転生ドラゴンの魔法使い~魔法はガチでプログラムだった~

喰寝丸太

文字の大きさ
36 / 164
第6章 湿原のドラゴン

第36話 ドラゴンの島

しおりを挟む
 かなり奥地に来た。
 この辺りになると、俺の背も立たない。
 泳げるけどね。
 首だけ出して泳いでいるので、みなは俺の首につかまり浮いていた。

 飛んで行けっていう突っ込みはなしだ。
 浮島に俺が乗ると地面が下までない本当に浮いている浮島は沈む。
 最悪、壊れる。
 深くなればなるほど、このタイプの浮島ばかりになる。

 浮島に上陸するとアニーが自分だけ乾燥の魔法を掛ける。
 もちろん魔法を盗んでやった。
 イメージはこんなだ。

char water[500]; /*水500ミリリットル*/
void main(void)
{
 MAGIC *mp; /*魔法定義*/
 mp=magic_make(water,sizeof(water),IMAGEUNDEFINED); /*水を魔法として登録*/
 magic_delete(mp); /*水を消去*/
}

 これ魔力が染みていると他人には効力を発揮しない奴だ。
 駄目元でずぶ濡れの人に同じ魔法を掛ける。
 濡れていた装備品からしたたり落ちる水滴はなくなった。
 しかし、髪の毛は湿っている。
 なぜだ。
 魔力が染みるのは時間が掛かるのかも知れない。
 そして染みたら今度は抜けるのに時間が掛かる。
 接している水はどんどん流れるから、表面しか魔力に染まらないのか。
 なるほど。
 なら、汚れもなんちゃって洗浄で落ちたという事は湿っている水もなんちゃって洗浄で落ちるだろう。
 さっそく実行してみる。
 湿り具合がましになった気がする。

「こんな魔法は知らないぞ。俺にも使えるかな」

 リアムが言った。
 残念だなこれ魔力が凄くいるんだ。

「洗浄と違って臭いが取れてるわ」

 アニーが言った。
 汚れと臭いは違うからな。
 これは洗浄というより水洗いだから。

「僕とっても寒いんだけど」

 ブルブルと震えながらランドが言った。
 みんな寒がっていたので低温ブレスを吐く。
 みなは手の平をブレスに向けて暖をとった。

 体も温まり採取に取り掛かる。
 すると水辺から50センチほどの魚が次々に空中に躍り出て襲って来た。
 剣士は剣で魚を薙ぎ払い魔法使いを守る。
 魔法使いは攻撃魔法で剣士を援護。
 中々連携が取れてるな。
 アニーはナイフを抜いて応戦していた。
 錬金術士の癖に武闘派だな。

 ミニアはというと魔法を連発して迎撃していた。
 俺は筋力強化の魔法をミニアに掛ける。
 魚は魔獣だと思うけど平気みたいだから手を出さないでおくか。

 魔獣を倒すと魔力が上がるのでミニアの成長のためにも雑魚なら任せないとな。
 そして、倒した魚が五十匹を越えた。
 何匹いるんだこいつら。
 魔法使いの面々はみんな魔力切れ近くになったようなので魔法を撃たなくなった。
 ここまでだな。
 ストーンウォールを出してみんなを囲う。
 躍り出た魚は石の壁に阻まれ地面に落ちる。
 地面を跳ねながら水中に戻って行った。
 仕留めた魚をアイテムボックスに入れる。
 食えるのかなこいつら。
 腹が減ったら試しにおやつとして食ってみよう。

 魚の襲撃は終わり、水面に大きな波紋が出来る。
 おっと、大物のお出ましか。
 出てきたのは大蛸の魔獣だ。
 胴体だけで5メートルは越えているな。
 足を入れれば10メートルほどだろうか。

 出会い頭のブレス。
 蛸は絶命した。

「何あれ。石壁の隙間から見えたけど、もの凄いのが居た」

 アニーがうるさい。
 むっ、また何か巨大な物が水中から近づいて来た。
 こいつ俺と同じぐらいあるかも。
 水中から顔を出したところをブレスで仕留めてやろうと待ち構えていると、何やら見覚えのあるシルエットが。
 水中から出した顔を見て思った。
 やっぱり。
 ウィッチじゃねえか。

「奇遇ね」
「おう」

 ウィッチのドラゴン語の挨拶に俺は短く吠え答えた。

「ところでこの場所で狩りはしていないわよね」
「襲い掛かってきたのがいたから迎撃したが」
「ふーん、食ったの」
「いや食ってない」
「なら良いわ」

 俺は縄張りに土足で入り込んだというところだろう。

「アイテムボックスに保管してあるけど、どうする」
「もちろん私にくれるわよね」
「ああ」

 後で食おうと思っていたが、まあいい。
 この大湿原で獲れた魔獣をウィッチに渡す。
 ウィッチは魔法で収納した。
 ミニアに話がついたと伝言魔法を送った。

「何、何が起こっているの」

 パッニックのアニー。

「しー、ドラゴンに食われるわよ」

 リタリーが口に指を当て言った。
 剣士の面々は武器を油断なく構えて固唾を呑んでいる。

「大丈夫。貢いだ」

 一同にほっとした空気が流れた。

「流石ミニアちゃん。ドラゴンを従えているだけあってドラゴンの好みが分かっているわね。それよりあのドラゴンはアイテムボックス使ってた。まさかあれが竜言語魔法」

「知らない」

「せっかくだから私の島へ招待するわ」

 ウィッチがドラゴンの言葉で言った。

「お呼ばれするよ」

 俺はその旨ミニアに魔法で伝えた。

「みんな。ドラゴンの島。行く」
「私、行きたい」

 真っ先に手を上げたのはリタリーだ。

「しゃあねぇな」

 しぶしぶといった感じはグバート。

「僕は行きたくない」
「ガハハ。一生の自慢になるな」
「俺はびびらないぞ」

 と『不壊の鎖』の面々。

「四対一じゃ仕方ないわね。希少な薬草がある事を祈るわ」
「早く。行く」

 一同はドラゴンの住処に向かった。
 その島は一際奥まった所。
 たぶん大湿原の中心だろうにあった。
 木が何本も立っているところから、しっかりと下まで土があるようだ。

 上陸した途端アニーが目の色を変えた。

「オルーナ草じゃないの。こんなに沢山。ねぇ採ってもドラゴン怒らないかな」

「草を採っても良いか」
「草は食べないから良いわよ」

 俺は尋ねウィッチはあっけなく承諾した。
 結果を伝言魔法でミニアに伝えた。

「大丈夫」
「なんで分かるのよ」
「ドラゴン的。意思疎通」
「信じちゃうからね。ぱっくりは嫌よ。ぱっくり行くなら柔らかい子供から」

 そう言ってアニーは薬草をおっかなびっくり摘み始めた。
 目的も達した事だしこれで大湿原から帰れるな。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

神々に見捨てられし者、自力で最強へ

九頭七尾
ファンタジー
三大貴族の一角、アルベール家の長子として生まれた少年、ライズ。だが「祝福の儀」で何の天職も授かることができなかった彼は、『神々に見捨てられた者』と蔑まれ、一族を追放されてしまう。 「天職なし。最高じゃないか」 しかし彼は逆にこの状況を喜んだ。というのも、実はこの世界は、前世で彼がやり込んでいたゲーム【グランドワールド】にそっくりだったのだ。 天職を取得せずにゲームを始める「超ハードモード」こそが最強になれる道だと知るライズは、前世の知識を活かして成り上がっていく。

26番目の王子に転生しました。今生こそは健康に大地を駆け回れる身体に成りたいです。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー。男はずっと我慢の人生を歩んできた。先天的なファロー四徴症という心疾患によって、物心つく前に大手術をしなければいけなかった。手術は成功したものの、術後の遺残症や続発症により厳しい運動制限や生活習慣制限を課せられる人生だった。激しい運動どころか、体育の授業すら見学するしかなかった。大好きな犬や猫を飼いたくても、「人獣共通感染症」や怪我が怖くてペットが飼えなかった。その分勉強に打ち込み、色々な資格を散り、知識も蓄えることはできた。それでも、自分が本当に欲しいものは全て諦めなければいいけない人生だった。だが、気が付けば異世界に転生していた。代償のような異世界の人生を思いっきり楽しもうと考えながら7年の月日が過ぎて……

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

無限の転生~今世でついに人間卒業!? こんな人生こりごりだとは言ったけど、人間辞めたいとは言ってない~

ねむ鯛
ファンタジー
気づいたら人間を辞めていた。 繰り返す転生。訪れない平穏。終わりのない闘争。 そんな人生はこりごりだと言った少女は、なんか気づいたら鳥になっていた。 ……鳥だから人生じゃない? 望み通り? 違う、そうじゃない。 「巨大な魔物がひしめくこんな厳しい大自然で、才能のない私が果たして生き残れるのでしょうか……?」 才がないと自認する少女は、事実としてこれまでの転生で幾度となく敗北を味わっていた。 しかし転生を重ねるたびに着実に強くなっていたようで……?   「まあ、私の能力を使えばなんとかなるでしょう。……あれ? 使えなくなってる……」 「転生なんてこりごりですが、……投げ出して、後悔だけはしたくないから……!!」 これはチート封印、慣れない鳥の姿、弟妹達のじゃれつき、大自然の脅威などなんやかんやに襲われて。 もう転生なんてしたくないと涙目になりつつ、修行し直したり、能力を取り戻したりしながら、今世は絶対幸せに過ごすために頑張って、世界最強への道を駆け上がっていく女の子のお話。 あと出会う人の脳を焼いたりもするよ。 ※見切り発車、不定期更新です。ガールズラブは保険。 たくさん転生してきた女の子のお話です。人外転生、のち人化要素があります。 題名変えました。  (旧旧旧旧題:永劫無尽の魂源輪廻《ウロボロス》)  (旧旧旧題:無限の転生~人外少女は異世界の空を飛ぶ(略)~) (旧旧題:無才少女~今世は人外です~(略)) (旧題【悲報】無限に転生してきた私、遂に人類をやめる【タスケテ】)

処理中です...