26 / 36
二十五話
視界がグラグラと揺らぐ。
そういうことかと、嫌にストンと腑に落ちた。
「……あなただって、そんな大金持ってないわよね」
「そうだな」
アンドレはポリポリと頭を搔いた。
「だが、オレは顔が広い。命を張る帝国騎士団の退職金は、相場の何倍もあるんだよ。上官に言って、退職金の一部を前借りして公園の修復費に充てることだって可能なんだ」
アンドレは私の手首を握りしめる。
「選ばせてやる。金の返済を息子にお願いするか、俺と結婚するか。二つに一つだ」
「そ……んな……」
どちらの道を選んでも、待っているのは地獄だ。
アンドレ……もとい、高田玲王と共に暮らしていたときの息苦しさは、私が一番よく知っている。
“何もしねぇな”
“役立たず”
“金食い虫だな”
“言いたいことがあるなら、オレより稼いでから言え”
また、あのときのような言葉を聞き続けなければならないのか。玲王の低い声が脳内に鳴り響き、再び目の前が真っ暗になる。
呼吸が苦しい。
ゆっくりと息を吐くことに集中しようとするけれど、動悸は治まることを知らない。
「……はぁ、はぁ」
彼と結婚なんか死んでも嫌だが、リュシアンには苦労をかけたくない。
まだ一歳にも満たない彼はどんなことができるのか分からない。天才的な才能があれば、何かの専門分野の先導に立って皆を引っ張り、優秀な経営者としてお金を稼ぐことができるかも知れないが、現状、リュシアンにできることは魔法のみ。それも、力加減が不可能というウィークポイント付きだ。
お金持ちや悪人に買われ一生身を粉にして働くか、今の私のように身体を売る対価として賃金を得るかしかない。
「……っ」
少年になったリュシアンの辛い姿を想像し、私は唇を噛みしめた。彼はまだ赤ちゃんで、私よりも何倍も人生が長い。大事な大事な息子に、しんどい思いなんかさせたくない。
我慢するのは私だけで充分だ。
「……分かったわ。受ける」
「やけに聞き分けがいいじゃん。露天商の奴らには帝国第三騎士団のオレが丸め込んでやるから感謝しな」
私は心を殺す決心をした。
「分かったらとっとと荷物を取って来い。こっちはヒマじゃねぇんだよ」
アンドレは唾を吐いた。
カーテンの向こうで待機してもらっていたはずのお客様は、いつのまにか帰っていた。
もうすぐ夜が明ける。
いつまでも色ごとにふける訳にはいかないのは、皆同じである。
「ごめんなさい……」
空が薄らぎ始め、ひっそりとした侯爵邸に足を踏み入れる。リュシアンの泣き声はしないし、執事やメイドもまだ寝ている。ひとりパンを仕込んでいた料理人が、私の帰宅に気づいて玄関を開けてくれた。
「浮かない顔だね。疲れただろう、ゆっくり休みなよ」
「……ありがとうございます」
注いでくれた温かいミルクをゆっくりと飲み干し、私は部屋ヘ戻った。
シャッと窓を開けると、ひんやりした空気が部屋の中に入ってくる。
もう戻って来れないのだと思うと、じんわりと涙が滲む。短い間だったけど、侯爵家の人たちにはとても親切にしてもらった。逃げるように北部の町を離れた私に、ここにいても良いと言ってくれた。幼い頃のイヴァンを知っているのに、そっくりなリュシアンのことを深く聞かれることはなく、リュシアンはリュシアンとして私の子どもとして接してくれる。聞きたいこともあっただろう。イヴァンの次世代の侯爵家の跡取りとして、彼を推している人もいるかも知れない。けれど、私たちの自由にさせてくれている。
「居心地良かったな……」
イヴァンも、わがままな私のことをいつも大事に思ってくれていた。彼はどんな未来を夢見ていたのだろう。
もしも私とリュシアンと一緒に歩む世界を思い描いてくれていたのだとしたら、ありがたいし、申し訳ない。
今度こそ彼の希望に寄り添いたかった。もっと彼の笑顔を、そばで見ていたかった。小春日和のように穏やかな、平和な時間が流れる彼の隣で、ずっと微笑んでいたかった。
「ごめんなさい……」
洋服ダンスから自分の服を取り出す。
身一つで来てしまったから私物はあまりないが、イヴァンが用意してくれた服がたくさんある。小花柄のワンピース、襟付きの清楚なブラウス、パーティー用のクラシカルなドレスまで。
彼に着ている姿を見せたかった。
「リュシアンのも……こんなに」
上段の引き出しには、小さな小さなお洋服がたくさん仕舞ってある。これもイヴァンからの贈り物だ。
妻を娶っていないイヴァンが、どんな気持ちでこれを選びに行ったのか想像すると自然と笑みがこぼれる。友達の赤ちゃんに贈るだとか言い訳して、店員さんにサイズを聞いたのだろうか。ぴったりのベビー服に、すぐ腕を通したのが昨日のことのようだ。
服と一緒にガラガラも添えられている。
もうすぐ一歳のリュシアンは赤ちゃん用の音が鳴るガラガラにはもう興味を示さずに、こっそりイヴァンの部屋に忍び込んではチェストの中を大捜索していた。手紙やペン、書類などをポイポイ投げ捨てて、最後に眼鏡を見つけたリュシアンは、耳にかけてにんまりと微笑んだ。
黒い眼鏡を引っ掛けたを姿はよく知っている学生時代のイヴァンそっくりで、私は大笑いしたものだった。
「……良い思い出がいっぱいね」
ガラガラを引き出しに戻し、服だけを何枚か鞄に詰め込んだ。フェリクス侯爵家には他に子供がいないし、このまま置いて置いても処分に困りそうだからだ。
「ありがとう、大切に使わせてもらうね」
荷造りを終え、パタンと鞄を閉じた。
何も知らないリュシアンは、ベッドですやすやと寝息を立てている。
「ごめんね……」
リュシアンの頬に軽くキスをした。
もっと魔法について教わりたかったけど、時間がなくなってしまった。迷惑をかけないだろうか。いじめられたりしないだろうか。気がかりで不甲斐なくて、私は唇を噛んだ。
寝ているリュシアンをそっとブランケットで包み、起こさないように抱き上げる。
勝手口へ繋がる小さな階段を、音を立てずに降りていく。ギシギシと板が軋み、肝が冷える思いがした。
勝手口まで来たとき、私は後ろを振り返って立ち止まった。
シンと静かな侯爵邸に、ゆっくりした早朝の空気が流れている。料理人が何かを刻む音が、かすかに漏れ聞こえている。
私はイヴァンの顔を思い浮かべた。
もう一度だけ会って来ようか、声を聞いて来ようか。大きな手に触れて来ようか。
少しの間考えたが、首を横に振った。
彼の顔を見たら泣いてしまう。
声を聞いたら縋りたくなってしまう。
手に触れたら、抱きしめたくなってしまう。
グッと拳を握りしめ、勝手口の扉を開けた。
私はこれから、他の男性の妻にならなければいけないのだ。
「待っていたぜ、ローズ」
家を出て少し歩くと、公園の前で馬車を止めたアンドレが私を待っていた。
「……えぇ」
時刻は朝の五時、太陽が顔を出し始めた。まぶしい日差しに照らされ、眠っていたリュシアンはうーんと伸びをした。
「チンタラ歩いてねぇで、さっさと乗り込め」
アンドレは私たちを急かしたあと、自分も後に続く。座席に座ると早々と距離を詰め、私にピタリと幅を寄せた。すかさず離れると、アンドレは私の腰をつかんで引き寄せた。
「おいおい、オレの女になるという自覚を持ってもらわなきゃ困るなぁ」
ゾワゾワと悪寒が走り、私は縮み上がった。
いや、嫌だ!
私はあなたのものになんかなりたくないのに!!
心の中で、声にならない叫びを上げた。
そのときである。
馬車の揺れが急に大きくなり、眠っていたリュシアンの目がパチリと開いた。
「リュシアン……?」
リュシアンは私を見たあと、その奥に座っているアンドレをまじまじと眺めた。アンドレはリュシアンの視線には気づいていない様子で、私の腰や臀部をまさぐっている。
「おはよう、リュシアン。お部屋じゃなくてびっくりしたね。少しだけ静かにしてようね」
アンドレのセクハラに耐えながらささやき声で声をかけると、リュシアンの黒い瞳は燃えるように真っ赤に揺らめいだ。
「あ……っ!!」
「んだよ、うっせーな静かにしろ」
リュシアンはゾーンに入っている。こうなった以上、誰の声も届かない。
火が放たれると直感し、私は咄嗟に身をかがめた。
馬車が焼ける!
リュシアンがまた、魔力を暴走させてしまう!
そういうことかと、嫌にストンと腑に落ちた。
「……あなただって、そんな大金持ってないわよね」
「そうだな」
アンドレはポリポリと頭を搔いた。
「だが、オレは顔が広い。命を張る帝国騎士団の退職金は、相場の何倍もあるんだよ。上官に言って、退職金の一部を前借りして公園の修復費に充てることだって可能なんだ」
アンドレは私の手首を握りしめる。
「選ばせてやる。金の返済を息子にお願いするか、俺と結婚するか。二つに一つだ」
「そ……んな……」
どちらの道を選んでも、待っているのは地獄だ。
アンドレ……もとい、高田玲王と共に暮らしていたときの息苦しさは、私が一番よく知っている。
“何もしねぇな”
“役立たず”
“金食い虫だな”
“言いたいことがあるなら、オレより稼いでから言え”
また、あのときのような言葉を聞き続けなければならないのか。玲王の低い声が脳内に鳴り響き、再び目の前が真っ暗になる。
呼吸が苦しい。
ゆっくりと息を吐くことに集中しようとするけれど、動悸は治まることを知らない。
「……はぁ、はぁ」
彼と結婚なんか死んでも嫌だが、リュシアンには苦労をかけたくない。
まだ一歳にも満たない彼はどんなことができるのか分からない。天才的な才能があれば、何かの専門分野の先導に立って皆を引っ張り、優秀な経営者としてお金を稼ぐことができるかも知れないが、現状、リュシアンにできることは魔法のみ。それも、力加減が不可能というウィークポイント付きだ。
お金持ちや悪人に買われ一生身を粉にして働くか、今の私のように身体を売る対価として賃金を得るかしかない。
「……っ」
少年になったリュシアンの辛い姿を想像し、私は唇を噛みしめた。彼はまだ赤ちゃんで、私よりも何倍も人生が長い。大事な大事な息子に、しんどい思いなんかさせたくない。
我慢するのは私だけで充分だ。
「……分かったわ。受ける」
「やけに聞き分けがいいじゃん。露天商の奴らには帝国第三騎士団のオレが丸め込んでやるから感謝しな」
私は心を殺す決心をした。
「分かったらとっとと荷物を取って来い。こっちはヒマじゃねぇんだよ」
アンドレは唾を吐いた。
カーテンの向こうで待機してもらっていたはずのお客様は、いつのまにか帰っていた。
もうすぐ夜が明ける。
いつまでも色ごとにふける訳にはいかないのは、皆同じである。
「ごめんなさい……」
空が薄らぎ始め、ひっそりとした侯爵邸に足を踏み入れる。リュシアンの泣き声はしないし、執事やメイドもまだ寝ている。ひとりパンを仕込んでいた料理人が、私の帰宅に気づいて玄関を開けてくれた。
「浮かない顔だね。疲れただろう、ゆっくり休みなよ」
「……ありがとうございます」
注いでくれた温かいミルクをゆっくりと飲み干し、私は部屋ヘ戻った。
シャッと窓を開けると、ひんやりした空気が部屋の中に入ってくる。
もう戻って来れないのだと思うと、じんわりと涙が滲む。短い間だったけど、侯爵家の人たちにはとても親切にしてもらった。逃げるように北部の町を離れた私に、ここにいても良いと言ってくれた。幼い頃のイヴァンを知っているのに、そっくりなリュシアンのことを深く聞かれることはなく、リュシアンはリュシアンとして私の子どもとして接してくれる。聞きたいこともあっただろう。イヴァンの次世代の侯爵家の跡取りとして、彼を推している人もいるかも知れない。けれど、私たちの自由にさせてくれている。
「居心地良かったな……」
イヴァンも、わがままな私のことをいつも大事に思ってくれていた。彼はどんな未来を夢見ていたのだろう。
もしも私とリュシアンと一緒に歩む世界を思い描いてくれていたのだとしたら、ありがたいし、申し訳ない。
今度こそ彼の希望に寄り添いたかった。もっと彼の笑顔を、そばで見ていたかった。小春日和のように穏やかな、平和な時間が流れる彼の隣で、ずっと微笑んでいたかった。
「ごめんなさい……」
洋服ダンスから自分の服を取り出す。
身一つで来てしまったから私物はあまりないが、イヴァンが用意してくれた服がたくさんある。小花柄のワンピース、襟付きの清楚なブラウス、パーティー用のクラシカルなドレスまで。
彼に着ている姿を見せたかった。
「リュシアンのも……こんなに」
上段の引き出しには、小さな小さなお洋服がたくさん仕舞ってある。これもイヴァンからの贈り物だ。
妻を娶っていないイヴァンが、どんな気持ちでこれを選びに行ったのか想像すると自然と笑みがこぼれる。友達の赤ちゃんに贈るだとか言い訳して、店員さんにサイズを聞いたのだろうか。ぴったりのベビー服に、すぐ腕を通したのが昨日のことのようだ。
服と一緒にガラガラも添えられている。
もうすぐ一歳のリュシアンは赤ちゃん用の音が鳴るガラガラにはもう興味を示さずに、こっそりイヴァンの部屋に忍び込んではチェストの中を大捜索していた。手紙やペン、書類などをポイポイ投げ捨てて、最後に眼鏡を見つけたリュシアンは、耳にかけてにんまりと微笑んだ。
黒い眼鏡を引っ掛けたを姿はよく知っている学生時代のイヴァンそっくりで、私は大笑いしたものだった。
「……良い思い出がいっぱいね」
ガラガラを引き出しに戻し、服だけを何枚か鞄に詰め込んだ。フェリクス侯爵家には他に子供がいないし、このまま置いて置いても処分に困りそうだからだ。
「ありがとう、大切に使わせてもらうね」
荷造りを終え、パタンと鞄を閉じた。
何も知らないリュシアンは、ベッドですやすやと寝息を立てている。
「ごめんね……」
リュシアンの頬に軽くキスをした。
もっと魔法について教わりたかったけど、時間がなくなってしまった。迷惑をかけないだろうか。いじめられたりしないだろうか。気がかりで不甲斐なくて、私は唇を噛んだ。
寝ているリュシアンをそっとブランケットで包み、起こさないように抱き上げる。
勝手口へ繋がる小さな階段を、音を立てずに降りていく。ギシギシと板が軋み、肝が冷える思いがした。
勝手口まで来たとき、私は後ろを振り返って立ち止まった。
シンと静かな侯爵邸に、ゆっくりした早朝の空気が流れている。料理人が何かを刻む音が、かすかに漏れ聞こえている。
私はイヴァンの顔を思い浮かべた。
もう一度だけ会って来ようか、声を聞いて来ようか。大きな手に触れて来ようか。
少しの間考えたが、首を横に振った。
彼の顔を見たら泣いてしまう。
声を聞いたら縋りたくなってしまう。
手に触れたら、抱きしめたくなってしまう。
グッと拳を握りしめ、勝手口の扉を開けた。
私はこれから、他の男性の妻にならなければいけないのだ。
「待っていたぜ、ローズ」
家を出て少し歩くと、公園の前で馬車を止めたアンドレが私を待っていた。
「……えぇ」
時刻は朝の五時、太陽が顔を出し始めた。まぶしい日差しに照らされ、眠っていたリュシアンはうーんと伸びをした。
「チンタラ歩いてねぇで、さっさと乗り込め」
アンドレは私たちを急かしたあと、自分も後に続く。座席に座ると早々と距離を詰め、私にピタリと幅を寄せた。すかさず離れると、アンドレは私の腰をつかんで引き寄せた。
「おいおい、オレの女になるという自覚を持ってもらわなきゃ困るなぁ」
ゾワゾワと悪寒が走り、私は縮み上がった。
いや、嫌だ!
私はあなたのものになんかなりたくないのに!!
心の中で、声にならない叫びを上げた。
そのときである。
馬車の揺れが急に大きくなり、眠っていたリュシアンの目がパチリと開いた。
「リュシアン……?」
リュシアンは私を見たあと、その奥に座っているアンドレをまじまじと眺めた。アンドレはリュシアンの視線には気づいていない様子で、私の腰や臀部をまさぐっている。
「おはよう、リュシアン。お部屋じゃなくてびっくりしたね。少しだけ静かにしてようね」
アンドレのセクハラに耐えながらささやき声で声をかけると、リュシアンの黒い瞳は燃えるように真っ赤に揺らめいだ。
「あ……っ!!」
「んだよ、うっせーな静かにしろ」
リュシアンはゾーンに入っている。こうなった以上、誰の声も届かない。
火が放たれると直感し、私は咄嗟に身をかがめた。
馬車が焼ける!
リュシアンがまた、魔力を暴走させてしまう!
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
男嫌いな王女と、帰ってきた筆頭魔術師様の『執着的指導』 ~魔道具は大人の玩具じゃありません~
花虎
恋愛
魔術大国カリューノスの現国王の末っ子である第一王女エレノアは、その見た目から妖精姫と呼ばれ、可愛がられていた。
だが、10歳の頃男の家庭教師に誘拐されかけたことをきっかけに大人の男嫌いとなってしまう。そんなエレノアの遊び相手として送り込まれた美少女がいた。……けれどその正体は、兄王子の親友だった。
エレノアは彼を気に入り、嫌がるのもかまわずいたずらまがいにちょっかいをかけていた。けれど、いつの間にか彼はエレノアの前から去り、エレノアも誘拐の恐ろしい記憶を封印すると共に少年を忘れていく。
そんなエレノアの前に、可愛がっていた男の子が八年越しに大人になって再び現れた。
「やっと、あなたに復讐できる」
歪んだ復讐心と執着で魔道具を使ってエレノアに快楽責めを仕掛けてくる美形の宮廷魔術師リアン。
彼の真意は一体どこにあるのか……わからないままエレノアは彼に惹かれていく。
過去の出来事で男嫌いとなり引きこもりになってしまった王女(18)×王女に執着するヤンデレ天才宮廷魔術師(21)のラブコメです。
※ムーンライトノベルにも掲載しております。
『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』
まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。
朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。
「ご主人様の笑顔が見たいんです」
その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。
全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!?
甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。
「作品への感想代わりの『いいね❤️』や『エール📣』、心よりお待ちしております。」
「【応援のお願い】『いいね❤️』や『エール📣』をいただけると、作者のモチベーションが爆上がりします!」
「最後までお読みいただきありがとうございます。温かい『いいね❤️』が更新の支えです。」