96 / 164
第16章 ゴーレムのドラゴン
第96話 ギルド登録
しおりを挟む
ゴーレムで今日はギルド登録に挑戦だ。
人間以外お断りだったら、大人しく辞めるつもりではあるけど。
アクセルちょい踏み。
アクセルと言っても実際はスライドスイッチだけどな。
ハンドルは真っ直ぐ。
これまたスライドスイッチだ。
真ん中をタッチすると真っ直ぐ進む設定になっている。
車の感覚で運転できるようになって、ゴーレムの操作はだいぶ楽になった。
おっと、子供だ。
風魔法のブレーキだ。
ぶわっと風が起きてゴーレムが減速する。
次の改良はクラクションかな。
ライト機能はもう付いている。
ギルドは門の近くにあって、入り口はウエスタンドアだった。
なんか、ならず者が出入りする雰囲気があるな。
鎧の腕でドアを押しのけるとキイと乾いた音を立てた。
奥にはカウンターがあって、手前には幾つも丸テーブルが置かれているようだ。
テーブルには男達が沢山席に着いていて、酒を飲みながら雑談に興じている。
中に居る冒険者の目が一斉にゴーレムの方に向いた。
注目されるような要素なんてないはずだがな。
男が一人席を立った。
男はつかつかと歩いて、目の前で立ち停まる。
「おい、おい。古くせぇ鎧野郎がいるぜ」
男達から失笑が起こる。
「何かおかしいか」
俺は文字を出した。
「喋れねぇのか。おかしいも何も全身鎧なんて着てちゃ、まともに動けるはずないだろ」
「おお、そういう事か。お構いなく」
「そうは行くか」
男は首の隙間である喉仏の所に指を突き入れた。
鎧の急所って訳ね。
「いてぇ。突き指した。こいつの首はどうなってやがる」
金属の関節が入っているが。
「もういいか。気はすんだか」
「勝負だ」
「魔法ありでいいのか」
「いや、魔法はなしだ」
急に弱気になる男。
こいつ魔法は駄目なタイプか。
「魔道具は」
「それもなしだ」
「じゃあ勝負できないな。俺、自体が魔道具だ」
「なんだと」
「疑うなら、面頬を外してみろ。スライムが入っているから」
男はゴーレムの面頬を持ち上げて中を覗き込んだ。
「まじか。スライムが入ってやがる。こいつは噂に聞くゴーレムって奴か。動いているのは初めて見たぜ」
本当だという声とざわめきが上がる。
「俺は登録したいので、もう行く」
受付の前に立ち。
「冒険者になりたい」
そう文字を出した。
「ゴーレムの登録はやった事がないので分かりません」
「ゴーレムを操っているのは人間だ。何か問題でも」
「第一、魔力登録が」
「魔力登録はどうやるんだ」
「魔道具を起動してもらえば登録完了です」
「ふむ、ふむ。試してみて、いいかな」
「試すだけなら」
杖の先に魔石が嵌った魔道具を出してきた。
俺はゴーレムの胸の装甲を外した。
「中央の魔石に接触させてくれ」
杖の先を擬似生命体に接触させる。
俺は魔道具を起動した。
「うそ、ゴーレムが魔道具を起動するなんて」
「俺のゴーレムは古代魔道具に匹敵する性能だと思っている」
「作ったんですか、ゴーレムを。もしかして学園の教授ですか」
「いや、ただの世捨て人だ」
「魔力が登録出来たという事は問題ありません」
受付嬢は紙をカウンターに一枚載せた。
「そうか。悪いがこのゴーレムで文字は書けない。不器用でな」
「ええ、何となく分かります。歩けて、文字が出せて、魔道具を起動できるだけで奇跡です」
「そうか。名前はホムン。特技は魔道具。出身は辺境都市ヤオマク。年齢は分からん。親の顔は見たことがないもんでな。推定だと百歳だな」
受付嬢はスラスラと欄を埋めていく。
「百歳では冒険者は出来ないですよね。それで、ゴーレムなんですね」
「ああ、そんな所だ」
「受付はこれで終わりです。これがFランクのタグです」
俺はタグを受け取ってから、ゴーレムを男達の前に進ませた。
「今日は俺の登録祝いだ。腰のポーチに金貨が入れてある。それで飲んでくれ」
男が腰のポーチを探って金貨三枚を探しあてたようだ。
金貨を仲間達に見せると歓声が幾つも上がった。
「ひゃっほう。爺さん気前いいな。長生きするぜ」
「千年は生きるつもりだ」
「ゴーレムをつくっちまうぐらいだから、千年生きられるかもな」
「ここの冒険者に知り合いはいるか」
「思いつくのは。グバート、リタリー、ミニアぐらいだな」
「グバートは良い奴だな。肝っ玉も太いし、気前も良いし、稼ぎも良い」
「リタリーは美人で少しおっかねぇが、魔法の腕は良いな」
「悪魔のミニアと知り合いなのかよ。すげえな爺さん」
「ミニアは弟子だ」
「悪魔の師匠か。ゴーレムがなくても強いんだろうな」
「おう、ベヒーモス十体ぐらいは倒せる。ところでミニアは何をしたんだ」
「爺さんにくらべりゃ大した事してないぜ。登録に来た時にからかったら、ここにいた男達がえげつないやり方で全員のされた」
あいつ、そんな事を。
お転婆なのは相変わらずだな。
「弟子の詫びの気持ちもある。気兼ねなく飲んでくれ」
「おう」
さて、冒険者登録も無事済んだし、魔獣退治といきますか。
人間以外お断りだったら、大人しく辞めるつもりではあるけど。
アクセルちょい踏み。
アクセルと言っても実際はスライドスイッチだけどな。
ハンドルは真っ直ぐ。
これまたスライドスイッチだ。
真ん中をタッチすると真っ直ぐ進む設定になっている。
車の感覚で運転できるようになって、ゴーレムの操作はだいぶ楽になった。
おっと、子供だ。
風魔法のブレーキだ。
ぶわっと風が起きてゴーレムが減速する。
次の改良はクラクションかな。
ライト機能はもう付いている。
ギルドは門の近くにあって、入り口はウエスタンドアだった。
なんか、ならず者が出入りする雰囲気があるな。
鎧の腕でドアを押しのけるとキイと乾いた音を立てた。
奥にはカウンターがあって、手前には幾つも丸テーブルが置かれているようだ。
テーブルには男達が沢山席に着いていて、酒を飲みながら雑談に興じている。
中に居る冒険者の目が一斉にゴーレムの方に向いた。
注目されるような要素なんてないはずだがな。
男が一人席を立った。
男はつかつかと歩いて、目の前で立ち停まる。
「おい、おい。古くせぇ鎧野郎がいるぜ」
男達から失笑が起こる。
「何かおかしいか」
俺は文字を出した。
「喋れねぇのか。おかしいも何も全身鎧なんて着てちゃ、まともに動けるはずないだろ」
「おお、そういう事か。お構いなく」
「そうは行くか」
男は首の隙間である喉仏の所に指を突き入れた。
鎧の急所って訳ね。
「いてぇ。突き指した。こいつの首はどうなってやがる」
金属の関節が入っているが。
「もういいか。気はすんだか」
「勝負だ」
「魔法ありでいいのか」
「いや、魔法はなしだ」
急に弱気になる男。
こいつ魔法は駄目なタイプか。
「魔道具は」
「それもなしだ」
「じゃあ勝負できないな。俺、自体が魔道具だ」
「なんだと」
「疑うなら、面頬を外してみろ。スライムが入っているから」
男はゴーレムの面頬を持ち上げて中を覗き込んだ。
「まじか。スライムが入ってやがる。こいつは噂に聞くゴーレムって奴か。動いているのは初めて見たぜ」
本当だという声とざわめきが上がる。
「俺は登録したいので、もう行く」
受付の前に立ち。
「冒険者になりたい」
そう文字を出した。
「ゴーレムの登録はやった事がないので分かりません」
「ゴーレムを操っているのは人間だ。何か問題でも」
「第一、魔力登録が」
「魔力登録はどうやるんだ」
「魔道具を起動してもらえば登録完了です」
「ふむ、ふむ。試してみて、いいかな」
「試すだけなら」
杖の先に魔石が嵌った魔道具を出してきた。
俺はゴーレムの胸の装甲を外した。
「中央の魔石に接触させてくれ」
杖の先を擬似生命体に接触させる。
俺は魔道具を起動した。
「うそ、ゴーレムが魔道具を起動するなんて」
「俺のゴーレムは古代魔道具に匹敵する性能だと思っている」
「作ったんですか、ゴーレムを。もしかして学園の教授ですか」
「いや、ただの世捨て人だ」
「魔力が登録出来たという事は問題ありません」
受付嬢は紙をカウンターに一枚載せた。
「そうか。悪いがこのゴーレムで文字は書けない。不器用でな」
「ええ、何となく分かります。歩けて、文字が出せて、魔道具を起動できるだけで奇跡です」
「そうか。名前はホムン。特技は魔道具。出身は辺境都市ヤオマク。年齢は分からん。親の顔は見たことがないもんでな。推定だと百歳だな」
受付嬢はスラスラと欄を埋めていく。
「百歳では冒険者は出来ないですよね。それで、ゴーレムなんですね」
「ああ、そんな所だ」
「受付はこれで終わりです。これがFランクのタグです」
俺はタグを受け取ってから、ゴーレムを男達の前に進ませた。
「今日は俺の登録祝いだ。腰のポーチに金貨が入れてある。それで飲んでくれ」
男が腰のポーチを探って金貨三枚を探しあてたようだ。
金貨を仲間達に見せると歓声が幾つも上がった。
「ひゃっほう。爺さん気前いいな。長生きするぜ」
「千年は生きるつもりだ」
「ゴーレムをつくっちまうぐらいだから、千年生きられるかもな」
「ここの冒険者に知り合いはいるか」
「思いつくのは。グバート、リタリー、ミニアぐらいだな」
「グバートは良い奴だな。肝っ玉も太いし、気前も良いし、稼ぎも良い」
「リタリーは美人で少しおっかねぇが、魔法の腕は良いな」
「悪魔のミニアと知り合いなのかよ。すげえな爺さん」
「ミニアは弟子だ」
「悪魔の師匠か。ゴーレムがなくても強いんだろうな」
「おう、ベヒーモス十体ぐらいは倒せる。ところでミニアは何をしたんだ」
「爺さんにくらべりゃ大した事してないぜ。登録に来た時にからかったら、ここにいた男達がえげつないやり方で全員のされた」
あいつ、そんな事を。
お転婆なのは相変わらずだな。
「弟子の詫びの気持ちもある。気兼ねなく飲んでくれ」
「おう」
さて、冒険者登録も無事済んだし、魔獣退治といきますか。
0
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
知識スキルで異世界らいふ
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ
神々に見捨てられし者、自力で最強へ
九頭七尾
ファンタジー
三大貴族の一角、アルベール家の長子として生まれた少年、ライズ。だが「祝福の儀」で何の天職も授かることができなかった彼は、『神々に見捨てられた者』と蔑まれ、一族を追放されてしまう。
「天職なし。最高じゃないか」
しかし彼は逆にこの状況を喜んだ。というのも、実はこの世界は、前世で彼がやり込んでいたゲーム【グランドワールド】にそっくりだったのだ。
天職を取得せずにゲームを始める「超ハードモード」こそが最強になれる道だと知るライズは、前世の知識を活かして成り上がっていく。
26番目の王子に転生しました。今生こそは健康に大地を駆け回れる身体に成りたいです。
克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー。男はずっと我慢の人生を歩んできた。先天的なファロー四徴症という心疾患によって、物心つく前に大手術をしなければいけなかった。手術は成功したものの、術後の遺残症や続発症により厳しい運動制限や生活習慣制限を課せられる人生だった。激しい運動どころか、体育の授業すら見学するしかなかった。大好きな犬や猫を飼いたくても、「人獣共通感染症」や怪我が怖くてペットが飼えなかった。その分勉強に打ち込み、色々な資格を散り、知識も蓄えることはできた。それでも、自分が本当に欲しいものは全て諦めなければいいけない人生だった。だが、気が付けば異世界に転生していた。代償のような異世界の人生を思いっきり楽しもうと考えながら7年の月日が過ぎて……
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
無限の転生~今世でついに人間卒業!? こんな人生こりごりだとは言ったけど、人間辞めたいとは言ってない~
ねむ鯛
ファンタジー
気づいたら人間を辞めていた。
繰り返す転生。訪れない平穏。終わりのない闘争。
そんな人生はこりごりだと言った少女は、なんか気づいたら鳥になっていた。
……鳥だから人生じゃない? 望み通り? 違う、そうじゃない。
「巨大な魔物がひしめくこんな厳しい大自然で、才能のない私が果たして生き残れるのでしょうか……?」
才がないと自認する少女は、事実としてこれまでの転生で幾度となく敗北を味わっていた。
しかし転生を重ねるたびに着実に強くなっていたようで……?
「まあ、私の能力を使えばなんとかなるでしょう。……あれ? 使えなくなってる……」
「転生なんてこりごりですが、……投げ出して、後悔だけはしたくないから……!!」
これはチート封印、慣れない鳥の姿、弟妹達のじゃれつき、大自然の脅威などなんやかんやに襲われて。
もう転生なんてしたくないと涙目になりつつ、修行し直したり、能力を取り戻したりしながら、今世は絶対幸せに過ごすために頑張って、世界最強への道を駆け上がっていく女の子のお話。
あと出会う人の脳を焼いたりもするよ。
※見切り発車、不定期更新です。ガールズラブは保険。
たくさん転生してきた女の子のお話です。人外転生、のち人化要素があります。
題名変えました。
(旧旧旧旧題:永劫無尽の魂源輪廻《ウロボロス》)
(旧旧旧題:無限の転生~人外少女は異世界の空を飛ぶ(略)~)
(旧旧題:無才少女~今世は人外です~(略))
(旧題【悲報】無限に転生してきた私、遂に人類をやめる【タスケテ】)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる