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魔獣の巣窟
第九夜 おまけ
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俺は人間たちとどこでばったりと会ってもいいように対策を練ることにした。
まず、髪!
これは布をかぶればいい。魔獣の巣窟には最近たくさんの落とし物がある。
それは魔獣狩りに来た人間たちのもの。
その中にクロークが落ちていたことがあったので、それをいくつか拾ってしまっておいた。
早速それを頭から被ってみる。
俺は泉の前に行き、水に映る自分の姿を見た。
よし、いい感じだ。
ただ、てるてる坊主みたいになってる。
でも黒だから
「クロてるぼうず?」と首を傾げた。
木陰にいたねこちゃんは不思議そうに俺を見て、ぴょーんとどこかへ行ってしまった。
よし、次だ。
次は、目!
これも布を顔まで覆えばいいのか?
頭に被っていた布をそのまま顔まで引っ張った。だめだ、周りが見えなくなる。
そうだ、目の部分にだけ布に穴をあけよう。そうすれば、視界を確保できるはず。
俺は先端が尖った木の枝をしっかりと握りしめ、布に力を込めて押しつけた。
回転させながら押し込み、穴を広げる。同じ方法で、少し離れた場所に二つ目の穴をあけた。
これで、よし。
俺はまた泉の前に行き、水に映る自分の姿を見た。すると、水に映る自分とバッチリ目が合った。あれ? これじゃ黒目だとバレてしまわないか?失敗だ。
うーん、どうしたものか…。
そうだ!何かいい落とし物がないか探しに行こう。甲冑とかあればいいな。
昨日魔獣狩りがあった場所。そこへと向かった。
ちなみに、ねこちゃんは最近、狩りじゃないときでもどこかへ行ってしまうことが多くなった。
怪我をして帰ってくることもあり、心配だった。俺は物語の通りに進んでしまわないか、不安になり、ねこちゃんに一緒について行くと言ったが、だめだと断られてしまったこともある。
「それだけ、きけんなことをしているのかな」
俺は胸のざわつきを必死で抑えて、昨日魔獣狩りがあった場所へと急いだ。
戦いの痕跡がまだ新しく、地面には魔獣の巨大な足跡や、戦いの際に折れた枝が散乱している。風に乗って漂う血の匂いは、まだ消えていない。辺りはまだ、何かを警戒しているような感覚だった。
まずは手を合わせて黙祷を捧げた。
ここで亡くなった命が安らかに眠れるように祈りながら静かに目を閉じた。
祈りを終えて、俺は辺りを見回した。やはり、たくさんの落とし物があった。その中で、俺のお目当ての甲冑もあった。それを拾い頭に被ろうとしたが、あまりの重さに頭まで持っていけなかった。
「だめだ。おもたすぎる」
俺は甲冑をその場に置き、違う物を探すことにした。その時、俺はあるものが目に入った。
「ナイフだ」
ずっと欲しかったんだよね。あると、かなり便利だ!俺はナイフをポケットにしまった。
再び辺りを見回した。それにしても、昨日はここで戦いがあったのに、亡骸一つない。 何でだろう?
確か物語に説明があった。
魔獣たちは致命傷を受けると煙になって消えるが、極々たまにその場に残ったりもする。でも、ほとんどは人間が持ち帰ってしまう。使い道は様々で、魔獣のものは何でも高値で売買されている。もちろん、自分の功績を飾るために持ち帰る人もいる。
じゃあ、人間たちは?
高い魔力を持った人がここを訪れても、生還する人はごく僅か。だから、あると思って覚悟を決めてきたんだけどな…。でも、ないに越したことはない。
もしかして魔獣くんたちが一滴残らず、美味しく食べちゃったのか?俺はその場面を想像して身震いをした。
「まじゅうくんたちもようしゃないな」
俺はそんなことを思いつつ、また目が隠せる物を探した。
けれど、目を隠せそうなものは見つからなかった。 辺りは暗くなっていて、魔獣たちが明るい時よりも活発に動き始めている。
「きょうは、もうかえろうかな」
ねこちゃんがいない時は、必ず泉へと帰ると俺は決めている。 ねこちゃんが心配して、俺を探し回ってしまうからだ。
泉へ帰ると、ねこちゃんが待っていた。 口元には大きな木をくわえていた。
ねこちゃんは大きな木をくわえたまま俺の目の前にやってきた。
「ぼくにくれるの?」
「ギャンギャン」
「ありがとう?」
でも何でこんな大きな木を?
俺はねこちゃんから木を受け取った。
受け取った木は少し柔らかかった。
ポケットの中にあるナイフ。
俺はピーーン!とひらめいた。
「ねこちゃんありがとう!」
「ギャンギャン」
俺はねこちゃんにもう一度お礼を言った。
まず、髪!
これは布をかぶればいい。魔獣の巣窟には最近たくさんの落とし物がある。
それは魔獣狩りに来た人間たちのもの。
その中にクロークが落ちていたことがあったので、それをいくつか拾ってしまっておいた。
早速それを頭から被ってみる。
俺は泉の前に行き、水に映る自分の姿を見た。
よし、いい感じだ。
ただ、てるてる坊主みたいになってる。
でも黒だから
「クロてるぼうず?」と首を傾げた。
木陰にいたねこちゃんは不思議そうに俺を見て、ぴょーんとどこかへ行ってしまった。
よし、次だ。
次は、目!
これも布を顔まで覆えばいいのか?
頭に被っていた布をそのまま顔まで引っ張った。だめだ、周りが見えなくなる。
そうだ、目の部分にだけ布に穴をあけよう。そうすれば、視界を確保できるはず。
俺は先端が尖った木の枝をしっかりと握りしめ、布に力を込めて押しつけた。
回転させながら押し込み、穴を広げる。同じ方法で、少し離れた場所に二つ目の穴をあけた。
これで、よし。
俺はまた泉の前に行き、水に映る自分の姿を見た。すると、水に映る自分とバッチリ目が合った。あれ? これじゃ黒目だとバレてしまわないか?失敗だ。
うーん、どうしたものか…。
そうだ!何かいい落とし物がないか探しに行こう。甲冑とかあればいいな。
昨日魔獣狩りがあった場所。そこへと向かった。
ちなみに、ねこちゃんは最近、狩りじゃないときでもどこかへ行ってしまうことが多くなった。
怪我をして帰ってくることもあり、心配だった。俺は物語の通りに進んでしまわないか、不安になり、ねこちゃんに一緒について行くと言ったが、だめだと断られてしまったこともある。
「それだけ、きけんなことをしているのかな」
俺は胸のざわつきを必死で抑えて、昨日魔獣狩りがあった場所へと急いだ。
戦いの痕跡がまだ新しく、地面には魔獣の巨大な足跡や、戦いの際に折れた枝が散乱している。風に乗って漂う血の匂いは、まだ消えていない。辺りはまだ、何かを警戒しているような感覚だった。
まずは手を合わせて黙祷を捧げた。
ここで亡くなった命が安らかに眠れるように祈りながら静かに目を閉じた。
祈りを終えて、俺は辺りを見回した。やはり、たくさんの落とし物があった。その中で、俺のお目当ての甲冑もあった。それを拾い頭に被ろうとしたが、あまりの重さに頭まで持っていけなかった。
「だめだ。おもたすぎる」
俺は甲冑をその場に置き、違う物を探すことにした。その時、俺はあるものが目に入った。
「ナイフだ」
ずっと欲しかったんだよね。あると、かなり便利だ!俺はナイフをポケットにしまった。
再び辺りを見回した。それにしても、昨日はここで戦いがあったのに、亡骸一つない。 何でだろう?
確か物語に説明があった。
魔獣たちは致命傷を受けると煙になって消えるが、極々たまにその場に残ったりもする。でも、ほとんどは人間が持ち帰ってしまう。使い道は様々で、魔獣のものは何でも高値で売買されている。もちろん、自分の功績を飾るために持ち帰る人もいる。
じゃあ、人間たちは?
高い魔力を持った人がここを訪れても、生還する人はごく僅か。だから、あると思って覚悟を決めてきたんだけどな…。でも、ないに越したことはない。
もしかして魔獣くんたちが一滴残らず、美味しく食べちゃったのか?俺はその場面を想像して身震いをした。
「まじゅうくんたちもようしゃないな」
俺はそんなことを思いつつ、また目が隠せる物を探した。
けれど、目を隠せそうなものは見つからなかった。 辺りは暗くなっていて、魔獣たちが明るい時よりも活発に動き始めている。
「きょうは、もうかえろうかな」
ねこちゃんがいない時は、必ず泉へと帰ると俺は決めている。 ねこちゃんが心配して、俺を探し回ってしまうからだ。
泉へ帰ると、ねこちゃんが待っていた。 口元には大きな木をくわえていた。
ねこちゃんは大きな木をくわえたまま俺の目の前にやってきた。
「ぼくにくれるの?」
「ギャンギャン」
「ありがとう?」
でも何でこんな大きな木を?
俺はねこちゃんから木を受け取った。
受け取った木は少し柔らかかった。
ポケットの中にあるナイフ。
俺はピーーン!とひらめいた。
「ねこちゃんありがとう!」
「ギャンギャン」
俺はねこちゃんにもう一度お礼を言った。
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