ゴーレム使いの成り上がり

喰寝丸太

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第二部 成り上がり編

第54話 無限魔力

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 さて課題のどれから手につけようか。
 その前に加速砲の砲弾を誘導弾で作ってもらう。
 速度が出るのであまり誘導には期待できないが、いくらかでも加速砲の命中率が上がればいい。



 課題の魔力かそういえば封印の時イメージを食わせるだったか。
 食わせるって生物的だよな。
 魔力の正体って生命体だったりして案外まと外れでもないかも。
 思念を餌に動く生命体で生き物と共生しているのか。
 という事は魔導金属も生命体で魔石も同じか。
 魔石が取り出しても機能するのは魔獣に寄生している生命体ってところか。



 魔力疲労って何故起こる。
 生物だとすると同じ種類なんだけど、群れが違うという事で喧嘩になる生物っているよな。
 そういう事か喧嘩にはなるけど、殺し合いはせず三十分ぐらいで仲良くなると。
 つまり、仲間が入って来たと錯覚させれば喧嘩は起きないのかも。
 このイメージでアビリティできないかな。
 試してみるか。

 フィオレラに魔石に充填してもらい。
 俺の魔力すなわち仲間に錯覚させて吸収する。
 つまり識別信号だ。
 魔石の魔力出している識別信号を俺から出させるイメージをした。
 おおっ、魔力疲労が起きない。
 成功だ。
 これで少しはローレッタが楽になるかな。



 そういえば吸光の時、スキルになったら、効率が良すぎると言っていた。
 フィオレラに吸光のスキルを使ってもらい分析してみる。
 光を思念に変換して魔力を集めているぞ。
 通りでアビリティの時に回復量が少ない訳だ。
 イメージが違っていたのだな。



 そうだ、フィオレラの魔力操作が上手いし回復が早いのはなんでだ。
 俺はいくら訓練しても身につかない。
 何か隠されているのかも。
 可能性があるとすればイメージだ。
 聞いてみるか。

「フィオレラ魔力を静かにさせる時に何を考えていた」
「魔力が悪い物だと思っていたので楽しい感情を食わせてやろうと。楽しい思い出を強く考えてました」
「いまでもそうなの?」
「癖になっているので魔力を動かす時は楽しい事を強く思ってます」

 そうか餌だな。
 動けというイメージだけでも魔力は動くけど、感情を餌にすれば効率よく動かせるのか。
 回復も吸光も同様だな。
 餌につられて集まる。

「フィオレラ魔力を生き物だと思って楽しい思いを食わせてやって集めてみてくれ」
「やってみます。楽しいよこっち来い。ふふふ」



「なんか変わりがあるか。調べてみてくれ」
「【魔力鑑定】【スキル鑑定】スキルが増えてます。無限魔力です」

 無限魔力か凄いのが来た。

「魔力を空にして発動してみてくれ」

 魔石に魔力を移してから発動するようだ。

「【無限魔力】【魔力鑑定】あれ魔力あまり増えてません」
「楽しい事考えた?」
「そうでした。【無限魔力】【魔力鑑定】魔力が全部回復しました」
「俺もほしい。アビリティで試してみよう」
 魔石に魔力を移す。楽しい事を強く考える。魔力に思いを食わせて集めるよしイメージした。

「【スキル鑑定】スキルが発動しない。という事は魔力が集まっていない」

 なんだ何が悪いんだ。思いの力が足りてないのか。



 強い思いねぇ。
 楽しいのでは駄目だ。
 ではなんだ悲しみ憎しみ怒り駄目だ。
 今までの人生で強く思ったことが無い。

 そうだエロで行こう。
 エロなら強く思った事がある。
 今まで見てきたエロ画像や別れた恋人とのあれこれを思いながら魔力を集める。

「【スキル鑑定】無限魔力がある。やったぞ」

 ローレッタにも教えてやらねば。

「ローレッタちょっと来てくれ」

 無限魔力の話をする。

「やってみる。魔石に充填して楽し事、楽し事どんだ」
「フィオレラ、魔力鑑定してみてくれ」
「【魔力鑑定】残り魔力は有りません」

「ローレッタ今までの人生で強く思った事とか無いのか?」
「貧乏だったはんで村の生活は楽しさや面白さどは無縁だ。人ば恨んだりえへだりした事もねだ」
「そうかローレッタには無理なのか。後で考えるとしよう。そうだもう一個ある」

 魔力疲労を起こさない魔力吸収の話をする。

「よし、フィオレラの魔力を吸収してみろ」
「できだ。魔力疲労は無ぇだ」
「成功だ。これでいくらかましだろう」



 この無限魔力どうなんだ。
 魔力を増やしたいと思った時散々さがしたけど、見つからなかった。
 秘匿されているのか。
 王族のみ伝えられてるとか。
 特大にやばい案件じゃないだろうな。
 分析もやばそうだけど、分析はスキルの報告の時教会長に話した。
 魔力ゴーレムもあぶなそう。
 でも神罰は食らってないから、禁忌ではないのか。
 どうしよう教会長にでも相談するか。
 一応相談してみるか。



「フィオレラ、教会に行くけど、どうする」
「ご一緒します」
「ローレッタ、留守番を頼む」
「はい、行ってこい」

 教会を目指して二人で歩く。

「教会はずいぶん久しぶりの様な気がする。真偽官以来か」
「私も久しぶりです」
「のんびり行くか」



 途中でウィンドウショッピングしながら教会に行く。
 教会の中に入りそばにいた女性の神官に教会長を呼んでもらう。
 しばらくたって通された部屋に教会長がやってきた。

「ご無沙汰しております。とつぜん押しかけてすみません」
「お久しぶりです。教会長もお変わりなく」
「硬い挨拶はいいですから、今日は何でしょう」
「実はスキルを得まして。それと特殊なゴーレムを作ったのですが、如何な物かと相談に来ました」
「スキルの方から伺いましょう」
「無限魔力と「もう結構です」いいまして」

 教会長が険しい顔で口を挟んでくる。



「それは禁忌です。獲得に到った経緯とか話さないで下さい。私にはこの事に対する権限が一切ありません」
「危険なのですか?」
「話せる事だけ言いますと。そのスキルを持った者は大破壊を起こすと言われています」

 凡人が成り上がりを目指すのだから、やりすぎ位がちょうど良いと思っていた。しかし、うぁーやっちまった。

「危ないスキルなのですね。フィオレラとんでも無い事に巻き込んだすまない」

 フィオレラは意を決したような声で口を開く。

「しょうがないです。死ぬ時は一緒ですからね」

 どんな厄介ごとも全部受けて立つ覚悟なのだろう。
 俺はへたれだからこういう時はおたおたしてしまう。

「それで私達はどうなります」
「無限の魔力というキーワードを聞いた神官は教王庁に報告する事になっています」
「連絡待ちという事ですか?」
「町の外に行かずに。そのスキルも使わないで下さい。連絡は追ってします」
「分かりました大人しくしておきます。それと稀人である事とスキルの獲得は秘密にしたいのですが、分析は構いません」
「それは報告しないでおきます」
「お手数掛けます」

 暗澹あんたんたる気持ちで教会から帰る。
 とんでも無い事になった。
 どうしよう。
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