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第一部 ハンター初心者編
第23話 杖ゴーレム
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そろばんの売り上げのチェックの為に訪れた商業ギルドはいつも通りで商人らしき人がごった返していた。
「すいません、口座の残高を調べに来ました」
「口座番号と合言葉とここにサインをお願いします」
しばらく受付嬢が奥の机で作業する。
「残高は五百十八万リルです」
ということは大金貨五枚を超えている。
驚きだこんなに儲かっているとは詳しい話を聞かねば。
「すいません、会う約束はないのですが、クリフォードさんを呼んでもらえますか」
「二番応接室でお待ちください」
しばらく待つとクリフォードさんがやって来た。
「こんにちは、お忙しいと思いましたがそろばんの状況が知りたくなりまして」
「もの凄い売れてます。今は月産二万個を目標にしています」
挨拶も忘れ。もの凄く興奮した様子で話す。
「二万個というと権利料がミスリル貨一枚ということですね。今の売り上げですと権利を担保にどれぐらい借りられそうです?」
「そうですね。今ならミスリル貨十枚はいけると思います」
「そうですか。それでですねミスリルの武器を作りたいのですが、どれぐらいになるか分かります?」
「商業ギルドは材料も扱っているから分かります。剣ですとインゴット二つぐらいですからミスリル貨二枚となります」
「そうですか、借金したいので貸付の担当を呼んでもらえますか」
担当を呼んでもらい、今までの借金を返し新たにミスリル貨二枚の借金をする。
帰りに窓口でミスリルのインゴットを買う手続きをし、在庫は有ったみたいで問題なく売ってもらえた。
背負い鞄にミスリルの重さを感じながらホクホク顔で帰る。
前々から考えていた。
泥魔術師ゴーレムを進化させるのはどうしたらいいのか。
ミスリルでゴーレムを作れば解決する。
しかし、ミスリルは高い人間大のゴーレムを作るにはとても個人では賄えない。
トレントゴーレムを作る事も考えたが、反射神経がたぶんついていかない。
武術の才能も無い事だし性能を充分には引き出せないと思う。
リビングのテーブル上にミスリルのインゴットを出して眺めながら思う。
ようやく六千万円のゴーレムが作れるようになった。
ゴーレム使いは本当に金食い虫だ。
お金の面を考えると微妙な能力に思う。
よし、ゴーレムを作るぞ。
ゴーレム作成のスキルを発動する。
出来上がったのは杖型のミスリルゴーレムだ。
人間大のゴーレムが作れないから、妥協案だがしょうがない。
草原でまずは杖ゴーレムで炎の矢を放つ。
うん大きさが五割増しぐらいになった。
だいぶ効率が上がっている。
魔力量を絞って炎の矢を放ち。
いつも使っているぐらいに調整した。
明日は杖ゴーレムの実戦だ。
「おはよう、二人とも狩りに行くぞ」
「おはよごす」
「おはようございます。あれ今日は泥魔術師ゴーレムは連れていかないのです?」
「今日はこれを使う」
ベルトに差した杖ゴーレムを叩く。
「それが泥魔術師ゴーレムの代わりですか」
「魔力効率が良くなっている。持ち運びも便利だ」
「高がったんだか。また無駄遣いして」
ローレッタ、お前は俺の妻じゃないだろ。
「ああっ全部ミスリルだ。さっさといくぞ」
オークの領域で獲物を探す。
「あちらに魔獣がいます」
フィオレラの魔力探知に獲物が掛かる。
その方向にいくが、魔獣のいる所の景色が歪んでいる。
この獲物はたぶんミラージュスネークだ。
光を魔術で屈折させ姿を隠している。
だが、よく見ると輪郭が分かった。
「ミラージュスネークだ。フィオレラ、薄いトーチカと鉄条網だ」
この魔獣は基本待ち伏せだから遠距離攻撃の良い的だ。
分析すれば位置は丸分かりになる。
「攻撃するぞ。ローレッタは手を出さないでくれ」
木に巻きついているミラージュスネークに炎の矢を撃つ。
炎の矢は胴体に当たり爆発音を響かせる。
三回炎の矢を当てたところボテッと木から落ちた。
シュルシュルと胴体をくねらせ近寄ってくる。
炎の矢のつるべ撃ちで迎え撃つ。
何発か外したが当然ミラージュスネークは事切れている。
何時もは魔力が切れるまでいつもは七発しか撃てないのを二十五発撃てた。
今までの三倍以上の魔力効率だ。
「一段ど攻撃力が上がったの」
ローレッタが感心したように言う。
「魔石を取って休んだら次にいくぞ」
魔力を回復させ休憩を取ってから次の獲物に向かう。
「魔獣がいました。すぐそばです」
次の獲物はロックキャタピラーだった。
岩の皮膚を持つでかい芋虫でこいつは固いのが特徴だ。
遅いから遠距離攻撃の練習にはちょうど良い。
「ああロックキャタピラーだ。厚いトーチカだ」
トーチカの中から最大魔力で炎の槍を撃つ。
ものすごい爆発音がした。
いつもは炎の槍に四発ぐらい耐えるのに一発で沈んだ。
「ほえーー、これはずいぶん凶悪になったの」
驚きながらローレッタが言う。
「師匠すごいです。これならオークでも一発ですね。この辺の魔獣は相手にならないのでは」
「魔石を取ったら、次いくぞ」
少し強くなったのが分かった。少し報われた気がする。
休憩し次の魔獣に向かう。
「つぎはオークか。フィオレラ、厚いトーチカだ」
今度は炎の槍を撃つ、腹に当たって爆発を撒き散らす。
もう一発か。
今度の炎の槍は胸に当たる。
オークはだいぶ苦しそうだ。
もう一発撃つと小振りな炎の槍が出た。
魔力切れだ。
炎の槍は腕に当たりダメージは無いように見える。
オークは大剣を振りかぶりトーチカを破壊しようと必死の形相で走ってきた。
魔石から魔力を回復させ最大魔力で炎の槍を撃つ。
炎の槍は大剣を吹き飛ばし。
更にオークの頭の半分が吹き飛んだ。
完全にオーバーキルだ。
「よし休んだらオークと大剣を持って帰るぞ」
小さいとは言え杖ゴーレムはミスリルゴーレムだ。
泥魔術師ゴーレムとは雲泥の差。
この狩場にいるのはハンターランクCとDが多い。
今の攻撃力でランクCの実力があると思いたいな。
金を貰う為ハンターで混雑しているギルドを訪れた。
突然人垣が割れて皆、遠巻きにしている。
いったい、どうしたんだ。
心なし、みんなが羨ましそうな目で見ている。
視線は杖ゴーレムに向けられていた。
まずったかとも思うが、どうせ有名になるなら今注目を浴びても問題ないだろうと思い直す。
「ちょっといいか。その杖はミスリルだろ。どうやったんだ」
突然知らない人に話しかけられた。
無視しても良いが適当にいい訳するか。
「商売で儲けたんだ。足りない分は借金だ」
「商売か知恵のある奴はいいな。邪魔したな」
魔導金属の武器は金額からいってきっと上級者しか持てないのだろう。
まあいいか上級者にはその内なる予定だ。
「すいません、口座の残高を調べに来ました」
「口座番号と合言葉とここにサインをお願いします」
しばらく受付嬢が奥の机で作業する。
「残高は五百十八万リルです」
ということは大金貨五枚を超えている。
驚きだこんなに儲かっているとは詳しい話を聞かねば。
「すいません、会う約束はないのですが、クリフォードさんを呼んでもらえますか」
「二番応接室でお待ちください」
しばらく待つとクリフォードさんがやって来た。
「こんにちは、お忙しいと思いましたがそろばんの状況が知りたくなりまして」
「もの凄い売れてます。今は月産二万個を目標にしています」
挨拶も忘れ。もの凄く興奮した様子で話す。
「二万個というと権利料がミスリル貨一枚ということですね。今の売り上げですと権利を担保にどれぐらい借りられそうです?」
「そうですね。今ならミスリル貨十枚はいけると思います」
「そうですか。それでですねミスリルの武器を作りたいのですが、どれぐらいになるか分かります?」
「商業ギルドは材料も扱っているから分かります。剣ですとインゴット二つぐらいですからミスリル貨二枚となります」
「そうですか、借金したいので貸付の担当を呼んでもらえますか」
担当を呼んでもらい、今までの借金を返し新たにミスリル貨二枚の借金をする。
帰りに窓口でミスリルのインゴットを買う手続きをし、在庫は有ったみたいで問題なく売ってもらえた。
背負い鞄にミスリルの重さを感じながらホクホク顔で帰る。
前々から考えていた。
泥魔術師ゴーレムを進化させるのはどうしたらいいのか。
ミスリルでゴーレムを作れば解決する。
しかし、ミスリルは高い人間大のゴーレムを作るにはとても個人では賄えない。
トレントゴーレムを作る事も考えたが、反射神経がたぶんついていかない。
武術の才能も無い事だし性能を充分には引き出せないと思う。
リビングのテーブル上にミスリルのインゴットを出して眺めながら思う。
ようやく六千万円のゴーレムが作れるようになった。
ゴーレム使いは本当に金食い虫だ。
お金の面を考えると微妙な能力に思う。
よし、ゴーレムを作るぞ。
ゴーレム作成のスキルを発動する。
出来上がったのは杖型のミスリルゴーレムだ。
人間大のゴーレムが作れないから、妥協案だがしょうがない。
草原でまずは杖ゴーレムで炎の矢を放つ。
うん大きさが五割増しぐらいになった。
だいぶ効率が上がっている。
魔力量を絞って炎の矢を放ち。
いつも使っているぐらいに調整した。
明日は杖ゴーレムの実戦だ。
「おはよう、二人とも狩りに行くぞ」
「おはよごす」
「おはようございます。あれ今日は泥魔術師ゴーレムは連れていかないのです?」
「今日はこれを使う」
ベルトに差した杖ゴーレムを叩く。
「それが泥魔術師ゴーレムの代わりですか」
「魔力効率が良くなっている。持ち運びも便利だ」
「高がったんだか。また無駄遣いして」
ローレッタ、お前は俺の妻じゃないだろ。
「ああっ全部ミスリルだ。さっさといくぞ」
オークの領域で獲物を探す。
「あちらに魔獣がいます」
フィオレラの魔力探知に獲物が掛かる。
その方向にいくが、魔獣のいる所の景色が歪んでいる。
この獲物はたぶんミラージュスネークだ。
光を魔術で屈折させ姿を隠している。
だが、よく見ると輪郭が分かった。
「ミラージュスネークだ。フィオレラ、薄いトーチカと鉄条網だ」
この魔獣は基本待ち伏せだから遠距離攻撃の良い的だ。
分析すれば位置は丸分かりになる。
「攻撃するぞ。ローレッタは手を出さないでくれ」
木に巻きついているミラージュスネークに炎の矢を撃つ。
炎の矢は胴体に当たり爆発音を響かせる。
三回炎の矢を当てたところボテッと木から落ちた。
シュルシュルと胴体をくねらせ近寄ってくる。
炎の矢のつるべ撃ちで迎え撃つ。
何発か外したが当然ミラージュスネークは事切れている。
何時もは魔力が切れるまでいつもは七発しか撃てないのを二十五発撃てた。
今までの三倍以上の魔力効率だ。
「一段ど攻撃力が上がったの」
ローレッタが感心したように言う。
「魔石を取って休んだら次にいくぞ」
魔力を回復させ休憩を取ってから次の獲物に向かう。
「魔獣がいました。すぐそばです」
次の獲物はロックキャタピラーだった。
岩の皮膚を持つでかい芋虫でこいつは固いのが特徴だ。
遅いから遠距離攻撃の練習にはちょうど良い。
「ああロックキャタピラーだ。厚いトーチカだ」
トーチカの中から最大魔力で炎の槍を撃つ。
ものすごい爆発音がした。
いつもは炎の槍に四発ぐらい耐えるのに一発で沈んだ。
「ほえーー、これはずいぶん凶悪になったの」
驚きながらローレッタが言う。
「師匠すごいです。これならオークでも一発ですね。この辺の魔獣は相手にならないのでは」
「魔石を取ったら、次いくぞ」
少し強くなったのが分かった。少し報われた気がする。
休憩し次の魔獣に向かう。
「つぎはオークか。フィオレラ、厚いトーチカだ」
今度は炎の槍を撃つ、腹に当たって爆発を撒き散らす。
もう一発か。
今度の炎の槍は胸に当たる。
オークはだいぶ苦しそうだ。
もう一発撃つと小振りな炎の槍が出た。
魔力切れだ。
炎の槍は腕に当たりダメージは無いように見える。
オークは大剣を振りかぶりトーチカを破壊しようと必死の形相で走ってきた。
魔石から魔力を回復させ最大魔力で炎の槍を撃つ。
炎の槍は大剣を吹き飛ばし。
更にオークの頭の半分が吹き飛んだ。
完全にオーバーキルだ。
「よし休んだらオークと大剣を持って帰るぞ」
小さいとは言え杖ゴーレムはミスリルゴーレムだ。
泥魔術師ゴーレムとは雲泥の差。
この狩場にいるのはハンターランクCとDが多い。
今の攻撃力でランクCの実力があると思いたいな。
金を貰う為ハンターで混雑しているギルドを訪れた。
突然人垣が割れて皆、遠巻きにしている。
いったい、どうしたんだ。
心なし、みんなが羨ましそうな目で見ている。
視線は杖ゴーレムに向けられていた。
まずったかとも思うが、どうせ有名になるなら今注目を浴びても問題ないだろうと思い直す。
「ちょっといいか。その杖はミスリルだろ。どうやったんだ」
突然知らない人に話しかけられた。
無視しても良いが適当にいい訳するか。
「商売で儲けたんだ。足りない分は借金だ」
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