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第20章 暗闘のドラゴン
第117話 闇の者VS闇の者
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「大変だ。助けてくれ」
「ダッセン、げすを忘れてる」
「それどころじゃないんだ。キャラナが殺されちまう」
「話してみろ。話によっては助けてやる」
俺はゴーレムにそう返事をさせた。
「本家に出頭しろと手紙が来たんだ」
「それだけでは殺されないだろう」
「万能薬の噂が一時期たっただろう。本家の監視している人間がそれを報告したらしい。それで魔石の液体化の秘密が他人に漏れたのが分かってしまった」
「なんでだ。俺はその秘密はもらしてないぞ」
「キャラナが酔って喋ったみたいだ」
「そんな時の為に、液状化した魔石を元に戻す方法を教えたのだがな」
「それが逆効果だったみたいだ。別の組織のスパイになったと勘違いされて、本家に戻ったら処刑すると手紙にあったと言ってた」
「うわ、これは俺の手に余るな。ドラゴンで高飛びはできるが本人はどう言っている」
「どうせ逃げても捕まるから、好きな研究をして死にたいと」
「今回の件は俺も悪い所があるから、守ってやろう」
だけど、永久には守れない。
何か手を考えないと。
リトワースの宰相に暗部の人間をキャラナのボディガードとして寄越してもらうよう頼んだ。
俺もキャラナを守る為に側に侍る事にした。
「よう、悪かったな。余計な事をして」
「悪いだなんて、しょうがないのだ。これも運命なのだ」
「出来るだけ守るよ」
キャラナがポーションを作る側で見守った。
人探しの魔法には怪しい人物は今の所、掛かっていない。
今日は来ないかなと思っていた。
一日が終わりキャラナは下宿に引き上げたので、俺はドアの前で寝ずの番をする事に。
辺りも寝静まった頃、争う物音が部屋の中からした。
俺はドアをぶち破り中に入ると、窓は破られていてそこから入ったのだと分かった。
部屋の中央で黒いボロを纏った人物が舞っている。
よく観察すると時折、金属音と火花が散っているのが分かる。
ああ、リトワースの暗部と戦っているのだな。
キャラナを探すとベッドの陰で蹲って震えていた。
「よりによってリトワースと手を組んだとはな」
「そういうお前は黒襤褸衆だろ」
暗部同士の会話が始まった。
会話の最中でも攻撃の手は止まらない。
黒襤褸衆がポーションを飲む。
手に火球が生まれる。
いかん、俺がアンチマジックの魔道具を作動させると、火球はしぼむように消えた。
「リトワースの手の者も中々やる」
ここで援護に最適な魔道具はなんだろう。
俺はある魔道具を作動させた。
その魔法イメージがこれだ。
char intestinal_bacteria[100]; /*腸内細菌*/
void main(void)
{
MAGIC *mp; /*魔法定義*/
int i;
mp=magic_make(intestinal_bacteria,sizeof(intestinal_bacteria),IMAGEUNDEFINED); /*腸内細菌を魔法に*/
for(i=0;i<100;i++){
intestinal_bacteria[i]=POISON; /*腸内細菌を毒に*/
}
magic_trans(mp); /*現象に変換*/
}
腸内細菌を毒に変える魔法だ。
腸を意味する『ニミカイトカニミチリ』は錬金術のレシピにその魔法語があった。
バクテリアを意味する『コチソカイスニチ』は肥料を作る魔法にその単語があった。
それらを組み合わせて魔法語を作ったところ成功。
実に凶悪な魔法に仕上がった。
しかし、この魔法魔獣には今ひとつ効かない。
魔獣は毒でも何でも食べるからだ。
黒襤褸衆にはと言うと動きが鈍って暗部の人間に討ち取られた。
耐毒の訓練も受けているらしい、普通なら魔法が発動した時点で死んでいる。
「キャラナ、ミニアの所に逃げよう。ここだと近所に迷惑が掛かる」
「分かったのだ」
キャラナは身の回りの物を鞄に詰め始めた。
暗部の人間は姿を現す事無く死んだ黒襤褸衆を担ぐと消えて行った。
「ミニア、起きてくれ。キャラナを泊めてほしい」
学園内にあるミニアの借り家の扉を叩いた。
寝ぼけ眼を擦りながらミニアが出てきた。
「入って」
「世話になるのだ」
「俺は外で警備しているよ」
「うん、気をつけて」
「この身体はゴーレムだと分かっているだろう」
「でも師匠がやられるのは嫌なの」
「そうか頑張ってみるよ」
長い夜になりそうだ。
「ダッセン、げすを忘れてる」
「それどころじゃないんだ。キャラナが殺されちまう」
「話してみろ。話によっては助けてやる」
俺はゴーレムにそう返事をさせた。
「本家に出頭しろと手紙が来たんだ」
「それだけでは殺されないだろう」
「万能薬の噂が一時期たっただろう。本家の監視している人間がそれを報告したらしい。それで魔石の液体化の秘密が他人に漏れたのが分かってしまった」
「なんでだ。俺はその秘密はもらしてないぞ」
「キャラナが酔って喋ったみたいだ」
「そんな時の為に、液状化した魔石を元に戻す方法を教えたのだがな」
「それが逆効果だったみたいだ。別の組織のスパイになったと勘違いされて、本家に戻ったら処刑すると手紙にあったと言ってた」
「うわ、これは俺の手に余るな。ドラゴンで高飛びはできるが本人はどう言っている」
「どうせ逃げても捕まるから、好きな研究をして死にたいと」
「今回の件は俺も悪い所があるから、守ってやろう」
だけど、永久には守れない。
何か手を考えないと。
リトワースの宰相に暗部の人間をキャラナのボディガードとして寄越してもらうよう頼んだ。
俺もキャラナを守る為に側に侍る事にした。
「よう、悪かったな。余計な事をして」
「悪いだなんて、しょうがないのだ。これも運命なのだ」
「出来るだけ守るよ」
キャラナがポーションを作る側で見守った。
人探しの魔法には怪しい人物は今の所、掛かっていない。
今日は来ないかなと思っていた。
一日が終わりキャラナは下宿に引き上げたので、俺はドアの前で寝ずの番をする事に。
辺りも寝静まった頃、争う物音が部屋の中からした。
俺はドアをぶち破り中に入ると、窓は破られていてそこから入ったのだと分かった。
部屋の中央で黒いボロを纏った人物が舞っている。
よく観察すると時折、金属音と火花が散っているのが分かる。
ああ、リトワースの暗部と戦っているのだな。
キャラナを探すとベッドの陰で蹲って震えていた。
「よりによってリトワースと手を組んだとはな」
「そういうお前は黒襤褸衆だろ」
暗部同士の会話が始まった。
会話の最中でも攻撃の手は止まらない。
黒襤褸衆がポーションを飲む。
手に火球が生まれる。
いかん、俺がアンチマジックの魔道具を作動させると、火球はしぼむように消えた。
「リトワースの手の者も中々やる」
ここで援護に最適な魔道具はなんだろう。
俺はある魔道具を作動させた。
その魔法イメージがこれだ。
char intestinal_bacteria[100]; /*腸内細菌*/
void main(void)
{
MAGIC *mp; /*魔法定義*/
int i;
mp=magic_make(intestinal_bacteria,sizeof(intestinal_bacteria),IMAGEUNDEFINED); /*腸内細菌を魔法に*/
for(i=0;i<100;i++){
intestinal_bacteria[i]=POISON; /*腸内細菌を毒に*/
}
magic_trans(mp); /*現象に変換*/
}
腸内細菌を毒に変える魔法だ。
腸を意味する『ニミカイトカニミチリ』は錬金術のレシピにその魔法語があった。
バクテリアを意味する『コチソカイスニチ』は肥料を作る魔法にその単語があった。
それらを組み合わせて魔法語を作ったところ成功。
実に凶悪な魔法に仕上がった。
しかし、この魔法魔獣には今ひとつ効かない。
魔獣は毒でも何でも食べるからだ。
黒襤褸衆にはと言うと動きが鈍って暗部の人間に討ち取られた。
耐毒の訓練も受けているらしい、普通なら魔法が発動した時点で死んでいる。
「キャラナ、ミニアの所に逃げよう。ここだと近所に迷惑が掛かる」
「分かったのだ」
キャラナは身の回りの物を鞄に詰め始めた。
暗部の人間は姿を現す事無く死んだ黒襤褸衆を担ぐと消えて行った。
「ミニア、起きてくれ。キャラナを泊めてほしい」
学園内にあるミニアの借り家の扉を叩いた。
寝ぼけ眼を擦りながらミニアが出てきた。
「入って」
「世話になるのだ」
「俺は外で警備しているよ」
「うん、気をつけて」
「この身体はゴーレムだと分かっているだろう」
「でも師匠がやられるのは嫌なの」
「そうか頑張ってみるよ」
長い夜になりそうだ。
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