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二十六話
私は目をぎゅっとつぶった。
しかし、いつまで経っても焦げ臭い匂いや炎の熱さを感じることはなかった。
不思議に思って下を見れば、先ほどまで乗っていた馬車は遥か下。侯爵邸までをも余裕で見下ろしているではないか。
「なっ……!?」
「きゃあっ!」
私たち親子は侯爵邸の真上に浮かんでいた。雲が間近に迫り、手を伸ばせば届きそう。
腕の中でリュシアンは声高らかにはしゃいでいる。
「あなたがやったの?」
「あい!」
「あなた、空も飛べるの!?」
「あーい?」
リュシアンは首をかしげた。
やはり無意識に魔法を使っている。
「あのね、ママはさっきの馬車に戻らないといけないの。お願い、降ろしてくれる?」
「……」
「お願い!」
この結婚は私にとっての政略結婚だ。私と引き換えに、公園の弁償代を肩代わりするものなのだ。私が逃げたと思われたりしたら、今後リュシアンに迷惑がかかってしまう。
でも──
冷たい風が頬を撫でつけ、私は周りをぐるんと見渡す。
「きれい……」
前世で一回だけ、タワーの遠望台に登ったことがある。訪れたことのない遠くの土地や、有名な山がすぐそこにあるような錯覚をした。歩いている人間は点々と小さくて、車はミニカーのように動いていた。
「私、とても高いところにいるんだわ……」
地上の遥か上空は、少し肌寒くて空気が澄んでいた。重力が消えて身体は軽く、鳥にでもなったかのようだ。
魔法がなく文明も発達途中のこの世界の人間は、空を飛んだことがないだろう。いつも見上げている山々や雲が、草花みたいにそばにある。
きっと体験したことのある人は、魔法使いと彼らの親しい友人や家族の、ほんの一握り。私を含めて、数えるほどだろう。
いつもは厄介な魔法が、誇らしく思えた。
太陽が昇り始め、薄暗かった景色は明るさを取り戻した。遠くの街の木々の隙間から、わずかに海が見える。
「わぁ……」
私は感嘆の声を上げた。
水面が早朝の光に反射して、キラキラと世界を照らしている。
「この世界にも海があるんだ」
海の向こうの見知らぬ国を思うと、胸がときめいた。移動手段は馬や馬車。行動範囲が限られているし、そもそも他の国へ行こうと思ったことすらなかった。
元々住んでいた北部は深い森と繋がっていると聞くから、おそらく南部から船で行くのだろう。海面に何艘か船が浮かんでいるのが見える。
「きれいね、リュシアン……」
腕の中に目を向けると、いつからなのか、リュシアンはじっと私の瞳を見つめていた。目が合うと、大きな黒い瞳を細めてニッコリと顔をほころばせた。
「ね!」
「行ってみたいね。青くて、波が行ったり来たりして、とてもきれいなのよ」
「……」
「……リュシアン?」
リュシアンは突然だんまりを決め込み、私はハッと気がついた。
「……来るわね」
予期せぬ魔法を使われ始め、早一年ほど。魔力が無い私でも、予兆行動が分かるようになってきた。
リュシアンの黒い瞳が青く染まる。群青色という色は、深い海を想起させる。
「海の水で遊ぶ気なのね!!」
大量の水しぶきを浴びるのが頭に浮かび、頭を低くし、彼を力強く抱きしめた。波にさらわれては大変だ。
「……!?」
ところが、待っていたのはさらに強い浮遊感。グワンと身体が上下に揺さぶられる。
「何? 待ってリュシアン……!」
思わず目をつぶり、潮の音に再び目を開けた。
「みー!」
眼下には、真っ青な海が広がっていた。
「……移動した?」
つい先ほどは、馬車の中から馬車の上空までの垂直移動だった。だが今回は帝国の中心部から周辺国の海までの平行移動である。
「もしかしてあなた、空が飛べるんじゃなくて……」
瞬間移動ができるんだ。
私はゴクリと唾を飲み込んだ。言われてみれば、空中浮遊したときも馬車の屋根を突き破ったりなどしていなかった。
「すごい、すごいわ! リュシアン!」
私はリュシアンを高く抱き上げた。
「あなたは天才ね! なんでもできるのね!」
「きゃははっ!」
空は広く晴れ渡り、カモメがのどかに飛んでいる。海辺から見える街は、鮮やかな色のフルーツの収穫に追われている。
「降りられる?」
リュシアンは黙ってうなづくと、近くの砂浜にそっと着地した。低いヒールの靴の中にサラサラの白い砂が入り込み、大木を支えにして靴をひっくり返した。
「寄り道したら怒られちゃうかな」
一瞬、アンドレの顔が頭をよぎったけれど、アンドレのいないときに彼のことを考えるのはバカバカしく思えた。
「平気よね、これくらい」
私は胸いっぱいに南国の空気を吸い込んだ。
アルカナリア帝国とは違う、甘くて少しスパイシーな香りがする。
「異国の香り……」
心臓がドキドキする。
見知らぬ場所に、飾らないリュシアンと二人きり。興味をそそることがたくさんあるし、何を選んでもいい。全てが私をわくわくさせてくれる。
「おや、こんにちは。これ食べてみるかい?」
「え?」
フルーツを収穫していた中年の男性が、私にひとつの果実を差し出した。キウイフルーツくらいの大きさの桃色の果実をナイフでサッと半分に切ると、薄い茶色の果肉が詰まっていた。腐敗していそうな色に眉をひそめれば、男性は笑いながらひとくち口にした。
「食えるぞ! 甘くて美味しいぞ。おれが品種改良したからな!」
恐る恐る鼻を近づけると、甘いチョコレートのような香りが漂ってきた。
「カカオのような匂いだろ? ココアフルーツっていうんだ。日持ちしねぇから急いで食えよ!」
男性は私の肩にかけた鞄に二、三個突っ込むと、笑いながらまた収穫作業へ戻っていった。
「……自由な人ね……」
リュシアンは鞄のフルーツをひとつ取り出し、不思議そうに触っている。
「でも嫌いじゃないわ」
今まで、大自然の中では暮らしたことはなかった。
どうやって生計を立てるのか、勉強はどうするかとか。帝国生まれの私は考えたこともなかった。
だけど自然の中で太陽をたくさん浴びて、大地の恵みを実感しながら生きている人も実際にいる。彼らの生活は、経済的に豊かな暮らしでは得られないものがある。
「私は……どうしたいんだろう……」
リュシアンとイヴァンの笑顔が胸を打つ。
アンドレのところへ嫁ぐのが、本当に最善策なのか。
修理費は莫大だけど、待ってくれるかも知れない。コツコツと地道に返してもいいと、言ってくれるかも知れないよね……?
幸いなことに、私には過去の記憶があるのだ。
この世界では未解明な病気と治療法や料理のレシピ、農作物の育成方法、穏やかになれるカウンセリングの方法など、プロとは言えないものの何でも知っている。SNSなどメディアのおかげで、情報がどんどん入って来ていたから。
それらを使って困っている人の手助けになれないだろうか。もちろん娼婦もハウスキーパーも続けながら、収入手段が複数確保できれば返済期間が少なくて済むのではないだろうか。
気持ちのいい潮風にあたりながら、私はぼんやりと水平線を眺めた。
「もうちょっとだけ、旅してもいいかな……」
ぼそっと呟くと、リュシアンが察して、また瞬間移動魔法を発動した。身体に衝撃が走る。
「今度はどこぉぉ!?」
フッと意識が飛ぶ感覚のあと、着いたのは一面銀世界の小さな集落だった。雪が吹き荒れ一メートル先も見えない。RPGゲームの世界みたいでクスッと吹き出す。
「もうちょっと暖かいところがいいかな」
「あい!」
移動魔法は得意のようで、リュシアンは狙った行き先に確実に着陸させた。
「リュシアン、ここは……暑すぎかな……」
次に着いたのは砂漠のど真ん中で、私は汗が噴き出した。暖かいところが良いとは言ったけども、ギラつく太陽で肌は焼けるように暑く、暖かいを通り越して真夏の気候である。突然現れた異邦人に目を丸くしている現地人たちは、男も女も皆お揃いのゆったりした長いワンピースを着ている。
「!-?❝2_€≯>∆!%◁?」
何を言っているか全く分からない。
転生先にも色んな文化があって色んな人がいるのだ。
「$≤§®}8⊗±∟θ?」
通りすがりの親子連れが、手に持っている容器に水を汲んで渡してくれた。
「え? いいんですか?」
親子は白い歯を見せて笑った。久しぶりに飲んだ冷たい水は喉から染み入るように全身へ行き渡り、凝り固まった思考が溶かされていく。鬱々としていた頭の中が、透き通っていく。
「ありがとうございます!」
優しさが伝わる。
負けないでって励ましてもらえているようで、勇気が湧いてくる。
「私も、私の好きなように生きたいな……」
リュシアンが壊してしまった公園のこと、もう一度だけ交渉してみようという気持ちが、私の背中を強く押す。
ダメだって、いいじゃない。
元々全て諦めていたのだから、わずかにでも光が見出されば、今後の長い人生を幸せに生きられるのではないだろうか。
「リュシアンはどこへ行きたい?」
「い?」
「今度はあなたの好きなところへ行こう」
リュシアンは目を輝かせて、どこか遠くを指差した。宙に浮く感覚と、稲妻のような衝撃が体の中を駆け巡る。
数十秒の後に、着いた先はフェリクス侯爵家であった。
「ローズ!?」
「お前、どこに行ってたんだよ!」
イヴァンとアンドレが同時に私たちに目を向けた。
しかし、いつまで経っても焦げ臭い匂いや炎の熱さを感じることはなかった。
不思議に思って下を見れば、先ほどまで乗っていた馬車は遥か下。侯爵邸までをも余裕で見下ろしているではないか。
「なっ……!?」
「きゃあっ!」
私たち親子は侯爵邸の真上に浮かんでいた。雲が間近に迫り、手を伸ばせば届きそう。
腕の中でリュシアンは声高らかにはしゃいでいる。
「あなたがやったの?」
「あい!」
「あなた、空も飛べるの!?」
「あーい?」
リュシアンは首をかしげた。
やはり無意識に魔法を使っている。
「あのね、ママはさっきの馬車に戻らないといけないの。お願い、降ろしてくれる?」
「……」
「お願い!」
この結婚は私にとっての政略結婚だ。私と引き換えに、公園の弁償代を肩代わりするものなのだ。私が逃げたと思われたりしたら、今後リュシアンに迷惑がかかってしまう。
でも──
冷たい風が頬を撫でつけ、私は周りをぐるんと見渡す。
「きれい……」
前世で一回だけ、タワーの遠望台に登ったことがある。訪れたことのない遠くの土地や、有名な山がすぐそこにあるような錯覚をした。歩いている人間は点々と小さくて、車はミニカーのように動いていた。
「私、とても高いところにいるんだわ……」
地上の遥か上空は、少し肌寒くて空気が澄んでいた。重力が消えて身体は軽く、鳥にでもなったかのようだ。
魔法がなく文明も発達途中のこの世界の人間は、空を飛んだことがないだろう。いつも見上げている山々や雲が、草花みたいにそばにある。
きっと体験したことのある人は、魔法使いと彼らの親しい友人や家族の、ほんの一握り。私を含めて、数えるほどだろう。
いつもは厄介な魔法が、誇らしく思えた。
太陽が昇り始め、薄暗かった景色は明るさを取り戻した。遠くの街の木々の隙間から、わずかに海が見える。
「わぁ……」
私は感嘆の声を上げた。
水面が早朝の光に反射して、キラキラと世界を照らしている。
「この世界にも海があるんだ」
海の向こうの見知らぬ国を思うと、胸がときめいた。移動手段は馬や馬車。行動範囲が限られているし、そもそも他の国へ行こうと思ったことすらなかった。
元々住んでいた北部は深い森と繋がっていると聞くから、おそらく南部から船で行くのだろう。海面に何艘か船が浮かんでいるのが見える。
「きれいね、リュシアン……」
腕の中に目を向けると、いつからなのか、リュシアンはじっと私の瞳を見つめていた。目が合うと、大きな黒い瞳を細めてニッコリと顔をほころばせた。
「ね!」
「行ってみたいね。青くて、波が行ったり来たりして、とてもきれいなのよ」
「……」
「……リュシアン?」
リュシアンは突然だんまりを決め込み、私はハッと気がついた。
「……来るわね」
予期せぬ魔法を使われ始め、早一年ほど。魔力が無い私でも、予兆行動が分かるようになってきた。
リュシアンの黒い瞳が青く染まる。群青色という色は、深い海を想起させる。
「海の水で遊ぶ気なのね!!」
大量の水しぶきを浴びるのが頭に浮かび、頭を低くし、彼を力強く抱きしめた。波にさらわれては大変だ。
「……!?」
ところが、待っていたのはさらに強い浮遊感。グワンと身体が上下に揺さぶられる。
「何? 待ってリュシアン……!」
思わず目をつぶり、潮の音に再び目を開けた。
「みー!」
眼下には、真っ青な海が広がっていた。
「……移動した?」
つい先ほどは、馬車の中から馬車の上空までの垂直移動だった。だが今回は帝国の中心部から周辺国の海までの平行移動である。
「もしかしてあなた、空が飛べるんじゃなくて……」
瞬間移動ができるんだ。
私はゴクリと唾を飲み込んだ。言われてみれば、空中浮遊したときも馬車の屋根を突き破ったりなどしていなかった。
「すごい、すごいわ! リュシアン!」
私はリュシアンを高く抱き上げた。
「あなたは天才ね! なんでもできるのね!」
「きゃははっ!」
空は広く晴れ渡り、カモメがのどかに飛んでいる。海辺から見える街は、鮮やかな色のフルーツの収穫に追われている。
「降りられる?」
リュシアンは黙ってうなづくと、近くの砂浜にそっと着地した。低いヒールの靴の中にサラサラの白い砂が入り込み、大木を支えにして靴をひっくり返した。
「寄り道したら怒られちゃうかな」
一瞬、アンドレの顔が頭をよぎったけれど、アンドレのいないときに彼のことを考えるのはバカバカしく思えた。
「平気よね、これくらい」
私は胸いっぱいに南国の空気を吸い込んだ。
アルカナリア帝国とは違う、甘くて少しスパイシーな香りがする。
「異国の香り……」
心臓がドキドキする。
見知らぬ場所に、飾らないリュシアンと二人きり。興味をそそることがたくさんあるし、何を選んでもいい。全てが私をわくわくさせてくれる。
「おや、こんにちは。これ食べてみるかい?」
「え?」
フルーツを収穫していた中年の男性が、私にひとつの果実を差し出した。キウイフルーツくらいの大きさの桃色の果実をナイフでサッと半分に切ると、薄い茶色の果肉が詰まっていた。腐敗していそうな色に眉をひそめれば、男性は笑いながらひとくち口にした。
「食えるぞ! 甘くて美味しいぞ。おれが品種改良したからな!」
恐る恐る鼻を近づけると、甘いチョコレートのような香りが漂ってきた。
「カカオのような匂いだろ? ココアフルーツっていうんだ。日持ちしねぇから急いで食えよ!」
男性は私の肩にかけた鞄に二、三個突っ込むと、笑いながらまた収穫作業へ戻っていった。
「……自由な人ね……」
リュシアンは鞄のフルーツをひとつ取り出し、不思議そうに触っている。
「でも嫌いじゃないわ」
今まで、大自然の中では暮らしたことはなかった。
どうやって生計を立てるのか、勉強はどうするかとか。帝国生まれの私は考えたこともなかった。
だけど自然の中で太陽をたくさん浴びて、大地の恵みを実感しながら生きている人も実際にいる。彼らの生活は、経済的に豊かな暮らしでは得られないものがある。
「私は……どうしたいんだろう……」
リュシアンとイヴァンの笑顔が胸を打つ。
アンドレのところへ嫁ぐのが、本当に最善策なのか。
修理費は莫大だけど、待ってくれるかも知れない。コツコツと地道に返してもいいと、言ってくれるかも知れないよね……?
幸いなことに、私には過去の記憶があるのだ。
この世界では未解明な病気と治療法や料理のレシピ、農作物の育成方法、穏やかになれるカウンセリングの方法など、プロとは言えないものの何でも知っている。SNSなどメディアのおかげで、情報がどんどん入って来ていたから。
それらを使って困っている人の手助けになれないだろうか。もちろん娼婦もハウスキーパーも続けながら、収入手段が複数確保できれば返済期間が少なくて済むのではないだろうか。
気持ちのいい潮風にあたりながら、私はぼんやりと水平線を眺めた。
「もうちょっとだけ、旅してもいいかな……」
ぼそっと呟くと、リュシアンが察して、また瞬間移動魔法を発動した。身体に衝撃が走る。
「今度はどこぉぉ!?」
フッと意識が飛ぶ感覚のあと、着いたのは一面銀世界の小さな集落だった。雪が吹き荒れ一メートル先も見えない。RPGゲームの世界みたいでクスッと吹き出す。
「もうちょっと暖かいところがいいかな」
「あい!」
移動魔法は得意のようで、リュシアンは狙った行き先に確実に着陸させた。
「リュシアン、ここは……暑すぎかな……」
次に着いたのは砂漠のど真ん中で、私は汗が噴き出した。暖かいところが良いとは言ったけども、ギラつく太陽で肌は焼けるように暑く、暖かいを通り越して真夏の気候である。突然現れた異邦人に目を丸くしている現地人たちは、男も女も皆お揃いのゆったりした長いワンピースを着ている。
「!-?❝2_€≯>∆!%◁?」
何を言っているか全く分からない。
転生先にも色んな文化があって色んな人がいるのだ。
「$≤§®}8⊗±∟θ?」
通りすがりの親子連れが、手に持っている容器に水を汲んで渡してくれた。
「え? いいんですか?」
親子は白い歯を見せて笑った。久しぶりに飲んだ冷たい水は喉から染み入るように全身へ行き渡り、凝り固まった思考が溶かされていく。鬱々としていた頭の中が、透き通っていく。
「ありがとうございます!」
優しさが伝わる。
負けないでって励ましてもらえているようで、勇気が湧いてくる。
「私も、私の好きなように生きたいな……」
リュシアンが壊してしまった公園のこと、もう一度だけ交渉してみようという気持ちが、私の背中を強く押す。
ダメだって、いいじゃない。
元々全て諦めていたのだから、わずかにでも光が見出されば、今後の長い人生を幸せに生きられるのではないだろうか。
「リュシアンはどこへ行きたい?」
「い?」
「今度はあなたの好きなところへ行こう」
リュシアンは目を輝かせて、どこか遠くを指差した。宙に浮く感覚と、稲妻のような衝撃が体の中を駆け巡る。
数十秒の後に、着いた先はフェリクス侯爵家であった。
「ローズ!?」
「お前、どこに行ってたんだよ!」
イヴァンとアンドレが同時に私たちに目を向けた。
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