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第二部 成り上がり編
第59話 ドラゴン
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「おはよう、ローレッタ、今日は早いな」
「おはよごす」
二人の間に微妙な空気が流れている気がする。
思い切って聞きたい事をぶっちゃけるとしよう。
「なぁもしパーティ抜けたいと考えているのだったら、早めに言ってくれ」
少し憤慨した様子のローレッタ。
「それはで出で行けって事だが」
怒ったと思ったら、今度は悲しそうな顔になる。
残りたいのかはっきり聞くべきだ。
「いや残りたいのだったら、いつまでも居てくれて構わない」
「恩も返してねですし、こなったら責任取って誰かい人紹介してけ」
立ち直りが早いなローレッタ。誰か適当な人いたか。
「責任も何も、まあ考えとく」
「おはよう諸君」
ビオンダさんが話しかけてきた。
「おはようございます」
「おはよごす」
「なにやら取り込み中みたいだが」
微妙な空気を感じ取った様子だ。
ただの脳筋ツンデレではないのだな。
「いいんです。それで何か?」
「昨晩遅く教会から密書が来てな。どうやら任務は継続らしい。無限魔力は町中では使うなというお達しだ」
「町中という事は外では使って良いという事ですか?」
町の外ならスキルが暴走しても良いだなんて俺達に勝手に死ねと言ってるか。
教会への印象が悪くなった。
「神から賜ったスキルを教会が制限するのはけしからんという考えだ。上も何を考えているやら」
「町中は暴発の危険が責任持てないから禁止すると相当疎まれていますねビオンダさん」
無表情なビオンダさん。
表情からは心を窺うことはできない。
俺が想像するに腸が煮えくり返っているのだろう。
どこかで鬱憤が晴らせる機会があればいいな。
「死んでもいいと思われているらしい」
「町の外でもなるべく使いません。危険は避けたいですから、命の危機にはしょうがないですけど」
「私も命は惜しい。くれぐれも慎重に行動してくれ」
「分かりました」
ハンターギルドでBランク昇格の手続きをする。
それから俺達四人パーティはオーガの領域で狩りを行った。
ローレッタとビオンダさんは銃の扱いに慣れ、強敵でなければ俺の出番は無い程になる。
出番が来ても魔力ゴーレムの敵はいない。
五日ほど経った時、ギルドに緊急の知らせが舞い込んだ。
なんとドラゴンが町に向かっているらしい。
逃げ出す事も考えなくては思っていたところ詳細が分かった。
ドラゴンはワイバーンの卵を狙って巣に突撃したらしい。
ワイバーンは四十匹ぐらい居たようでドラゴンは撃退された。
ドラゴン最強生物じゃなかったのか。
数には勝てないのか。
そんなものか。
ドラゴンは翼に怪我を負い飛べなくなり歩いて町に向かっているらしい。
ギルドマスターに呼ばれる。
そろそろお呼びが掛かるのではないかと思っていた。
「よく来たなシロク強制依頼だ」
「ドラゴンですか?」
「そうだ魔法使いだから飛べないドラゴンなどいい様にできるだろ」
「そんな事言われても一人ではなんとも」
「Aランクパーティには召集を掛けて承諾してもらい。魔法使いギルドにも声を掛け。領主からはミスリルゴーレムを出して貰った」
豪華メンバーだな町の存続が掛かっているとなれば当たり前か。
「何をすればいいんですか?」
「ストーンタートルを吹き飛ばした攻撃で援護して欲しい」
ストーンタートル、そうか亀の魔物の事かあの攻撃だと加速砲だな。
「いいですけど、三百メートルは離れていないと」
「隙を狙って後ろから援護してくれ。味方には当てるなよ」
「分かりました。この依頼受けます」
強制依頼だから拒否権はないのだけど、積極性をアピールしておく。
家に帰り依頼の話をする。
「大丈夫だと思うが、もしもの時は遺産の相続はフィオレラに全ていくようにした。ローレッタにも分けてやって欲しい」
「師匠、生きて帰って下さい」
「約束のい人待ってらはんで」
「短い付き合いだった。変人だったが嫌いではなかったぞ」
ビオンダさんが酷いがたぶん別れが辛気臭くならない様に配慮したのだろう。
ビオンダさんなりのジョークだと思いたい。
「殺さないで下さいビオンダさん、それでは行ってくる」
オークの領域に行き言われた配置に付く。
木をなぎ倒し、足音を響かせドラゴンはやって来た。
でかいな十メートルはありそうだ。
翼がボロボロになっていた。
前足と胴体にも傷がある。
三人の魔法使いが攻撃を始め戦いの火蓋が切って落とされた。
魔法は魔力障壁に阻まれた。
やっぱりそうなるか。
ミスリルゴーレムがオリハルコンの大盾を持ちタンク役を務める。
戦士は動くスピードが早すぎて、何人いるか分からない。
魔法が効かない以外は楽勝かなと高みの見物をしていた。
ブレスを防いでいたミスリルゴーレムがついに溶け始めた。
やばいな牽制の魔法使いに被害が出ると戦線が崩壊する。
今までのドラゴンの攻撃でブレスを吐く時に首を大きくもたげるのが分かった。
加速砲をブレス吐く前の高さに合わせて調整する。
これで駄目だったら、逃げよう。
今だ。
貫通弾を加速砲に入れる。
砲弾はミルミル加速し見事頭を粉砕した。
楽勝だな。
Aランクパーティがいればこそだったとしても、飛べないようにすればドラゴンも倒せると言うことが分かったのが収穫だ。
ギルドの前では俺達の帰りを首を長くして待つハンターが大勢集まっていた。
Aランクパーティのリーダーが討伐成功を大声で叫ぶ。
ハンターは熱狂し俺に握手求めてきたり肩を叩いたり最後はもみくちゃにされた。
ギルドの中に入るとカウンターの中のギルドマスターが手招きをする。
仕方ないので近寄ると首に腕を回され。
最初に一言、良くやったと。
次に今度ゆっくり手口について話してもらうぞと言われる。
筋力強化のアビリティを発動し腕を振りほどき、意地でも喋らんぞと決意を硬くした。
報酬を受け取り意気揚々と家に帰る。
「ただいま」
目を潤ませた顔で出迎えるフィオレラ。
「おかえりなさい、シロクさん、今度から家ではシロクさんと呼ぶ事にしました」
残り二人いつも通りだ。
「おかえり」
「貴君は悪運が強いな」
「フィオレラ、呼び方ぐらいは狩の最中でも好きに呼んで構わない」
「ならシロクさんに統一します」
「これからどうしよう、報酬を貰って懐が暖かいのでみんなで外食なんてどうだ」
「いきましょうシロクさん」
「タダ飯は最強だ」
「今日ぐらいは生還を祝ってやろう」
こうして、波乱の一日は終わった。
「おはよごす」
二人の間に微妙な空気が流れている気がする。
思い切って聞きたい事をぶっちゃけるとしよう。
「なぁもしパーティ抜けたいと考えているのだったら、早めに言ってくれ」
少し憤慨した様子のローレッタ。
「それはで出で行けって事だが」
怒ったと思ったら、今度は悲しそうな顔になる。
残りたいのかはっきり聞くべきだ。
「いや残りたいのだったら、いつまでも居てくれて構わない」
「恩も返してねですし、こなったら責任取って誰かい人紹介してけ」
立ち直りが早いなローレッタ。誰か適当な人いたか。
「責任も何も、まあ考えとく」
「おはよう諸君」
ビオンダさんが話しかけてきた。
「おはようございます」
「おはよごす」
「なにやら取り込み中みたいだが」
微妙な空気を感じ取った様子だ。
ただの脳筋ツンデレではないのだな。
「いいんです。それで何か?」
「昨晩遅く教会から密書が来てな。どうやら任務は継続らしい。無限魔力は町中では使うなというお達しだ」
「町中という事は外では使って良いという事ですか?」
町の外ならスキルが暴走しても良いだなんて俺達に勝手に死ねと言ってるか。
教会への印象が悪くなった。
「神から賜ったスキルを教会が制限するのはけしからんという考えだ。上も何を考えているやら」
「町中は暴発の危険が責任持てないから禁止すると相当疎まれていますねビオンダさん」
無表情なビオンダさん。
表情からは心を窺うことはできない。
俺が想像するに腸が煮えくり返っているのだろう。
どこかで鬱憤が晴らせる機会があればいいな。
「死んでもいいと思われているらしい」
「町の外でもなるべく使いません。危険は避けたいですから、命の危機にはしょうがないですけど」
「私も命は惜しい。くれぐれも慎重に行動してくれ」
「分かりました」
ハンターギルドでBランク昇格の手続きをする。
それから俺達四人パーティはオーガの領域で狩りを行った。
ローレッタとビオンダさんは銃の扱いに慣れ、強敵でなければ俺の出番は無い程になる。
出番が来ても魔力ゴーレムの敵はいない。
五日ほど経った時、ギルドに緊急の知らせが舞い込んだ。
なんとドラゴンが町に向かっているらしい。
逃げ出す事も考えなくては思っていたところ詳細が分かった。
ドラゴンはワイバーンの卵を狙って巣に突撃したらしい。
ワイバーンは四十匹ぐらい居たようでドラゴンは撃退された。
ドラゴン最強生物じゃなかったのか。
数には勝てないのか。
そんなものか。
ドラゴンは翼に怪我を負い飛べなくなり歩いて町に向かっているらしい。
ギルドマスターに呼ばれる。
そろそろお呼びが掛かるのではないかと思っていた。
「よく来たなシロク強制依頼だ」
「ドラゴンですか?」
「そうだ魔法使いだから飛べないドラゴンなどいい様にできるだろ」
「そんな事言われても一人ではなんとも」
「Aランクパーティには召集を掛けて承諾してもらい。魔法使いギルドにも声を掛け。領主からはミスリルゴーレムを出して貰った」
豪華メンバーだな町の存続が掛かっているとなれば当たり前か。
「何をすればいいんですか?」
「ストーンタートルを吹き飛ばした攻撃で援護して欲しい」
ストーンタートル、そうか亀の魔物の事かあの攻撃だと加速砲だな。
「いいですけど、三百メートルは離れていないと」
「隙を狙って後ろから援護してくれ。味方には当てるなよ」
「分かりました。この依頼受けます」
強制依頼だから拒否権はないのだけど、積極性をアピールしておく。
家に帰り依頼の話をする。
「大丈夫だと思うが、もしもの時は遺産の相続はフィオレラに全ていくようにした。ローレッタにも分けてやって欲しい」
「師匠、生きて帰って下さい」
「約束のい人待ってらはんで」
「短い付き合いだった。変人だったが嫌いではなかったぞ」
ビオンダさんが酷いがたぶん別れが辛気臭くならない様に配慮したのだろう。
ビオンダさんなりのジョークだと思いたい。
「殺さないで下さいビオンダさん、それでは行ってくる」
オークの領域に行き言われた配置に付く。
木をなぎ倒し、足音を響かせドラゴンはやって来た。
でかいな十メートルはありそうだ。
翼がボロボロになっていた。
前足と胴体にも傷がある。
三人の魔法使いが攻撃を始め戦いの火蓋が切って落とされた。
魔法は魔力障壁に阻まれた。
やっぱりそうなるか。
ミスリルゴーレムがオリハルコンの大盾を持ちタンク役を務める。
戦士は動くスピードが早すぎて、何人いるか分からない。
魔法が効かない以外は楽勝かなと高みの見物をしていた。
ブレスを防いでいたミスリルゴーレムがついに溶け始めた。
やばいな牽制の魔法使いに被害が出ると戦線が崩壊する。
今までのドラゴンの攻撃でブレスを吐く時に首を大きくもたげるのが分かった。
加速砲をブレス吐く前の高さに合わせて調整する。
これで駄目だったら、逃げよう。
今だ。
貫通弾を加速砲に入れる。
砲弾はミルミル加速し見事頭を粉砕した。
楽勝だな。
Aランクパーティがいればこそだったとしても、飛べないようにすればドラゴンも倒せると言うことが分かったのが収穫だ。
ギルドの前では俺達の帰りを首を長くして待つハンターが大勢集まっていた。
Aランクパーティのリーダーが討伐成功を大声で叫ぶ。
ハンターは熱狂し俺に握手求めてきたり肩を叩いたり最後はもみくちゃにされた。
ギルドの中に入るとカウンターの中のギルドマスターが手招きをする。
仕方ないので近寄ると首に腕を回され。
最初に一言、良くやったと。
次に今度ゆっくり手口について話してもらうぞと言われる。
筋力強化のアビリティを発動し腕を振りほどき、意地でも喋らんぞと決意を硬くした。
報酬を受け取り意気揚々と家に帰る。
「ただいま」
目を潤ませた顔で出迎えるフィオレラ。
「おかえりなさい、シロクさん、今度から家ではシロクさんと呼ぶ事にしました」
残り二人いつも通りだ。
「おかえり」
「貴君は悪運が強いな」
「フィオレラ、呼び方ぐらいは狩の最中でも好きに呼んで構わない」
「ならシロクさんに統一します」
「これからどうしよう、報酬を貰って懐が暖かいのでみんなで外食なんてどうだ」
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