素直な魔王の物語

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勇者の姿の魔王編

チカラ

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長老「勇者よここへ、」

勇者(魔王)「おう」

長老「では始めるとしよう。
古より伝わりし勇者の力よ……」


そのあと長老は古くから伝わると言われる勇者の力を我輩に与えるための言葉を唱えていた。

唱え始めてしばらく経った頃には、我輩を中心に大きな魔法陣が描かれていた
魔法陣の力が強くなってきたと同時に我輩は大きな力を感じた。そしてその力は我輩に問い出した


(汝、チカラヲ求メルカ。)

「あぁ力を求める」

(汝、コノチカラヲ何ノ為ヘト使ウ)

「今、魔王をしておる勇者を鎮める為だ」

(汝、チカラヲ求メルカ、汝、力二溺レヌカ)

「あぁ、自分自身の欲に飲まれず、かの魔王を倒さんとここに誓おう」

(汝二チカラヲ与エヨウ、決シテ悪事二使ウ事ナカレ)

「あぁ、わかっているさ…」




長老「勇者よ、儀式は終わった。力を感じるか?」

勇者(魔王)「とても、強い力を感じるな。なぁ長老、あの勇者はここに来た事があったのか?」

長老「一応、あったのじゃがワシがいくら言葉を唱えても、反応しなかったのじゃ。
きっと心が澄んでいなかったのじゃろう…しかし今のそなたは心が澄んでおる。だからこそそなたは力を得たのじゃ。
その力を正しく使い今の魔王を打ち倒してくれるか?」

勇者(魔王)「もちろんだ!フィリアと約束もしてしまったからな?ガハハハ」


長老「では、そのフィリア殿も待っているであろう。宴に戻ろうではないか」




我輩が広場についたと思ったらいきなりフィリアが飛びついてきた


フィリア「ゆ、勇者様ー!長老様とはどんなお話を?私、村の皆さんから昔の勇者様のお話を聞いてから心配で心配で…」

勇者(魔王)「お、おぅ待て待てフィリアよ、私は別に長老様に何かされたわけでもない。しかもフィリアが聞いたのも私の事ではない。それに、話のついでにこの村に伝わるチカラも受け継いできた。
これで、魔王討伐に一歩近づいたな!」


フィリア「ほ、本当ですか!新しいチカラ…勇者様ならきっとどんな力でも使いこなせるはずです!」

勇者(魔王)「おう!任せろ!」

フィリア「……それと勇者様、1つお話ししたい事があります。一緒に2人だけで話せる場所へ移動させてもらえますか?」

勇者(魔王)「構わないが…どうかしたか?」

フィリア「……………」
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