇◇◇
生まれ変わっても子どもが大好きなのは変わらなかったのだ。
「ねぇねぇ、ママ。私、子どもが生まれたらこういう名前がつけたいんだ!」
「また? 好きねぇ、ローズ」
「うん! 大好きよ!」
男の子だった場合、女の子だった場合。双子だったとき、三つ子だったとき。姉妹や、兄弟。いくつもパターンを考えては、よく母に聞かせていた。
「ローズは学校の先生になるの?」
「ちがうよ! ローズはママみたいなお母さんになるの!」
「それは楽しみね」
母は弟をおんぶしながらいつも相手をしてくれた。
弟だけにとどまらず、近所の子も、先生の子どもも、小さな生き物はいつだって私の心を揺さぶる。
「ねぇねぇ、誰の赤ちゃん? 抱っこしてもいい?」
「迷子なの? ローズがママのところ連れてってあげる」
「かわいいー! おてて触ってもいい?」
子ども時代は小さい子には誰にでも声をかけ、余計なお世話を焼いていた。周囲はきっと、いいお嫁さんになると思ったことだろう。
「ローズはどんな人と結婚するのかな」
「ローズ、けっこんはしないよ」
「え?」
残念ながら、過去の記憶が残っている私には、結婚の選択肢はない。
「ひとりで子ども産んで、子どもそだてるの」
「……」
「だいじょうぶよ! すぐ怒るひととは絶対につきあったりしないし! 子どもにも遺伝したら大変じゃない。つきあうならやさしいオトコ一択だから。やさしい男の人とつきあって、おだやかな性格の赤ちゃん産むの!」
「あはは……ローズったら……」
母親は苦笑いし、父親は目を丸くしていた。
結婚に夢は抱いていない。
だけど、子育てには人の何倍も期待を抱いていた。
「なんでも教えられるように、ローズここに入学したい!」
「王立学園?」
幼い私は、遊んでいた公園からもよく見える、大きな学舎を指差した。
「ここ、すごーく頭がよくないと入れないわよ。王様や貴族の子供が入学してるんだから」
「しんぱいしないで。ローズ頭いいし」
……まぁ、前世の記憶というチートだけど。
心の中の熱い思いは、十歳になって学園に入学しても変わることはなかった。
それどころかますます、燃え盛っていったのだ。
◇◇◇
「お母さん、私、お母さんみたいな母親になりたい」
「ローズったら!」
一六歳の誕生日、私は母に宣言した。
前世も今世も、両親には恵まれていると思う。モンスターペアレンツ、なんて言葉があるけれど私には無縁だ。それに、過干渉でもネグレクトでもない。
多分だけど、この塩梅は難しい。
周りのクラスメイトたちを見ていると、密かに皆色々苦労したりしている。
「ローズ、お父さんは?」
「……私の邪魔をしなければ、それで」
「ローズ……」
「お父さん、私はね、賢く優しい人でありたいの。例えば……そうね、騎士団。騎士団って、第一騎士団は厳かでキリッとしているけど、末端はギャングの端くれじゃない。お給料がいいから女遊びも激しいって聞くわ。そんなふうにはなりたくないの。お父さんを騙すような男は、私が懲らしめてやるんだから」
「頼もしいな」
私は鼻息を荒くした。
母親の学業がトップだったら、なんだか自慢できるじゃない?
あんまり怒らなくて、美人で、天才だったら最高じゃない?
「お姉ちゃんならできるよ!」
「そうよね!」
まだ見ぬ未来の子どもに称賛されている姿を想像し、にんまりと微笑んだ。
けれども、十歳で入学してから一度も、成績上位者の一番上の欄に私の名前が載ることはなかった。
唸るようなあの人の声がふと頭に浮かび、私は目を閉じた。
思い出したくないことは、思い出さないように努めよう。
私には前世の記憶がある。
ローズリーヌ・クラベルとして中世の世に生まれる前、“髙田華子”という女性で、夫と幼稚園児の娘と三人で暮らしていた。夫は家にいるときはいつもイライラして、ムスッとした顔をしていた。
気を遣っていたが、潔癖で完璧主義な彼をたびたび怒らせてしまっていたのだ。
「おい、ここにゴミ落としたのは誰だ」
「ごめんね。今片付けるね」
「時間ならいっぱいあっただろ。暇してるくせにサボってんじゃねぇよ!」
夫との求める基準は高く、綺麗さの基準が私と異なることでよく叱責されていた。
「ママー! 水筒リュックの中でこぼれちゃった」
「あっ、ごめんね。パッキン忘れてたかも!」
「はぁ、ふざけんじゃねぇよ。そのくらいしっかりろよ。確かめる時間くらいあんだろ」
子どものすることにも同様で、食べこぼしやコップをひっくり返したりすれば顔を真っ赤にして怒鳴り散らした。
娘はその度に怯えた瞳で彼を見つめるのだ。
「……ママ、ごめんね」
「ううん、あなたのせいじゃないわ。ママが悪いの。ママがもっとしっかりしていれば」
「ママ、おばあちゃんと暮らそうよ。こわいよ。ママ、ころされちゃうかも」
「ふふ、大丈夫よ。ただ、ちょっとお仕事が大変なだけ。しばらくしたら優しいパパになるわ……」
私は自分自身に言い聞かせた。
娘の言う通りに実家に戻れればどんなに良かっただろう。私の両親は二人とも施設や病院に入っていて、もう頼ることはできなかった。
夫はことあるごとにストレスをぶつけてきた。
最初はこうじゃなかったのに、結婚生活が長くなるにつれて叱責されることが増えていった。
「疲れた……」
夫にも呆れていたが、娘に心配かけている自分も嫌だった。何度も離れようと思ったが、年の差婚で若いうちに結婚した私には職歴も資格もなく、逃げることすら躊躇した。貧しいシングルマザーの下で暮らすよりは、お金には困らない生活を送らせてやりたかったのだ。
重い病気にかかり、私の人生は早めに幕を閉じることになったのだが、遠くなる意識の中で幾度も来世のことを思い浮かべた。
(来世は結婚なんかしない)
(生まれ変わったら絶対男になる。生理痛も出産もこりごり)
(あ……でも、子どもは欲しいかもな……)
娘の笑顔が浮かんだ。
小さい手が、つないで欲しそうに差し出される愛しさを知っている。
勝手に他人の子どもに触れたり、匂いを嗅いだりしてはいけない時代だ。ならば誰かに産んでもらうしかない。
(来世は……生涯独身の社長になりたい……)
(お金たくさん稼いで、綺麗な女性に子ども産んでもらって、養育費たくさん払って育ててもらう……好きなときに会いに行って……授業参観とかも見て……)
(自分の人生なのに、我慢してばかり……)
(絶対男になる。絶対……)
◇◇◇
自我が芽生えた頃、そんな過去の記憶が蘇ってきたのだった。
「……え?」
小さな私は、思わず足元に目をやった。
見下ろせば、ふんわりとボリュームのあるワンピース。
つま先が丸くカーブしている子供用のパンプス。
お花の刺繍入りの靴下。
「……」
胸元には三つ編みに結わえられた細い髪の毛。
生まれ変わったのだと直感し、恐る恐る下腹部を触った。
ついてなかった。
奇しくもまた女の子に生まれてしまったのである。
「うわあああん!!」
「ローズ!? どうしたの!?」
「お腹痛いのか!?」
両親が心配そうに私の顔を覗き込んだ。青や緑の瞳がとても美しい。美形な両親なら、きっと顔も期待できるだろう。女の子には顔が大切だ。
だけど、そうじゃない。
私は股の辺りをバンバン叩いた。布オムツがモコモコする。
「どうした! おもらしか?」
「ん~、濡れてないわよ?」
もう二度と女の子になりたくなかった。
ややこしい人間関係もマウントの取り合いも、何より男性に見くびられる自分が嫌だった。
来世は死ぬまで独身を謳歌する。しっかり仕事して、趣味に好きなだけ時間やお金を割ける独身の男性になると決めていたのに。
「おぎゃああ!!」
「!」
近くで、自分ではない赤ちゃんの声がした。
「はいはい、ミルクの時間だったわね」
母が向かった先では、首の座っていない赤ん坊が大きな声で泣いていた。
哺乳瓶で粉ミルクを与える母親の背中からそっと様子を伺うと、自分より小さな存在が、一生懸命お口を動かしている。
「かわいい……」
「可愛いわね。あなたも弟も大好きよ」
ふっくらした柔らかな頬、まぁるくてキラキラした瞳。まだ地面を踏んだことのない、ツルツルした足。
私は、目が離せなくなった。
◇◇◇
生まれ変わっても子どもが大好きなのは変わらなかったのだ。
「ねぇねぇ、ママ。私、子どもが生まれたらこういう名前がつけたいんだ!」
「また? 好きねぇ、ローズ」
「うん! 大好きよ!」
男の子だった場合、女の子だった場合。双子だったとき、三つ子だったとき。姉妹や、兄弟。いくつもパターンを考えては、よく母に聞かせていた。
「ローズは学校の先生になるの?」
「ちがうよ! ローズはママみたいなお母さんになるの!」
「それは楽しみね」
母は弟をおんぶしながらいつも相手をしてくれた。
弟だけにとどまらず、近所の子も、先生の子どもも、小さな生き物はいつだって私の心を揺さぶる。
「ねぇねぇ、誰の赤ちゃん? 抱っこしてもいい?」
「迷子なの? ローズがママのところ連れてってあげる」
「かわいいー! おてて触ってもいい?」
子ども時代は小さい子には誰にでも声をかけ、余計なお世話を焼いていた。周囲はきっと、いいお嫁さんになると思ったことだろう。
「ローズはどんな人と結婚するのかな」
「ローズ、けっこんはしないよ」
「え?」
残念ながら、過去の記憶が残っている私には、結婚の選択肢はない。
「ひとりで子ども産んで、子どもそだてるの」
「……」
「だいじょうぶよ! すぐ怒るひととは絶対につきあったりしないし! 子どもにも遺伝したら大変じゃない。つきあうならやさしいオトコ一択だから。やさしい男の人とつきあって、おだやかな性格の赤ちゃん産むの!」
「あはは……ローズったら……」
母親は苦笑いし、父親は目を丸くしていた。
結婚に夢は抱いていない。
だけど、子育てには人の何倍も期待を抱いていた。
「なんでも教えられるように、ローズここに入学したい!」
「王立学園?」
幼い私は、遊んでいた公園からもよく見える、大きな学舎を指差した。
「ここ、すごーく頭がよくないと入れないわよ。王様や貴族の子供が入学してるんだから」
「しんぱいしないで。ローズ頭いいし」
……まぁ、前世の記憶というチートだけど。
心の中の熱い思いは、十歳になって学園に入学しても変わることはなかった。
それどころかますます、燃え盛っていったのだ。
◇◇◇
「お母さん、私、お母さんみたいな母親になりたい」
「ローズったら!」
一六歳の誕生日、私は母に宣言した。
前世も今世も、両親には恵まれていると思う。モンスターペアレンツ、なんて言葉があるけれど私には無縁だ。それに、過干渉でもネグレクトでもない。
多分だけど、この塩梅は難しい。
周りのクラスメイトたちを見ていると、密かに皆色々苦労したりしている。
「ローズ、お父さんは?」
「……私の邪魔をしなければ、それで」
「ローズ……」
「お父さん、私はね、賢く優しい人でありたいの。例えば……そうね、騎士団。騎士団って、第一騎士団は厳かでキリッとしているけど、末端はギャングの端くれじゃない。お給料がいいから女遊びも激しいって聞くわ。そんなふうにはなりたくないの。お父さんを騙すような男は、私が懲らしめてやるんだから」
「頼もしいな」
私は鼻息を荒くした。
母親の学業がトップだったら、なんだか自慢できるじゃない?
あんまり怒らなくて、美人で、天才だったら最高じゃない?
「お姉ちゃんならできるよ!」
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