10 / 17
魔獣の巣窟
第八夜
しおりを挟む
「ラ、ラファエル・ルミナ・フィオレンテ様」思わず小声で呟いた。
ラファエル様がどうして魔獣の巣窟にいるんだ?
驚きと共にだんだんと俺の肩や首が強ばり、焦燥感にかられる。
やっぱり俺は、何か重要なことを見落としているのかな?
その時、夢で見た小説の内容が断片的に頭に浮かんだ。
・・・
『「私たち公爵家は何度もその実を探しに行ったが、見つけることはできなかった。そればかりか、数多くの公爵家の騎士たちが無惨に命を落とした。」』
・・・
『ラファエル様の声は静かだったが、その言葉には深い悲しみが込められていた。彼の目は遠くを見つけ目、何かを思い出しているようだった。』
・・・
『「私の母はストーンスキン病に侵されていた。この病を治すには・・・・・・・にあるとされるエルドラの実を食べるしかない」』
・・・
ダメだ、重要な部分がぼんやりしている。
俺はもう一度、ゆっくりと、記憶を辿った。
「私の母はストーンスキン病に侵されていた。この病を治すには・・・・・・・にあるとされるエルドラの実を食べるしかない」
「この病を治すには・・・の・・・にあるとされるエルドラの実を食べるしかない」
「この病を治すには・・・の・・窟にあるとされるエルドラの実を食べるしかない」
「病を治すには魔・・の・・窟にあるとされるエルドラの実を食べるしかない」
「治すには魔獣の・・窟にあるとされるエルドラの実を食べるしかない」
俺の頭の中で同じ言葉がぐるぐると回り続けていた。まるで壊れたレコードのように、針が同じ溝を何度も繰り返し再生し、同じ部分が延々と流れ続ける。
「魔獣の巣窟にあるとされるエルドラの実を食べるしかない」
『魔獣の巣窟……』
『魔獣の巣窟』
『魔獣の巣窟』
頭の中で引っかかっていた糸がすっとほどけるような感覚が広がり、胸がどきどきと高鳴った。手を心臓に当て、その鼓動を確かめる。
まだスヤスヤと眠っているラファエル様をそっと見つめる。
「エルドラの実ってこのばしょにあったんだ」
「ねこちゃん、ちょっとここでまってて!」
俺は小さな歩幅で懸命に足を動かし、全速力である場所を目指して走っていた。
エルドラの実がどんなものなのか、実際に見たことがないから詳しくは知らない。
けど、一つだけ心当たりがあった。あの泉のそばに一本だけ高くそびえる巨大な木。大人数十人がかりでやっと囲めるほどの太さを誇るその木には、まるで宝石のように光り輝く果実が実る。
それを食べれば、たちまち元気になる。
俺は、泉へと急いだ。
小さな足が地面をリズミカルに叩くたびに、その場にいた魔獣たちが驚いて目を見開く。不安そうな鳴き声があちこちから聞こえてくる。
「みんな、ごめんなさい。でもいそがないと。」
俺はさらに速度を上げた。風が頬を切るように通り過ぎていく。
その時、空から大きな翼を持つ孔雀に似た魔獣が舞い降りてきた。まさかこの状況で食べられてしまう!?と一瞬恐怖がよぎったが、その魔獣は翼を広げ、強烈な風を巻き起こした。
「うわーーーーー!」
俺はその風に煽られ、勢いよく吹き飛ばされた。目を見開いたまま、風に流されるままに、体は宙を舞い、向かう先は光り輝く泉だった。
「いてててて…」
運よく、ふわりとした大きなキノコの上に落ちていた。柔らかな感触が衝撃を和らげ、思わずほっとする。
俺はハッと振り返り、両手を口の横に添えて叫んだ。
「まじゅうくん、ありがとう!」
一瞬でも食べられるかも、なんて思ってごめんね。大きな声でお礼を言い終えると、また走り出した。
「はぁ、はぁ、はぁ…ついた。」
大きな木の下を見ると、今日はたくさんの熟した果実が地面に転がっているのが見えた。
「よかった…」
俺は安堵の息を漏らしながら、果実を拾い、ねこちゃんの待つ場所へと急いだ。
するとまた、大きな風が吹きつけ、思わず目を閉じる。
「うっ……」
風が止んだのを感じて、そっと目を開けると、そこには大きな翼を持つ魔獣が立っていた。さっき助けてくれた孔雀に似た魔獣だ。
「さっきはありがとう」
俺は果実を両手で持ち、お礼を言いながらペコリと頭を下げた。
すると、魔獣は
「アーーーーーー」
と高く大きな咆哮を上げ、再び風が周囲を駆け巡る。俺の髪が風に揺れ、心臓が一瞬跳ねた。魔獣は俺に背を向け、低く身をかがめる。
「もしかして、のせてくれる?」
俺は驚きと期待を込めて声をかけた。
「アーーーーーー」
と、再び雄々しい声が響く。
「ありがとう!」
果実を片手に持ち直し、もう一度お礼を言った。そして、その孔雀に似た魔獣の背中に乗り込む。
凄い、飛んでいる。
空を飛ぶのは初めてで、感動が胸を満たした。
ふと、魔獣の翼を見た、羽は所々赤くキラキラと光っていた。もしかして、この羽は洗ったら綺麗になるのかな?
もしそうなら、洗いたいな…。
そんなことを考えていたら、ねこちゃんのところまで、あっと言う間に着いた。
「ありがとう!
…ちなみに、そのはねはよごれているの?」
「アーーーーーー」
「あらったらよごれおちる?」
「アー、アー、アー」と言いながら首を横に振っていた。
「そっか、おれいをしたいんだけど」
「アー、アー、アー」と言いながらまた首を横に振って、空高く飛び立っていった。
「あー、いっちゃった」
お礼はいらないってことかな。また、会えるといいな。
そう思いながら、見送った。
「ねこちゃん、またせてごめんね」
と言い頭を撫でた。
ねこちゃんの背中で横たわっているラファエル様を見ると、まだスヤスヤと眠っていた。俺はホッとして、持っていた果実を、落ちていた大きな葉っぱに包みこんだ。
この時、一枚の黒い羽が果実と一緒になっていたが、気づかずにそのまま包み込んでしまっていた。
俺は、葉っぱに包まれた果実をラファエル様のポケットにそっと入れた。
「よし、いこう。」
再び二人で出口へと向かった。出口に近づくにつれ、霧が濃く立ち込め、数メートル先も見えなくなってきた。すると、霧の中から人間の声が聞こえてきた。それも一人ではなく、たくさんの声だ。もしかして、ラファエル様を探しにフィオレンテ公爵家の騎士たちが来たのかな?
「ねこちゃん、ここでおろそう」
ねこちゃんの体はみるみるうちに小さくなり、最後はほとんど潰された状態から、にょっきりと顔を出した。出るのが苦しそうだったので、俺はねこちゃんの手を引っ張って助けた。
「ねこちゃん、ありがとう。からだだいじょうぶ?」
「ギャンギャン」
「よかった」
「あのね、そらにむかって、ひをふくことできる?
たくさん吹いてほしいな…」
「ギャンギャン」
そう吠えると、ねこちゃんは空に向かって勢いよく何発も火を吹いてくれた。炎が霧の水滴を蒸発させ、俺たちがいる場所はたちまち霧が晴れた。
「うまくいった!ありがとう、ねこちゃん」
俺はねこちゃんの頭をたくさん撫でた。
「公爵様!!団長!」
「向こうに人影が見えます!!」
「すぐ近くです!!」
少し先から人の声が聞こえてきた。
よかった。誰かが気づいてくれた。
見つかる前に早く戻ろう。俺はラファエル様をその場に残し、巣窟へと再び戻った。
フィオレンテ公爵夫人の病が治るよう祈りながら。
ラファエル様がどうして魔獣の巣窟にいるんだ?
驚きと共にだんだんと俺の肩や首が強ばり、焦燥感にかられる。
やっぱり俺は、何か重要なことを見落としているのかな?
その時、夢で見た小説の内容が断片的に頭に浮かんだ。
・・・
『「私たち公爵家は何度もその実を探しに行ったが、見つけることはできなかった。そればかりか、数多くの公爵家の騎士たちが無惨に命を落とした。」』
・・・
『ラファエル様の声は静かだったが、その言葉には深い悲しみが込められていた。彼の目は遠くを見つけ目、何かを思い出しているようだった。』
・・・
『「私の母はストーンスキン病に侵されていた。この病を治すには・・・・・・・にあるとされるエルドラの実を食べるしかない」』
・・・
ダメだ、重要な部分がぼんやりしている。
俺はもう一度、ゆっくりと、記憶を辿った。
「私の母はストーンスキン病に侵されていた。この病を治すには・・・・・・・にあるとされるエルドラの実を食べるしかない」
「この病を治すには・・・の・・・にあるとされるエルドラの実を食べるしかない」
「この病を治すには・・・の・・窟にあるとされるエルドラの実を食べるしかない」
「病を治すには魔・・の・・窟にあるとされるエルドラの実を食べるしかない」
「治すには魔獣の・・窟にあるとされるエルドラの実を食べるしかない」
俺の頭の中で同じ言葉がぐるぐると回り続けていた。まるで壊れたレコードのように、針が同じ溝を何度も繰り返し再生し、同じ部分が延々と流れ続ける。
「魔獣の巣窟にあるとされるエルドラの実を食べるしかない」
『魔獣の巣窟……』
『魔獣の巣窟』
『魔獣の巣窟』
頭の中で引っかかっていた糸がすっとほどけるような感覚が広がり、胸がどきどきと高鳴った。手を心臓に当て、その鼓動を確かめる。
まだスヤスヤと眠っているラファエル様をそっと見つめる。
「エルドラの実ってこのばしょにあったんだ」
「ねこちゃん、ちょっとここでまってて!」
俺は小さな歩幅で懸命に足を動かし、全速力である場所を目指して走っていた。
エルドラの実がどんなものなのか、実際に見たことがないから詳しくは知らない。
けど、一つだけ心当たりがあった。あの泉のそばに一本だけ高くそびえる巨大な木。大人数十人がかりでやっと囲めるほどの太さを誇るその木には、まるで宝石のように光り輝く果実が実る。
それを食べれば、たちまち元気になる。
俺は、泉へと急いだ。
小さな足が地面をリズミカルに叩くたびに、その場にいた魔獣たちが驚いて目を見開く。不安そうな鳴き声があちこちから聞こえてくる。
「みんな、ごめんなさい。でもいそがないと。」
俺はさらに速度を上げた。風が頬を切るように通り過ぎていく。
その時、空から大きな翼を持つ孔雀に似た魔獣が舞い降りてきた。まさかこの状況で食べられてしまう!?と一瞬恐怖がよぎったが、その魔獣は翼を広げ、強烈な風を巻き起こした。
「うわーーーーー!」
俺はその風に煽られ、勢いよく吹き飛ばされた。目を見開いたまま、風に流されるままに、体は宙を舞い、向かう先は光り輝く泉だった。
「いてててて…」
運よく、ふわりとした大きなキノコの上に落ちていた。柔らかな感触が衝撃を和らげ、思わずほっとする。
俺はハッと振り返り、両手を口の横に添えて叫んだ。
「まじゅうくん、ありがとう!」
一瞬でも食べられるかも、なんて思ってごめんね。大きな声でお礼を言い終えると、また走り出した。
「はぁ、はぁ、はぁ…ついた。」
大きな木の下を見ると、今日はたくさんの熟した果実が地面に転がっているのが見えた。
「よかった…」
俺は安堵の息を漏らしながら、果実を拾い、ねこちゃんの待つ場所へと急いだ。
するとまた、大きな風が吹きつけ、思わず目を閉じる。
「うっ……」
風が止んだのを感じて、そっと目を開けると、そこには大きな翼を持つ魔獣が立っていた。さっき助けてくれた孔雀に似た魔獣だ。
「さっきはありがとう」
俺は果実を両手で持ち、お礼を言いながらペコリと頭を下げた。
すると、魔獣は
「アーーーーーー」
と高く大きな咆哮を上げ、再び風が周囲を駆け巡る。俺の髪が風に揺れ、心臓が一瞬跳ねた。魔獣は俺に背を向け、低く身をかがめる。
「もしかして、のせてくれる?」
俺は驚きと期待を込めて声をかけた。
「アーーーーーー」
と、再び雄々しい声が響く。
「ありがとう!」
果実を片手に持ち直し、もう一度お礼を言った。そして、その孔雀に似た魔獣の背中に乗り込む。
凄い、飛んでいる。
空を飛ぶのは初めてで、感動が胸を満たした。
ふと、魔獣の翼を見た、羽は所々赤くキラキラと光っていた。もしかして、この羽は洗ったら綺麗になるのかな?
もしそうなら、洗いたいな…。
そんなことを考えていたら、ねこちゃんのところまで、あっと言う間に着いた。
「ありがとう!
…ちなみに、そのはねはよごれているの?」
「アーーーーーー」
「あらったらよごれおちる?」
「アー、アー、アー」と言いながら首を横に振っていた。
「そっか、おれいをしたいんだけど」
「アー、アー、アー」と言いながらまた首を横に振って、空高く飛び立っていった。
「あー、いっちゃった」
お礼はいらないってことかな。また、会えるといいな。
そう思いながら、見送った。
「ねこちゃん、またせてごめんね」
と言い頭を撫でた。
ねこちゃんの背中で横たわっているラファエル様を見ると、まだスヤスヤと眠っていた。俺はホッとして、持っていた果実を、落ちていた大きな葉っぱに包みこんだ。
この時、一枚の黒い羽が果実と一緒になっていたが、気づかずにそのまま包み込んでしまっていた。
俺は、葉っぱに包まれた果実をラファエル様のポケットにそっと入れた。
「よし、いこう。」
再び二人で出口へと向かった。出口に近づくにつれ、霧が濃く立ち込め、数メートル先も見えなくなってきた。すると、霧の中から人間の声が聞こえてきた。それも一人ではなく、たくさんの声だ。もしかして、ラファエル様を探しにフィオレンテ公爵家の騎士たちが来たのかな?
「ねこちゃん、ここでおろそう」
ねこちゃんの体はみるみるうちに小さくなり、最後はほとんど潰された状態から、にょっきりと顔を出した。出るのが苦しそうだったので、俺はねこちゃんの手を引っ張って助けた。
「ねこちゃん、ありがとう。からだだいじょうぶ?」
「ギャンギャン」
「よかった」
「あのね、そらにむかって、ひをふくことできる?
たくさん吹いてほしいな…」
「ギャンギャン」
そう吠えると、ねこちゃんは空に向かって勢いよく何発も火を吹いてくれた。炎が霧の水滴を蒸発させ、俺たちがいる場所はたちまち霧が晴れた。
「うまくいった!ありがとう、ねこちゃん」
俺はねこちゃんの頭をたくさん撫でた。
「公爵様!!団長!」
「向こうに人影が見えます!!」
「すぐ近くです!!」
少し先から人の声が聞こえてきた。
よかった。誰かが気づいてくれた。
見つかる前に早く戻ろう。俺はラファエル様をその場に残し、巣窟へと再び戻った。
フィオレンテ公爵夫人の病が治るよう祈りながら。
60
あなたにおすすめの小説
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる
七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。
だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。
そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。
唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。
優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。
穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。
――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。
悪役令息(Ω)に転生したので、破滅を避けてスローライフを目指します。だけどなぜか最強騎士団長(α)の運命の番に認定され、溺愛ルートに突入!
水凪しおん
BL
貧乏男爵家の三男リヒトには秘密があった。
それは、自分が乙女ゲームの「悪役令息」であり、現代日本から転生してきたという記憶だ。
家は没落寸前、自身の立場は断罪エンドへまっしぐら。
そんな破滅フラグを回避するため、前世の知識を活かして領地改革に奮闘するリヒトだったが、彼が生まれ持った「Ω」という性は、否応なく運命の渦へと彼を巻き込んでいく。
ある夜会で出会ったのは、氷のように冷徹で、王国最強と謳われる騎士団長のカイ。
誰もが恐れるαの彼に、なぜかリヒトは興味を持たれてしまう。
「関わってはいけない」――そう思えば思うほど、抗いがたいフェロモンと、カイの不器用な優しさがリヒトの心を揺さぶる。
これは、運命に翻弄される悪役令息が、最強騎士団長の激重な愛に包まれ、やがて国をも動かす存在へと成り上がっていく、甘くて刺激的な溺愛ラブストーリー。
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
ユィリと皆の動画つくりました! お話にあわせて、ちょこちょこあがる予定です。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる