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十三
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龍平はいつも通り胸を張って立っている。
急に入籍宣言をしたようにみえて、今日母に伝えようと彼は前々から計画していたのだろう。
これから先、頼くんのように龍平を愛せるのかはわからないけど、龍平との間にも子どもができたらまた違った関係になるだろう。
「そ……そうなんです」
私は龍平を見上げ、話を合わせて頷いた。
家族としてなら、いいパパでありいい夫になるかも知れない。
水を入れ換えた花瓶を元の位置へ戻す私の様子を、龍平がじっと目で追っていた。見舞い客用の丸椅子にようやく腰を下ろすと、彼はわざとらしく目を細めてほくそ笑んだ。
「優月よく見ると顔だけはいいからね。派手じゃないけど地味過ぎないっていうか? 手に入りやすそうじゃん。しっかり見張ってないと男が寄ってくるみたいなんだ」
|(ーーえ? )
不適な笑みを浮かべる龍平に、嫌な予感がよぎった。
今の口振りはまるで、何かを知っているかのようだった。
|(男が寄って来る……? 龍平が頼くんのことを知って……? )
私は意味深な発言をする彼の方に目を向けた。
そんな言い方をするとモテているみたいだが、生憎モテ期は来ないまま大人になった。
だから当てはまるとすれば頼くんだけだ。
|(いや、そんなはずはない。龍平と頼くんは大学も別だし趣味も違う。もし偶然すれ違っていたとしてもお互いに見知らぬ他人だ。接点なんかあるはずない)
私はバクバクした心を悟られまいと口角を上げる。
「寄って来たことなんかないよ。私がそんなにモテてきてないの知ってるでしょう?」
十代半ばの中学生の頃だって、好きな人はいたが見てるだけで幸せで、好きな男子とあれこれしたいと思ったことはなかった。部活もクラスも違ったし、結ばれようと行動したことなどなかった。彼氏や彼女、男女交際なんて陽キャのもので、自分には全く関係ないと思っていた。
|(大丈夫よ。大学四年生の一年間を除けば清廉潔白なのは事実だし。あの時間を龍平が知る術はないわ。心配しすぎよ、落ち着きなって……)
私は話を反らしつつ、自分自身を励ました。
龍平は私の心の中を読むかのように、「はッ」と短く息を吐き出しのけぞった。細く長い腕を組んだまま全身を舐めるように見回すと、鋭い視線を私に合わせた。
「ま、いいけど。たまに親孝行しねぇとって思って、親父に電話かけたんだ。ちょうど聞きたいこともあったしね」
「聞きたいこと?」
「そうそう。このところ優月がオレに怯えねぇのがさぁ、なんか妙に気になってたんだよね」
怯えるのが前提であることが薄気味悪い。
龍平はスマホの通話履歴をスクロールし、院長である父親と数十分話したものを私に見せた。
「重要なアポを忘れるといけねぇから録音してんだよ。毎回じゃないけどね」
「……」
「それでよ、面白いことを教えてくれたんだよあの親父」
差し出されたスマートフォンからは確かに龍平と彼の父の声が聞こえてきた。
『優月がオレに怯まないって、なんつうモノサシで彼女のことを見てるんだおまえは』
『いいだろ別に。人のことに口出しすんなよ』
『はいはい、で、何だって? 何で怯えねぇのかって話か。そりゃあなぁ、長く暮らしてれば慣れっていうものもあるだろ』
院長は何か書類を読んでいるのか紙の擦れるパラパラした音が聞こえる。
『薬も飲んでるとこ見ないんだよなぁ……もしかして、もう処方すんの止めたのか? 鬱の薬飲んでたんだろあいつ』
『鬱?』
龍平の言葉に、院長は豪快な笑い声を上げた。
『鬱とはまたたまげたな。おまえ、鬱で産婦人科にかかってるヤツがどこにいんだよ。それくらいの会話しろっての』
『産婦人科……?』
思ってもなかったワードに、龍平の声は尻すぼみになる。
『そうだ、そういえば必要ねぇと思ってお前には言ってなかったかもなぁ。優月さんの本当の症状』
『症状……』
『優月さんは別に精神的な病に侵されてる訳じゃねぇよ。子ども。子どもがいたんだよ、お前との生活を始めるあたっては邪魔だから相手の男に引き取ってもらったけどな』
『こ、子ども……!? 何言ってんだよ? 嘘つくなよ!』
『嘘なんかつくか。あの娘はなぁ、一応あれでも経産婦なんだよ。妙なタイミングで記憶が飛んだみてぇだけど、子どもを取られたショックで脳が防衛反応でも起こしたんだろうよ……ま、こっちにとってはその方が都合がいいから、無理に思い出すようなこともしなかったけどな。出産予定日から間を開けずに同居の予定があったから、婦人科系の病気と偽って母乳を止める薬と貧血を補う鉄剤を飲んでもらっていたんだ。担当医を言い聞かせてな』
『……』
『薬を飲まなくなったっていうことは、おまえそれ思い出したんじゃねぇか? 自分自身の過去の隠された秘密が。愛し合った男の手元に置いてきた可愛い我が子の存在なんて、そう簡単に忘れられるわけねぇか! ガハハハ!』
院長がけたたましく笑うと、即座に机を叩く音が響いた。
『ふざけんな! そんな女と結婚なんかしてられっか!』
室内の静けさが極まり、やや間を置いて再び院長の声が入った。
『まぁまぁ龍平そう怒るな。この結婚はそもそもおまえと彼女の気持ちなど二の次だ。真の結婚とは個よりも家同士の繋がりを深めるもの。政略結婚とはそういうものだろう』
院長は落ち着いたトーンで龍平をなだめている。
|(やっぱり知っていたのね。そうよね、知らないはずがない。だって私この病院で産んだもの。考えてみれば、部屋の調度品も家具の配置もあの頃のまま。出産には関わっていなくたって、息子の婚約者が他人の子どもを産むなんて話、伝わっていないと信じる方が可笑しかったんだ)
『病院を大きくしたくてね。その為には隣接する半澤さんの家の土地がどうしても欲しい。北側には職員の駐車場を増設し、混雑を解消する。西側には長期入院している患者の家族が泊まれるような場所を新たに建設したいと考えているんだ』
院長は声高らかに夢を語っている。
『聞けば、半澤家にはおまえと同年代の娘がいるというじゃないか。娘と縁を結べば、父親が持っている広大な土地を手に入れる絶好のチャンスに恵まれるだろうと思ったのだよ!』
『いい歳してチャンスだ何だの。老い先短いくせによく言う』
龍平が呆れたように返したが、院長は語るのを止めない。
『これはおまえの為でもあるんだぞ? おれがいずれ死んでおまえが後を継ぐことになったとき、今のまま現状維持では施設が老朽化するのみで、病院利用者の目にはどうしても寂れて映ってしまう。先代の方が良かった、などと愚痴られてもいいのか? 嫌だろう? どうせなら華々しく顔見せしてやろうじゃないか。土地の大半を施設に変え、改装終了と同時におまえを次期院長として副院長のポストに就かせようと思っているんだがな』
『!!』
願ってもいない躍進だったのだろう。ハッと息を飲む龍平の声が聞こえた。
彼は現在経営に携わるグループに所属してはいるが、若年者故に如何せん経験が少なく、実質的な権力は掌握していない。それが婚姻と大幅増設によって一気に幹部へとのしあがることができるのだ。
「聞いた? オレ、実は知っちゃったんだよね。おまえの隠し子の存在とソイツの父親が存在すること。でもオレは寛大だから特別に許してあげる」
「……」
龍平は録音の再生をストップし、スマホをチノパンのポケットへしまった。
窓の外を眺める彼の目には、農地を潰した跡地に病院の敷地が次々広がっていく様子が映し出されているようだった。
「おまえと結婚しなきゃ、あの破格の条件なくなっちゃうもん。するに決まってる。親父の後を継いで病院を経営するの、小さい頃から夢だったんだ、憧れてたんだよね。医者でも看護師でもないのに、一番偉い立場になれるの。すごいと思わない? あんな大きな建物のトップ! リーダー! それにオレがなれると確約してくれるんだぜ!」
龍平は身振り手振りを交え、鼻息を荒くして語った。
私の意思など関係なく、もう決定事項であるかのようだった。
急に入籍宣言をしたようにみえて、今日母に伝えようと彼は前々から計画していたのだろう。
これから先、頼くんのように龍平を愛せるのかはわからないけど、龍平との間にも子どもができたらまた違った関係になるだろう。
「そ……そうなんです」
私は龍平を見上げ、話を合わせて頷いた。
家族としてなら、いいパパでありいい夫になるかも知れない。
水を入れ換えた花瓶を元の位置へ戻す私の様子を、龍平がじっと目で追っていた。見舞い客用の丸椅子にようやく腰を下ろすと、彼はわざとらしく目を細めてほくそ笑んだ。
「優月よく見ると顔だけはいいからね。派手じゃないけど地味過ぎないっていうか? 手に入りやすそうじゃん。しっかり見張ってないと男が寄ってくるみたいなんだ」
|(ーーえ? )
不適な笑みを浮かべる龍平に、嫌な予感がよぎった。
今の口振りはまるで、何かを知っているかのようだった。
|(男が寄って来る……? 龍平が頼くんのことを知って……? )
私は意味深な発言をする彼の方に目を向けた。
そんな言い方をするとモテているみたいだが、生憎モテ期は来ないまま大人になった。
だから当てはまるとすれば頼くんだけだ。
|(いや、そんなはずはない。龍平と頼くんは大学も別だし趣味も違う。もし偶然すれ違っていたとしてもお互いに見知らぬ他人だ。接点なんかあるはずない)
私はバクバクした心を悟られまいと口角を上げる。
「寄って来たことなんかないよ。私がそんなにモテてきてないの知ってるでしょう?」
十代半ばの中学生の頃だって、好きな人はいたが見てるだけで幸せで、好きな男子とあれこれしたいと思ったことはなかった。部活もクラスも違ったし、結ばれようと行動したことなどなかった。彼氏や彼女、男女交際なんて陽キャのもので、自分には全く関係ないと思っていた。
|(大丈夫よ。大学四年生の一年間を除けば清廉潔白なのは事実だし。あの時間を龍平が知る術はないわ。心配しすぎよ、落ち着きなって……)
私は話を反らしつつ、自分自身を励ました。
龍平は私の心の中を読むかのように、「はッ」と短く息を吐き出しのけぞった。細く長い腕を組んだまま全身を舐めるように見回すと、鋭い視線を私に合わせた。
「ま、いいけど。たまに親孝行しねぇとって思って、親父に電話かけたんだ。ちょうど聞きたいこともあったしね」
「聞きたいこと?」
「そうそう。このところ優月がオレに怯えねぇのがさぁ、なんか妙に気になってたんだよね」
怯えるのが前提であることが薄気味悪い。
龍平はスマホの通話履歴をスクロールし、院長である父親と数十分話したものを私に見せた。
「重要なアポを忘れるといけねぇから録音してんだよ。毎回じゃないけどね」
「……」
「それでよ、面白いことを教えてくれたんだよあの親父」
差し出されたスマートフォンからは確かに龍平と彼の父の声が聞こえてきた。
『優月がオレに怯まないって、なんつうモノサシで彼女のことを見てるんだおまえは』
『いいだろ別に。人のことに口出しすんなよ』
『はいはい、で、何だって? 何で怯えねぇのかって話か。そりゃあなぁ、長く暮らしてれば慣れっていうものもあるだろ』
院長は何か書類を読んでいるのか紙の擦れるパラパラした音が聞こえる。
『薬も飲んでるとこ見ないんだよなぁ……もしかして、もう処方すんの止めたのか? 鬱の薬飲んでたんだろあいつ』
『鬱?』
龍平の言葉に、院長は豪快な笑い声を上げた。
『鬱とはまたたまげたな。おまえ、鬱で産婦人科にかかってるヤツがどこにいんだよ。それくらいの会話しろっての』
『産婦人科……?』
思ってもなかったワードに、龍平の声は尻すぼみになる。
『そうだ、そういえば必要ねぇと思ってお前には言ってなかったかもなぁ。優月さんの本当の症状』
『症状……』
『優月さんは別に精神的な病に侵されてる訳じゃねぇよ。子ども。子どもがいたんだよ、お前との生活を始めるあたっては邪魔だから相手の男に引き取ってもらったけどな』
『こ、子ども……!? 何言ってんだよ? 嘘つくなよ!』
『嘘なんかつくか。あの娘はなぁ、一応あれでも経産婦なんだよ。妙なタイミングで記憶が飛んだみてぇだけど、子どもを取られたショックで脳が防衛反応でも起こしたんだろうよ……ま、こっちにとってはその方が都合がいいから、無理に思い出すようなこともしなかったけどな。出産予定日から間を開けずに同居の予定があったから、婦人科系の病気と偽って母乳を止める薬と貧血を補う鉄剤を飲んでもらっていたんだ。担当医を言い聞かせてな』
『……』
『薬を飲まなくなったっていうことは、おまえそれ思い出したんじゃねぇか? 自分自身の過去の隠された秘密が。愛し合った男の手元に置いてきた可愛い我が子の存在なんて、そう簡単に忘れられるわけねぇか! ガハハハ!』
院長がけたたましく笑うと、即座に机を叩く音が響いた。
『ふざけんな! そんな女と結婚なんかしてられっか!』
室内の静けさが極まり、やや間を置いて再び院長の声が入った。
『まぁまぁ龍平そう怒るな。この結婚はそもそもおまえと彼女の気持ちなど二の次だ。真の結婚とは個よりも家同士の繋がりを深めるもの。政略結婚とはそういうものだろう』
院長は落ち着いたトーンで龍平をなだめている。
|(やっぱり知っていたのね。そうよね、知らないはずがない。だって私この病院で産んだもの。考えてみれば、部屋の調度品も家具の配置もあの頃のまま。出産には関わっていなくたって、息子の婚約者が他人の子どもを産むなんて話、伝わっていないと信じる方が可笑しかったんだ)
『病院を大きくしたくてね。その為には隣接する半澤さんの家の土地がどうしても欲しい。北側には職員の駐車場を増設し、混雑を解消する。西側には長期入院している患者の家族が泊まれるような場所を新たに建設したいと考えているんだ』
院長は声高らかに夢を語っている。
『聞けば、半澤家にはおまえと同年代の娘がいるというじゃないか。娘と縁を結べば、父親が持っている広大な土地を手に入れる絶好のチャンスに恵まれるだろうと思ったのだよ!』
『いい歳してチャンスだ何だの。老い先短いくせによく言う』
龍平が呆れたように返したが、院長は語るのを止めない。
『これはおまえの為でもあるんだぞ? おれがいずれ死んでおまえが後を継ぐことになったとき、今のまま現状維持では施設が老朽化するのみで、病院利用者の目にはどうしても寂れて映ってしまう。先代の方が良かった、などと愚痴られてもいいのか? 嫌だろう? どうせなら華々しく顔見せしてやろうじゃないか。土地の大半を施設に変え、改装終了と同時におまえを次期院長として副院長のポストに就かせようと思っているんだがな』
『!!』
願ってもいない躍進だったのだろう。ハッと息を飲む龍平の声が聞こえた。
彼は現在経営に携わるグループに所属してはいるが、若年者故に如何せん経験が少なく、実質的な権力は掌握していない。それが婚姻と大幅増設によって一気に幹部へとのしあがることができるのだ。
「聞いた? オレ、実は知っちゃったんだよね。おまえの隠し子の存在とソイツの父親が存在すること。でもオレは寛大だから特別に許してあげる」
「……」
龍平は録音の再生をストップし、スマホをチノパンのポケットへしまった。
窓の外を眺める彼の目には、農地を潰した跡地に病院の敷地が次々広がっていく様子が映し出されているようだった。
「おまえと結婚しなきゃ、あの破格の条件なくなっちゃうもん。するに決まってる。親父の後を継いで病院を経営するの、小さい頃から夢だったんだ、憧れてたんだよね。医者でも看護師でもないのに、一番偉い立場になれるの。すごいと思わない? あんな大きな建物のトップ! リーダー! それにオレがなれると確約してくれるんだぜ!」
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